3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

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本日紹介いたしますのはこちら、「月光条例」第17巻です。
小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行、週刊少年サンデーにて連載されています。

作者は藤田和日郎先生。
本作は「藤田和日郎」のテーマにて紹介をまとめておりますので、そちらもあわせてご覧くださいませ。

さて、アラビアンナイトでの戦いも激化の一途をたどる本作。
月光は修行を終え、魔法を引っさげて戦いの場に戻ってきました。
ですがその時、エンゲキブは石化の呪いをかけられてしまっており、月光に触れられていないとどんどん石化が進行して死んでしまうという状況に追い込まれてしまっていたのです!

月光は、エンゲキブが石化仕切る前に全てを終わらせようと飛び立ちました。
その別れ際、月光が帰ってくるまで死なないし石にもならない、と空元気ながら力強い言葉を残してくれたエンゲキブが知りたがっていた、「チルチルが岩崎月光になったわけ」について想い起こします。
たいした話じゃない、と月光は言うその話。
かつてのチルチルが巻き起こした騒動が、一段落したその直後から始まるのです……

「雉も鳴かずば」のお菊も、「マッチ売りの少女」の少女も助けられずじまいで終わってしまったチルチルは、結局誰も救えなかったと涙を零しながら月を眺めていました。
やがてチルチルの体は透明になり、浮き上がり始めます。
これはキャラクターがそれぞれの物語に変える兆候。
気がつけばチルチルは、今まで幾度となく繰り返してきた物語の冒頭シーンへと戻ってきていたのです。
早速、目を覚ました満ちるに第一声を投げかけ、物語を再開しようとしたのですが……
その第一声を発したのは、チルチルではなかったのです!
……いや、チルチルではありました。
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まるで自分そのもののような、もう1人のチルチルがミチルの横に座り、物語を当たり前のように進行し始めたのでした!!

物語が混乱するかもしれない。
そんなためらいと、もしかしたら自分よりもミチルと意気があっているかもしれないそのチルチルの呼吸に、チルチルは見入ってしまいました。
やがて物語は、見事なエンディングを迎えます。
もう1人のチルチルは、チルチルから見ると自分よりもずっと立派に「チルチル」をこなしているように見えました。
そういえば、月打された主人公が物語を離れ、主人公不在のまま5日間がたつと物語りそのものが消滅してしまうはず。
それなのにこの「青い鳥」は消滅していない。
つまりはあのチルチルが主人公をこなしていたから、ということになるのです。
本作の読者ならば、「シンデレラ」のときのように何者かが代役をしていたことが推測できるのですが……
チルチルからすれば、「青い鳥」が愛想をつかして代わりの主人公を立ててしまったのだ、と決め付けてしまいます。
誰も助けられなかっただけでなく、物語の主人公ですらなくなってしまった。
父、母、そしてミチル。
大切な家族さえ自分のものではなくなってしまったような感覚を覚え、チルチルはもはや何も言えず、その場を去っていくしかなかったのです。

そのとき、どこからかあのうちでの小槌をふる音が聞こえてきます。
あのお菊と、マッチ売りの少女がかけた願い。
どうかチルチルが、自分自身をいつかきっと助けられますように……
その願いが、チルチルの体を再び透明に変え、いずこかへと運んでいったのです……

気がつけばそこは、「青い鳥」の世界ではありませんでした。
どうやらここは読み手の世界であるようで。
三日月が照らす、夜の線路の上。
そんなところに佇むチルチルに、1人の男が声をかけてきたのです。
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それは、黒い外套に黒いハットをかぶった物静かな男性。
あの、ランプの中での月光の修行の際に姿を現した男が!!
そして彼はついえらそうにお説教をしてしまうくせから土地の人にこう呼ばれていると言い出します。
「センセイ」、と……!

