3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです!

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本日紹介いたしますのはこちら、「君に届け」第9巻です。
集英社さんのマーガレット・コミックスより刊行、別冊マーガレットにて連載されています。

作者は椎名軽穂先生。
本作のざっくりとした全体像と第8巻の紹介は08年11月25日の記事にて紹介させていただいております。
よろしければそちらもご覧くださいませ。

さて、第8巻で2年生に進級し、クラス替えがあったものの運良く風早や友人達と同じクラスになることのできた爽子。
しかし新たにクラスメイトになった三浦がなにやら爽子にいろいろと絡もうとしており、風早は焦りを感じて……

と言うところで第9巻。
何とも軽いノリで爽子に話しかける三浦。
彼も悪い人ではないようなのですが、風早と爽子の微妙な関係を知らず無理目な片思いだと決めつけて風早をあきらめさせようとします。
風早にはどうやら好きな子がいるようだよ、と伝えると爽子はまさかそれが自分だとは知らず(三浦も知らんわけですが)ショックを受け涙を流してしまうのです。
爽子の号泣に驚いた三浦は、爽子にはもっとふさわしい相手が見つかる、なんなら自分が爽子とつき合おうかと声をかけました。
そんな状況の中駆けつけた風早。
三浦に爽子が泣かされていると勘違いしてつかみかかります。
泣いているのは三浦のせいではない、むしろ好意で励ましてくれていたとフォローする爽子ですが、ギスギス感は消えません。
なんだかぱっと見修羅場なこの状況ですが、そこに通りがかったクラスメイトは貞子の奪い合いかと冗談めかしてからかいました。
その言葉を受けた風早は
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なんと爽子が好きだとはっきり発言したのでした!!

ついに告白しやがったぜ風早!これで二人の中も進展する……と、そううまくは行きません。
爽子は風早が好きな相手は自分ではない別の人だと思いこんでおり、恋愛としての好きではなく人としての好きだと決めつけて「そんな言い方をしたら誤解される」と発言してしまいます。
いや、心の中では自分のことを好きではないのかと「誤解したくなる」と思っていたのでした。
ですが人の心の中までわかるはずもなく、言葉通りに受け取った風早は「迷惑だったらそういえばいい」と言い残して去ってしまうのでした。

追いかける爽子ですがどう声をかければいいのかわかりません。
想いばかりがこみ上げて涙を流すばかりだったのですが、その姿を見て逆に風早から声をかけてきました。
泣いている理由を聞くのですが、爽子はその心の内を語らずに迷惑をかけて、気を使わせてごめんなさいと言うばかり。
三浦の爽子への気持ちは好意からくるもので、風早の気持ちは迷惑がかかる。
そういう答えを聞いてしまった風早は自分の「好き」と爽子の「好き」は違う、と結論付け、爽子もそれを肯定してしまうのでした。
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何も言わず去っていく風早。
取り残された爽子はその場に泣き崩れます……

今までにないほどはっきり二人に溝ができてしまった今巻。
ですがここからが本作の本領発揮です!
心強い友人達が爽子を力づけます。
安易に風早の本当の気持ちを伝えるのではなく、爽子が風早をどう思っていたのか、また風早はどう思っていたのかを考えさせ、自分自身で解決させるように発破をかける友人達。
ああなんといい友達なんでしょうか。
恋のライバル的存在であった胡桃沢からもキツい物言いではあるものの今まで見ていなかったものを気づかされ、今回の事件の発端だった三浦も相変わらず空気の読めない感じですが応援を受けます。
友人達の叱咤激励を受け、爽子は風早に自分の気持ちをすべて届けようと決意するのでした。
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もうとにかく登場人物すべてがいい人な本作ですが、三浦もやっぱりいい奴でした。
トラブルの原因こそ作ったものの、二人がしっかり向かいきっかけになったわけですし、結果(はまだでてませんが)オーライといえるのではないでしょうか!
爽子と風早、お互い確実に好きあっているというのにすれ違ってしまう心に切ない思いを抱かせてくれる今巻前半から友人達の爽子達に対する深い友情また熱い感情を抱かせてくれる中盤、そして爽子が風早への想いを隠さずに向き合い、その気持ちを伝える決意に至るというまた別の胸にこみ上げるものがある後半。
まるまる一冊、感動しっぱなしの展開です!
こうなればどう考えてもクライマックス!次の展開が気になるところ!!
爽子は今度こそ自分の素直な気持ちを伝えられるのか?それに風早はどう答えるのか?
気になりすぎるこの続きは単行本発売翌日12日発売の雑誌ですぐ読めるというのですから商売上手ですわ集英社さん!!

