3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです!

本日紹介するのはこちら、「花子と寓話のテラー」です。
角川書店さんの角川コミックス・エースにて刊行されています。

作者はえすのサカエ先生。
2001年にデビューし、その後「花子と寓話のテラー」の連載をスタート。
終了後に連載を開始した「未来日記」で人気を博している若き実力派の漫画家です。

さてこの作品、都市伝説をモチーフにしたアクション物に分類されます。
現実となって襲い掛かってくる都市伝説を主人公である亜想大介(あそう だいすけ)が次々に特殊な能力を使って解決する物語になっています。
主要な登場人物は特殊な能力を生かして探偵と生業とする亜想の他、都市伝説でありながら亜想をサポートする少女、花子(はなこ)……いわゆる「トイレの花子さん」と、亜想に命を助けられたことから彼に惹かれ押し掛けて的に助手になった女性の平沼カナエ(ひらぬま かなえ)がいます。

都市伝説が人に取り付いて「寓話」と呼ばれ牙を剥くという個性的な設定が特徴といえますが、それだけで終わらずに人の葛藤や愛憎劇も描かれた意欲的な作品でもあります。
取り扱っている都市伝説は「ベッドの下の男」「メリーさん」「ピアスの穴と白い糸」などの超メジャーなものから、「人面魚」「口裂け女」などの昔一世を風靡した懐かしのものまで幅広く取り扱っていてバラエティ豊か。
その上どの都市伝説もその特色を上手く取り入れた事件に味付けしてあり、ホラーとしての要素もしっかりと組み込まれています。
アクションシーンも豊富で、臨場感溢れる戦闘シーンがふんだんに盛り込まれていてアクション要素を求める方も安心です!
「トイレの花子さん」として存在している花子の正体や、カナエに隠された自身さえ知らなかった悲しい過去、最後の話では亜想に関する驚きのどんでん返しがあり、淡々と話を進めることのないメリハリあるストーリー展開も見所といえるでしょう!

様々な辛く悲しい過去を乗り越えた後、やってくるハッピーエンドは必見!
都市伝説に興味ある方、ホラー好きな方、霊能(?)バトルが好きな方には安心してオススメできる「花子と寓話のテラー」は全4巻が好評発売中です!
「未来日記」のファンの方もえすの先生の過去作品に触れてみてはいかがでしょうか。
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!

花子と寓話のテラー (1) (角川コミックス・エース)
角川書店
えすの サカエ

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花子さんが好き花子さ ...
可もなく、不可もなく ...
都市伝説漫画「寓話( ...
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なんか「おどろ」「栞と紙魚子」「花子と寓話のテラー」って似たようなジャンルの本一気に紹介しすぎですね俺。
しかも夏ならまだしも秋真っ盛りに……

本日紹介しますのはこちら、「栞と紙魚子」シリーズです。
朝日新聞出版(旧朝日ソノラマ)さんの眠れぬ夜の奇妙な話コミックスにて刊行。
連載はネムキで不定期にされています。

作者は諸星大二郎先生。
諸星先生についての紹介は10月18日の「海神記」の記事を参照してくださいませ。

さてこちらの作品は諸星先生の連載作品としては珍しい、1話完結の基本的に舞台が変わらない物語です。
胃の頭(いのあたま)町という大きな公園のあるどこかで見たような町に住む古本屋の娘、紙魚子(しみこ)とその親友、栞(しおり)が様々な奇妙な事件に遭遇します。
記念すべき第1話「生首事件」などは胃の頭公園にバラバラ死体が捨ててあり、その頭をつい栞が拾って帰ってしまうという恐ろしくも不謹慎なお話。
挙句の果てに紙魚子の自宅である古本屋、宇論堂にあった「生首の正しい飼い方」を参照し、水槽でその生首を飼い始めてしまう(ちゃんとエサも食べるよ!)という奇天烈な展開になり、最終的には親に隠れて買うのが大変になって川に返してしまうというオチでおわります。
……とまぁこんなあらすじからもわかるように、ホラーやオカルティックなお話を面白おかしくいい加減に描かれているのが特長です。