自然とそのセンセイの下で、読み手の世界の生活を送ることになったチルチル。
チルチルは素直に自分が「青い鳥」のチルチル本人であると告げるのですが、当然そう簡単に信じるはずもありません。
センセイとともに農業に従事するチルチル。
チルチルは貧しいきこりの息子という出生もあり、時としてセンセイにアドバイスをするくらいしっかりと働いています。
そして、チルチルの体は打ち出の小槌の効果でしょうか、明らかな変化が訪れています。
まだ年若い子供であったはずのチルチルが、十数日のうちに筋骨隆々とした少年の姿へと変じていたのです。
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その姿は我々の良く知る岩崎月光そのもの。
チルチルは、センセイが今まであってきたアンデルセンたちと同じような「作者」であることも知ります。
ですがチルチル。、今までのような作者への憎しみはなりを潜めており、なによりこのセンセイは今まであってきたどの作者とも違うムードを持っており。
もはや帰る場所も無いチルチルは、諦めのような感情を瞳に湛えながら、農作業に打ち込む日々を送るのでした。

そんなある日、チルチルの前に露と名乗る女性が姿を現しました。
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美しく、ただひたすらに先生を慕っているらしいその女性。
しかし何よりもチルチルの心をざわつかせるのは、その目でした。
何かに疲れきった、自らの希望を諦めたかのようなそのくらい瞳。
チルチルはその瞳を、どこかで見ているような気がして……
ですがセンセイは、その露が尽くしてくれるあれこれを一切受け入れず袖にするばかり。
夜、露に関してセンセイが何かを語ろうとするのですが、その時に話の腰を折るように来客がやってきます。
その話題の的であった露と……鉢かづきが!!
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鉢かづきとチルチルは以前戦っているわけですが、チルチルの姿が変わっているためか、鉢かづきはまったく気づきません。
それよりも驚くべきことは、センセイが月光条例の執行者であったと言うことです!
執行者の役目を果たすため、きっと役立つとチルチルを帯同させて家を飛び出すセンセイ。
露も手伝うと申し出たのですが、私を手伝ってくれるものはもう見つかった、とセンセイはまたまた袖にするのです!
露は手伝ってくれるものとして指名されたチルチルを、恨みのこもった瞳で睨みつけてきます。
その瞳を見て、チルチルは理解しました。
どこかで見たことがあるその瞳。
そうだ、露は……かつての自分に似ているのだ、と!
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というわけで、センセイとであったチルチル。
前巻で敵のチルチルが言っていた、「読み手のふりをしたキャラクター」だと言うことの意味がわかってきました。
まだまだチルチルが岩崎月光になるにはしばらくの時間がかかりそうですが、何より気になるのは突然姿を現した露の存在でしょう。
謎の多い彼女は何者なのか、そしてセンセイとチルチルにどんなものをもたらすのか?
このセンセイ編のキーパーソンであることは確実のようです!

チルチルが月光に変わるはずのシリーズが開始される、「月光条例」第17巻は好評発売中です!
アラビアンナイト編は一時中断し、過去編が紡がれる本巻。
物語最大の謎であった月光の過去が、徐々に徐々に明かされていくようです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


月光条例 17 (少年サンデーコミックス)
小学館
2012-03-16
小学館

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本日紹介いたしますのはこちら、「えすえぬ家の人々」第2巻です。
エンターブレインさんのファミ通クリアコミックスより刊行、月刊アルカディアにて連載されています。

作者はIKa先生。
本作第1巻の紹介は、11年8月23日の記事にて記載しております。
よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、90年代に一時代を築いたアーケードゲームマシン、MVSを擬人化したねおぢおさんと、そんな彼女のマネージャーを務めるあて菜さんの日常を描く4コマ漫画である本作。
特有のホンワカした空気と、かなりマニアックなネタを混ぜ込んだ、独特の味わいが楽しめるのです!

様々なゲームキャラや、アーケードゲーム用筐体をモチーフにしたキャラたちのキャッキャウフフが楽しい本作。
ですが、主人公のねおぢおさんが四重人格で、両親が他界していることに何か関係があって今のような子どもっぽい彼女になっているらしい……という、意外にハードなドラマも秘められておりまして。
その辺の物語も含め、いろいろな出来事が巻き起こります!