圧倒的爽やかさで贈る超純愛ラブストーリー、「君に届け」最新第9巻は好評発売中です!
10月6日より日本テレビ系でアニメの放映もスタートし、ゲーム版の発売も予定されているノリノリの本作。
読み始めるならまさに今ではないでしょうか!
いやな人間関係もなく、暴力もエロスもない、どんな人にも薦められる作品ですので未読の方は是非読んでみてください!
そういうバイオレンスなしの作品が好みではない方もだまされたと思って是非!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


君に届け 9 (マーガレットコミックス)
集英社
2009-09-11
椎名 軽穂

ユーザレビュー:
なんだよ健人邪魔する ...
くるみちゃん!!!す ...
すれ違う気持ち陰気な ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「岩戸石太郎の霊石奇譚」です。
講談社さんのKCDXより刊行、マガジンイーノにて連載されています。

作者は古川斉昭先生。
古川先生は06年に同作で月刊少年マガジンの漫画賞に準入選。
マガジングレートに掲載されて好評を得たようで、そのまま08年より本作の連載をスタートさせた新人漫画家です。

本作は悪霊退治モノです。
古くからあるジャンルで、今までも様々な作品が様々な主役を立てて様々な方向からアプローチしてきましたが、この作品は比較的スタンダードな悪霊退治物となっています。
……主人公のキャラ以外は……

ごく普通の女子高生、千里。
彼女は2ヶ月前、付き合っていた彼氏を不幸な事故で失ってしまいます。
何とか立ち直り始めたのですが、奇妙な現象が降りかかってくるようになりました。
振ると何か入っているかのように音が鳴るのに、蓋を開けると何も入っていないというおかしな特徴をもった木箱……それが捨てても捨てても自分の手元に戻ってくると言う怪現象が。
怯える彼女に友人がそういう出来事に詳しい者がいるから相談してみるといいと薦められ、その人物がいるという学校の科学室へと向かいました。
中に入るとずらりと並べられたビーカーが目を引きます。
その中には様々な石が入っているようで、いったい何なのかと近寄ってみると突然後ろに近寄ってくる者が!
彼が教えてもらった相談相手、石太郎でした。
石太郎は千里が手に持っていた箱を見るなりそれが「女怪」という類の悪霊であることを見抜き、あっという間にその箱の中から今まで入っていなかったはずの「石」を取り出しました。
その石がなんなのか気になり千里が詳細を尋ねると、石太郎に左目を隠して右目だけでその意思を見てみろと指示されます。
早速試すと石に取り付いた霊が見えたのです!
石太郎曰く、霊と言うのは土地や人に取り付くのではなく、岩石や鉱物にしがみつく物だと解説。
彼はその霊のついた石をコレクションするのが何よりの生きがいで……
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科学室にずらりと並んだビーカーの石は全てそういった石だったのです!

家に帰った千里はひとまずこれで怪現象が終わると安堵します。
亡くなった彼を思い出し、形見の腕時計を見て物思いにふける千里。
夕食ができたと母に呼ばれ、気のすすまないまま部屋を出るのですが解決したはずの箱が大量に現れたではないですか!
同時に事件の黒幕である悪霊も姿をあらわし
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千里をあの世へと引き込もうと襲い掛かってくるのでした!

