本日紹介いたしますのはこちら、「アサギロ ~浅葱狼~」第4巻です。
小学館さんのゲッサン少年サンデーコミックスより刊行、ゲッサンにて連載されています。
作者はヒラマツ・ミノル先生。
本作の紹介は「ヒラマツ・ミノル」のテーマにて今までの紹介をまとめておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。
さて、いよいよ登場した土方歳三。
ひょんなことから盗まれてしまった沖田の刀を取り返してあげたのですが、それがきっかけで野党の集団に目をつけられてしまいました。
野党は卑劣にも土方が大事にしていた女性二人を誘拐。
助けたければ番屋(警察のようなもの)には駆け込まずに指定した場所へ来いと告げられます。
助太刀を呼ぶのは自由だというのですが、野党の集団を相手に立ち回る勇気があれば……という前提条件が必要。
怒りに打ち震える土方がとった行動は……?
すぐさま指定された場所に向かおうと走り出す土方。
ですが、相手は大勢な上、野党の頭はそれなりに腕も立つ難敵。
土方の頭には「俺にできるのか?」と言う考えが駆け巡り、ついにはその足は止まってしまうのです。
そんな時よみがえったのが、「助太刀を呼んでもかまわない」という野党の言葉。
土方は悩んだ末、たった一つの心当たり……試衛館をたずねるのでした。
助っ人を一人貸して欲しい、といきなり頼み込む土方。
近藤が単刀直入にわけを聞いてみれば、土方もまた女が2人さらわれたから取り返しに行く、と返してきます。
相手が何人かわからない、十人か二十人か、あるいはそれ以上か。
そんな事情を聞いた山南は、それじゃあ人数が足らないから全員で行くよ!と提案するのですが、花見じゃないんだから一人でいいと却下。
ただ、命を惜しまないやつに限るが……と付け加えるのです。
それを聞いた近藤、実にあっさりと承知し、外で待つように指示。
近藤がそのたった一人の助っ人として白羽の矢を立てたのは、沖田でした!
ある男の女がさらわれたから、取り返すために助っ人に池と簡単に説明を受ける沖田。
ですが沖田の顔色は優れません。
それもそのはず、沖田の腰に刺さっているのは竹光なのですから!!
助っ人自体はともかく、竹光で命のやり取りをするなど自殺行為以外の何物でもありません。
流石の沖田も年貢の納め時とばかりに、この刀は竹光なんですと隠してきた事実を明かそうとするのですが、当人が隠し通せていたと思っていたその秘密はバレバレだったのです。
代わりに持って行けと近藤は沖田にあるものを手渡します。
実は既に沖田の刀を土方から返してもらっている近藤ですが、このとき渡したのは……木刀!!
そんなものをぶら下げているうえ、自分お刀を盗まれているようなアホをよこした……土方は最初っから助太刀する気なんてねえのかと近藤に心の中で毒づくのです。
ですが、沖田は自信満々。
私が振れば真剣のように人が切れる。
沖田はそんな自信にあふれる沖田を見てもまったく期待を抱けないのでした。
やってきた指定の屋敷。
2人が近づくと、入って来いとばかりに扉が開きます。
沖田は自分は助太刀でしたねと、最初に乗り込むのを土方に譲ります。
土方ももう肝を据えており、野党に切り込むのは一人でいいが、女を助け出すためにもう一人いる、自分の命を引き換えにしてでも二人を助ける……とひそかに決意するのでした。
入るなり切りかかってくる野党。
咄嗟に刀で受け、そのまま相手の胴を払うのですが、どうやら相手は甲冑を着込んでいるようで決定打にはなりません。
更に屋敷は暗闇に包まれており、目が慣れていない今はどこにどれだけ相手が潜んでいるかわかりません。
間もなく虚を付かれ、背後から切りかかられてしまいました!
ですがその背後の野党を
瞬く間に叩き潰す剣戟が振るわれたのです!
勿論それは沖田の三本突き!!
一撃で(実際は
それでも相手は三十人はいようかと言う大集団。
状況はいいとはいえませんが、もうやるしかありません。
切りかかろうとする土方ですが、それを沖田はこう止めるではないですか。
むやみに切り込めば囲まれて袋の鼠。
出てくるやつを一人ずつ倒せばいいのだ、それも初太刀で、と!!
言うは易いものの、おこなうは難いとしか思えないその言葉。
果たして2人はこんな窮地からその心構えだけで脱することができるのでしょうか!?
そしてさらわれた2人の運命は!?
非道なる野党との決着は、非情な結末が待ち構えていることとなっていました……!!
というわけで、土方歳三が本格的に沖田たちの仲間入りを果たす今巻。
卑劣な野党との命のやり取りを乗り越えた土方が試衛館の門戸を叩くその悲痛な想いは、読者の胸を打つこと必至でしょう!
これで近藤・土方・沖田と、新撰組のビッグ3が揃うこととなった今巻。
その仲間たちの終結は更に追撃を止めず、続けて新たな藩士が登場!
今度登場するのはあの永倉新八!
沖田以上の剣の腕を持っているとも言われている彼がどのように登場し、どのように関わってくるのか。
そのあたりも注目したいところですね!!
激動の土方編が決着する、「アサギロ ~浅葱狼~」第4巻は好評発売中です!
新たな後の仲間も登場し、ますます先が楽しみな本作。
ヒラマツ先生独特の味わいもなお絶好調!
時代漫画は堅苦しいと思っているあなたでもきっと楽しめますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!