すべてのきっかけは、この大会だったのかもしれません。
突然ねおぢおさんの元へ届けられた一通の手紙。
あて菜さんが開いて中を見てみれば、なんでも格闘大会「ばとるころしあむ」が開催されるので、ねおぢおさんにも出て欲しいと言う招待状でした。
某Rからの招待状じゃありますまいし、何のこっちゃと言った感じのその手紙ですが、その後には衝撃の言葉がつづられていました。
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優勝商品、あて菜さん。
あて菜さんのあずかり知らぬところで、勝手に自分が商品にされていたのです!!
ショックを受け、涙目になるねおぢおさんですが、あて菜さんは慌てず先を読み進めますが、そこには「続きはWEBで」の懐かしい言葉が描かれているばかり。
連絡先を見つけて文句言ってやる!と意気込むあて菜さんはその特設サイトに(アドレス手打ちで)向かうのですが、そのサイトは90年代中~後期あたりによくあったような、手作り感あふれるホームページでした……
しかも訪問者数が11人目と表示されているのがまた哀愁を……
目を皿のようにして探しても、見つかるのは足あと掲示板などの懐かしいかほりの物ばかり。
途方に暮れていると、そこへ一本の電話が鳴り響きます。
応対してくれたねおぢおさんによると、なんでもばとるころしあむの人からだそうで。
あて菜さんが電話を変わってみれば、相手はご丁寧に「お世話になっております」との挨拶から始め、株式会社ばとるころしあむの営業部、坂崎と名乗ってきました。
何から何まで胡散臭いその電話ですが、その坂崎さんは社内では「Mrカラテ」と呼ばれているそうで。
……
なんだか天狗のお面をかぶっている人が黒幕のような予感がギュンギュンしますが……とにかくあて菜さん、安心してマネージャー業に打ち込むためにも、あて菜さんはねおぢおさんに勝ち抜いてもらうことを祈るしかないのでした!!

で、一回戦のお相手はあるふぁさん。
……ついさっきまであて菜さんなんかと一緒にばところのサイトを見ていた、いわば身内の彼女が何故参加しているのか……?
そんな疑問に答える前に、あるふぁさんは連打しているだけでゲームを全クリできそうな必殺技、爆裂究極拳を発動!!
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ねおぢおさんは一撃でやられてしまったのです!!

あるふぁさんはぶっちゃけお金目当てで参加しておりました。
そんな彼女に負けるわけには行かない主役、ねおぢおさんはレア人格クールねおぢおさんに変身して立ち上がるのですが、開きあがる前に再び爆裂究極拳を重ねられ再びノックダウン!
容赦ない彼女にあて菜さんの批判が降りかかるものの、今度はツンデレ人格に交代したねおぢおさん、爆裂究極拳を垂直ジャンプで回避してからのひえんりゅうじんきゃくで逆転KOをおさめるのでした!!

こうなれば後はツンデレねおぢおさんに頑張ってもらうしかないのですが……
なんか2回戦の相手、でこさんにコマに写されていないうちにやられてしまいました!
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このままじゃあて菜さんが……としょぼんと落ち込むねおぢおさんですが、あて菜さんには考えがある様子。
あのMrカラテ、おそらくは自分の力を誇示するためここで優勝を狙うはず。
そこへ自分が乱入して勝てば、うやむやにできるかも……という算段のようです。
ところがどっこい、Mrカラテも2回戦で負けちゃいまして。
どうしたもんか……と考えているうちに、あっという間に大会は進行。
ねおぢおさんの宿命のライバルともいえる、しーぴーしすてむつーさんが優勝してしまったのでした!!

何とかしてすぐ戻ってこようとは思っているものの、一応は筋を通して一旦しーぴーしすてむつーさんのところに行くことにしたあて菜さん。
あて菜さんがいなくなる?
一時的に、と言ってもねおぢおさんにとっては、いなくなると言うその事実だけで思考が停止してしまうほどのショックです。
ねおぢおさんは人が変わったようにしーぴーしすてむつーさんの前に立ちはだかり、いきなり攻撃を仕掛けたではないですか!
その手ごたえに、しーぴーしすてむつーさんはまさか「帰って来た」のか?と興奮をしているようで……!!
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人が変わったような強さを誇るねおぢおさんに、激闘の末敗れるしーぴーしすてむつーさん。
勝利をおさめたねおぢおさんは、寂しそうな顔であて菜さんにこう尋ねるのです。
「パパと……ママは……?」と。
その質問に、黙して首を振ることでしか応えられないあて菜さん。
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その対応で全てを悟ったそのねおぢおさんは、ありがとう、と言い残し……再びもとの子供のようなねおぢおさんに戻ってしまうのでした……