悪霊の正体は不慮の死を遂げた千里の彼氏そのもの。
幾度となく現れた木箱は千里の棺おけで、あの世の道連れにしようとしていたのです。
危機一髪といったところで現れたのは石太郎。
彼は千里に女怪よりも強大な霊がついていることに気づき、その霊がついている石をコレクションに加えようとひそかに追ってきていたのでした!
駆けつけたもののそれはもうボッコボコに痛めつけられる石太郎。
ですがダメージなどまるで意に介さず、悪霊の取り付いている石を見つけて手に入れることを考えて部屋をあさりまくります。
ですが部屋にはそんな石など存在せず、とうとう石太郎は悪霊につかまってしまうのでした。
その時千里と悪霊の会話の中から時計に使われている水晶に悪霊がついていると閃いた石太郎。
すると彼の右目が回転して裏返り、「神の目」と言う状態に変化。
そして「神の目」から奇妙な怪物、「蛭子」が姿をあらわし
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霊の力を吸い取って時計へと封印してしまったのです。

本作はこういった特殊な能力を持って悪霊と戦うというスタンダードなストーリー展開がメインです。
と言っても主人公が人助けとか、復讐とか、お金とかと言った良くある目的の為ではなく、純粋に霊の取り付いている石がほしいがために悪霊と戦う、と言った独自の要素もしっかりと存在し、個性をはなっています。
特にやられてもやられてもその後手に入る物ことを考えてニヤニヤしっぱなしの主人公と言うのはほか作品では見られないシーンではないでしょうか!
はたからみればどうみてもドM!!
また、石太郎以外にも霊と戦うことのできるキャラも登場。
石太郎の妹である珊瑚もその1人なのですが、
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……スタンド……いや、ゾンビ屋……いや……とにかく特殊な霊を召還して戦わせます!

一話完結型の展開だった第1巻ですが、第2巻からは何か大きな組織のようなものが動き出す長編シリーズが始動。
石太郎の能力もパワーアップし、ホラーとしての味は薄れたものの激しいスタンドバトル霊能バトルが期待できそうです!

正統派ホラーバトル漫画、「岩戸石太郎の霊石奇譚」は第2巻まで刊行されています。
ホラーとしても能力バトルものとしても楽しめるこの作品、読みやすく誰でも楽しめるものになっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


岩戸石太郎の霊石奇譚 1 (KCデラックス)
講談社
古川 斉昭

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岩戸石太郎の霊石奇譚 2 (KCデラックス)
講談社
古川 斉昭

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本日紹介いたしますのはこちら、「落下傘ナース」です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックス・ウルトラにて刊行されました。

作者は厘のミキ先生。
厘の先生は99年にデビューした後、角川書店さんや一迅社さん等で連載。
主に女性向の作品を描いていらっしゃるようです。

本作はジャンル分けが非常に難しい作品になっています。
作品自体はギャグを交えたコメディとして進むのですが、とにかく流血などのグロテスクな描写が多いだけでなく、登場人物の全てが異常な思考の元に行動する狂気の描写がされているのです。

主人公のチトセは学校で常に小さくなっている、いじめられていると言うほどではないけれども馬鹿にされている……と言うようなポジション。
ですが彼がからかわれたり絡まれたりといったピンチになるとすぐさま幼馴染の少女である文子が駆けつけて助けてくれます。
麗しきかな幼馴染……というような暖かな関係ではないのです。
なんとピンチになるたびチトセは携帯で文子に連絡。
コールを受けた文子はすぐさま駆けつけてからかわれていればフォローし、絡まれていれば乱入して撃退してしまうのです。
そんなこの時点でも異常と言える二人の関係ですが、当人同士はもっと異常な感情でつながっています。
チトセは助けてもらっているにもかかわらず、駆けつけるのが遅いだの、フォローするのにも言葉を選べだのと言うようにとにかく文子をぞんざい極まりない扱いをしているのです。
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まるで自分を物のように扱っているチトセを文子はどう思っているかと言えば……
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現状に満足しているどころか、自身も物として扱われたがっているのです!
チトセは文子なしでは精神の均衡が保てないほど頼り切っており、文子もまたチトセを守ることだけを考えて生きている……異常極まりない共依存関係になっているのでした。

