3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

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本日紹介いたしますのはこちら、「ここが噂のエル・パラシオ」第3巻です。
小学館さんのゲッサン少年サンデーコミックスより刊行、ゲッサンにて連載されています。

作者はあおやぎ孝夫先生。
本作の今までの紹介は「エル・パラシオ」のテーマでまとめておりますので、よろしければご覧くださいませ。

さて、桜花をはじめとしたエル・パラシオの面々とも打ち解け、すっかりエル・パラシオの一員となった忠輔。
中でも一番仲良し(?)なのは桜花なわけですが、彼女との関係も徐々に悪くない感じに。
今巻でも彼女が中心となる話が展開するわけですが、それは思いがけない大事になっていくのです。

珍しく女性陣全員で買い物に出かけ、一人で留守番をすることとなった忠輔。
ゆっくりお風呂につかり、頭を洗っていると、いきなり目を何者かの手が隠し、「だ~れだ?」とやってくるではありませんか!
今この家には誰もいないはず。
ガチ怯えしながら振り返ってみれば、そこにいたのは
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見知らぬ女性だったのです!

とりあえず忠輔は冷たいものをだしつつ、どなたですかと改めて尋ねました。
ところが彼女はにこりと微笑むだけでその問いには答えません。
そして誰もいないんじゃしょうがないなどと口走りながら、彼女はバスタオル一枚の姿のまままっすぐ桜花の部屋へと向かいました。
どうも彼女は桜花と知り合いであるようです。
その桜花の部屋で何をするのかとおもうと、問答無用での探し物!
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何を探しているかは教えてくれませんが、あれこれひっくり返した末に結局桜花の部屋にはなさそうだと結論付ける彼女。
それならどこにあるんだ?と物思いに耽る彼女の顔。どこか見覚えがあるような……
ですがその考えがまとまらないまま、彼女は忠輔に別の部屋の家探しを手伝わせるのでした。

よくわからないもの探しを手伝っている最中、忠輔は彼女をどこで見たのか必死に思い出そうとします。
思い出せないということは、ひょっとすればうしなわれた記憶の中であっている人物なのかも?
忠輔はたまらず彼女に「俺が誰だか知らないか」と問いかけました。
彼女はすこし考え、そういえば……と前置きした後に
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「あなた誰?」と聞き返してきたのでした。

買い物から帰ってきたエル・パラシオの女性陣。
実は桜花が忠輔に、服をサプライズでプレゼントしようというのが目的でして、桜花は上機嫌で帰宅します。
が、その表情は謎の女性を見た瞬間に冷たいものに変貌し、忠輔にちゃんと留守番していろといっただろう、と怒りをあらわし始めるのです!
この謎の女性、AZUMIというリングネームで、ナンバー1女子プロレス団体「H.E.At」のエースを務めているトップレスラー。
なるほどそれならば忠輔がどこかで見ていても不思議じゃありません。
更にどうやら彼女、昔はここに住んでいたようなのです。
古巣に遊びに来るくらいいいじゃないとケロリとした表情をうかべるAZUMIですが、桜花は対照的に暗く沈んだ表情に。
わざわざ買ってきてあげた忠輔の服を、何も言わず無造作に投げ渡したのです。
そんな桜花にAZUMIはここに来た用件をズバッと言い放ちました。
「エル・パラシオのチャンピオンベルトをちょうだい」、と!
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桜花と万里子以外は見たことすらないそのチャンピオンベルト。
「クイーン・オブ・エル・パラシオ」「紫紺のベルト」などの異名をとる、由緒正しいベルトであるようです。
ところがAZUMIがその王座についたままエル・パラシオを離脱して返上、空位となったまま封印され現在にいたるというわけらしく。
現在H.E.AtのチャンピオンでもあるAZUMIが何故今になっておいて行ったベルトを取りに来たのか。
しかもただとりに来たわけではなく、小切手を差し出して言い値で買い取るとまで言い出すではありませんか!
金で買おうとする行為にはさすがに怒りの表情を浮かべる万里子。
じゃあしかたない、正式に挑戦してあげるから、桜花と万里子のどちらが王者なのか決めろと言い出すAZUMI。
そんな彼女に桜花は「お前とは戦う気が無い」「ベルトが欲しかったら持って行け」とまで言うではありませんか!!
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なぜ桜花はここまでAZUMIを毛嫌いしているのでしょうか?
彼女が紫紺のベルトを欲しがっている理由とは?
突然の訪問者が、この物語の重要なキーとなるのです!!