こうして、在りし日のねおぢおさんは一時的に戻ってきて、また戻ってくるのは双頭サキであろう眠りについた……かに見えました。
賑やかなすれ違い親子、ToDoさん親子とあーダーコーダしたその夜、眠いと早々眠りについてしまったねおぢおさん。
そしてねおぢおさんは、そのまま10日間も眠り続けてしまうことに……
やがてねおぢおさんは目を覚ますことになるのですが、その時のあて菜さんには気にかかるあることが脳裏をよぎるのです。
かつて大きな事故に巻き込まれ、両親を失ってしまったねおぢおさん。
唯一助かった彼女は、10日間の眠りについた末、目覚めたときには今のようなねおぢおさんに幼児対抗してしまっていたのです。
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そのときと同じく、10日間の眠りを経て目覚めた彼女。
果たして彼女は、今までのような幼いねおぢおさんなのか、あるいは以前のようなねおぢおさんなのか……
目覚めの一方を聞き、慌てて病室に向かったあて菜さんの前にいたねおぢおさんは……!!

というわけで、完結を迎える本作。
いつもの超マニアックなネタをちりばめながら、とぼけた日常を描いていた本作にまっていた、まさかまさかのシリアスな結末!
その衝撃の(?)ラストはあなたの目で確認を!!
もちろんこれらの一連の最終シリーズへの流れ以外の、いつも流れも健在です。
あるふぁさんなどのいつもの面子と海へ行ったり温泉へ行ったりするのんびりした日常から、ブーメランとカラテをあわせたまったく新しい格闘技が炸裂するマニア向けのネタ、読者応募のキャラクターを採用しての一発ネタなど様々収録。
本作と同じアルカディア氏にて連載されていた「迷探偵ねお子&ぢお子」、描き下ろしでお送りする「P.S.すりーさん」とのコラボ漫画、第1巻に引き続き収録の猛者通信の出張版などなど、今回も大充実の内容です!!

キレイに完結を迎えた、「えすえぬ家の人々」最終第2巻は全国書店にて発売中です!
のんびり日常から顔を出したシリアス展開で締めくくられる本作。
第1巻のノリが楽しめた人なら間違いなしに楽しめる1冊になっております!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


えすえぬ家の人々 2巻 (ファミ通クリアコミックス)
エンターブレイン
IKa

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本日紹介いたしますのはこちら、「【完全版】少女奇談 まこら」第4巻です。
アスキー・メディアワークスさんの電撃ジャパンコミックスより刊行、電撃コミックジャパンにて連載されています。

作者は作画が阿部洋一先生。
本作や阿部先生のほか作品は、「阿部洋一」のテーマでまとめておりますので、よろしければあわせてご参照くださいませ。

さて、両親を探すため、父親である妖怪皇の体の一部を求めて旅をするまこらとその三匹のお供の物語を描く本作。
その道中、様々な事件と出会い、同時に妖怪皇の右目から生まれたという「あにら」とも出会います。
ですが謎の「親方様」という敵の存在もあり、その道行きは決して順調ではなく……
はたしてまこらは、両親に会うことができるのでしょうか?

なにやら険しい山を登っているまこら。
山登りには向かない服装で奮闘するまこらですが、そもそもこの山に登っているのは、恒例のねずみの怪しげな商品による手引きゆえでした。
大願山なるこの山、岩ばかりで大変険しいものの、体が岩っぽいものでできているお供のあわせ壁にとってはなんだか地元のように感じるらしく、彼だけはご機嫌です。
そんな時、ドンと言う大音響と地響きが4人を襲います。
そして頂上から立ち上る黒煙。
何かあったんだろうかと、4人は頂上へ急ぐのでした。

たどり着いた頂上。
ねずみから買った情報によれば、そこには御堂があるはずだったのですが、代わりにあったのはぽっかりと口をあけた大きな穴。
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何か爆発でもあったのか、隕石か何かでも落ちたのか?
そんな惨状の中、まこらは転がっている石に何か奇妙なものを感じます。
手にとって、妖怪皇の力を秘める左目をこらしてよく診ると、その石からは妖気のようなものが立ち上っており。
まこらはその妖気の主を探ろうとするのですが、そこに再びあの大音響とゆれが襲い掛かってきたのです!!

