本日紹介いたしますのはこちら、「弱虫ペダル」第18巻です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週刊少年チャンピオンにて連載されています。
作者は渡辺航先生。
本作は「渡辺航」のテーマにて今までの紹介をまとめておりますので、よろしければそちらもあわせてご覧ください。
さて、総北、箱根学園、京都伏見の三つ巴のデッドヒートが続いていたインターハイ二日目。
その中からいち早く抜け出していったのは、京都伏見の御堂筋でした。
絶妙のタイミングで走り出した御堂筋はあっという間に後続を突き放してしまいます。
ゴール間近で差をつけられてしまった総北と箱根学園は追いつくことができるのでしょうか?
御堂筋と後続の差は実に4秒。
ゴールまでの距離も僅かな今この差はかなり厳しいものがあります。
今泉はたった4秒、追いついて見せると自分に言い聞かせてペダルをこぐのですが、やはり4秒と言うのはそう簡単にどうにかなる差ではありません。
仲間たちの想い託され、エースをトップでゴールに送り届ける。
その使命のために必死になっていた今泉でしたが、どうしても仲間たちへの謝罪の想いと言葉が漏れ出してしまうのです。
そんな今泉の方に手が置かれました。
他ならぬ主将、金城です。
金城は思いつめてしまっている今泉に「背負うな」と語りかけ、更にこう続けます。
お前は十分な仕事をしたから誇れ、仲間たちがしてきたようにお前も心を託せばいい。
そして、最後にその想いをゴールに叩き込むのはエースである自分だ、と!
金城の瞳にはあふれる闘志がみなぎっています。
この絶望的といえるかもしれない状況に陥ってなお、一切諦めていない金城を見て、今泉はまだまだ自分に「一人で戦っている」と思い込んでいる驕りがあったのかもしれないと痛感しました。
このレースは自分ひとりで戦っているんじゃない。
それならば、と今泉は金城の背を手でグイと押し、自分の想いとともに金城に想いを託すのです!
他の仲間と同じように!!
すさまじいスピードで猛チャージをかけた金城。
ほぼ時を同じくして、箱根学園の福富も飛び出しました。
最大のライバルにして、親友と言っても差し支えないつながりあった2人。
彼らの目的はただひとつ、この4秒差をひっくり返すことです!
すさまじい勢いで御堂筋を追撃する因縁深い2人。
彼らの奇妙な友情は、一年前のあの事件……福富が金城を巻き込んで落車してしまったことから始まります。
金城の脱落によって無残な結果に終わった総北。
その悔しさもおさまりきらない9月に、総北の部室へ福富がただ一人でやってきたのです。
彼の目的は先日の事件の謝罪と、あるお願いをするため。
一触即発になりかねない急な訪問でしたが、福富の姿を見た金城は怒るどころかサイクリングをしないかと誘うではないですか。
思いもよらぬ金城の誘いに戸惑いながら、ともにゆっくりと自転車を走らせる2人。
やがてたまらなくなってしまったのか、福富はついにそのお願いを口にしたのです。
「もう一度俺と勝負してくれるか」。
はっきり言って、100%自分のせいでレースを台無しにしてしまった福富が言えることじゃありません。
それは福富もわかっているらしく、次のインターハイで勝ちを譲れと言われても受け入れる覚悟はあるようです。
ですが、モヤモヤした想いを抱える福富がすっきりするには、正々堂々とした勝負で勝つ他無いわけで。
そんな虫がいいといっていいお願いをされた金城。
しかし勝ちを譲れなどと言うメンタルでは大会は勝ち抜けない、傷はいずれ治る……と、まるで何も気にしていないかのような返答をするのです。
そして次のレースで同じようになったら……
「絶対に負けない」とそのちお願いを受け入れたのでした!!
その誓いを実現させたことで、より全身に力を漲らせる2人。
物凄い勢いで差をつめていき、残り500メートルで1秒差にまで縮めることに成功しました!
もし追いついてきても一人だろう、と考えていた御堂筋は流石に驚愕。
ですがすぐにその口角を上げ、
「道理で走りがぬるい」とニヤつくのです!
ロードレースは己が足で走るもの。
どんなときでもペダルに力を伝えるのは自分ひとり!!
友情とやらで奇跡を起こし、最後はお互いがんばったとぬるま湯に浸る。
そんな少年漫画の王道のような展開を全否定する御堂筋。
ロードレースに勝つためには友情なんてカケラもいらない、と
更に形相を変えてスピードを上げるのです!
残り400メートル、レースは依然京都伏見、御堂筋がリード!!
友情や仲間の想いを糧に力を発揮する金城と福富。
それら全て入らないと切り捨て、事実その実力を遺憾なく発揮している御堂筋。
果たしてこの3人のうち、誰が二日目の覇権を握るのでしょうか!?
激動の熱戦となる、二日目がいよいよ決着します!!
と言うわけで、二日目の決着となる今巻。
引き込まれる展開が連続する熱いレースはもはやいうまでもない鉄板の面白さ!
それに加え、福富と金城の友情が深まったかこのエピソードが収録されたわけですが、このあと更に謎の多かった御堂筋の過去のエピソードも収録されています!
人間味を感じさせないほどの異常な勝利への執念を漲らせていた御堂筋。
彼は何故そこまでの勝利至上主義となったのか?
今の傍若無人すぎる性格からは想像できない少年時代の彼の姿は意外そのもの!
何が彼を変えたのかその背景がついに明かされるのです!!
激動の二日目の勝者は誰だ!?「弱虫ペダル」第18巻は好評発売中です!
気になる御堂筋の過去が明かされた今巻。
その過去も含め、生きすぎな性格意外はすっかり主人公な雰囲気の御堂筋くんの融資を堪能すべし!
本当の主人公、坂道の出番はマジでほとんどありませんしね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!