登場人物も個性豊かなんていうものではありません。
奇妙な怪物「ヨグ」をペットにしているやんちゃでおてんば、そして包丁を常に携帯して振り回している少女、クトルーちゃんや、人間を遥かに超越した能力と巨大な顔と芋虫のような体を持つがおっとりしてやさしい(?)クトルーちゃんのママ、そんな妻子を持つ人形のふりをして客を驚かせるのが趣味の小説家の段一知(だん いっち)、その段になぜか惚れて不倫関係に持ち込もうとするがどこか憎めない(?)女流詩人の菱田きとら(ひしだきとら)などなど、どこか……というかとにかくおかしな面々が満載です。

掲載誌がマイナーにもかかわらず今年の1月から「栞と紙魚子の怪奇事件簿」としてドラマ化されるなど、その面白さは保障済みです。
ただ歴史物や伝承物等を書いている諸星先生が好きな方はイメージが崩れるかも……
現在は6巻まで刊行されていますが、それぞれタイトルが違っているので御注意を。
それぞれ相当するのが、
1巻=栞と紙魚子の生首事件
2巻=栞と紙魚子と青い馬
3巻=栞と紙魚子 殺戮詩集
4巻=栞と紙魚子と夜の魚
5巻=栞と紙魚子 何かが街にやって来る
6巻=栞と紙魚子の百物語
です。
1巻から読んだところで主人公の紹介みたいな導入は一切ありませんので読み始める巻にはそれほどこだわらなくてもいいのですが、やはり順序よく読んだほうが順を追って登場キャラが増えていくぶん面白いことは言うまでもありません!

秋の夜長にぴったりな、ホラーなのにちっとも怖くない「栞と紙魚子」シリーズは好評発売中です。
文庫版も何冊か出ているようなのでそちらで買うのもアリではないでしょうか。
さぁ、今すぐ本屋さんに急ぎましょう!

栞と紙魚子の百物語 (眠れぬ夜の奇妙な話コミックス)
朝日新聞出版
諸星 大二郎

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面白いに決まってるじ ...
今後も期待したい!こ ...
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本日紹介するのはこちら、「ヨメイロちょいす」第1巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスにて刊行。
チャンピオンREDいちごで連載されていましたが、2008年12月号よりチャンピオンREDにその場を移しています。

作者はtenkla(てんくら)先生。
えー、表紙折り返しの作者の自己紹介(?)文によれば、フィンランド出身、オアフ島在住、現役ぢょしこおせえ、無乳、将来の夢はお嫁さん、乙女回路はショート寸前……らしいです。原文ママ!
成年向け漫画で活躍している土居坂崎先生と同一人物という風の噂がありますが、その真実は謎に包まれたままです……多分。

さてこちらの作品、一言で言えば作者さんの脳みその具合を心配したくなる漫画です。
ジャンルで言えばハーレム漫画といえるのですが、そんな一言では終わりません。
チャンピオンREDって自称少年誌なんですが、少年に見せられないものばかり載っていることで有名ですよね?
そんななかでもひときわ目立つイカれぶりです!!
物語は気が弱くて優柔不断で女性に対して鈍感極まりない主人公のもとに突然空から幼女が降ってくるところから始まります。
彼女は主人公とその幼馴染との間に生まれた娘で、自分が生まれてくる未来が不確定になったから確定させる為にやってきた、とのこと。
つまり彼女が未来からはるばるやってきた目的は「主人公と幼馴染に子作りをさせる」ことなのです!!
勿論概念としての(恋人にするとか結婚させるとかの)子作りではなく、ものすごーくリアルな意味での「子作り」を!
……これなんてエロゲ?
いいえ、恐ろしいことに少年漫画なんです!
あげくのはてに従姉妹との間にできた子やクラスの学級委員長の間にできた子まで登場。
それぞれの未来の子供たちが時として自身が体を張って、またあるときは自らの母となる人物を焚きつけて、ありとあらゆる手段を持って「子作り」させようとするわけで。
くるってる……くるってるよ!!
この作者さんは勿論のこと、これを平気で増刊に載せた上本誌に移籍させるチャンピオンREDはくるってるよ!!
まぁ乳首券なんて当然のように発行されますし、それ以上のものもへっちゃらに出してくる漫画なのですが、さすがに直接的なアレはないので安心です!……安心なのか?
そんなこんなで直接的なソレはなく、もうなんと言いますか毎回ドタバタの末に寸止めで終わる作品になっております!
このへんがギリギリ少年誌なんですね。流石だぜ。流石だぜ秋田書店さん!!!
でも少年誌で平気で「くぱぁ」は止めた方がいいんじゃないでしょうかっ!!