徐々に近づいてくる音。
その発生源は、程なくしてまこらたちの前に姿を現しました!
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それは、身の丈数メートルはあろうかと言う巨大な石の人型……ゴーレムです!
ゴーレムは何も言わず、大地を揺らしながらずんずんとまこらたちの方へと近寄っていきます。
そして何も言わないまま、思い切りパンチを振り下ろしました!
そのパンチは、同じ(?)バリバリの肉弾戦タイプであるあわせ壁ががっしり受け止めた、のですが……
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なんとその一撃であわせ壁の体には大きなひび割れが走り、ノックダウンしてしまったのです!
さらにゴーレムは攻め手を緩めず、何発も何発もおもすぎるストンピングを繰り出します。
あわせ壁の体は哀れ粉々に。
流石に我慢できなくなった小袖の手が文字通り飛びかかってパンチをお見舞いするのですが、むしろ仕掛けた小袖の手のほうがダメージを負ってしまうほどゴーレムの体は硬いのです!
逆にゴーレムは、裏拳一撃で小袖の手を岸壁に叩きつけてしまいました!
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たまらず小袖の手もダウン。
一枚布巾もゴーレムの顔に巻きついて攻撃を仕掛けますが、ゴーレムの剛力にかかれば破り取られてしまうのも時間の問題。
一枚布巾はまこらに今のうちに逃げろ、とうなるのが精一杯なのです。

今までにないほどの絶対的な実力差をみせられ、身をすくませるまこら。
すると、まこらを呼ぶ声が聞こえてきます。
その声は、どうやらまこらが先ほど手にしていら石から聞こえてきている様子。
石から立ち上がっているよう気は、おじいさんのような形を作り、まこらに力を貸してくれと頼んできました。
妖怪皇の髪を、という指示のまま、まこらは髪留めに姿を変えている妖怪皇の髪に手を伸ばします。
すると妖怪皇の髪は姿を変え、その石と連結!
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ハンマー投げのハンマーのような形へと変貌したのです!

そしてハンマー投げの要領でそれをゴーレムに投げつけるまこら!
幸いゴーレムは一枚布巾に顔を覆われているため、そのハンマーに気がついてはいません。
直撃直前に一枚布巾を逃れさせ…ハンマーはゴーレムの胸に突き刺さります!!
すると妖怪皇の凄まじい魔力が炸裂し、ゴーレムはばらばらに試算してしまったのでした!!

頭の文字を削ると言う有名なゴーレム退治法を使わず撃退成功したまこらたち。
彼女はその後、石から出てきたおじいさんに、皇の残した宝を守ってくれと言う言葉とともにひとつの鈴を受け取りました。
その一見普通に見える紅い鈴、なんでも「西から来る邪悪な魔」に狙われているそうです。
西から来る邪悪な魔……それは間違いなく、先ほどのゴーレムが関係しているのでしょう!
ゴーレムだけでも強力な敵だったその西から来る魔は、かなりの大人数。
「黒犬のグルッデ」「嘆きの丘のバンシー」「魔骸布ミイラ男」「蛇姫ゴーゴン」「騒動鬼グレムリン」「魔女セーレム」……
そして、彼らのリーダー格らしき牧師のような「吸血鬼」、彼に囚われているような儚げな美少女。
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彼らが求めているこの鈴とは一体何なのでしょうか?
そして、圧倒的力を持っている彼らを相手にまこらたちは鈴を守りきれるのでしょうか?
まだまだまこらたちの道行きには、困難が待ち受けているようです!!


というわけで、まこらたちの前に強敵が現われる今巻。
西洋妖怪軍と戦うなど、またまたゲゲゲな展開を迎えることとなりました!
ですがもちろん本作ならではの味付けがなされていまして、単なるバトルにはなりません。
圧倒的な力を持つ西洋妖怪軍と鈴の争奪戦が始まるわけですが、鍵を握るのは謎の美少女であるようで。
ひょっとしたら彼女もまた妖怪皇の一部分だったりするのかもしれませんし、ねずみやミネコ、あにらあたりの動向も気になるところ。
これからの展開を見守るしかないでしょう!