という訳で、新たな火種が巻かれた今巻。
この本筋も非常に気になるところですが、そのほかにも見所はございます。
ハーレムものには欠かせない海&水着回、あのプロレスの神様とまで言われた名レスラーの霊が登場!
エロスに小ネタなんかでも楽しませてくれます!
そして本作のもうひとつの軸である恋愛部分もしっかり描写。
忠輔に思いを寄せる陽向、そしてなんだかんだといい感じになりそうな忠輔と桜花。
このあたりが今回の事件などでどう転がっていくのかに注目したいですね!!

大きな転換期となりそうな「ここが噂のエル・パラシオ」第3巻は全国書店にて発売中です!!
エロス要素だけではない、ドラマやレスリング部分もきちんと楽しめる本作。
いろいろと謎の部分が多かった桜花やエル・パラシオのあれこれが明かされていきそうで、これからが俄然楽しみになってきましたね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ここが噂のエル・パラシオ 3 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
小学館
2011-05-12
あおやぎ 孝夫

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本日紹介いたしますのはこちら、「魔法少女 かずみ☆マギカ ~The innocent malice~」第1巻です。
芳文社さんのまんがタイムKRコミックスより刊行、まんがタイムきららフォワードにて連載されています。

作者は原作は平松正樹先生、作画が天杉貴志先生。
平松先生は多くのゲームやアニメなどの脚本やシナリオを手がけておられ、作詞や小説なども手がけるマルチな脚本家です。
天杉先生はアンソロジーや、カット、イラストなどで活躍されている漫画家です。

さて、本作は「おりこ☆マギカ」と同日に発売された「まどか☆マギカ」のスピンオフ作品です。
基本的に「まどか」の設定を踏襲していた「おりこ」とは違い、本作はかなり大きくアレンジが施されているのが特徴。
原作のキャラすら出てこない、独自のストーリー展開が楽しめるのです!!

暗く、狭い空間で目を覚ました少女。
ここから出せと大きなこれを張り上げながら体を伸ばすと、その場所からあっさりと外に出ることが出来ました。
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すると目の前には携帯を手にした男性が一人。
こいつが自分を閉じ込めた誘拐犯だと確信した少女はその怒りのままに飛び掛るのですが、そこで自分が全裸であり、おなかがペコペコであることに気がつくのです。

男性に食事を振舞ってもらうこととなった少女。
事情を聞けば、なんでもトランクにはショッピングモールを爆破するための爆弾が入っていたはずなんだそうで。
彼女をさらってしまう形になったのはまったくの想定外で、少女に危害を加えようと言うつもりはまったくないとのこと。
そこで少女は安心して料理をぺろりと平らげ、その味に感動。
これはプロの技だ、どこで店をやっているんだ?と問いかけました。
男はその質問に対し、残っていたご飯粒を指差して残すやつには教えないとかわしつつ、逆に自分が何故誘拐されたのか、裸なのかは気にならないのかと質問。
そこで冷静になった彼女、ようやく自分が「かずみ」と言う名前であること以外の記憶がないことに気がつくのでした!!

慌てるかずみをよそに鳴り響く男の携帯電話。
そこから流れてきたのは女の声で、爆弾を預かっているから30分後にある場所へもってこいと言う一方的な命令だけをして切れてしまいます。
男性はおそらくこの電話の主が、爆弾を手に入れた帰り道でぶつかり、トランクを取り違えてしまったと思われる女性だろうと予想。
その爆弾を取り返すために男性はその場所へ向かおうとするのですが、かずみもまたその場へ行くことを決めたのです。
おそらくその誘拐魔が自分のことを知っているはずだ。
そう考えての思い切った決意を!

