本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集　大長編ドラえもん」第4巻です。
小学館さんより刊行されました。

大好評刊行中の本大全集は、「藤子・F・不二雄」のテーマにてまとめておりますので、よろしければそちらもご参照くださいませ。

さて、F先生によって描かれた大長編を収録している本作。
4巻目を数える今巻では、「のび太の日本誕生」「のび太とアニマル惑星（プラネット）」「のび太のドラビアンナイト」の散策が収録されています。

最初に収録されているのは「のび太の日本誕生」。

この作品の部隊は原始時代。
「鉄人兵団」あたりで一周した感のある大長編の舞台、恐竜ネタ第2弾が「竜の騎士」なら、過去ネタ第2弾この「日本誕生」と言えるでしょう！

いつものようにいろんな人に怒られたのび太。
ついに我慢の限界がやってきて、恒例の「家出する」宣言も飛び出しました。
ですが今回の家で、いつものものとはちょっぴり毛色が違います。
一人で生きていくためには何が重要か、それは衣食住である。
だから「キャンピングカプセル」「グルメテーブルかけ」「きせかえカメラ」を貸してくれ！と、ドラえもんに頼りきりの独り立ちをはかったのです！

早速キャンピングカプセルを空き地に立てるのび太。
ですがその空き地からは持ち主に追いだされてしまい、裏山も宅地造成のために利用不可能。
いきなりとんぼ返りしてドラえもんに頼ることになるのでした！

ところがどっこい、ドコでもドアで行った廃村もダム建設で安住の地とはならず……
しまいには地面を作る機械をくれ！と言い出す始末。
家出する場所も無いまま、ドラえもんと喧嘩してとぼとぼ家を出るのび太。
するとその頃、ちょうどジャイスネしずか乃3人も家出したいと家を出てきていたのです！
4人で家出することになるのか？と思いきや、今度は意外にもドラえもんまで家出。
知り合いに頼まれ、野比家でハムスターを預かることになってしまい、ねずみ嫌いのドラえもんは飛び出さざるを得なくなってしまったとのことで。
5人揃って土地を求めて途方にくれていると、意外なことにのび太がいいアイデアを出しました！
今の土地が誰かのものになってしまっているのなら、誰のものにもなっていない時代に行けばいい、と！

喜び勇んで過去の日本に向かうドラえもんたち。
途中、タイムマシンが航行する超空間で「時空乱流」と言う時空が不安定になる現象に出くわしてしまうのですが、なんとか巻きこまれずに済みました。
そしてドラえもんたちは、3万年ほど前のも石器が出土されてことがあるというスネ夫情報から、その倍プラス更に1万年の7万年前の日本にやってきたのでした！

原始時代で、ドラえもんの道具で快適な生活を営む準備をするのび太達。
パラダイス作成が順調に進んだところで、皆はある程度満足して家に帰ることに。
これからもちょくちょく来ようと、その日は解散。
ですがその頃、現代の日本で異常が起こっていたのでした！
なんと、原始時代のいでたちに身を包んだ少年が現われ、のび太の家の押入れに潜んでいたのです！！
どうやらこの少年、先ほどの時空乱流に巻き込まれて現代に来てしまったようで。
なにやら慌てている様子の彼に翻訳こんにゃくを食べさせてみれば、なんと彼の村が「精霊王ギガゾンビ」なる物に襲われ、村人全員が連れ去られてしまったというでは無いですか！
嵐や雷を操ると言うギガゾンビ。
その力は気になる物の、常識的に考えれば呪い士の様な存在でしょう。
とは言え、ギガゾンビがクラヤミ族と言う集団を操って少年の村をめちゃくちゃにしたのは確かです。
こうしてであったのも何かの縁、のび太たちは少年の村の人々を救うことになるのですが……
そのギガゾンビの配下であるツチダマは、正真正銘の粘土細工にもかかわらず、動いてしゃべり、雷や風を操ってくるのです！！
果たしてこのギガゾンビとは何者なのでしょうか！？
原始時代でものび太達は、大事件に巻き込まれてしまうようです！！

と言う感じの「日本誕生」。
本作のキモはやはり謎の敵、ギガゾンビの存在でしょう。
今までの敵は未来の犯罪者や、訪ねた先の悪者というわかりやすいものがほとんどでした。
今回も訪ね先の悪者、と思いきや、原始時代の呪い士では片付けられない強大な力を持っているようです！
思わぬ強敵の登場に加え、恒例のゲストキャラとの友情、物語の舞台での楽しい遊びシーンといったあたりもおさえてある、安定の内容の一編です！