今巻も独自の雰囲気が楽しめる、「【完全版】少女奇談まこら」第4巻は全国書店にて発売中です!
物語が大きな動きをみせる今巻。
非常に続きが気になるところですが、次巻刊行は13年新春とのこと!!
まだ大分時間があるのは寂しいところですが、ぐっと我慢するしかなさそうです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


完全版 少女奇談まこら④ (電撃ジャパンコミックス ア 1-6)
アスキー・メディアワークス
阿部 洋一

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本日紹介いたしますのはこちら、「地獄恋(じごくれん) LOVE in the HELL」第1巻です。
双葉社さんのアクションコミックスより刊行、WEBコミックハイ!にて連載されています。

作者は鈴丸れいじ先生。
鈴丸先生は、どうやら本作が初の連載および単行本らしい、新鋭の漫画家さんです。

さて、本作は地獄を舞台にした、エロス&バイオレンスラブコメです。
特異な設定が目を惹く作品となっているのです!

自分の部屋で、一人ぼっちで血を流して倒れている男……凛太郎。
酔っ払って転び、打ち所が悪かったのでしょう。
彼は既に絶命していました。
そんな彼を枕元で見つめている男がいました。
といってもその枕元で見ている男も凛太郎なのです。
所謂魂だけになって、自分の冷たくなった体を見下ろす凛太郎。
普通の人ならば大ショックを受けるところかもしれませんが、別にこの世に未練なんて無い、と凛太郎は実にあっさりした態度を取るのです。
そして、罪とか犯したことないし、これからは天国でのんびり暮らそう、などと考えながら昇天して行ったのです。

やがて、目を覚ます凛太郎。
すると彼の耳に一番に飛び込んできたのが、
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「地獄へようこそ」と言う言葉だったのです!!

何故自分が地獄に来てしまっているのか?
まったく事情が理解できない凛太郎は、呆然とその言葉を告げてきた少女を見つめます。
周囲を恐る恐る見回してみれば、いかにもと言った荒地が広がり、見たことの無い怪鳥が空を舞い、三つ首の番犬的な犬がうろつき、そして何よりボコボコと煮え立つマグマのような池がある、どう見ても地獄の光景が拡がっているのです!

で、落ち着いたところで少女は大見得を切り、閻魔大王の命によって、咎人として凛太郎を迎え入れる!と宣言しました、
いろいろ聞きたいことはあるものの、とりあえず凛太郎が今最も気になるのは、今も絶賛全裸中だと言うこと。
少女はすこし考えた後、これを着てください、と凛太郎に何かを手渡してきました。
それはなぜかiPod。
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それを首から股間にぶら下げ、凛太郎の股間の小ぶりなそれをかくすのでした。

少女の名はこより。
にわかには信じられませんが、彼女は新任の「鬼」で、凛太郎がはじめての担当だそうで。
なんだか頼りなさげな彼女、凛太郎もとても恐れる気にはなれず、気軽な感じでその額に生えている角を触っていました。
不思議な感覚だなと言いながらいぢくりまわす凛太郎。
するとどうでしょう。
その角が見る見ると濡れだし、こよりは頬を赤らめて息を荒げたのです!
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これはセクハラだ!と凛太郎に迫るこよりですが、凛太郎は調子に乗って本当にいやらしいものがどんなものか教えてやるぜ!と、こよりにグイグイと迫ります!!
手も触れていないのに、ひとりでに持ち上がってくるiPod……!!
こよりさん、初登場直後にして早くも貞操の危機か!?というところで、こよりの知り合いらしい鬼がその場にやってきたのです!
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こよりの控えめなそれとは違い、大ボリュームのお胸を持つその鬼の名は桃音。
桃音はやってくるなり、こよりに愚痴をいいはじめるのです。
自分の担当する咎人が、ちょっと後ろを向いている間にまた胸を触ろうとしてきた。
イラッとしたから生皮を全部はいでやった、と……!?
そんな怖い冗談言って、とおどける凛太郎ですが、その後ろには
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マジで生皮をはがれ、人体標本のようになっている男がいまして……!!
どうやら彼女達は、疑いようもないくらいガチンコで鬼の様子!
そんな恐ろしい罰を受けているその生皮ズル剥け男、それでもめげずに桃音のオッパイをわしづかみました!!
しばしの静寂の後、桃音は手にした金棒で男の頭を叩き潰し、飛び散った肉片をけだものに食べさせてしまったのでした!!
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目の前で繰り広げられる惨劇に、ここが地獄だと言うことをおしっこ漏らすほど体の髄まで知らされることになった凛太郎。
ですが彼の地獄での生活は、まだ始まってすらいないのです!!