かかってきた電話の指示通り、指定の場所にかくしてあった自分のトランクとかずみ入りトランクをすりかえる男性。
かずみはできるなら爆弾は使わないで欲しい、落ち着いたら男性のやっているお店を探したいんだ、と声をかけるのですが……
男性は何も答えずその場を去ろうとするのです。
が、そんな男性に声をかけてきた人物がいました。
自称通りすがりの女子中学生だと言う少女2人、
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海香とカオル。
いまトランクをすりかえたのを見たが、犯罪のにおいがする。
そういってむりやりトランクを奪い取ろうとするのですが、当然男性も抵抗します。
その衝撃でふたが開いてしまい、そこからいかにもと言った風情の爆弾が飛び出してしまったではありませんか!!
しかも何かのきっかけで3分にセットされた時限装置も起動してしまったようで……
やばいと慌てる男性ですが、この絶妙なタイミングで女刑事が率いる警察隊が突入してきました!
女刑事は、男性がショッピングモールを爆破しようとしていることを知っており、抵抗すれば打つと拳銃を突きつけてきます。
あんまりな急展開に緊迫する周囲ですが、その空気を打ち破ったのはトランクから飛び出してきたかずみでした。
男性の前に立ちはだかり、彼は記憶喪失の自分を助けてくれた、そして記憶はないが食べ物を大事にする人が悪人であるはずが無い、だから男性は悪人じゃない、とけっこう無茶な理論を叫びます。
せめてこの爆弾が本物かどうか確認してからにしてくれと懇願するかずみですが、その時も爆破までの時間は近づいています。
爆弾の解除方法は男性すらわからず、もはや逃げ出す時間もないか……
そんな時、かずみは「爆弾止まって」と心の中で念じました。
それに呼応するかのように、
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耳にしている鈴のようなピアスが鳴り響きます。
しかし爆弾のタイマーがゼロになったそのとき、爆弾は無情にも爆発!
ところがその爆発は、かわいらしいおもちゃの爆発のそれではありませんか!
何だいたずらかよ、やはり女の捜査はダメだなとひそひそ話しはじめる警察隊。
更にかずみは、いきなり爆弾を置いて男性をはめたのは女刑事だと言い出すのです!
何の根拠もないその言葉。
当然相手にされるはずもなく、その場はうやむやのまま終わるのですが……

その後、かずみは先ほどの海香とカオルとの3人で暮らしていたことが判明します。
失われた記憶は戻らないものの、以前のように暮らそうと優しく受け入れてくれる二人。
こうしてかずみはまだ一向に見えないかつての日常に戻ろうとするのです。
そんなある日、海香とカオルは先日の女刑事に呼び出されて家を出ます。
お留守番をしていたかずみですが、そこへ彼女達を呼び出したはずの女刑事が訪ねてくるではありませんか。
入れ違いになったのかな?という女刑事に、丁度そのとき作っていた手料理を振舞うかずみ。
ですが和美はその料理が「食べた人の善悪がわかる魔法の料理」だなどと言い出し、女刑事に質問を始めたのです。
何故あんなに早く現場に来たのか、何故男性を撃とうとしたのか、そして何故今こうして2人をおびき出してかずみと1対1になったのか。
それは全て自分が手柄を立てるために爆弾事件を画策した為で、そのことに気がついたかずみを消そうとしたからだ。
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そうキッパリと言い切るかずみ。
女刑事はと言うと、魔法の料理なんてふざけるな、と料理をひっくり返して激昂します。
その様子を見たかずみ、魔法の料理なんてウソだとあっさり手のひら返し。
しかし、物語の中で料理を粗末にしたものは本当の悪人だ、だから女刑事も悪人だとまたもはっきり断言するのです!!

そんな指摘をされた女刑事、意外にあっさりその通りだと認めます。
女がのし上がるためには手柄がいる、ある人物に男性の情報をもらい、利用しようとしたのだとすっかり教えてくれました。
それもそのはず、彼女はその人物から「証拠を残さず人を殺す」力ももらっていたのですから!!
たちまち蟷螂のような異形へと姿を変ずる女刑事。
襲い掛かってくるその異形から逃げ惑うしかないかずみですが、その最中に過去の出来事らしきイメージがフラッシュバックします。
それを整理する暇もなく、女刑事に首を引っつかまれてしまうかずみ。
すわ大ピンチかと思いきや、女刑事がかずみの耳のピアスを触ったことから事態は一変するのです!
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「汚い手で触るんじゃない!」と叫んだかと思うと女刑事の手首を握りつぶし、宙に舞って耳のピアスを鳴らすかずみ。
すると瞬く間に
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魔法少女の姿へと変身したのでした!!

