3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

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本日紹介いたしますのはこちら、「少女ファイト」第8巻です。
講談社さんのイブニングKCより刊行、イブニングにて月イチで連載されています。

作者は日本橋ヨヲコ先生。
本作の紹介は「日本橋ヨヲコ」のテーマにてまとめておりますので、よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、練の移籍をかけた新人戦も無事完勝をおさめた黒曜谷。
ですがキャプテンを取り巻く状況はどんどんとのっぴきならない状況になっており、千石との関係は難しく。
それでも練は、バレーでどんな嫌な思い出も殺して、いい思い出に生き返らせる……と訴えるのでした。

白雲山の1年生は、朱雀高等学校の1年生と練習試合をしていました。
1年生とはいえ本命と言える強豪の白雲山ですが、この朱雀には大分苦戦しているようです。
苦戦するのならば明確な理由があるはずですが、どうもいつのまにか追いつかれている……と言うような、つかみどころの無い強さなのです。
気分屋の唯が本気を出せば事情も違ってくるのでしょうが、唯は朱雀の選手が
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「何も考えないでバレーをやっている」からつまらないと、一向にやる気を見せないのです。
実はそれこそが朱雀の育成方針。
あえて選手に個性を作らず、選手のパワーバランスをそろえて安定感を出す。
それこそがこの朱雀の突出した点の無い=攻略の難しい強さを生み出す秘訣なのです!

途中、白雲山の攻撃を真似するかのように同じ攻撃で点を取ってきたときに唯がやる気を出すのですが、朱雀の選手の一人に家族らしき人物から応援の声が飛んだことで一気にやる気喪失。
唯を欠いたも同然の白雲山は、負けこそしなかったものの、ぎりぎりの辛勝をおさめるのがやっと。
ですが唯は悪びれず、模擬試験で満点をとっても意味が無い……などと言うばかりなのでした。

この白雲山VS朱雀の練習試合ですが、キャプテンが偵察しに来ていました。
その様子を窺いに千石も来ていたのですが、2人はまたそこで口論することになってしまいます。
それもキャプテンの朱雀に対するある感情のせいなのです。
朱雀高校の監督、槌家はサラの父親。
度重なる家庭内暴力のせいで、サラとサラの母親を路頭に迷わせた、憎むべき相手!
幼き日のキャプテンが、いつかバレーで強くなって倒し、大手を振ってサラと一緒にいる、と決意し、バレーを始めるきっかけともなった相手なのです!

千石は槌家に復讐するつもりで朱雀と試合をするのならやめておけと忠告したため、キャプテンは千石には関係ないと反発。
ですが千石は関係あると反論し、ついにこういうのです。
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父にキャプテンと本気で付き合うと告げる、と!
そんなことをすれば千石の父は責任をとるといって仕事をやめるだけだろう、もう戻る、とその後の会話を切り捨てて走り去っていくキャプテン。
今日の夜は親の決めた婚約者である三國と会食があるから……とその後の連絡もシャットアウトしてしまったキャプテンですが……
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その顔には抑えきれない涙と笑みが漏れていたのでした。

やがてキャプテンは、メンバー全員の前で堂々と朱雀の槌家はサラの父親で、絶対に倒したい相手だと宣言。
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しかしここで発表したのは意思表明だけでなく、サラが本当はどう思っているかを確認したいと言うこともあったようです。
ですがサラはそれにはっきりとした返事をすることができません。
周囲は思い空気に包まれたまま解散。
それぞれはそれぞれの想いを胸に帰宅するのです。

おそらくこれからの黒曜谷の指揮を左右するだろうこの事件。
ですがキャプテンを揺るがす事件はまだ続きます。
サラのことを含め、自分以外の人に迷惑をかけないからと言う理由で千石をあきらめ、三國と結婚することを決めたキャプテン。
が、キャプテンと三國の結婚に反対している広之が、前巻の千石とキャプテンのホテルでの密会を撮影したムービーを手に入れてしまったのです!
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このままではせっかくの決意も水泡に帰してしまいますし、避けたかった千石の父の失職も招いてしまいかねません。
本作の味方側(一応)の中でも飛びぬけて厄介な広之。
彼の思惑にキャプテンははまってしまうのでしょうか?
この事件、意外な方向に転がっていくのです!!