ある日文子はチトセを守る為に大男と喧嘩をし、重傷を負ってしまいます。
そんなことも知らずにいつものように携帯に連絡するチトセですが、連絡がつきません。
やがて文子の倒れている現場にやってきたチトセですが、血まみれになって立ち上がることもできない文子を見てこのまま死んでしまったら自分を守るものがいなくなる、と診療所をやっている自宅へと連れて行くことにしました。
文子を背負って自宅へ向かう途中、少し前に橋の下で飢え死にしそうになっていたところを助けた少女に出会います。
その少女は一目見るなり文子は脳にも損傷があってもう助からない、と言い切るではないですか。
助けてくれと懇願するチトセに少女はあっさりと快諾。
荷物から取り出したナースキャップをかぶると魔法少女のごとく変身し、文子を抱きかかえると
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全身の怪我を自分の体へと移したのです!
彼女の名はアテナといい、人の体の怪我を自らの体に移し、その後更に手持ちの注射器の中に移す、という能力を持つサイボーグナースなのでした。
この事件と出会いをきっかけに二人の運命は大きく変わっていくのです。

その後先ほどの「脳の損傷」が原因となって文子に異変が起こり始めます。
脳に障害が起こり、一番大切に思っていた記憶を失う……チトセのことをなんとも思っていない、「その他大勢」と認識してしまうようになってしまうのです。
そんな彼女の障害を回復することは普通の脳外科医ではとても不可能、そして担当する医療科以外を治す事のできないサイボーグナースには脳を担当するものが存在しない……
ですがただひとつ文子が元に戻る方法があることが判明します。
それはサイボーグナースに改造すること。
患者に奉仕しなければならないと言う制限が生まれますが、今までの文子に戻ることができるのだそうです。
チトセは自分との記憶をなくしたことによって文子が楽しそうに普通の女子高生生活をおくっている事を脳裏によぎらせ、
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改造させることを決意したのでした!

ここからまた物語は大きく展開します。
サイボーグナースとなったことによってチトセへの愛を更に暴走させる文子。
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心を治すナースがもし現れたらチトセのゆがみにゆがんだ自分への依存をも直してしまうかもしれないと考え、恐ろしい行動を取るのです。
更に明かされる今まで説明されていなかった世界背景、チトセに隠された真実。
そして文子がたどり着いた二人がずっといっしょにいるための答えとは。
もはやヤンデレ漫画の一言では片付かない、おぞましいストーリーが紡がれます……

そんなわけで本作は読み進めていけばいくほど薄ら寒くなる作品になっています。
主人公達を含めたありとあらゆる登場人物が狂気に包まれており、コメディであるはずなのに生半可なホラー漫画の数倍の恐怖を堪能できることでしょう。
ヤンデレに萌えることもできないではないのでしょうが、ちょっと俺の萌えの範囲は超えているような気がします!
それを差し置いても狂気に包まれた愛をめぐる精神模様は恐ろしいながらも目を離すことのできない出色の出来。
予想をはるかに越える狂った世界を楽しむのも良いのではないでしょうか!

究極の愛の形の一つが描かれているかもしれない、「落下傘ナース」は全2巻で発売中です。
グロいわ黒いわ、人によっては嫌悪感を感じるであろう本作。
決して万人向け作品ではありませんので、そのあたりを考慮して鬱系ストーリードンとこいの覚悟を持った方のみが読むことをおすすめします!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!覚悟完了した方のみ!


落下傘ナース 1 (ヤングジャンプコミックス)
集英社
厘の ミキ

ユーザレビュー:
ヤンデレも行き過ぎる ...
文子は母親、チトセは ...
こういうのはみたこと ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「ケダモノの唄」です。
少年画報社さんのYKアワーズコミックスより刊行されました。

作者は楠桂先生。
81年に若干15歳でデビューした後、「鬼切丸」「八神くんの家庭の事情」などのヒット作を多数生みだし人気作家の地位を不動の物に。
デビュー30周年を目前にした現在もなお精力的に活動をされ、ファンを楽しませてくださっています。

さて、本作は女子校を舞台にしたサスペンス物。
次々と巻き起こる衝撃の展開は驚きと恐怖の連続を与えてくれるのです!