と言うわけで、記憶を失った魔法少女を主役とした本作。
この後、かずみの周りにおおくの魔法少女が存在することがわかり、彼女達とともに記憶をたどりながら魔女と戦っていく物語が展開します。
魔女を倒すと、その魔女の元となった女性が生きたまま戻ってくるなど、設定面でも原作との相違点が多く見られるこちらの作品。
設定面だけでなく、物語的にも戦闘要素が多いくらいで、比較的普通なかんじの魔法少女ストーリーが展開するのです。
そういった面でも「おりこ」とは大きく違ったストーリーが楽しめるわけですが、「魔法少女を狙う魔法少女」が登場すると言う点では共通。
どちらもこの敵対する魔法少女が鍵を握ることは間違いありますまい!!
そして第1巻ではともかく、今後もこの比較的平和な魔法少女バトルが展開するとは限らないわけで。
第2巻でどういった展開になだれ込むのかと言ったところにも注目したいところです!!

また、最も目に付く「おりこ」「まどか」との相違点はやっぱりお色気要素が強いことでしょう!
冒頭からかずみがすっぽんぽんで登場するのをはじめとし、その魔法少女ルックもエロスを感じさせるデザインに!
更にその他の魔法少女も変身シーンで惜しげも無い裸体を披露してくれまして、そっち方面でも楽しませてくれるのです!

出だしから原作との違った味わいを押し出す、「魔法少女 かずみ☆マギカ ~The innocent malice~」第1巻は好評発売中です!
どこかokama先生を髣髴とさせる絵柄で描かれる、新たな魔法少女ストーリーが展開する本作。
「まどか」ファンの方はまだイマイチピンと来ないかもしれない展開ですが、それも今後きっと覆ってくるはず!
謎も多く、それが明かされるであろう先の展開が楽しみですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!





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本日紹介いたしますのはこちら、「魔法少女 おりこ☆マギカ」第1巻です。
芳文社さんのまんがタイムKRコミックスより刊行されました。

作者はムラ黒江先生。
先生は2000年代後半くらいからアンソロジーなどで活躍されていたようです。

さて、本作は一大ブームを巻き起こした「魔法少女 まどか☆マギカ」のキャラクター、設定を使用したスピンオフ作品です。
本編の後日談や前日談のようなものではなく、パラレルワールド的なストーリーとなっており、表紙に描かれている3キャラを主役的ポジションに置いたオリジナルストーリーが展開されています。

その日も魔女を撃退し、グリーフシードを手に入れた杏子。
戦いを終えたその場所には、無残な骸となった男女が転がり、その娘らしい少女が座り込んでいました。
呆然と両親の死体を見つめている少女に、現実なんてこんなもんだ、泣いても両親は帰ってこない、生き延びたことに感謝しろと言い残してその場を去ろうとします。
ですがやっぱり根は優しい杏子さん、「そんな顔したって誰も助けちゃくれないよ」と言いながら飴ちゃんを差し出しました。
そしてそのままご飯まで振舞ってあげたのでした。

杏子の買ってくれたご飯を食べている最中、苦悶する母の幻をみる少女。
そんな様子を感じ取ったのか、杏子は両親を殺したのは魔女という化け物で、自分はそれと戦う魔法少女というヤツだといろいろな解説をし始めます。
漫画みたいな話だけど、愛や正義のために戦ってるわけじゃないし、いなくなった家族が戻ってきもしない。
だからこれからはお前一人で……などと語っていたところ、少女は突然自分は「ゆま」だと名乗り、自分も魔法少女になって戦いたいと言い出したのです。
魔法少女生活のシビアさを痛いほど知っている杏子は、くだらないことを言うなとその考えを一蹴。
パパもママも死んじゃって行くところが無いとごねるゆまに、魔法少女は命がけなんだ、同じ命を懸けるならまっすぐ生きることにかけろとその場を去ろうとするのです。
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……が、そこはやっぱり根は優しい杏子さんのこと。
泣きべそをかくだけのゆまに、一人で生きるための術を教えてやると声をかけて連れて行くのでしたとさ。

