3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです!

本日紹介いたしますのはこちら、「○被警察24時(まるひけいさつにじゅうよじ)」です。
実業之日本社さんのマンサンコミックスにて刊行されています。

作者は小田扉先生。
小田先生の紹介や代表作である「団地ともお」の紹介は8月31日の記事にて取り上げておりますのでお時間ございましたらご覧くださいませ。

さて、こちらの作品はいわゆる日常ギャグ漫画に分類されます。
小田先生の得意とするジャンルと言えますが、中心となるのが警察官であるというのが他作品と一味違うところでしょうか。
ゆるいギャグから不思議な話、シリアスな物語まで幅広く堪能できる懐の深さが魅力の小田先生ですが、こちらでもそれは存分に発揮されています。
今作は特に主要人物の多くに様々な暗い過去が設定されており、更なるギャップを生んでいるのが特長です。
妻子と別れ、一人仕事に生きる赤山、10年前犯罪者に囚われて命の危機に晒された藤、犯罪者が相手であろうと牙を立てることを良しとしなかったために若い相棒を死に追いやってしまった警察犬ホルモン等など、その過去はシリアスそのもの。

前半はそんなドラマなどほとんど感じさせず(たまに挿入されるしんみり系の話でそれを感じさせるのがまたにくいんですが)にギャグがくりひろげられて行きますが、終盤でこのドラマがひとつに集約していきます。
藤を10年前に捕らえた犯罪者、過原が動き出し、赤山と仲間達が大きく広げた罠にかかります。
そこから過原を追い詰める赤山ですが、不意を突かれて捕らえられ命を奪われようという事態になってしまいます。
間一髪で駆けつけた藤とホルモンですが、怒りに狂った過原は凄まじい勢いで襲い掛かって来て……!

いつものゆるくて馬鹿なギャグやほろりと来る話は勿論素晴らしく、まさかのアクションシーンに手に汗握り、やってくる大団円に心温まる感動必死のフィナーレは必見です!
一冊に50話がぎゅっと詰め込まれ、小田先生のエキスがたっぷりと染み込んだ「○被警察24時」は全国書店さんにて発売中です。
小田先生作品を読んだことがない方にこそ薦めたい、奇麗に、そして贅沢にまとめられた素晴らしい作品を是非ご一読いただきたい!
さぁ、本屋さんに急ぐのです!!


被警察24時 (マンサンコミックス)
実業之日本社
小田 扉

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ムボーくん無謀ー設定 ...
どこまでボケる気だ、 ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「亡霊学級」です。
秋田書店さんの秋田文庫にて刊行されています。

作者はつのだじろう先生。
つのだ先生の紹介や「学園七不思議」の紹介は12月2日の記事に掲載しておりますのであわせてご覧になるとモアベターではないかと思います。

こちらの「亡霊学級」は、1973年にチャンピオンに連載された作品で、同時期に連載した「うしろの百太郎」とともに大人気を博しました。
この後に連載した「恐怖新聞」が更なるヒットをとげ、オカルトブームを巻き起こしたきっかけともいえる記念碑的な作品です。

ではどんな話なのか。
全5話にわたって様々な中学校で起こる恐怖の事件を淡々と取り上げていく……とにかくそれだけのお話です。
ほとんどの物語は解決すらせず、ものによっては原因すらわからない。
いつ降りかかるかもわからない、逃げ場のない恐怖をひたすらに紡ぎ続ける様がより恐怖をひきたてるのです!

その中でも当時の読者は勿論、今読んでもトラウマになるのが必死の1編がこちら、第2話の「虫」ではないでしょうか。
青虫と言うあだ名をつけられたいじめられっこの青野がいました。
そんな彼はいつも昼食の弁当を誰にも見られないようにこそこそと食べるおかしな癖があります。
彼を心底嫌っていた山田は青野を問い詰め、とうとうその弁当の中身を見ることに成功しました。
すろとなんと弁当箱の中には生きた青虫がぎっしりとつめられ、蠢いていて……!
驚く山田ですが、青野はかまわず語り始めました。
彼はいじめられていたストレスを解消する為に虫をいじめ殺していた、すると虫のたたりが降りかかってきた、と。
その呪いによって最初はパンの中から一匹の青虫が出てきて、その数はどんどん増えていき、やがて食べ物がすべて青虫に変わってしまったというのです。
関係のないものには見えないその青虫を生きる為にひたすら食べ続けてきたとおぞましい体験を打ち明け終わると、最後に彼は「やがて自分は青虫になってしまうだろう、そしてその青虫をいじめてきた君にも虫のたたりが降りかかるだろう」と呪詛のような言葉を吐いて消えていきました。
そしてなんと青野はそのまま行方不明になってしまうのです。
当初はおびえていた山田ですが、1ヶ月何の変化もない毎日が続いたことにより、くよくよと悩んでいた自分を笑い飛ばして気にしないようにつとめる決心をつけました。
昼休みに弁当を開けるとそこには普通の弁当があるばかり。
笑いながらご飯をつまみ上げると……
そこから、青虫が、這い出してきたのです……

リアルに描かれた青虫のグロテスクな姿に加えてそれを食べると言う吐き気を催すような気持ちの悪い描写、更に伝染するかのように降りかかる理不尽な恐怖。
これを読んで恐怖も嫌悪もしない人物なんていないのではないでしょうか!
……いや、でも青虫好きな人とかもいるからそうは言い切れない……?