ある日、乙葉と言う少女が暴行を受ける痛ましい事件が起こりました。
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彼女はショックのためか、犯人の姿を全く思い出せないと証言。
加害者の手がかりなどはいっさいないまま事件は放置されてしまうことになります。
そんな乙葉が立ち直るきっかけとなったのが暴行後の第一発見者である少女、唯でした。
発見時に優しく気遣ってくれた唯を、乙葉は何よりも慕い、心の支えとしたのです。

みるみる立ち直っていった乙葉ですが、唯は事件をこのままにしては置けないと考えます。
おそわれた場所へ再び向かえば犯人の何かを思い出せるかもしれない、そう考えて唯は乙葉とともにおそわれた現場である廃病院へと向かいました。
ですがそこに待っていたの手がかりなどではなく、
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凶刃そのものだったのです!
唯は腹部を7回も刺され、その傷が原因となり失血死してしまうのでした……

唯を失い、絶望した乙葉は屋上から身を乗り出しました。
すんでのところで腕をつかみ、乙葉は命を救われます。
乙葉を救った人物は
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唯に生き写しの人物!
彼女は高知から転校してきた悠と言う少女でした。
悠は何事にも物怖じせずはっきりとした物言いをする少女で、乙葉はその瓜二つな外見もあって唯を重ね合わせて友人関係となるのでした。

そして悠は乙葉を襲い、唯を殺した通り魔を捜すことを宣言します。
実は彼女、実は両親の離婚がきっかけで離ればなれで暮らすことになった唯の双子だったのです。
離れても文通によって交流を持っていた悠は唯の死を知り、敵を討つためにはるばる転校してきたのでした!
事実を知り、復讐などという尋常でない物に巻き込むなと反発をするクラスメート達。
ですが悠の決意は固く、
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邪魔をするなと怒りを露わにするのです。
それによって悠は様々な嫌がらせを受けることに。
ですがへこたれるどころか事件に対しての異常な拒否反応に怪しげな物を感じ、より強い決意で立ち向かうのでした。

その後物語は驚くべき事実が明かされる驚愕の展開を迎えます。
唯が殺害される前にいじめられていたらしいこと、そのいじめグループのメンバーがそれぞれ何か重大な事実を隠し、さらに問題を抱えているらしいこと。
そして驚くしかない殺人犯の正体が判明し、どんどんと事件がはらむ深い闇を露わにします。
頼れる立場でなくてはならないはずの担任教諭は頼れるどころか生徒を憎んでいるようで逆に事態をややこしくしてしまい、いじめグループも悠の登場をきっかけにみるみると壊れていきます。
犯人の正体とは?事件のすべてを作り出すきっかけとなった黒幕とは?謎の真相が明かされるとき、もはやすべてが引き返せないほどに壊れてしまっていることに気づかされるのです

本作はなんといいますか、とにかく重いです。
女子高生が襲われるという導入から、その親友の死、さらに主人公達に降り懸かるいじめ。
挙げ句の果てにほとんどの登場人物が狂気にとらわれ、命を失うか入院してしまうというそれはもう恐ろしい結末が待っています。
物語自体の結末もとてもじゃありませんがハッピーエンドとは言えないフィナーレを迎え、謎はほぼすべて解けたにも関わらず心に大きなもやもやを残したまま完結。
覚悟なくして読むと痛い目を見る作品になっています!
逆に言いますとサイコサスペンス物としては非常にクオリティの高い作品であるわけでして、ずっしり重い心理的恐怖や狂気を堪能したい方には満足のいく作品となっているのではないでしょうか!

めくるめく愛と狂気が襲いくる「ケダモノの唄」は上下巻からなる全2巻で発売中です。
思わず背筋が寒くなる展開の連続に恐怖すべし!
ところでご購入の際は下巻の帯&裏表紙のあらすじに上巻のキモとなる部分のネタバレがありますのでくれぐれもお取り扱いに注意してください!しかもそのあらすじに誤植があります(誤植はまあいいですけど)!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!








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本日紹介いたしますのはこちら、「バチバチ」第1巻です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週間少年チャンピオンにて連載中です。

作者は佐藤タカヒロ先生。
佐藤先生は00年に週間少年チャンピオン新人まんが賞準入選を受賞。
その後04年から同誌にて「いっぽん!」を連載し、14巻を数える人気作となりました。

さて、本作は相撲漫画になります。
とかく少年誌では相撲自体が子供に人気薄で感情移入しにくいせいか、人気作になりづらい相撲漫画。
ですがこの作品は導入から熱い展開が続く、相撲自体にさほど興味がない方でも入り込みやすい作品です。