いったん塒にしているホテルについた後、杏子は一仕事するといってゆまを連れ出します。
ゆまをおとりにしての盗み、銭湯への忍び込みなど、決して褒められたものではない一人で生き抜くためのあれこれをする二人。
そんな真っ当ではない日常を過ごす二人ですが、まるで妹のように自分を慕ってくるゆまの存在は、杏子の心に安らぎを与えてくれていたのでした。
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そんなときでも魔女との戦いは繰り広げられます。
魔女を圧倒する杏子の力を憧れのまなざしで見つめるゆまですが、退治したと思っていた魔女が最期の一撃を由真にはなってきました。
気がついた杏子がそれを防ぎ、ゆまは無事に終わるのですが、返り血で汚れてしまいます。
その血が今の攻撃によって怪我をして出たものではないかと心配した杏子が、ゆまの髪の生え際を確認してみると、
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そこにはタバコを押し付けられてできた火傷の痕のようなものがいくつかついているではありませんか!
事情を聞いてみれば、なんでもゆまの両親の仲は険悪だったようで、父が家に帰らないのはお前が可愛くないせいだという母による虐待を受けていた様子。
そんな背景もあってか、強くなりたいとゆまは叫ぶのです。

杏子が強いのは魔法少女だからなのか、自分もなれるのか、他にも魔法少女はいるのか。
必死にそんな質問を投げかけるゆまに対し、応えたのは
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みんな大好きキュゥべえでした。
「織莉子(おりこ)」の言ったとおり君にも素質があるようだ、と言いながら姿を現した彼、いつものように勧誘を始めました。
子供に余計なこと吹き込むなとキュゥべえを掴みとめる杏子。
彼女らしくない行動にちょっとだけ驚いた我らがキュゥべえさんですが、そこで大人しく帰るだけでなく有益な情報も与えてくれました。
何故かこの町に担当しているはずの魔法少女がいないのは、別の魔法少女によって殺されてしまったからだ、という情報を!
グリーフシードは限られているわけですし、争奪相手がいなくなればよりゲットしやすいというのは理解できるところ。
ですが実際問題、今この町は魔女狩り放題な状態で、その線も考えづらいような。
謎は多いものの、杏子からすれば気をつけることくらいしかやることはないわけで。
魔法少女になんかなろうと思うなとゆまに重ねて忠告し、いつもの暮らしに戻るのでした。
……ところがゆまはその忠告を素直に受け取ることができません。
なぜキュゥべえが魔法少女になれるといったのにそれを許さないのか。
自分を役立たずと罵った母のように、杏子もゆまを役立たずと思っているのか?
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どんどんと思いつめてしまうゆま。
そのどす黒い想いに呼応するように、彼女へ魔手が伸ばされます。
そしてその魔の手は魔女のもではなく、キュゥべえに何かを吹き込んだ怪しげな魔法少女
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織莉子のものだったのでした……

というわけで、杏子とゆまの活躍が描かれる本作。
後半では一転して多くの人が求めてやまなかったという説もあるマミさんが中心となるストーリーが展開します。
共通してちらつくのが織莉子、そして彼女に心酔しきっているキリカという少女。
彼女たちは魔女を倒すという魔法少女の目的とは違った目的がある様子。
本作の冒頭で織莉子は何かを見てしまい、それをきっかけに何か行動を起こしているようなのですが……
その行動こそが本作のキモ。
織莉子は何をたくらんでいるのか、何を見たのか。
その企みに巻き込まれたマミさんや杏子&ゆまはそれを阻止できるのか、あるいは……?
多くの謎をはらんだ物語は、原作とはまた違った面白さを持っているのです!!

大人気作のスピンオフ、「魔法少女 おりこ☆マギカ」第1巻は好評発売中です!
マミさん杏子だけでなく、ほむらやまどかもチラッと顔見せしてくれる本作。
彼女たちが第2巻で本格的に絡んでくるかどうかなんかも含め、ファン必見の作品となっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!




魔法少女おりこ☆マギカ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
芳文社
2011-05-12
原案:Magica Quartet

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本日紹介いたしますのはこちら、「血界戦線-震撃の血槌-」第3巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、ジャンプSQ、ジャンプSQ.19にて不定期に連載されています。

作者は内藤泰弘先生。
本作の紹介は「内藤泰弘」のテーマでまとめていますので、ご興味などございましたらご覧くださいませ。

さて、異世界と交わった町、ヘルサレムズ・ロットの秩序を守るために日夜奮闘をしている秘密結社ライブラの面々を描く本作。
今巻もまたいつもどおりの空前絶後な事件が巻き起こるのです。