というわけで、サラとキャプテンを忠臣とした過去が明かされた本作。
これで主要キャラのバックボーン話は一回りし、これでいよいよ未来を見据えた話になっていくのでしょうか!
……ユカだけそういう話はありませんが、彼女の過去やら背景やらはないような気がします……
ともかくこのあと、物語はVS朱雀と、学の弟、明の引きこもり克服に焦点を当てて展開していきます。
前者はともかく、どうやって後者の流れに話を持っていくのか?
そのあたりはある人物の機転のおかげ。
いろいろな方向から、積まれている問題を一つ一つ解決していく流れはさすがといえましょう!!

そして今巻も好評の特装版が同時発売。
今回のオマケは明の描いた読切漫画の複製原稿(と言う体の漫画)です!
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入っている封筒も劇中の「少年ファイト」のものになっていたり、その原稿用紙も漫画用原稿用紙だったりと、細かいところにも行き届いた心配りが憎いブツになっているのです!
内容のほうは16Pと言うこともあり、かなりざっくりしたお話になっていますが、明の生い立ちなんかを考えるとなかなか深い感じがします!
なにより中学生なのにこれだけ描けるってすごすぎるよ!明君!!!

キャプテンとサラの過去が明かされる、「少女ファイト」第8巻は好評発売中です!
キャプテンがバレーを始め、サラがキャプテンの家の住み込み使用人のような存在になったきっかけとなる槌家が登場する今巻。
この壁との激突で、それぞれの絆がより強まるのか、ほころびるのか。
注目したいところですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


少女ファイト(8) (イブニングKCDX)
講談社
2011-07-22
日本橋 ヨヲコ

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少女ファイト(8)特装版
講談社
2011-07-22
日本橋 ヨヲコ

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本日紹介いたしますのはこちら、「イコン」第1巻です。
講談社さんのアフタヌーンKCより刊行、アフタヌーンにて連載されています。

作者は田中一行先生。
田中先生はあの四季賞で06年に佳作、07年に準入選を受賞した漫画家です。
本作が初連載の初単行本でいらっしゃるようで、今後ますますの活躍が期待されます!

さて、本作はふとしたことから特殊な力を持ってしまい、それがきっかけとなって様々な事件が起こる……といったような作品となっています。
期せずして過ぎた力を手に入れた彼に降りかかる、数奇な運命とは……?

とある山中にある、鳥居の立ち並ぶ奇妙な場所。
そこに一人の大学生が侵入していました。
彼は民俗学を専攻している金子直也。
彼がこの遺跡に忍び込んだのは、ちょっとした心当たりから、この遺跡らしきところにあるモノが金になるのではないかと思ったからです。
ここに安置してある奇妙な石版。
もしこれが歴史的な発見ならば、大金持ちとまでは行かないまでも、生活に困らないくらいになり、民俗学の調査も新幹線とかでいけるようになるんじゃないか?という浅はかな考えからその手を伸ばしたのです。
立ち入り禁止と表示してある奇妙な遺跡に侵入し、その中のものを勝手に持ち出す。
そんな誰が考えても悪いことに手を伸ばした彼ですが、もともと研究やらが大好きでそこまで考えが及ばない性格の様子。
さっさと家に帰ってちゃんと調べてみよう、とその石版をもって安置されていた洞窟から這い出るのでした。