続いては「アニマル惑星」。

こちらは「宇宙小戦争」に続く、異星物第2弾といったところでしょうか。

気がつけばピンクのもやの中でさまよっていたのび太。
ふらついてみればいつの間にか森の中にたどり着きまして、その森の中では動物さんたちが二足歩行してお話なんかをしておりました。
ずいぶんメルヘンチックな夢だなぁとそのときは思ったのですが、その夢の中で拾った植物が確かに現実に存在していたからびっくりです。
のび太は夢じゃないと確信したものの、寝ぼけて摘んできた恐れもあるとその植物を出木杉君に見せてみることに。
するとやはりその植物は図鑑に載っていないもの。
完全な標本があれば大発見かも、とたきつけられ、もし寝ぼけて摘んできたとしたら裏山かなんかだろう！と当初の目的も忘れてのび太は裏山に飛んでいきました。
すると裏山には珍しくママをはじめとした大人たちが集まっています。
なんでもこの裏山がゴルフコースになる計画があるそうで、自然を壊さないよう反対運動をしようと決起しているようです。
のび太もその反対運動には大賛成！
ママの手伝いをしたいのび太ですが、子供一人が増えてもどうにもなりません。
ママに冷たくあしらわれてしまうのでした。

その夜、寝ぼけ眼のままトイレに行ったのび太。
さあ部屋に戻ろうというところで、部屋とは逆方向にピンク色のもやが発生しています！
寝ぼけたままモヤに突っ込もうとするのび太ですが、そこでハッと正気に戻り、その正体を突き止めようとするのび太。
きっちり着替えてモヤに突っ込むと、あの夢の中の森に到着しました！
ですが今回は天気が大荒れ。
風に煽られて吹っ飛ばされてしまうのび太ですが、夜のび太が部屋を出て行ったことに気がついたドラえもんがそっと後をついてきていて、さっと助けてくれたのです！
すると今度はのびたい害にも助けを求めている人影が見つかります。
いえ、人影ではなく……犬影！
おしゃべりして二足歩行の犬が、激流に流されるいかだの上で助けを求めていたのです！！

彼を家に送り届けてみると、その道すがらのアレコレでやはりここは二足歩行して人語を話す動物たちが暮らす、地球外の惑星であるらしいことがわかりました。
それ以外でわかっているのはあのもやが出入り口になっていることくらい。
とりあえず家に変えr問うとするのび太たちですが、あのモヤはもう消えかけているではありませんか！
ジェットモグラでもやの発生するあたりの地面を掘り起こし、なんとか2人が通れるくらいのもやを確保して家に帰った2人。
なんにせよいろいろあった今日、いろいろの疑問をさておいて、二人は眠ってしまうのでした。

翌日、しずかちゃんを誘って動物の星へ行くのび太達。
それをみていたジャイスネは、こっそり後を追ってもやをくぐりました。
ですがタケコプターもなしでうっそうと茂った深い森をくぐるのは難しく、結局ジャイスネはモヤの元にとんぼ返りすることになっちゃいます。
ところが、またまたもやが消えかけているではないですか！
あせったジャイアンはそのモヤが発生しているへんな機械をめちゃくちゃにいじってみます。
するとモヤが吹き出し一安心。
2人はもやをくぐるのですが、なんとその先は地球ではなく、荒廃しきった地獄のような大地が広がっていたのです！
果たしてこの地獄はどこなのでしょう。
ジャイスネがこの奇妙な土地に来たことをきっかけに、楽園と言う言葉がふさわしい動物の星に災難が降りかかることになってしまうのです！
この地獄と動物の星の関係、星に伝わる不思議な昔話。
それらがあらわすのは、この星の衝撃の過去！
そしてのび太たちは、この星の命運をかけた戦いに巻き込まれるのです！！

というわけで、メルヒェンなお話から一転して星の命運をかけた戦いになってしまう本作。
そんなギャップも魅力のひとつですが、本作で引き込まれるのはあろうことかのび太一人で単身敵の懐にもぐりこむことになってしまう展開でしょう！
正直頼りないにも程があるのび太ですが、ある道具によってのび太は意外な活躍を見せることに。
いつもは頼りない、今回も頼りないけど何とかなってしまう、そのハラハラ感に引き込まれてしまうこと必至でしょう！！

