本日紹介いたしますのはこちら、「アイアムアヒーロー」第6巻です。
小学館さんのビッグコミックスより刊行、ビッグコミックスピリッツにて連載されています。
作者は花沢健吾先生。
本作は「アイアムアヒーロー」のテーマにて今までの紹介記事をまとめておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。
さて、前巻でとうとう感染者に噛みつかれてしまった比呂美。
噛み付いてきたのが赤ん坊だったため、まだ歯がなかっただろうから大丈夫……と思われていたものの、やはり発症してしまい……
バリケードをつくり、感染者から身を守りつつ篭城しているという「御殿場アウトレットモール」。
英雄とカメラマンの荒木は、ネットで手に入れたその噂を頼りに車を走らせていました。
ですがその最短ルートの道路を事故車がふさいでおり、更にそこには3人の感染者が待ち受けているのです。
突破するしかありませんが、普通に考えれば相当危険。
しかし荒木はやたらと自信をみなぎらせているのです。
英雄の持つ散弾銃と、「アレ」があれば大丈夫。
その荒木の言うアレとは何なのか?
それを利用することを非常にためらう英雄ですが、アウトレットモールに行けば、今のご時勢でもっとも必要な「強力な武器」をもつ強い男の英雄は女性にモテるよ!という台詞にちょっといい気になってしまい、そのアレを使うことにしたのでした。
後部座席に積まれている大きな袋。
英雄がチャックを開けると、その中から出てきたのは感染者の特徴が現れている比呂美でした。
ばたばたとあばれ始める比呂美ですが、英雄はなんとかそのまま袋ごと車から引き出します。
そんなことをしている間に、待ち構えていた感染者はこちらの存在に気がつき、じわじわと近寄ってきます。
早くしろと怒鳴り声を上げる荒木。
英雄はと言うと、比呂美を袋から出して拘束していた手足を解放。
そして、比呂美に対して悪口を言っているのはあいつらだと耳元でささやきかけ、感染者へとけしかけたのです!!
比呂美はその声に従い、感染者へ向かっていきます。
ですがあっけなく吹っ飛ばされて一向に役に立ちません。
ところが比呂美は駄目だと見限った荒木が車に乗って後退し、取り残された形になる英雄が感染者に追われていた光景を見たときから比呂美の様子が変わりました。
後ろから英雄に手をかける感染者。
その下あごに手をかけ、
まるで果物をもぎ取るかのようにあっさりとちぎり取ったのです!!
比呂美は感染はしているようなのですが、どうも普通の感染者とはわけが違うようです。
基本的に大人しくしていますし、話しかければ完全ではないながらも一応言葉は理解しています。
おかげで感染者を倒すこともでき、アウトレットモールに向かうこともできました。
それでもやはり感染者は感染者。
荒木は警戒感をあらわにし、いざとなったら英雄に散弾銃で……と考えているようです。
英雄はなんとか比呂美を助け(?)たいと考えているようですが、元来押しが弱い英雄ですから荒木に強く出れるはずもありません。
なにより比呂美は英雄に助けられようとは思っていないのです。
英雄のことを恋人の真司と認識している様子の比呂美。
彼女は「真司くんは私が守るね」と、感染者の身となった今も暖かい決意を示しているのですから……
その後、いろいろとアクシデントに出会いながらアウトレットモールへ近づいていく英雄たち。
ですが近づいていくにつれ、
ガソリンをかけたタイヤを首にかけて火をつけるという「タイヤネックレス」と言う処刑法をとられたと見られる死体がごろごろと転がっていたり、奇妙な音が淡々と鳴り続けたりと、不安に駆られる要素が見られるようになります。
更にようやくたどり着いたアウトレットモールに待ち構えていたのは
警戒心むき出しの怪しい三人組でした!!
果たして英雄たちはアウトレットモールに入ることができるのでしょうか?
そもそもそのアウトレットモールも本当に安全なのか、獅子身中の虫ともなりうる比呂美の存在は?
わずかな光明に思えたアウトレットモールで、英雄にもたらされる運命とは!?
というわけで、新展開を迎えることとなった今巻。
感染者となってしまった比呂美ですが、明らかに普通の感染者とは様子が違います。
赤ん坊の感染者に噛まれたから不完全な感染だったという考え方もできないではありませんが、それならばこういった感染者がもうちょっといても良いですし、ウイルスなりの仕業だとすれば媒介の年齢なんて関係なさそう。
今のところは戦力としての期待と、いつ暴れだすかと言う不安が半々といっていい彼女ですが、この不完全な感染状態が意外なこれからの目標を生み出すことになるのです!
そしてアウトレットモールの内情も気になるところですが、他にも気になる要素が判明しました。
それは、
自分で自分をむさぼり食べている感染者の存在です。
多くの感染者を生み出す感染者ですが、さんざんその毒牙を振るってきた挙句、自分自身まで殺めてしまう感染者。
この症状、まるで人類を絶滅させるための症状ではありませんか。
自然発生なのか人工的に作り出されたものなのかはわからないですし、明かされることがないかもしれません。
ですが、この悪意満々なウイルス(仮)が作為的に生み出されたものならば、他の国にもばら撒かれていてもおかしくなく……
この絶望がどこまで広がっていくのか、そしてはっきりとした希望が見えるのか。
不安のトンネルはまだまだ長く続いています……
新たな展開を迎える「アイアムアヒーロー」第6巻は好評発売中です。
比呂美の存在が、良きにつけ悪しきにつけ鍵となる今巻。
今後も彼女を巡る物語となりそうです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!