するとその瞬間、いきなり奇妙な仮面をかぶった男に襲われてしまいます!
必死に抵抗するものの、仮面の男の手は完全に直也の首に食い込み、外すことができません。
明らかな殺意を感じさせる男。
このままでは死んでしまう!そう感じた直也は、視界の隅に入った先ほどの石版で相手を殴りつけて脱出しようと画策。
その瞬間、仮面が取れた男の体に奇妙な文字が浮かび上がりました。
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その文字が何のかは一切わかりませんが、とにかく感じたのは圧倒的な殺意!!
もはや直也にできるのは「放せ」と叫ぶことぐらい……
もはやどうにもならないと思われたその時、本当にその男は手を放すではありませんか!
しかもその顔には先ほどの奇妙な文字が、「放せ」という文字に変わって!!
とにかく間近に迫った死から逃れた直也は丸太で男を殴りつけ、窮地を脱出。
ですがその男の仲間らしい人々の声が聞こえてきたため、何もわからないままその場を逃げ出すことになったのでした。

家に帰りついた直也は、同棲している彼女、室井沙也に事情を説明します。
小さい頃秘密基地として遊んでいた場所がある民話の舞台になっていて、そこを調査に行ったら変な石版を見つけた、と。
大事なことは隠したまま、喜んでそんなことをかたる直也に対し、沙也は冷静に勝手に持ってきちゃ駄目じゃないと突っ込みを入れるのですが……
突っ込みを入れたらすね始める直也に対して強く責めることができないままうやむやになってしまうのです。
で、落ち着いたところで直也は、沙也に「上にまたがって首を絞めてくれ」と頼みました。
そういうプレイ……ではなく、先ほどの出来事を再現してみようとしたのです。
実際やってみると、先ほどと同じく石版を手にしたところで沙也の体に文字が浮かび上がります。
そして「放せ」とつぶやくと、その文字は「放せ」に変化し、沙也は放心したような表情でその手を放したのでした。
沙也は手を放したことを覚えていない様子。
その状況を改めてみたとき、直也は先ほど言っていたある民話の一説を思い出しました。
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「山奥に物の怪あり その手に触れし者 たちまち心透かされ その声に抗う術なし」。
まさに今、直也はその物の怪になり始めていたのです……!

この石版が歴史的に価値があるのかはともかく、「金になる」と考えた直也。
街に出た彼は、奇抜なファッションに身を包んだ女性に目をつけます。
経験上、ああいった服は高価だと確信している直也は、イコール彼女は裕福であると考えたのです。
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おもむろに声をかけると、彼女はナンパか?と大はしゃぎ。
カッコだけでなく、性格まで変わってるのか……という考えは胸にとどめ、彼女の腕を掴む直也。
すると彼女の顔に文字が現れるのですが、その内容は「触るな」と「殺すぞ」でいっぱい。
こりゃおっかない子だと思いつつ、直也は次のような命令を下すのです。
○×公園の男子トイレに行き、掃除用具入れの中にある紙袋に所持金を全部入れてこの場に戻ってきて、俺のことを全て忘れろ、と。

せめて光熱費くらいになれば。
そう思って直也は掃除用具入れの紙袋を見ました。
とてもじゃないが褒められたことではありませんが、まあそのときの所持金を失うくらいなら「どこかに落としちゃっ
た」程度で済むでしょうし、能力の万能具合からすればまだ優しい悪事と言えるのかもしれません。
ですが用具質の扉を開けた瞬間、直也は凍りつくことになります。
中に入っていたのは……
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500万!!
あまりにも高額すぎる金額ですが、置いていくわけにも行きませんし、警察に届けるにしてもどう説明していいものか。
何とか返したい、とは思うものの、それきりバイバイの予定だっただけに相手の情報は何もわかりません。
自宅に帰り、どうしようと思案に暮れているとそこに沙也が帰ってきました。
帰ってくるなり沙也がいうのは、向かいのアパートからこの部屋のをじっと見ている変な人がいる、ということ。
覗き穴からそっと様子を伺ってみれば、
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明らかに怪しすぎるオーラをまとう人物がじっとこちらをねめつけているのです!!
異常すぎる何かを感じた直也は、咄嗟に山奥で自分を襲った仮面の男関係か、あるいはあの500万円の女の関係かと敏感に反応。
気分が悪くなって外の空気を吸おうとまどにもたれかからうのですが、そとにあの仮面の集団が練り歩いているではありませんか!!
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慌てて沙也に戸締りさせ、警察に電話をする直也。
ですが、なぜか警察に電話がつながらないのです!
家は完全にばれており、相手は多人数。
自分だけならあの力で何とかなるかもしれませんが、沙也もいる今そう簡単に脱出は……
いきなり降りかかったこの窮地、直也は脱出することができるのでしょうか!?