ヘルサレムズ・ロットに聳え立つ、特別な犯罪者を拘束するための……平たく言うと超巨大刑務所にやってきたクラウスとエイブラムスはやってきていました。
その目的は、凶悪犯罪者の保釈。
当然そこのトップである獄長はにべもなく却下するのですが、保釈を求める理由を聞くとその表情は変わります。
「偏執王アリギュラ」。
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あの堕落王フェムトに並び立つ、数々存在するこの町のやばい存在の中でもひときわ際立つ危険な存在!!
そのアリギュラが、彼女の作り出したというその凶悪犯罪者、「ブローディ&ハマー」を奪還しにきたと言うわけで。
アリギュラはモンスターのような巨大トラックで一直線にここへ向かっており、道中の車を捕食して巨大化更に巨大化し、やがてこの刑務所を破壊するだろうと予想されます。
そうなれば4000万収容されている犯罪者の半分は死に、のこり半分は野に放たれ、混沌のヘルサレムズ・ロットがより一層無茶苦茶になってしまうことでしょう!
それでも獄長は簡単に首を縦に振らないのですが、ある交換条件を満たせばどうやら保釈を認めてくれる流れになりました。
そしてクラウスとエイブラムスは件の犯罪者を連れ出すことに成功するのですが……

その頃、レオはザップとバイクでライブラの会合へ向かっていました。
なんだかんだと仲良く喧嘩しながら道をかっ飛ばしていると、後ろからあのモンスタートラックが接近してくるじゃありませんか!
物凄い勢いで一般車両を飲み込みながら突進してくるトラック。
ザップはすんでのところでトラックの猛追を振り切るのですが、後ろを振り返るとそこに居るはずのレオの姿がありません。
食べられちゃった!?
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……と思いきや、レオは運よくトラックの出っ張りに引っかかって宙ぶらりん状態になっていました。
必死で壁をよじ登り、コクピットらしきところにたどり着くと、そこにはゴスロリルックの女性がうずくまっております。
わけがわからないレオ、ザップに電話したりその女性の写メを送ったりするのですが、いつもの押し問答仁突入してしまいます。
そしてその声を聞きつけたのか、いつの間にかその女性はレオのすぐ後ろに仁王立ちしており……
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あっさりとっつかまってしまうのでした。

クラウスたちが連れ出した凶悪犯罪者。
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彼はブローディ&ハマーと言う名のとおり、2人と言えば2人の存在です。
イケメンなボディの持ち主がハマー、そしてそのハマーの仲に共生する意思を持つ血液がブローディ。
超極悪な犯罪者だったブローディがアリギュラの手によって血液にされ、ある理由でハマー本来の血液とそっくり入れ替えられ、2人が1人な今の状態になったのです。
極悪人なブローディですが、ハマーは外見に負けないナイスガイでして、いい顔をしていないブローディを無視してクラウスたちとともにアリギュラを迎え撃つことにしました。
ハマーの……というより、ブローディの能力は血液を鎧かパワードスーツのように身にまとって超パワーで殴ると言うシンプルなもの。
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迫り来るアリギュラのトラックに真っ向から立ち向かうハマー。
その能力を発揮し、思いっきりジャンプしてパンチを叩き込みます!!
……が、やっぱり質量と勢いが違いすぎるわけでして。
トラックも一時停止したものの、ハマーははるかとおくに吹っ飛ばされてしまったのです!

とりあえず仕切りなおしとなった今回の作戦。
パンチは踏ん張りが肝心だと言うことで、改めてトラックを迎え撃つことにします。
ハマーとブローディの奇妙な絆、捕らえられていることが逆に功を奏することとなったレオ、K・Kの狙撃にスティーブンの能力、そしてクラウスの技。
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ライブラの面々がそれぞれの能力を最大限に活かし、挑むことになるアリギュラのモンスタートラック!
果たしてどんな作戦でこのトラックを止めるのでしょうか!
作戦がうまくいったとして、一度はぶっ飛ばされてしまったハマーのパンチでトラックをどうにかできるのでしょうか!?

というわけで、今回も無茶苦茶な敵が登場して無茶苦茶な抵抗を試みる今巻。
スピード感溢れる戦闘シーンは臨場感満点!
思わず手に汗握る興奮を与えてくれることでしょう!
そしてアリギュラと言う新たな「王」も登場し、彼女やフェムトの再登場や、他の王の存在なんかも気になるところ!
とんでもない苦労をしている当人達には申し訳ありませんが、今度はどんな圧倒的な脅威が降りかかるのかが楽しみなところですね!