最後に収録されているのが「ドラビアンナイト」。

物語モチーフ物としては、「パラレル西遊記」に続く第2弾といえると言えば言えるのですが、「パラレル西遊記」は原作漫画が存在しないため、「魔界大冒険」に続くファンタジー作品第2弾と言うほうがしっくり来るのでしょうか？

最近、のび太のブームは「絵本入り込みぐつ」。
それをはくと絵本の中に入り込むことが出来るようになり、その世界が本物のように感じられるアイテムです。
のび太は例によってしずかを誘って楽しもうとするのですが、ふとした言葉のきっかけにより、しずかではなくジャイスネを連れて行くことになってしまいました。
ですがジャイスネは絵本の中でやりたい放題。
のび太は絵本の外からその様子をあきれながら眺めていたのですが、その時外からしずかの声が聞こえてきました。
しずかはキャンプがあるからと絵本入り込みを断ったわけですが、日付を一日間違えていたそうで。
せっかく一度は誘ってもらったわけですし、その足でのび太のお誘いを受けてみようと考えたようです。
早速スペアポケットをあさり、入りこみぐつをもう2足取り出すのび太。
のび太としずかはピノッキオの絵本に飛び込んだのでした。

2人が楽しみ始めた頃、ジャイスネは絵本から飛び出してきてしまっていました。
絵本なんて先がわかっていていまいち楽しめない、と考えた二人、なんと絵本をばらばらにして適当に積み重ね、先の読めないお話にして楽しもうと言い出したのです！
そうなれば当然今絵本の中にいるのび太としずかにも影響を及ぼします。ピノキオのお話に人魚姫が出てきたり、竜宮城が出てきたり。
めちゃくちゃになったお話にすっかりムードが壊されてしまい、しずかは怒ってさっさと帰ってしまいました。
ジャイスネもまた思い通りにならない話にご立腹して帰ってしまいます。
のび太はめちゃくちゃすぎて面白いとひとり残って楽しむのですが、結局はママにお説教に呼ばれ、早々とお話の世界から出て行くことになってしまったのです。
これで全員もとの世界に。
……と思いきや、実は絵本の世界から出る直前に、しずかだけ空中で空飛ぶじゅうたんに乗った叔父さんとぶつかって落下してしまっていたのです！
その採掘が脱げ、じすかは物語の世界におきざりに……
のび太がその事実に気がついたときには、その絵本はママによってすべて燃やされてしまっていたのです！！
こうなってしまえばもはや、絵本の世界からしずかを救う術はありません。
燃やされる直前に見た「アラビアンナイト」の絵本に、入りこみぐつが片方落ちていたことから、しずかはアラビアンナイトの世界に取り残されてしまっていることだけはわかるのですが……

絶望するしか無いのび太たち。
ですがドラえもんは、アラビアンナイトに登場する人物の中に、実在の人物が二名出ていることに気がつきました。
と言うことは、アラビアンナイトを形作る260の物語の中に、本当のお話があるかもしれないわけで。
当時のアラビアに行けば、もしかしたらアラビアンナイトの世界へのつながりがつかめるかもしれない、と一縷の光明を見出したのです！
藁をもつかむような、いや、もっと頼りない蜘蛛の糸のような希望。
ですがのびたたちはそれに頼るしかありません。
時間旅行社から現地に詳しいガイドのミクジンを雇い、中世アラビアへ。
果たしてのび太たちは、しずかに出会うことが出来るのでしょうか？
身寄りの無いアラビアンナイトの世界に放り込まれたしずかは今、何をやっているのでしょうか？
砂漠の中で針を探すような、かすかな可能性を探る旅が始まります！！

と言う按配の「ドラビアンナイト」。
ストーリー運びには多少強引なところが目立つものの、それでもひきこまれる物語はさすがと言うほかありません！
本作で印象的なのは、他作品以上に活躍を見せるゲストキャラでしょう！
魔法を駆使し、軽い身のこなしや見事な剣術を披露するアラビアンナイトには欠かせないあの人、単なる賑やかしかと思わせて最後の最後に大逆転のきっかけを作ってくれるミクジン、そしてのび太たちだけでなく、本作の様々な人物に危害を加えるザ・悪役のカシムなど、ひときわ輝く存在感を放っているのです！

過去、異星、物語内の三界を股にかけて活躍する、「藤子・F・不二雄大全集　大長編ドラえもん」第4巻は好評発売中です！
どれをとってもハラハラドキドキが堪能できる三編が収録されている今巻。
実はこの三作品、すべてラスボスを倒すのがドラえもんたち以外と言うちょっと面白い共通点もあったりします！
そんなあたりに着目してみるのも面白いかもしれません！
さぁ、本屋さんに急ぎましょう！！