表題作「亡霊学級」の他にも「恐怖新聞」の番外編が2編、昭和臭が濃く漂う少年探偵漫画「金色犬」、海に取り残された船上で人が続々と殺され続けるサスペンス「赤い海」が収録されており、様々な作品がこれ一冊で楽しめる豪華使用となっています。
つのだ先生作品の入門書として最適と言えるのがこの一冊かもしれません。
心霊恐怖漫画の原点ともいえるつのだ先生作品、漫画好きならば避けて通るわけにも行きますまい!
……嘘です。
虫とか怖いのが苦手な方はスルー推奨!
それ以外の方は今すぐ本屋さんに急ぎましょう!!


亡霊学級 (秋田文庫)
秋田書店
つのだ じろう

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昭和の匂いが詰まった ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「最後の性本能と水爆戦」です。
ワニマガジン社さんのワニマガジンコミックススペシャルにて刊行されています。
成年向けマークこそ付いていないものの、どう見ても男性成年向け漫画ですのでそこのところを留意しつつご覧になってくださいませ。

作者は道満晴明先生。
先生の紹介や貴重な全年齢向け単行本、「ファントムブレイブ イヴォワール物語」の紹介は11月11日の記事にて触れておりますのでお時間ありましたらどうぞご覧になってくださいませ。

さて、こちらの単行本は基本的にワニマガジン社さんより刊行されているコミック快楽天という雑誌に掲載された先生の短編を多数収録したものです。
なんとその収録数31編。
2005年~2008年にかけての道満先生の作品がガッチリと収録されており、バラエティ豊かな味わいが楽しめます。
先生の可愛らしくもエロスな絵柄は勿論健在。
お話の内容もいつもどおりいい話系から切ない話、うすら恐ろしい話から絶望感が漂う暗いお話、果てはバカ極まりない(褒め言葉です)ギャグまで、道満先生の持ち味が存分に発揮されています。

収録作の中でも最後に収録されている「DOWMAN OF THE DEAD」の出来は特に秀逸です!
タイトルどおりDawn of the Deadのパロディ的作品で、男女がショッピングモールに立てこもるというそのものズバリなお話なのですが、道満先生ならではの調理がなされております。
立てこもり自体はかなりきっちり成功していまして、立てこもった4人は結構余裕な毎日を過ごしていました。
そこに突然謎の声が響き、人類はこの4人だけしか残っていない、お詫びにひとつだけ何でもあげるから心に思い描いてみてくれ、と言う旨を伝えてきます。
4人がそれぞれ願ったものは、大それたものではなく、それぞれの思惑を解き放つきっかけを与える程度のものでした。
一見余裕があるようであった4人も極限状態の中でどこかがおかしくなっていたのでしょう。
歯車が狂ったかのように、事件は起こってしまいます……

終末を感じさせる空気を描きつつも淡々と生活する様、そして突然崩れる4人の関係など、まさしく道満先生の持ち味がぎゅっと凝縮された良作です!
こちらはファンならずとも是非チェックしていただきたい!
小ネタとして最後まで放送をしていたテレビ局がアニメを放送している(どうみても某楽しいトロール一家)など、ギャグも忘れない先生に脱帽するしかないぜ!
単行本書下ろしこそ少ないものの、カバーに特殊な加工がされていたり、カバー裏にて各作品の解説のようなものが描いてあったりと、細かな所に力が入れられているのも要注目です。
そのカバー裏にはたった4Pの四谷怪談ネタのためにお岩稲荷にお参りに行っているという用心深い先生の実態や、「ブックオフの店員さん百円コーナーには置かないでね」というもの寂しげなお願いが書いてあり、ニヤリとせざるを得ませんよ!

エロスでいい話、略してエロいい話の第一人者、道満晴明先生の最新単行本「最後の性本能と水爆戦」は好評発売中です!
前作、前々作である「性本能と水爆戦」「続 性本能と水爆戦」を1冊にまとめた「性本能と水爆戦 征服」と言う単行本が初春に発売予定だそうですので、そちらもチェック!

エロスだけでは飽き足らなくなった変態紳士の皆さん、この作品は読まなきゃ損ですぜ!
さぁ、今すぐ本屋さんにダッシュだ!!

