本日紹介いたしますのはこちら、「現代都市妖鬼考 霊媒師いずな ~the spiritual medium~」第10巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスデラックスより刊行されました。
作者は真倉翔、岡野剛両先生。
本作の紹介は「霊媒師いずな」のテーマでまとめておりますので、あわせてご覧くださいませ。
さて、第9巻で玉藻と再会し、霊媒師としてまた一皮向けたいずな。
ですがその直後、いずなは父を殺した怨敵、駄業鬼(だごき)とも再会。
以前よりもパワーアップしているいずなは今度こそ親の仇を討とうとするのですが、駄業鬼もまた新たな力を手に入れていました。
自分の殺した人間の顔や声などを自在に操る能力を……!!
駄業鬼はいずなの父の顔と声色を使い、いずなを惑わします。
どんなに憎い相手でも、愛する父の顔と声色を持っていては攻撃を仕掛けるのは難しいところです。
駄業鬼はいずなを鷲掴みにし、勝ち誇ります。
肉親の情、愛、人間の持つ感情すべてが無駄。
なにより自然の摂理に逆らう人間と言う存在そのものが究極の無駄だ。
無駄なものはすべて排除し、駄業鬼のすむ虚無地獄のような、無駄なものが一切ない世界に変えてやる……
それこそが駄業鬼のねらいです。
そこまで聞いたいずなは、なんとか拘束から逃れ、駄業鬼がいくら人間を滅ぼそうとしたとしてもそう簡単に滅びないと反論を始めようとします。
ところが駄業鬼は人間には致命的な弱点があると言い出しました。
人間は自らを守るために社会と言うものを作り出したが、逆に言えばその中でしか生きられない。
だから社会の構造を維持、発展させようとする人間を操ったり殺したりすれば勝手に滅んでいく、と言う!
そして、いずなの父もそういう存在だったから殺したのだとほくそ笑む駄業鬼。
そのいやらしい笑みを見たいずなはついに怒りが限界を超え、クダを操って攻撃を仕掛けました!
しかし駄業鬼は戦うなど無駄だとあざ笑いながら姿を消してしまったのです……
そもそもの依頼人である、福田を連れて病院にきたいずな。
福田は社長に取り付いてその精神を蝕んでいる駄業鬼を倒せるならなんでもすると協力を惜しまない表明をしてくれました。
いずなからしても駄業鬼は倒さねばならない相手です。
刺し違えてでも倒してやる。
決意を胸に秘め、除霊道具をとりにいったん家に帰ろうとします。
そんな彼女に声をかけてくるものがいました。
玉藻です。
どうやら駄業鬼のもつ「臭い」を敏感に察知し、地獄の鬼と戦えば死ぬぞと忠告しに来た様子。
とはいえいずなもそのあたりは重々承知です。
それでも、自分の乳を殺し、その思い出まで踏みにじった駄業鬼を放っては置けません。
笑いたければ笑え、どうせお前に人間の心なんてわからない。
そう言っていずなは去っていき、玉藻はただいずなの背中を見送るのでした。
いずなはすやすやと眠っているリンにこっそりと万一のときのことを考えてお別れを告げ、決戦の血へと赴きました。
福田さんの説得により、自分を取り戻した社長と、社長の負の気に同調していた駄業鬼の分離に成功。
早速決戦の時がやってきました!
いきなり父の顔を使っていずなの精神を攻撃する駄業鬼。
しかしいずなもそう何度も同じ手でひるむわけもありません。
祖母からもらった秘密兵器を取り出し、一気に勝負に出るのです!!
その秘密兵器とは、
東北地方に伝わる神、オシラサマ!
地方信仰の神とは言え神は神、凄まじい攻撃力で駄業鬼をあっという間に粉砕しました!
いずなは残ったボディに飛び掛って止めを刺そうとしたのですが、駄業鬼の本体は仮面で、体がいくらばらばらになろうとも無傷同然!!
駄業鬼はいずなに凶悪な牙を剥き……!!
というわけで、強大な敵と戦うことになった今巻。
大ピンチを迎えるいずなですが、怨敵である駄業鬼を倒すことは出来るのでしょうか!?
更にこのあと、沙聖のエクソシスト試験や、大阪から来たインチキオカルトグッズ売りの芽明のお話
などを経て、いずなはリンや沙聖、ルナとともに沖縄旅行に行くシリーズが開幕。
沖縄と言うことでやはり期待されるのは水着なんかのお色気シーン。
もちろんその期待は裏切らないわけですが、この土地でまたまた霊能力を持つ女性キャラクターと出会い、そしてたちの悪い敵とも出会うことになってしまうのです!
ちなみに今巻で本作は一応完結。
とは言えそれは連載していた雑誌の休刊に伴い、掲載誌とタイトルを変えて第1巻から仕切りなおしするためのものです。
最終巻だからと言うわけでもないでしょうが、今巻はいずなと怨敵とのシリアスなお話から、ギャグ要素やお色気要素の強い話、新たな霊能力者の登場するお話などなど、幅広いお話が楽しめますよ!!
第一部完結となる、「霊媒師いずな」最終第10巻は全国書店にて発売中です!
最終巻でもバトルシーンでは服が破れるお約束をしっかり守っている本作。
今巻で登場した新キャラクターの再登場や、宿敵、旧作キャラの活躍なんかを新シリーズでも期待したいところですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!