というわけで、地獄での暮らしを描く本作。
この後、本作独自の世界観を紹介していく流れになり、この第1巻では大体の物語の骨組みのようなものを披露する内容となっています。
本作独自の設定として、凛太郎をはじめとした咎人は、この地獄で苦痛を味わうことでその罪をすこしずつ清算して息、その清算具合を地獄の通貨である「怨(えん)」に変えるという物があります。
既に死んでいる凛太郎たちは、どんな大怪我をしても翌日には綺麗さっぱり治癒します。
ですがその時その時の苦痛は生きているときのまま。
痛い思いをしなければ貯金も罪の清算も進まないわけですが、基本的にヘタレな凛太郎の償いは遅々として進まず……
挙句の果てに地獄でも煩悩を追い求める始末なのです!

罪の償いなんかで凛太郎に加えられる激しい突っ込み、地獄と言う苛酷なはずの環境でなぜか展開する脱力ギャグ、忘れた頃披露されるサービスシーン……
そんな要素を肩肘張らず楽しむのが本作の楽しみ方かも知れませんが、それでも本筋も存在しています。
凛太郎が自覚していないながら、確かにあるらしい地獄におちなければならないほどの罪とは?
そして凛太郎がどこかで聞き覚えのあるわらべ歌を歌う、謎の少女……
これらの決着が、凛太郎がこの地獄からの卒業を迎える次期を決定付けるのかもしれません!
そして何より、タイトルが「地獄恋」なのですがら、恋愛要素もあってしかるべきのはず。
今巻ではほとんどその気配を見せておりませんが、きっとこよりと凛太郎がなんかなる……でしょう!!

地獄生活の幕が開く、「地獄恋 LOVE in the HELL」第1巻は全国書店にて発売中です!
バイオレンスとエロスとギャグが共存する本作。
気楽な気持ちで読んで楽しめる作品となっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





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本日紹介いたしますのはこちら、「魔法少女 かずみ☆マギカ ~The innocent malice~」第3巻です。
芳文社さんのまんがタイムKRコミックスより刊行、まんがタイムきららフォワードにて連載されています。

作者は原作は平松正樹先生、作画が天杉貴志先生。
本作の今までの紹介は、「まどか☆マギカ・スピンオフ」のテーマにてまとめております。
よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、プレイアデス聖団に次々と襲い掛かってくる魔法少女を撃退して行った第2巻。
ですがその間にも、人を一時的に魔女に変えるイーブルナッツを埋め込まれたかずみに奇妙な変化が起きたり、プレイアデス聖団が噂どおり本当に魔法少女狩りをしていることがわかったりと、様々な出来事が巻き起こりました。
そして最大の問題は……まだソウルジェムが濁っていないはずの、ニコが突然魔女へと変わってしまったことだったのです!

魔女化するその直前に、このままでは残らず死ぬ、と何かに気がついたニコ。
ですがもはやその時には全てが遅く、彼女は魔女に変貌してしまいました。
すぐさまその場に居たかつての仲間たちに攻撃を仕掛けるニコだった魔女。
プレイアデス聖団の面々は、仲間の予測しなかった突然の変貌に戸惑い、呆然とするばかり。
攻撃が届く直前でバリアをはって身を守るのですが、何人かはそのバリアの範囲内に入ることができません。
範囲外にいたみらいをかかえ、サキはなんとかバリア内に逃れることに成功。
幸いみらいは無傷でしたが、サキの頬からは血がしたたっていました。
その傷を見たみらいは、サキに傷つけやがって!と激怒!!
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その魔女がついさっきまで一緒に戦っていた仲間のニコであることを忘れたかのように、猛然と襲い掛かって行ったのです!