というわけで、奇妙な力を手に入れた直也の捻じ曲がってしまった運命を描く本作。
このあとは勿論この怪しげな団体から逃げようとする展開となるわけですが、敵はそれだけではありません。
あの500万円持っていた女性は意外すぎる厄介な素性の持ち主でして、そちら方面の魔の手も伸びてくるのです。
更に、人の心を読める上、あやつれると言う力は恐怖の対象そのもの。
勿論それは味方であるものにとっても同じなわけで、直也が守ろうと必死になる沙也も例外でなく。
その上、その力をもつ直也自身も、沙也は自分のことを信じてくれているのかわからなくなり……
襲い繰る敵だけでない、疑心暗鬼などにも苦しめられることになるのです!

過ぎた力を得た男の運命は?「イコン」第1巻は全国書店にて発売中です!
渦巻く周囲の思惑に翻弄されていく本作。
数々のただならぬ雰囲気をまとう人物も登場し、物語はどう転がっていくのかが気になるばかりですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


イコン(1) (アフタヌーンKC)
講談社
2011-07-22
田中 一行

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本日紹介いたしますのはこちら、「フランケン・ふらん」第7巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。

作者は木々津克久先生。
今までの紹介は「木々津克久」のテーマにてまとめておりますので、よろしければそちらもご覧ください。

さて、漫画史上最高の医療スプラッタホラーコメディ漫画である本作も既に7巻目。
他にこのジャンルが存在するのかは置いておきまして、本作が独特の味わいがあるハイクオリティな作品であることだけは確かです!
あの手この手で襲い来る病気や事件の中、今回紹介したいのはゾンビ物の新たな解釈を描く「LIVING DEAD」です!

迫り来るゾンビたち。
手にした銃などで迎え撃つ人々の中に、ふらんもいました。
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ふらんは相変わらず、死体に見えるものが動き出して人を食べたりしているが、ゾンビと定義するのはどうか……などと冷静とものん気ともつかない発言をしていますが、見た感じではもう疑いようの無いゾンビっぷりのゾンビたち。
一体何故こんなことになったのか?
時間は少しさかのぼります。

南米はハイチに近い、難解に浮かぶヴァーゼシア島。
この島に最近流行し始めた、ヴァーゼル熱なる奇病の調査と治療にふらんはやってきていました。
かつてこの島には森に住むモワポゼと会うと死んでしまうと言う言い伝えがあり、人々はそれを恐れ敬ってきました。
ですが現在は開発が進み、森も切り開かれてしまっています。
たいていこういったアウトブレイク的なネタはこういう未開の地を開いてしまったことが発端なわけですが、今回はどうなのか?
ふらんはじきじきに現地で調査に向かったと言うわけなのです。

現地でふらんは以前にも何度か出会い、その度にトラブルに遭遇しているジャーナリストの伊集院と再会します。
いつもトラブルに巻き込まれるためか、伊集院は物凄い勢いでおびえるのですが……なんだかんだと二人は一緒に調査することになりました。
件の言い伝え、モワポゼについて原住の老人達に話を聞いていくと、モワポゼに襲われたものもモワポゼになり、目に付くものを何でも食い尽くす、と言うことがわかります。
一見すると良くあるホラーな言い伝え。
ですがふらんは行動パターンがあるということは物理的な要因があるはずだと考え、何かに似ている気がする……と思案をめぐらせるのでした。

一旦町へ戻ろうと、伊集院とともに車に乗り込むふらん。
ですがちょうどその少し前にヴァーゼル熱で亡くなったと思われてきた人たちがむくむくと起き上がって人々を襲い始めていまして、その勢力を拡大していたのです。
気が付けば相当な数になっていたようで、ふらんたちの車もゾンビたちに囲まれてしまいました。
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しかし幸運なことに武装して戦っていた人々に出会い、なんとか近く似合ったショッピングモールに逃げ込むことができたのです。
ゾンビから逃げ、ショッピングモールに立てこもる……まるでゾンビ映画そのものの状況を迎えたのでした!!