そんなこんなで秋田書店さんではかつて「オヤマ!菊之助」が切り開いていた少年誌ギリギリの表現をさらにもう2歩くらい進めてしまったといっても過言ではない「ヨメイロちょいす」は本日発売です!
あ、「どみなのド!」も1歩進めたと思います!
少年誌限界突破漫画を貴方もその目でチェックだ!!
今すぐ本屋さんに急ぎましょう!!近所の本屋さんには1冊しか入ってなかったぜ!!
一応表紙貼っときます!!普通の萌え漫画っぽいです!表紙は!
画像




ちなみに連載前作者さんがいただいたお題というのが
「微エロハーレムラブコメ+発狂ギャグ禁止+こっぱずかしく!」
だそうな。
……それでこれができるのか……すげぇ、すげぇよ土居tenkla先生!!

それにしてもいちごってこれより凄い漫画あるらしいですよね……
恐ろしすぎるぜ秋田書店……

本日紹介いたしますのはこちら、「おどろ~陽子と田ノ中の百鬼行事件簿~」です。
講談社さんの少年マガジンコミックスより全4巻が刊行されています。

作者はタイトルに挙げたように木々津克久先生。
先日紹介した「フランケン・ふらん」の作者さんで、現在はふらんと同時に「ヘレンesp」も同時連載している上り調子の要注目漫画家です。
この作品は木々津先生のデビュー作となります。

さて「おどろ」ですが、2001年~2003年にかけてマガジンSPECIALで連載されていました。
地方の伝承をメインに、学校の怪談や都市伝説といったものを取り扱ういわゆる怪奇事件解決物です。
諸星大二郎先生を知っている方なら「妖怪ハンター」をかなり現代的にした感じ、といえばわかるでしょうか。
主役級のキャラクターは3人。
まず全ての事件のきっかけとなる能力に突然目覚めてしまう少女、近藤陽子(こんどう ようこ)。
彼女が17歳の誕生日に突然「神箴眼(しんしんがん)」と呼ばれるこの世のものでないものでも見通せる能力に目覚め、怪異に巻き込まれることになります。
彼女がそんな悩みを友人に打ち明けていたところ、それを耳にして突然話しかけてきた男がいました。
それが民間伝承などを研究している男、田ノ中京一(たのなか きょういち)です。
霊能的な力は皆無ですが、その深い知識で陽子をサポートしてくれます。
そんな二人に途中から仲間入りする来輪恵(くるわ めぐみ)。
彼女は神社の一人娘で、霊を見ることができる上、協力ではないものの魔を払う力を持っているのです。
そんな3人が各地の伝承を調査したり、突発的な事件に遭遇したりと様々な出来事に巻き込まれていきます。

妖怪ハンターを髣髴とさせる地方伝承を基にした怪奇事件の数々はどれも考え抜かれて掘り下げられており、怖いだけでなく興味深いものばかり。
それに加えて主人公達は明るい女子高生が二人いるということもあり、唯一の男性である田ノ中を巡っての三角関係なんかもあったりしまして、重いだけになりがちな怪奇物に和やかで華やかな彩を添えています。
ヘレンに顕著に現われている「いい話」系もふんだんに盛り込まれており、読後感もさわやかです。
ふらんにあるような木々津先生の黒い部分はほとんどなし!!
グロだったり陰気だったり(趣味的に)病気だったりする描写はありませんよ!
絵柄はさすがに5年以上前ですから今より荒いものがありますが、だんだんと今に近い絵柄になっていく様を見るのも楽しいのではないでしょうか!
はじめて読んだときは「すごい!マガジンっぽい!」と思いました!
なんていいますか、作中からマガジンマンガ独特の雰囲気があったんですよ!
いまはすっかりチャンピオンらしい……もといREDらしいマンガを描いてらっしゃいます!
成長したものですね……いろいろな意味で!

最終回は様々な事柄に決着をつけるわけでなく、いつものような話を展開してサラリと終わらせています。
こういった最終回は批判も多いかもしれませんが、連載を終えてもまだまだこのお話は続いていくんだなぁ、と思わせてくれるこの作品らしい最終回ではないでしょうか。
そんな読後感がさわやかな怪奇事件解決もの、「おどろ~陽子と田ノ中の百鬼行事件簿~」は全4巻が発売中です!
ちょっと入手は難しいかもしれませんが、発行がそれほど極端に昔ではないだけにあるところにはあるはず!
いますぐお近くの古本屋さんとかにダッシュです!!