本日紹介いたしますのはこちら、「ボクと魔女の時間」第2巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、ジャンプスクエアにて連載されています。

作者はアラカワシン先生。
本作第1巻は11年9月6日の記事にて紹介しておりますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

さて、とある事件によって体が死んでしまったエンジ。
喫茶店を営む「魔女」、白雨によって脳を移植されて一命を取り留めるのですが、その代償として1億円分仕事の手伝いをすることになってしまったのです。
その仕事とは、なにやら普通じゃない生命体「裏生物（クリス）」がらみのトラブルの解決。
クリスは暴れたり人を襲ったり、いろいろ厄介な事件を起こすのでエンジも大変です。
まぁ、エンジも今の体はクリスなんですが！

白雨にエンジ、超能力を持つ少女のマリ、そしてクリス関係の事件を担当する刑事の芹沢。
その4人が協力し、その日もクリスがらみの事件を解決していました。
その日のクリスは、他の生物に取り付いて悪事を行う寄生虫タイプ。
事件は解決したものの、こういった寄生虫タイプのクリスが起こした事件は今月既に5件目。
いずれも人目をはばからない大胆な事件ばかりで、同一犯の仕業を見て間違いないでしょう！
その大元を断たなければこの事件の解決はありません。
いい加減気合を入れて解決しなければ……といいたいところですが、明日は休みたいとエンジが言い出しました。
どうやら外せない用事があるようなのですが……？

翌日。
エンジは大型ショッピングモールでファンシーなグッズを選んでおりました。
なにかお買い物をしているようですが……偶然その場にマリと、友人の煤竹と出くわしてしまいました。
更にそこへもう一人の友人、内藤まで同行していたからめんどくさいことこの上ありません。
煤竹は何故こんなところに一人できているのかと質問してくるのですが、その質問に答える間もなくそこへ何者かが突っ込んできました！
煤竹に頭からタックルし、マウントポジションを取って凄まじいラッシュを叩き込むその人物。
何を隠そう、エンジの妹シオンです。

なんでも今日はシオンの誕生日プレゼントを買いに来たんだそうですが、いろいろと難航しているんだとか。
シオンの欲しいものは等身大スケールの35万円もするフィギュア。
流石にエンジにはそれを買ってあげられる甲斐性などないのですが、ほかにこれといったものがなく、ウロウロとしていたのです。
いろいろ探し回った結果、みんなでお金を出し合って1万円以上するぬいぐるみを買ってあげることにしました。
これでめでたしめでたしといったところですが、その背後に怪しげな影が蠢いていたことに、そのときは誰も気がついていなかったのです……

せっかくだしとCDなどを見に行くことになった一同。
するとそこに知ってはいるもののそれほど親しい仲ではない同級生を発見しました。
煤竹が声をかけるものの、彼は無視してどこかへいってしまいます。
煤竹は嫌われてるんじゃないか？とエンジたちには茶化されるのですが、彼が無視したのには理由がありました。
なんと彼、そのCD屋さんで万引きして逃げて行ったのです！！

万引き犯と同じ制服を着ていたということは同じ学校の生徒であることは確実。
それなら何か知っているのではないかと言うことで、事務所に連れて行かれることになりました。
やましいことなんてしてはいないものの、やはりこういう状況はドキドキします。
応対した店員は、一応とエンジたちの荷物をあさり始めます。
するとどうでしょう、なぜかシオンのカバンから見覚えの無いCDが出てくるではないですか！

しかも演歌の！！
自分達は無実だとわかっていますし、いざとなれば逃げちゃうことも可能でしょう。
ですがクリスである園児が揉め事を起こすのはまずいとぐっと我慢。
万引きをばらされたくなければと調子に乗っていろいろ命令してくる店員の仕打ちを我慢して耐え続ける一同ですが、シオンに手を上げようとされてはエンジもたまりません。
手は出さないが足を出す、とその店員を思いっきり蹴っ飛ばしてしまったのでした！！


ですがその店員、エンジが思い切り蹴飛ばしたにもかかわらず、平然と起き上がってきたのです！！
この店員、どうやら件の寄生虫に寄生され、持ち主（？）の思うままに操られている様子。