当然そのショッピングモールも絶対安全なわけじゃありません。
やっぱりゾンビ映画よろしく招かれざる訪問者……地元のマフィア達やゾンビが押し寄せ、混乱の渦に巻き込まれるのです。
そんな騒動の中、ふらんもゾンビに腕を噛まれてしまいます。
噛まれればゾンビの仲間入りをしてしまう。
主人公の感染は普通なら絶望そのものですが、体の取り外しも容易なふらんならばむしろこれで病気の調査がしやすくなるともいえるのです!
そろそろこのショッピングモールも限界だし、と伊集院はふらんに研究所に行こうと提案。
その一瞬の油断が命取り!
伊集院もまたゾンビの毒牙にかかってしまいました!!

ふと意識を取り戻した伊集院。
ゾンビに襲われたはずなのに……とモヤにかかったような頭で考えるのですが、あたりの状況を確認して恐ろしい事実がわかってしまうのです。
うつろな表情で、動かしづらそうに体を動かしてふらふらと歩き回っている自分。
……そう、伊集院は例のゾンビになってしまっているのです!
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ですが心臓は動いていますし。意識はちゃんとあります。
吐き気が止まらず、全身が痛み、猛烈な空腹に襲われて肉を求めてしまう……
今まで散々その手にかけてきたゾンビたちは、ヴァーゼル熱のそれらの第2症状に犯され、死んだように見えただけの生きた病人だったのです!!

その頃ふらんは無事(?)逃げ延び、頭部をパージして自身の体にメスを入れて病気の正体をつかんでいました。
病気の正体は、
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延髄に寄生する寄生虫の所業だったのです!
何らかの経路で人間に寄生し、繁殖の時期が来れば円錐に移動して人間を操作、栄養を摂取して繁殖地へ戻る……
ちょうどカタツムリに寄生し、カタツムリを鳥に食べさせて繁殖する寄生虫のレウコクロリディウムのような修正を持っているその寄生虫。
映画のゾンビとは違い、きちんと治療すればおそらく回復する病気なのですが、あまりにもその罹患姿が映画のゾンビのそれに近すぎたがために「殺す」ことに抵抗を生まなくなってしまったのです!!
そもそもゾンビ映画には「人間狩り」「略奪」と言うタブーを抵抗なく、あるいは少なく楽しめる……と言う側面もあるわけで。
ふらんは早いところ治療してこれ以上被害者を出さないようにしなきゃと憂うと同時に、この病気の発覚で「ゾンビが現れたら喜んで虐殺してしまうから」などとゾンビ映画が規制されなきゃいいけど……と心配するのでしたとさ。

と言うわけで、ゾンビ映画の新しい切り口を描いたエピソードを収録した今巻。
このテーマは先日刊行された「アーサー・ピューティーは夜の魔女」でもまた別のアングルで描いており、木々津先生のあふれ出るゾンビ愛が感じ取れるのです!
この他、あのガブリールがなぜか生徒に大人気の教師になるお話や、
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少し前に流行(?)した死亡届未提出による超高齢者が戸籍上で続出事件をネタに取った風刺調の物語、着々とその人数を増やしていく「センチネル」シリーズなどなど、注目のお話が多数収録!!
更に本作と平行して掲載された読切作品、「Phase20」も同時収録!
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ホラーではない探偵モノではありますが、「ふらん」にも劣らない木々津先生らしさが盛り込まれた作品でして、こちらも見逃せない作品となっています!!
恒例の作品解説もバッチリ収録。
更にカバー下本体のオマケ漫画も健在で、本記事で紹介したお話の後日談が楽しめるのです!!