庄内へやってきた大相撲の地方巡業。
そこで序二段の力士が観客と年齢を問わず相撲を取るイベントを催していました。
序二段、力士の中では下から2番目の格付けでありながら、大学のラグビー部員ですら歯が立たないその強さにファンは憧れや驚きを抱きます。
ですがある1人の人物がその流れを一変しました。
ぶちかましで力士の体制を崩し、張り手一閃!
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瞬殺で勝利を収めてしまいます!
更に勝ちを喜ぶでもなく、「こんな三下相手になるか 横綱つれてこい!!」と強気にもほどがある暴言を吐くではないですか!
その場にいた先ほどの力士が所属する相撲部屋の親方は相手にせず追い払おうとしますが、大暴れ下うえ逃げるのかと挑発する少年に黙ってはいられなくなります。
同時にそこにいた別の相撲部屋の親方、空流が自分が責任を取るからやらせてみろと口添えした為、急遽もう一番の勝負を取ることになりました!

今度の相手は幕下。相撲の格付けでは十両の下、3番目に位置する存在です。
不満をあらわにする少年ですが、空流はその力士は元学生横綱でエリート中のエリート、練習相手を二人も病院送りにした強豪だと説明して納得させます。
妙に少年の肩入れをする空流、その幕下力士のぶちかましだけはまともに受けるな、いなして先ほどの序二段の力士を静めた張り手を放てば勝機はあるとアドバイス。
ですが少年はそのアドバイスなど完全無視!
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「死んで生きたくない」という言葉を残し、土俵に立つのでした。

勝負は始まり、やはり二者は真っ向から激突します。
額から多量の血を噴出し大きくのけぞる少年。
勝負ありと見られましたが、幕下力士はその衝突で意識を飛ばしていました!
踏ん張る少年は再び突進!
ですが流石にダメージは大きくふらつき、必殺のタイミングを逃してしまいます。
意識を取り戻した幕下力士は張り手を連打しますが、少年は食らっても倒れずに張り手を炸裂させました!!
気力だけで放った張り手で力尽き、少年は立ったまま気絶。
勝負ありです。
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勝ったのは少年ですが!!
意識を失う結果にはなったものの、最後に放った執念の張り手で幕下力士に土俵を割らせていたのでした!!

その衝撃の勝負を制した少年の名は鮫島鯉太郎。
最強の名を手に入れ、神に等しい存在である横綱にあと一歩で手の届く場所まで行きながら引退に追い込まれた大関、火竜の実の息子!
鯉太郎は神にならずして死んでいった父の為、相撲界に身を投じることになるのです!
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本作のウリはとにかく真っ直ぐに進みつづける熱いストーリーです。
鯉太郎が持つ父への想いや過去、周囲の支えなどの少年漫画らしい展開が丁寧且つしっかりと熱を持って描かれており、読者を引き込みます。
父親が力士を引退せざるを得ない状況に追い込んだ事件や、そこから待っていた転落、そして死に至らしめた事故。
様々な背景は「死んで生きれるか」という転落後の父の口癖を胸に奮闘を続け、やられてもやられても立ち上がる鯉太郎により深く感情移入させてくれるはずです!
相撲シーンもスピード感と一発一発の重みを感じさせるダイナミックな描写がされており、ビジュアル面でも見所アリですよ!
鯉太郎が世話になる空流の過去や父との関係、何かありそうな父の事件の真相など、鯉太郎の相撲道と言うメインストーリー以外にも今後につながる気になる部分が豊富に用意されており、非常に先が楽しみな作品となっています!

新各界の神になる、「バチバチ」第1巻は本日発売です!
チャンピオンには珍しい癖の少ない熱血少年漫画、ちょいと流血は多いですがその点以外はどなたにでもおすすめできる作品です!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!



ところで、チャンピオンの名作相撲漫画つながりで「らいでん」と言う作品が非常に面白くおすすめです!
本ブログでも09年1月12日09年3月6日の記事にて紹介しておりますので興味が湧きましたら是非一読くださいませ。
宣伝っぽくなってしまってあれなんですが、「らいでん」はガチで名作だと思います!!


バチバチ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
秋田書店
佐藤 タカヒロ

ユーザレビュー:
「死んで生きれるか」 ...
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