今回も熱くてクールな面々が活躍する、「血界戦線-震撃の血槌-」第3巻は好評発売中です!
ちょっぴり真面目なオマケ漫画も7P描き下ろされ、オマケも充実。
一気に読みきれてしまうスピーディーな本編とあわせ、隅々まで楽しめることうけあいですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


血界戦線 3 ―震撃の血槌― (ジャンプコミックス)
集英社
2011-05-02
内藤 泰弘

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本日紹介いたしますのはこちら、「やまちち」第1巻です。
秋田書店さんアキタコミックスデラックスより刊行、ヤングチャンピオンにて連載されています。

作者は吉沢緑時先生。
吉沢先生の前作、「ざんねんなこ、のんちゃん」は08年9月20日の記事で紹介しております。
ご興味のある方はそちらもご覧くださいませ。

さて、本作は一人の少女と一匹の妖怪を中心に、色々な出来事が巻き起こる日常ギャグ漫画です。
ですが油断しているとえっと驚くような展開が待っていたりもする、一筋縄では行かない作品となっています!

母親の仕事の都合で長野に引っ越してきたのどか。
母の仕事が落ち着くまでおばあちゃんに引き取られ、二人で暮らすことになりました。
おばあちゃんと母が今後のことなんかを話している最中も、携帯電話で東京のお友達と会話をしているのどか。
友達を作るのが上手なのどかのことだから大丈夫だとは思うものの、やっぱり離れて暮らすのは寂しいもの。
母はこっちでもたくさん友達を作ってねとのどかを抱きしめながら別れを惜しみ、仕事へと向かうのでした。

そんなこんなで始まるおばあちゃんとの二人暮らし。
ところがいきなりのどかの姿が見えなくなってしまいます。
おばあちゃんは心配そうにのどかを呼ぶのですが、のどかは
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何故かたんすの引き出しの中から、お面を被ったうえなんか声がおかしいという奇妙な状態で姿を現しました!
そしてそのままおばあちゃんが寒いからやめとけと言うのも聞かず、外を探検してくると言って家を出てしまうのでした。

外に出たのどかは携帯を取り出し、母に電話をかけようとします。
ですがまだ運転中かもしれないと思い直し、ボタンを押す手を止めました。
寒さに葉輪鳴らしながら携帯とにらめっこをしていると、そこに「ガキのクセに最新のケータイ」「やるねぇ都会っ子」となんだかのどかの事情を知っている風な口ぶりの人物が近寄ってきました。
いや、
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「人」ではありません!
のどかに姿を見られたことに驚いたらしいその何か、酷く狼狽した様子で姿を消してしまいました。
のどかがそれをみたのはほんの一瞬だったためか、そのときは気のせいかとも思ったのですが……

翌日学校で、自己紹介にいどむのどか。
ですが彼女、どうしても口から言葉が出てきません。
先生も心配し、クラスの皆もひそひそやりはじめた頃、母との「いっぱい友達作ってね」という別れ際の約束を思い出してようやく意を決します!
私の名前は……といいかけると
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この間の変なのが突然わっと目の前に現われ、「やまちち」だ!!と叫ぶじゃあありませんか!!
あんまりの衝撃に気絶してしまうのどか。
ですが他の誰にもそのやまちちの姿が見えていないようで、転向初日から「自己紹介中なぜかいきなり気絶する少女」という非常にアレなレッテルが張られてしまうのでした……