メディカルホラーコミックの決定版、「フランケン・ふらん」第7巻は全国書店にて発売中です!
いままで事件に巻き込まれながらも基本的に無事だった伊集院さん。
今回はついにその毒牙にかかってしまったわけですが、その後どうなってしまったのか!?
そのあたりも描かれてますので、ご安心ください!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


フランケン・ふらん 7 (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
2011-07-20
木々津 克久

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本日紹介いたしますのはこちら、「性食鬼」第1巻です。
秋田書店さんのヤングチャンピオン烈コミックスより刊行、ヤングチャンピオン烈にて連載されています。

作者は稲光伸二先生。
稲光先生とその著作「大江戸!!あん・プラグド」の紹介は「稲光伸二」のテーマで紹介をまとめておりますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

さて、本作はひょんなことから宇宙人との戦いに巻き込まれてしまった少女の奮闘を描く作品です。
本作の売りはなんと言ってもそのエロス。
タイトルからもうかがい知れるように、エロスを前面に押し出した作品なのです!!

昨今巷を騒がしている変質者の話題でざわめいている教室。
そのクラスのクラス委員長、野川いずみは保健室のベッドにいました。
成績は学年で3位以内をキープし、つんけんした感じの「真面目」と言う言葉がぴったりな彼女。
ですがベッドにいた理由はおおよそそのイメージとはかけ離れたものでした。
それは……自家発電!!
こんなことしてはいけないと思いつつ、我慢しきれず学校でついついコトに及んでしまっているのです!!

そんな彼女も人前ではまさに勉強一直線な真面目さん。
女子にキャーキャー言われているイケメン教師、国領に用事を頼まれて二人きりになっても特に何の反応も見せずに仕事に向かうのです。
ですが心の中では国領の体にムラリムラリと興奮を覚えていたり、じつは自家発電そのままにおパンツをはかずにいたりともう大変。
彼女は日々自分の胸中で渦巻きまくるエロスと戦いながら生活していたのでした。

内なるエロスとの戦いに耐え抜いたいずみさん。
国領との用事を終え、ぐったりと疲れ果てた体を休めるため家に帰る……前におパンツをはくために人気の少ない旧校舎のトイレに向かいました。
するとトイレの中に
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なんかどろどろの液で体を汚した、半裸の女性とが座り込んでいるではないですか!
普通に考えれば強姦でもされた、と言うのが自然。
被害者らしき彼女は正気を失っており、言葉にならない声を漏らすばかり。
一体何があったのか?と戸惑っていると、突然そのトイレに
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着ぐるみみたいなのが入ってきたのです!!
何も言わずのしのしと歩いてくる着ぐるみ。
言い知れぬ恐怖を感じ、いずみはそれを押し倒して逃げ出すのですが、慌てすぎたためか転倒し、追い詰められてしまいます。
助けを求めながら這うように逃げるいずみ。
迫り来る着ぐるみ、その後ろに
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大胆な格好のうさ耳の女性が現れ、その着ぐるみを手にした銃で粉砕しました!!
人殺し?と思いきや、その着ぐるみの中はなんか先ほどのどろどろの液体がつまっているばかりです。
うさ耳の女性は、その着ぐるみには中の人などいない、こういう生物だと説明してくれました。
そしてその体液に含まれるフェロモンに反応し、仲間が来ることも……!
程なくして現れたあらたな着ぐるみ。
複数現れた着ぐるみに出口をふさがれ、やむなくまたトイレに逃げ込む2人。
3階にあるこのトイレに逃げ込んでも状況は悪いまま。
うさ耳の女性は「結界」と称したガムテープ的なもので扉をふさぎますが、あくまで時間稼ぎに過ぎません。
その僅かな時間に、女性はあの気ぐるみについて説明してくれました。
あの着ぐるみは俗に言う「宇宙人」。
そしてその体液はたんぱく質以外のものを分解し、更にそれを浴びた女性……いずみをマーキングしたかのようににおいをたどって襲ってくる、と。

