本日紹介いたしますのはこちら、「エクゾスカル零」第3巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。
作者は山口貴由先生。
本作は「山口貴由」のテーマにて紹介をまとめておりますので、よろしければあわせてご覧ください。
さて、荒廃した世界に目覚めた正義失格者達の戦いを描く本作。
九十九猛を撃破した覚悟は、同じ正義失格者でありながら、みずみずしい生気を放つ少女の六花とであいました。
彼女に出会ったことで、この世界に絶望しかけていた覚悟は、再び立ち上がることが出来たのでした。
六花は覚悟にある人物とあって欲しいと語ります。
その人物とは、動地憐。
憐こそ自身を含めたエクゾスカルを身にまとう戦士達を「正義失格者」と呼ぶ男です。
そして彼は世界中の零式特殊武装を集め、恐ろしい計画を実行しようとしているのだとか。
世界がまだ健在だったころは、零式同士の接触を禁じられていました。
それは、複数の零式が集まれば紙すらも操れる「絶対正義」が実行できるからです。
計画の内容までは明かされませんが、とにかくその零式を集めると言う危険な行為を捨て置くことは出来ません。
覚悟もまた憐に会うことを決めたのですが、覚悟たちが向かうより先に、向こうから迎えが来ることになるのです。
彼の決意を表したのか、覚悟は六花に髪の毛を刈り上げてもらっていました。
そこにやってきたのが一機の飛行機。
その飛行機から、3体のよろいが舞い降りてきたのです。
三人の中央に位置している鎧がヘルメットを脱ぐと、その下から出てきたのは少女の顔。
彼女は動地澪。
憐の妹です。
彼女は六花は兄に欠かせない存在である、と六花を蓮の元へと連れて行こうとしているのです。
ですが六花は「覚悟の頭がマジックテープみたい」とピントのはずれた答えで返すのです。
すっかりと二人の関係性が縮まっていることを認識した澪は、覚悟はどうやら首輪をはめられたらしいと侮辱します。
その言葉を敵対の意思の表れと感じたのでしょうか。
覚悟は零を身にまとい、六花には指一本触れさせないと仁王立ちするのでした。
まず襲い掛かってきたのは、「純化零式歩兵」及ばれた二人の鎧の内の一人。
「雹」に身を包んだ零式歩兵がフェイントからの強烈な右ローキックを放ってきました。
そのローキックは強烈無比で、大腿部に当たったにもかかわらず覚悟の脳をゆれさせてしまうほどの威力を持っていました。
ですが覚悟ほどの男がただダメージを負うだけで済ませるはずはありません。
そのローキックの威力のままに体を回転させ、勢いを利用して壮絶な威力の裏拳で反撃したのです!!
その一撃で雹の首は砕け、頭は180度回転!
絶命必死の大ダメージを与えたのです。
しかしその直後、仲間のダメージも気にしていないかのようにもう1人の「霆」に身を包んだ零式歩兵が強襲を仕掛けてきます。
覚悟を後ろから鹿と裸締めに捕らえる零式歩兵。
何とか気道を確保しようと動く覚悟ですが、零式歩兵は霆を膨張させてさらに強烈に締め上げるのです!!
そのピンチに覚悟が撃った手は、背中の噴射口から豪炎を噴射して推進力とする「爆芯」!
強力な噴射力を利用して体勢をひっくり返し、相手の上に馬乗りになるような形になる覚悟!
そしてそのまま推進力の勢いに任せ、零式歩兵の顔面に肘をぶち込んだのです!!
雹は頚椎の完全な破壊、霆は頭蓋骨を深く陥没した上に眼球破裂。
死んでいる甲斐ないかはわかりませんが、少なくとも戦闘不能に陥っているはずのダメージです。
ところがどうしたことでしょう。
彼らはあっさりと立ち上がり、まるで何の打撃も受けていないかのように平然としているではないですか!!
なんと純化零式歩兵は改造手術により、いかなるダメージもたちどころに再生してしまう、不死身の兵なのです!!
対して覚悟は今の闘争で大きくはないものの疲弊しています。
戦えば戦うほど、覚悟だけが消耗していく。
このままではいかに覚悟と言えど、待っているのは敗北と言えるでしょう……
そこで立ち上がったのが六花です!
木偶人形達は六花が凍りつかせる!
そう言って闘志を滾らせる六花ですが……
なんと六花は憐によって変身するためのエクゾスカルチップを奪われてしまっていたのです!
生身でも勝てると吹く六花ですが、もちろん雹や霆が生身に勝てるほど甘い相手ではないのです。
果たして六花はエクゾスカル「雪」をまとわずして勝利をおさめることができるのでしょうか!!
と言うわけで、覚悟と六花の戦いを描く今巻。
初お披露目となる雪の戦法はもちろんのこと、覚悟の「覚悟のススメ」時代から見られる「肉を切らせて骨を絶つ」を地で行くような戦いを見せてくれるのです!!
その思わず息を呑むような戦いは必見ですよ!!
そして今巻で僅かに語られはじめる憐の人物像も注目したいところ。
覚悟や六花も同じようですが、「他の作品の主人公」といったような人物なのです。
自らを正義失格者といってはいるものの、在りし日の彼の行動は「正義を行う者」と呼ぶにふさわしい堂々たる戦いぶり。
対する覚悟はと言いますと……ここで覚悟に関しての衝撃的な事実が明かされるのです!
この流れが本作の軸になって行きそう。
憐との戦い、六花との交流、そして覚悟自身。
意外な人物の再登場もあり、これからの展開からも眼が離せなそうです!!
現実の世界にある地獄をさまよう、「エクゾスカル零」第3巻は全国書店にて発売中です!
覚悟の戦いにまみれた放浪の旅が描かれる本作。
六花はそんなすさんだ覚悟の心い安息を齎せるのでしょうか?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!