おどろ 1―陽子と田ノ中の百鬼行事件簿 (1) (少年マガジンコミックス)
講談社
木々津 克久

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怖いけど優しい。この ...
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ちなみにこの作品、4コママンガが書き下ろされています。
その4コマ内で「姪っ子が2歳になった、いずれ自分の作品を読ませたいが読めるようになるまで7~8年はかかる。果たしてそれまで自分は漫画家を続けられているのだろうか?」というようなネタがあります。
……大丈夫そうですね!!木々津先生!!
ただ問題は10歳そこそこの女の子に「ふらん」は読ませられねーよ!!ってことだけです!!!
……そのためにも一刻も早い「ヘレンesp」の単行本化が待たれますな!

本日紹介するのはこちら、「海神記」です。
光文社さんのSIGNAL光文社コミック叢書にて刊行されています。

作者は諸星大二郎先生。
なんと言いますか、有名だけど知らない人も多くいる漫画家です。
1974年、「生物都市」で手塚賞入選を果たしデビュー。
いきなり余談ですが俺は子供のころこれを読んでトラウマになりました。
そしてその後「暗黒神話」などの歴史や神話をモチーフにした作品を多く生み出し、固定ファンを獲得。
「西遊妖猿伝」で第4回手塚治虫文化賞マンガ賞を受賞するなどマンガ界からも高い評価を得ています。
特徴的なのは幅広いストーリー……もそうなのですが、やはりその絵です。
これも……何といいますか……上手くないんです。
上手いか下手かで言えば下手に入ってしまうかもしれません。
しかし上手い下手では図れない独自の雰囲気を持っており、あの毒舌の手塚治虫先生をして「諸星さんの絵だけは真似できない」と言わしめたほど。
メディアミックスも多数されており、「世にも奇妙な物語」で2編ドラマ化されたり、「暗黒神話」がOVA化されたり、「生命の木」を再構成し映画にした「奇談」など3編が映画化されたり、果てはファミコンソフトやCDドラマまで発売されています。
近年では「栞と紙魚子」シリーズが連続TVドラマ化され、「栞と紙魚子の怪奇事件簿」として放送されました。
……デキはアレでしたが。

さてこの「海神記」ですが、第一回がヤングジャンプに掲載されたのはなんと1981年。
いったん連載が終了した後1990年にコミックトムに連載の場を移し、1991年まで連載が続き未完のまま終了。
その後単行本も発売されたのですが、長らく未完のままでした。
そして2007年、A5の大きな版型でカラーページ完備、連載時の扉らしき一枚絵多数収録、妙にいい紙で美麗印刷、3巻だったものを上下巻になおした完全版といえるこの単行本が発売されました。
内容は諸星先生得意の古代史を元にした創作古代人物語。
タイトルどおり海をメインにストーリーは展開します。
海から来た不思議な子をめぐって色々起きる話です!戦争とか!ザックリしすぎですが!!なにぶん未完のままですので!
一冊1905+税円とお高めで、書き足しもあるとなれば当然期待するわけですが……
残念ながらやはり未完のままです。
しかし下巻巻末には「いつか第3部を描きたい」という発言もありますので期待し過ぎない程度に期待しながら待つことにしましょう!

カバーを外した本体もカラー印刷と異様なまでに凝っている「海神記」、長らく入手困難となっていたこの作品をしっかり読み直し、いつか来る第3部へと思いを馳せませんか?
だって「西遊妖猿伝」が連載再開するらしいんですよ!
この作品だっていつかきっと再開するはず!!
そのときを待つ前にまず復習です!
そして諸星先生の作品を見たことも無いという人にも……あんまりオススメできないか。「妖怪ハンター」とかの方がとっつきやすいですね……でも、面白いことは確実です!オススメ!!
太古の人間達と海との物語、是非あなたも体験だ!!
今すぐ本屋さんにダッシュです!

海神記 上 (1) (光文社コミック叢書“シグナル” 6)
光文社
諸星 大二郎

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最高です!!全3巻の ...
がっかり・・・。諸星 ...
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