のどかが目を覚ますと、おばあちゃんの家の布団の中でした。
なにもせず初日を終えてしまったのどかですが、おばあちゃんに心配をかけまいとして今日友達が出来たとウソをつき、その子と電話で話す振りまでして見せるのです。
いじめにでもあったんじゃないかと心配していたおばあちゃんも一安心し、そのまま夜を迎える登校初日。
おばあちゃんが寝静まったのを見計らい、一日経ったあとだから母に電話をかけてもおかしくないよねと電話を握り締めます。
でも普通ならば母のほうから何らかの連絡があってしかるべきでしょう。
おかしいなと思いながらぼんやり画面を見つめていると、なんと待ち受け画面の左上には「圏外」の二文字が踊っているではありませんか!
のどかが驚くその一瞬前に
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再びあのやまちちが姿を現し、圏外は俺様にも計算外だったぜ!と言いながらなんかにゅるぬるした触手っぽい指を口に突っ込んできたではありませんか!!
やまちちは騒がれるのが面倒だから紳士的に口封じをしただけだ、、12分このままにしとくからその間にこの状況に慣れろ!となんだか無茶な要求をしてきます。
とはいえこんなことをされて反撃なんかが出来るはずもなく、12分後解放されるのどか。
やまちちはと言うと、まず「何故祖母に友達がいるとウソをついたのか」という質問を投げかけてきました。
のどかの答えを待たず、なんだあの友達いますアピールは、自己紹介で2分12秒も黙っていたやつに友達なんか出来るか、どうせ前の学校でも友達いなかったんだろ?と追い討ちをするやまちち。
まさにその通りだったようで、のどかはそれはもう悲壮な表情を浮かべました。
ところがのどかはそのままフラフラと歩き出し、自分の荷物からお面を取り出して装着します。
そしてお面の下で泣きじゃくりながら、
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今度こそ絶対友達を作る、じゃなきゃお母さんが悲しむと決意の声を漏らすのです!
お面はないている顔をおばあちゃんに見られ、母に報告されないようにするためにわざわざ装着しているとのことで。
予想外にメンタルの弱い少女に戸惑ってしまうやまちち、これはもっとフレンドリーに接しないとダメだ!と方針転換。
何しにきたんですかと尋ねるのどかに、実にフレンドリーに
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「僕の検索数を上げてもらいに来たんだ」と言い出すのでした!!

「ぬらりひょん」の検索数、812000。
「河童」の検索数、8070000。
「天狗」の検索数、14000000。
そしてやまちちの検索数……1680。
検索数と知名度は比例するのだ!という持論を持つやまちちさん、いつか自分の姿が見える人間が現われたら自分の知名度をそいつに上げさせようと画策していたのです!
そんな微妙なことに必死なやまちちに、今までの警戒心はどこへやら、のどかは笑い転げてしまいます。
本人としてはシリアスな問題なのに、笑い転げられてしまってはやまちちもご立腹!
そのまま怒って帰ってしまうのですが、のどかは何だかんだいってまた来るであろうことを予感していました。
どうも彼は知名度を上げさせるために、口コミ的効果も期待して自分に友達を作らせるつもりらしい。
丁度自分も友達を作らなければならないし、丁度いいかも。
そんなことを考えながら、のどかは眠りにつきます。
明日からの新たな生活に思いをはせつつ、や……やなんとかさんのことを思い浮かべて。

というわけで、やまちちとの友達作り作戦が決行される本作。
クラスの問題児に目をつけられてしまったり、母へいい報告をしてもらうためなんとか担任に気に入られようと奮闘したり、クラスの悪ガキトリオにちょっかいを出されてしまったりと様々なアレコレが巻き起こります。
友達を作るためのエピソードは基本的にコミカルに書かれており、超純真なのどかと彼女にわからない下ネタをがんがん放って来るやまちちのやり取りにクスリとさせられることでしょう!
山ちちの存在を知らない子供たちが翻弄される姿も、のどかに友達が出来ない一因になってしまってはいるものの、どうにも笑えちゃうのです!
そんなコミカルな友達作りとは裏腹に、たまに展開する重いエピソードは衝撃的!
前の学校でのどかがどんな扱いを受けていたのかが明かされる第2話では、正直ギャグ漫画とは思えないショッキングな事実が明かされます。
そのトラウマの払拭方法もまた本作の設定を活かした物となっておりまして、ただ重苦しいだけで終わっていないのも素敵ポイント。
ギャグと重いドラマが両立した、独特の味わいが楽しめる作品なのです!
そんな硬軟織り交ぜたストーリーも、今巻最後に収録された第9話からまた一味違ったストーリーが展開していきます!
やまちち……妖怪「山地乳」のことを調べてみたのどかに突きつけられたその習性、そしてのどかが引っ越してきた村に蔓延する「起きず」と呼ばれる病。
この事態はどのように転がっていくのか、このあたりも注目せざるを得ますまい!!

ちなみにこののどかさん、ブログを書いていらっしゃる様子。
「のどちん〇ブログ」で検索すると見付かりますので、そちらもあわせてみれば楽しさも倍増するかもしれません!!

重くて軽い妖怪日常ギャグ漫画、「やまちち」第1巻は好評発売中です!
前作から絵柄も大分ポップになり、内実ともにグレードアップしている本作。
表紙からは想像しづらい非常に読み応えある内容となっていますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


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