大量の熊のぬいぐるみのようなものを生み出し、魔女の動きを止めたみらい。
そしてそのまま、大きな剣で魔女を真っ二つにしてしまいました。
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魔女は消え、残されたのは血の雨と……ニコの亡骸。
魔女を退けて落ち着いたみらいは、激情に任せてニコを殺めてしまったことに動揺をかくせず。
里美は突然魔女になってしまったニコを見て、死にたくない、魔女になんかなりたくない、と取り乱し。
事態を飲み込みきれない海香は、どうしてこうなるの?と呆然とするのです……

冷たくなったニコの手をにぎり、ニコの名を叫ぶかずみ。
するとどうでしょう、すぐ後ろからもう1人ニコが姿を現すではないですか!!
なんとこの魔女になってしまったニコは、ニコが魔法少女になったときの契約の対価だという、「ニコの予備」なんだそうです!
なぜ大切な対価で自分の予備などを作ったのか?
不可思議なものを感じますが、ニコが生きていたことの喜びのほうがいまのプレイアデス聖団には大きいようで。
そんな喜びのムードの中で、ニコは言うのです。
そろそろ本題に入ろうか、と。

ニコが魔女化するすこし前に一同が決心した、その「本題」。
それは記憶のないかずみに、全てを伝えることでした。
その場所として選ばれたのは、みらいのものだというテディベア博物館、「アンジェリカベアーズ」。
この博物館ができたのも、この名前をつけたのも、かずみの存在あってのことだというのですが……
テディベアが展示されているその地下に向かう一同。
歯車で閉ざされた扉の向こうに広がっていた光景は、驚くべきものでした!
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数十人、あるいはそれ以上はいようかと言う、眠っている少女。
そしてその部屋の中央の魔法陣のようなものの上に置かれている……大量のソウルジェム!
彼女達は全て魔法少女で、中央のソウルジェムは彼女達のもの。
そう、プレイアデス聖団はソウルジェムを奪って、魔法少女とのつながりを絶つ魔法陣の上に保管。
そして、ソウルジェムを失ったことによって動きを止めた魔法少女たちの体をこうして保管していたのでした!!

こうまではっきりとした証拠を見せられては、プレイアデス聖団が魔法少女狩りをしていたという事実は疑いようもありません。
何故こんなことをしているのか?かずみがそんな疑問を持つのは当然のことでしょう。
そこで海香は、ちらりとジュゥべぇの方に視線を送ってから、その質問にこう答えるのです。
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矛盾に満ちた魔法少女システムの否定。

彼女達は、魔法少女のソウルジェムが濁ると魔女になることを知っていました。
そこで、ジェムが濁り魔女への変貌が間近になっている魔法少女を襲撃し、そのソウルジェムを奪って強制的に魔女化を防ぐ作戦を決行。
そしてジェムを完全に浄化し、魔法少女たちを完全に人間に戻す方法を見つけるまで戦い続けることを決意していたのです。
魔女を狩る魔法少女が、いずれ魔女になる。
そんな魔法少女のシステムを、打ち砕くために!

そしてついにそのときはやってきます。
海香はかずみの額に自らの額をあてて……
かずみの記憶を、呼び覚ますときが……!!

というわけで、プレイアデス聖団の目的が明かされた今巻。
ですが、この真実もこれから明かされる真実の前ではほんの些細なものでした。
プレイアデス聖団の一同の過去、ジュウべぇがなぜプレイアデス聖団に協力してくれるのか。
そして、かずみがそもそも何者なのか、という驚愕の真実が明かされ、同時に物語は急展開を迎えることとなるのです!!
いよいよ本格的に「まどか☆マギカ」らしいハードな展開を迎えだした本作。
次々と明かされる衝撃的な真実と、歪んでしまうプレイアデス聖団の関係。
果たして物語はどのような決着を迎えるのか?
このまま進めば、ハッピーなエンドが待っているとは考えづらいわけですが……
こればかりは見守るしかないでしょう!!

そして、ファンには嬉しい原作キャラ、マミさんも本筋とは大きな関係が無いところで登場!
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本作の皆さんの技名がマミさん的センスだった理由が明かされます!!!

更なる衝撃が待ち構える、「魔法少女 かずみ☆マギカ ~The innocent malice~」第3巻は全国書店にて発売中です。
ハードな展開が連続する本作。
物語はクライマックス間近!
第4~5巻あたりで完結となりそうな予感です!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





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