最後の性本能と水爆戦 (WANI MAGAZINE COMICS SPECIAL)
ワニマガジン社
道満晴明

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本日紹介いたしますはこちら、「巨人譚」です。
光文社さんの光文社コミック叢書”SIGNAL”にて刊行されています。

作者は諸星大二郎先生。
先生の紹介や他の著作は「諸星大二郎」のテーマにて取り上げていますので興味のある方や暇で暇でどうしようもない方はご覧くださると俺が喜びます。

諸星先生にしては珍しく(?)ギリシャ神話などの古代ヨーロッパを取り上げています。
マイナーな題材ばかり取り上げる先生ですが、今回は単行本未収録作品の「ミノスの牡牛」など有名なエピソードをチョイスした物語もあります。
とはいえかなりワイルドにアレンジされており元ネタを知っている方でも油断できませんが!
他にも某有名述べるゲームで一躍有名になった英雄王のエピソード「ギルガメシュの物語」を渾身の描下ろし49ページが収録され、古代ヨーロッパを題材にした連作が短中編あわせて全4編収録されています。
この古代ヨーロッパ連作シリーズ(仮)は物語全編に漂う退廃的なムードが特徴的で、幻想的なストーリーともあいまってなんとも言えない味わいを生み出しています。
そしてこの古代ヨーロッパシリーズ(仮)とはまったく別の(ページ埋めと言うと聞こえは悪いですが)短編が第二部として2編収録されています。
こちらは第1部と称されている古(略)シリーズ(仮)とはガラリと変わって諸星先生お得意の古代中国不思議物語で、「諸怪志異」の流れを汲んだ短編です。
この2編も単行本初収録でファンには非常にありがたいチョイスとなっております。
更に今回も同レーベルから発売された「海神記」と同じく表紙などのイラストが多数収録され、フルカラーイラストはきっちりフルカラーで収録されているのもポイント高し!です!

老いてますます洗練される諸星先生の最新単行本、「巨人譚」は大好評発売中です!
今年はなんと3冊というハイペース刊行にファンの皆さんは嬉しいことこの上ありませんね!
ファンでない方も漫画界の生ける伝説の一角、諸星先生の伝奇漫画を体感すべし!
さぁ、今すぐ本屋さんにダッシュです!!





本日紹介いたしますのはこちら、「平成武装正義団」です。
リイド社さんのSPコミックスにて刊行されています。

作者は山口貴由先生。
山口先生の各作品の紹介は「山口貴由」のテーマにて取り扱っておりますのでお時間ございましたらご覧くださいませ。

さて、こちらの「平成武装正義団」。
主人公である神風零(かみかぜ ぜろ)がかつて自分をいじめつくした「邪の目七人番長」を倒す為、鋼の武装に身を包んで戦い続けるというもの。
そのデザインは白い学生服に短髪に眼鏡と、「覚悟のススメ」の主人公である覚悟に酷似したデザインです。
他の登場人物も「覚悟のススメ」の登場人物に似たものが登場し、導入も非情に良く似ています。
強化外骨格こそ存在しませんが、四肢と胴を包む鎧に身をまとって人外としか言いようのない凶悪な怪物と闘争を繰り広げるという概容も酷似。
まさしく「覚悟のススメ」の原点となった作品なのです。

「覚悟のススメ」と大きく違う点は、世界の命運などといったスケールの大きな物語ではなく、悪逆非道の邪の目七人番長との戦いに終始する点です。
自分の復讐のために、残虐な行いを繰り返す悪を正す為に、孤独であろうと装備を奪われようと戦い続けていく……
単行本一冊という分量でその悲願は達成され、完結を迎えます。
この作品も先日紹介した「サイバー桃太郎」のように最後の敵を撃破したコマで終了と言う、うちきり!?と驚かざるを得ない終了を迎えていますが、やはり主人公は自分というものに目覚め、信念を固めてエンディングを迎えています。
つまり復讐を遂げると言うことよりも信念の確立と言うものに重きを置いている(とおもわれる)山口先生作品にとっては至極当然のエンディングなのでしょう!

いうなれば「覚悟のススメ」のベータ版であるこちら「平成武装正義団」は全国書店さんにて発売中です。
覚悟を読んだ人は様々な共通点を探して楽しめますし、そうでない方も山口先生節にどっぷりと浸かれるこちらの作品はとにかくご一読いただきたいです。
あいかわらずグロいし下品なのですが、それでも桃太郎やガランよりはいくらか控えめで、現在の先生の作品に近いはず!
さぁ、今すぐ本屋さんにダッシュです!!

表紙はこちら!!
画像



平成武装正義団 (SPコミックス)
リイド社
山口 貴由

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なんじゃあこりゃあち ...
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