先ほど着ぐるみを倒した銃は次撃てるようになるまで時間がかかるそうで。
ここから逃げるには、女性が持っている強化服を着て着ぐるみを倒すしかないとか。
ですがうさ耳の女性は戦えません。
なぜなら彼女……うさ山もまた宇宙人で、体がシリコンでできている=着ぐるみの体液で溶かされてしまうからです。
泉が迷っている間にうさ山は持っていた普通のピストルをとりだし、扉に穴をあけて今にも乱入せんとしている着ぐるみを打ち抜きます。
しかしその程度の攻撃では着ぐるみの持つ再生能力に追いつかず、やはり時間稼ぎに過ぎないのです。
やがて悩んだ末戦うことに決めたいずみ。
別に正義に目覚めたとかではなく、いざとなったら自分だけ逃げればいいんだし、強化服はもらっといて損はあるまいと踏んだから。
うさ山はすぐその強化服を出してくれるのですが、なんとそれは
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かろうじて大事な部分を隠せるかどうか……という、きわどい水着のようなものじゃないですか!!
普通ならば到底着られない服ですが、緊急事態ですし、なによりすっごいエロス心をもついずみさん。
ちょっぴり興奮しながらその服を身に纏いました。
するといずみに大きな変化が現れます。
身体能力が上がる……のも確かなようですが、それよりなにより体が火照りまくって仕方ない状態になってしまったのです!
ともかくその強化服の力はホンモノの様子。
触れただけで着ぐるみの体を溶かすことができ、その隙に2人はその場を脱出します。
その逃げ道の最中、行く手に掃除か何かをしている用務員らしきおじさんの姿が見えました。
すかさず助けを求めるのですが、そのおじさんはいずみに「いい匂いがする」と言ったかと思うと
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体が裂けて中から例の着ぐるみが出てきたのです!!

2人は引き返そうとしますが、そちらからも着ぐるみがやってきています。
うさ山は着ぐるみに張り倒され、ノックダウン。
残ったいずみは3匹の着ぐるみに取り囲まれ、先ほど体を溶かされたのはその服のせいではあるまいか、と脱がしにかかってきたのです!!
がっしりと押さえ込まれてしまい、身動きできないいずみ。
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このまま先ほどの女生徒のように襲われてしまうのでしょうか!?
思いもよらない展開が待ち受けているのです!!

というわけで、エロスな戦いが繰り広げられる本作。
前述したとおりに、惜しげもなく放出されるエロスが最大の売りと言えましょう。
特に主人公のいずみさんは宇宙レベルのエロス力の持ち主でして、そのエロスさが物語の鍵を握ることになるのです!
そんなエロスは勿論ですが、物語のほうも気になる点が多数存在。
着ぐるみの宇宙人の謎多き生態や、「女王」の存在、人間の着ぐるみを着てすごしている着ぐるみ宇宙人、そしていずみが戦いを続けなければならなくなってしまう衝撃的な事件など、エロスのみではないストーリーも引き込まれる内容なのです!

沸き立つエロスと渦巻く謎、「性食鬼」第1巻は好評発売中です!
表紙から想像できる以上のエロスッぷりを誇る本作。
可愛いはずの着ぐるみが襲ってくると言う、奇妙な恐ろしさ、気味悪さも注目の作品ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


性食鬼 1 (ヤングチャンピオン烈コミックス)
秋田書店
2011-07-20
稲光 伸二

amazon.co.jpで買う
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本日紹介いたしますのはこちら、「℃りけい。(どりけい)」第2巻です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックス・ウルトラより刊行、ウルトラジャンプにて連載されています。

作者は青木潤太朗、わだぺん。の両先生。
両先生と本作第1巻の紹介は、11年1月19日の記事にて記載しております。
よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、理系少女達のちょっと換わった日常を描いている本作。
基本的に一話完結型の本作ですが、第2巻では一話完結ではあるものの、ひとつの大きな流れに乗った物語が展開するのです!