しかもエンジやマリの名前までバッチリ知っていて、どうやらすべて理解した上でエンジ達を片付けようとしているのです！
しかも先ほど万引きした煤竹の知り合いもグルだったようで、エンジが店員の相手をしているうちに白雨を呼びに行こうとしたマリの前に立ち塞がります。
相手の体は罪も無い一般人。
このままぶっ飛ばせば彼らにどんな被害が出るかわかりませんし、一刻も早く白雨の助けが欲しいところ！
ですが、助けを呼びにいけたのは9歳のシオンただ一人。
白雨の喫茶店までは約５キロ。
9歳にとってはあまりにも遠く、白雨の元にたどり着くまでには大分時間がかかってしまうこと必至！
粘れるか……？と思案するエンジですが、それ以前の可能性を完全に失念しております。
9歳と言う年齢のシオンが、

道に迷ってしまうと言う可能性を……！！
このままでは助けはいつまで待ってもきません！
エンジたちはじわじわやられてしまうのか、あるいは覚悟を決めてぶっ飛ばすのか。
道に迷ってしまったシオンはどんな行動に出るのか。
本作らしからぬ、かつて無い危機がやってきてしまったのです！！

というわけで、意外なところでピンチを迎えてしまうエンジ達。
それでもいつもの軽いノリは健在で、しっかり楽しむことが出来ます。
ですがやはり今巻で気になるのは、いきなり登場した寄生虫と、その操り主。
白雨を知っている様子の彼らが、再びなんらかの事件を巻き起こすことは間違いなさそうです！
そしてこの後、エンジのようなクリス人間達が登場します。
なにやら裏のありそうな人から、裏もなく自分を貫き通そうとする人物までいるクリス人間。
彼らの存在もまた、物語を面白くしてくれそうですね！！

軽いノリと意外なバイオレンスが同居する、「ノクと魔女の時間」第2巻は好評発売中です。
ギャグにバトルに萌えと、様々な要素をぶち込んでいる本作。
様々な伏線も張られ、大きな物語の軸も出来つつあり、今後がより楽しみになってまいりました！
伏線は徐々に回収していくのか、まとめて大きな流れにするのか、そのあたりも注目したいところです！！
さぁ、本屋さんに急ぎましょう！！

本日紹介いたしますのはこちら、「ST&RS-スターズ-」第2巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。

作者は原作が竹内良輔先生、漫画がミヨカワ将先生。
本作第1巻の紹介は、11年11月5日の記事にて紹介しております。
よろしければ併せてご覧くださいませ。

さて、14年前に異星人から届いたメッセージに従い、2年後の7月7日に火星で彼らに会う計画を進めることとなった親類。
彼らの残したメッセージどおり、力のある子供を捜し、宇宙学校を開設。
その生徒になるため、子供の頃から宇宙に行くことだけを考えていた少年、真帆は友人のめぐると渡と共に試験を受けることになりました。
狭き門である入学試験に挑む真帆ですが、彼は赤ん坊のころどうもその宇宙人からメッセージを受け取っていたようで。
体力や知力はそこそこながら、特異極まりない空間を把握する力「次元力」を発揮して試験を潜り抜けていくのでした！

その日の食卓に出ていたのはお雑煮でした。
先月から始まっていた訓練もいつの間にやら一週間経過。
毎日がハードそのものですが、付いていくだけでも困難なこの試験、気がつけば残っているのは63名。
真帆やめぐる、渡は残っているだけでもそれなりに凄いと言えるでしょう！
ですがそんな彼らを更なるふるいにかける、次なる試験も間近に迫っていることでしょう。
気を引き締める一同ですが、そんな食卓を騒がす騒動が巻き起こったのです。

食卓を騒がせる怒号を浴びていたのは一人の少年でした。

チーメメイトらしい2人の男に早く食べろ、お前のペースに合わせてたら何も出来ないと頭ごなしに怒鳴られる彼。
交流こそなかったものの、真帆は見覚えがあるようです。
いつも自習室に最後まで残って、勉強に打ち込んでいる彼。
その日もやっぱり自習室に残っていて、宇宙飛行士になりたい気持ちはかなりのものであることがうかがい知れます。
そんな彼と友達になりたいと考えた真帆は彼に話しかけました。
彼の名は土神颯太（つちがみそうた）。
颯太は来年、ロケット打ち上げ場が建設されることが決まった小さな島の出身だそうで。
それで僅かながら知名度が上がったため、加えて颯太が宇宙飛行士になればもっと有名になるはず。
そうなれば大きな病院なんかも出来て便利になる。
彼はいうなれば島の未来を背負ってこの試験を受けていたと言うわけです。
しかし、そんなひたむきな彼とチームを組んだのは先ほど怒鳴りつけていた男達。
颯太を完全に見くびり、チームワークどころか、パシリかストレス解消の対象としか見ていないような彼らと組んだしまったのは不運としか言い様が無いでしょう。
真帆達と話をしていた自習室に彼らが現われ、今日はミーティングやるといっただろう、使えないなと怒鳴り散らしたのでした。
それだけならまだしも、彼らは人命救助をして好成績を獲得した真帆達の姿を見るやこんなことを言い出したのです！