生物部や地学部なんかの力をかり、屋台で大学芋をうって一儲けを企てる物理部の皆さん。
何のためにそこまでしてお金をためたいのかといいますと、それもひとえに文化祭のためです。
文化祭である出し物をしようと考えているトノエたちですが、それを行うためには先立つものが必要とのことで。
いつもの通り理系の考え方をもって商売に励むのでした。

そんなある日、物理部の良心(?)、花織が熱で倒れてしまいました。
文化祭が目前に迫っているところで、準備も忙しい中でのダウン。
もちろんそんなことを疎む物理部の皆さんではありませんが、当の本人としてはやはりやりきれない想いを抱えてしまうのです。
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で、結局文化祭でなにを出し物にするのか。
それはなんと「回転寿司」!
物理部の出し物ですから、当然見せるべき部分は「寿司」ではなくて「回転」のほう。
あのぐるぐる回るアレを自作しようと言うのです!
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2人くらいしか座れないようなコンパクトのサイズにした上、動力をモーターなどではなく、連動しているクランクを回す人力にすることなどによって極限まで安上がりにした設計図を元に早速作り始めようとしているトノエ。
ですが、商売系の出し物の場合はレジスターをレンタルしなければならない決まりがあったりするため、屋台で稼いだ路銀を合わせても正直言ってまるで足りません。
せめて何か代用するか削れれば事情も変わってくるのですが……

保健室で自分のふがいなさを悔やみながらもうとうととしていた花織。
ふと感じた冷たさで目を覚ますと、
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頭の上に銅線が載っており、それがファンで冷やされておりました。
こんなことをするのは物理部を置いて他にいるわけがありません!
物理部の皆がお見舞いに来てくれていたのです。

お見舞いがてら、その場で引き続き出し物の相談を始める一同。
トノエが装置を改良し、
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中華料理のテーブルのような構造にすることによって更なるコストカットに成功したものの、まだ予算的には危ないところ。
とりあえず計算してみるか、と必要なものの値段を読み上げながら確認し、さあ電卓できっちり計算してみるか……と言うところでその和をスパッと答える声がかけられたではないですか。
声の主は花織。
彼女は幼い頃そろばんをやっていたこともあり、足し算引き算の暗算が大得意なんだそうです!
理系らしい特技と言えばそう言える、ちょっと意外な特技が明らかになった花織。
そんな特技を目の当たりにした彩にある名案が浮かびました。
それは、暗算も出し物にしてしまうこと!
物理に使っていたら計算もできるようになったよ!と言う体で、出し物として「人間レジ」をやってもらおうと言うアイデアです!
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これならばネックになっていた高額なレジのレンタル料はゼロ。
これで晴れて回転寿司のアレを作る予算を確保完了!!
あとはちゃっちゃと作り出すだけとなったのでした!!

というわけで、文化祭の出し物が決まり、それに向けての活動が描かれる今巻。
このあとも回転寿司の回るカウンターの制作風景などが描かれ、いよいよ文化祭ムードが高まってきます。
そして今巻後半の目玉は、他の文科系クラスの皆と一緒に学校で一泊するお泊り会!
彩と真っ向からぶつかりあってしまう化学部の一年生の蓮や、科学部の部長に恋焦がれるガチ百合少女の桜など、新キャラも続々登場します!
本作では珍しい、多数のキャラが絡むシーンがたっぷりと堪能できますよ!
さらに女の子ばかりが登場する作品で、お泊りとなれば欠かせないのが入浴イベント。
大きい人からちいさな人まで、惜しげもなくその肢体をさらけ出してくれておりますぜ!!
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理系な彼女達の弩理系な日常、「℃りけい。」第2巻は好評発売中です!
文化祭の準備で一生懸命な彼女達が印象的な今巻。
お色気要素も盛り込み、本作に欠かせない要素である科学薀蓄もふんだんに盛り込まれた、死角なし(?)の出木となっています!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


℃りけい。 2 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
集英社
2011-07-19

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