いいこと考えた、次の試験でお前が死に掛けろ、それを俺たちが助ける、と！
もちろん冗談ではあるのでしょうが、颯太を乱暴に扱っている彼らが言うとまったく笑えません。
試験前から颯太の前には暗雲が広がるのでした……

翌日、予想通り試験が行われることになりました。
種目は指定された道順通りに歩いていく、クロスカントリー。
ですがその歩く場所は地球上で最も宇宙空間に近い環境だと言う

水中……湖の底なのです！
もちろんルールはそれだけではありません。
まず、きちんと決められた進路を通っていることがわかるよう、地図に印がつけられた地点に生えている湖底草を採取すること。
そしてもう一つは、広大なフィールドであるこの湖底では隅々まで監視の目が届かないと理由から追加されている、「30秒に一度通信機から問いかけがあり、それに答えなければ即試験終了」と言うものでした！

この試験はゴールまでのタイムを競う個人戦。
ですが混乱を避けるため、チームごとに分かれて15分おきにスタートすることになりました。
おかげで混乱はなく全員が無事スタート。
そんな彼らの様子を見送った学校の試験官、そして校長のフィフィーはこんな予想を立てるのです。
ここまで残った彼らは優秀だが、ほとんどリタイアすることになるだろう、と……

順調に進んでいく真帆達。
道中で無事湖底草も一ヶ所採取。
ガンガン進もうと言うところで、三人は颯太と出会いました。
どうやら彼らのチームは一発逆転を図り、完全個人行動でトップを狙っているようです。
そんな考えなど知らない真帆、協力は禁止されていないと言うことは、別チームと協力してもいいはずだ、だから颯太も一緒にいこう！と誘ったのです。
この競技はマラソンのようなもので、お互いライバルでも自然に集団を作って風除けになったり水を分け合ったりペースを作ったりする、だからこの協力は心強い、と渡も同意。
一同は颯太を加え、意気揚々とレースを続けるのです！

……が、このレースにはもうひとつの隠されたからくりがあったのです。
突然、隊長がおかしくなってくる渡。
歩くどころか、意識すら怪しくなってしまっている、絶不調に陥ってしまいました。
実は各チームに一人ずつ、酸素がすこししか入れられていないボンベが配られていたのです！
渡だけでなく、マルカなどの各チームで続々と体調不良に陥っていく受験者達。
ですが受験者達は15分ずつ離れているわけで、その異常には気がつきようがありません、
そして真帆達のチームでそのボンベを引いたのは、責任感が強く、真面目な渡。

自分が足を引っ張ることは出来ない、と背負い込んでしまい、ちょっと休むから先に行ってくれ、と言い出したのです！！
素直に受け取れば、絶対にチームに一人は失格が出てしまうこのルール。
ですが、そんな運だけで決まってしまう理不尽な試験をこの学校が出すのでしょうか？
そんなことは無いはず！
真帆達は、その正解を探し当てて一人リタイアしようとしている渡を救って全員でゴールすることが出来るのでしょうか！
そして、一位にならなければ合格できないかもと思いつめている颯太のとった行動とは！？

と言うわけで、いよいよ最終試験に挑むことになった真帆。
今まで通り難易度の高い試験となったわけですが、今回は受験者に直接命の危険がついて回る危険度まで高い試験。
今までのように真帆の特殊能力が発揮できるとはなかなか思えないのですが……？
そして、物語はいよいよ新章に！
気になる新キャラ、御闇（みくら）いづみが登場します！

京都弁の引っ込み思案な彼女、どうやら真帆とお近づきになりたい様子。
それも彼女と真帆の間に、何かの共通点があるからのようで。
彼女の登場が物語に大きな変化を齎すことは間違いなさそうです！

目指せ宇宙、「ST&RS」第2巻は全国書店にて発売中です！
困難を乗り越えて新シリーズに突入する今巻。
出番の少なくなるキャラクターもいますが、新キャラも加わって新たな味わいが楽しめそうですよ！
さぁ、本屋さんに急ぎましょう！！