3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

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本日紹介いたしますのはこちら、「絶対可憐チルドレン」第24巻です。
10年12月に小学館さんより刊行、週刊少年サンデーにて連載されています。

作者は椎名高志先生。
今までの紹介は「椎名高志」のテーマでまとめておりますので、お暇等ございましたらご覧下さいませ。


さて、フェザーに仮の体を与えるため九具津と協力することとなった前巻。
予想通りいくつかのトラブルはあったものの、何とか目的は達成され、あとはフェザー本人の準備待ちと言うことになりました。
事件後、成長したチルドレンたちと皆本は別々(部屋だけですが)にくらすことになり、ほんの些細ながらも引越しを終えたところ……
まもなく東京都下に直下型の地震が襲うと言う予知を告げる一報が入ったのでした!

予定の時間が来ると、確かにぐらぐらと東京を揺さぶる地震が襲いかかりました。
ですが救助が必要になるほどの大地震ではありません。
予知が外れたのかとも思いましたが、実際はビンゴもビンゴ。
多分東京都の南方300km弱ほどにあるだろう離島、八帖島を震源地にした地震だったのです。
なんだと安堵と言うか、気合が抜けたような表情を浮かべるチルドレンたち。
ですが八帖島はバリバリの観光地でもあり、観光客含めて1万人ほどの人々がいます。
更に悪いことは重なるもので、大雨のせいで深刻な被害も予想されるのです。
全員の無事はまだ確認されず。
天候不順で特務エスパー達はなかなか現地へとたどり着くことが出来ず、まずはチルドレンたち+賢木&皆本だけで救助に挑むこととなるのでした。

とりあえずは順調に救助活動を続けるチルドレンたち。
いつもならば瓦礫を薫がふっとばし、紫穂が救助者の位置を割り出し、葵がテレポートで移動させて病院へ運ぶ……と言う手順をとるところですが、この大雨では葵のテレポートで遠距離を移動させるのは困難です。
そこで葵は要救助者を泥の中から助け出すことに集中し、薫が念動力で運ぶと言う手段をとることになしました。
皆本から相手は自然災害なのだから、どんなエスパーにも対応しきれない状況もありうる、そうなったら自分や要救助者たちよりも自分を優先しろ、と言い聞かされていたのですが、薫はそんな言葉を素直に受け入れる気など毛頭ありません。
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自分は最強のエスパーなのだから、絶対に全員を助ける。
そう考えながら負傷者を病院へと輸送するのでした。

賢木のもとへ負傷者を送り届けたその時、八帖島を再び余震が襲います。
心配になった薫は皆本に無線で呼びかけるのですが、帰ってくるのは雑音ばかり。
皆本たちの乗っていたパトカーは先ほどの余震で横転し、濁流の中にうずもれていたのです!!
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慌ててそのパトカーの元へと駆けつける薫。
意識を保っていた紫穂は、なんとか葵を連れて陸に上がることに成功していました。
救助で危険な場所へ近づくために防護服を着込んでいたことが功を奏し、葵が肩を脱臼していた程度の負傷ですんだようです。
あとは皆本を探すだけ。
コールサインはこの近辺から発せられているようですが、とにかくこの状況ではそう簡単には見付かりません。
気絶している葵を簡易テントの下に寝かせ、紫穂と薫が捜索をはじめるのですが……その時またも余震が!
その余震で土石流が発生し、避難所を飲み込もうとしたのです!
薫の念動力で土石流を食い止めるのですが、更に別の場所で3箇所同時に土石流が発生!
その土石流はかおるたちが今いる場所に迫ってきているようで、避難しなければチルドレンたち自身も危険です。
薫は必死にその土石流も食い止めようとするのですが、とても全部を1人で食い止めることは出来ません。
その間も紫穂が懸命に皆本を探すのですが、やはり紫穂とは言えど濁流の中1人の人間を捜し当てることは困難で……
濁流が押し流してきた流木なども紫穂におそいかかり、このままでは皆本を助けるどころか紫穂の身も危険です!
薫は歯を食いしばりながらも捜索を続ける紫穂を念動力で濁流から拾い上げ、捜索を打ち切って既刊する決意をするのでした。

自分にもっと力があればと悔しさを抑えきれない薫。
まるでその思いに答えるように、バベルの地下で動き出すものがいました。
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体を作ろうとしていたはずのフェザーです。
動きを封じるはずのECMをものともせず、羽の生えた女性の姿を取って装置から飛び出すフェザー。
そしてECMが無いかのようにそのままテレポートを行い、チルドレンたちの目の前に姿を現したのです!!

現れたフェザーはあっという間に葵を治療し、更に土石流を押さえ込みます。
そしててきぱきと指示をし、瞬く間に数々巻き起こっていたトラブルを解決。
紫穂によって皆本も発見され、怪我が酷いながらもフェザーによって治療してもらうことによって難を逃れます。
その治療中、フェザーはその時皆本の見ていた夢から今までのっぺらぼうだった自分の顔を作成。
その顔はなんと
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未来の薫のものではないですか!
流石に例の未来予知を知らないチルドレンたちはその顔が誰のものなのかはわからないのですが、意識を取り戻した皆本はいきなり現実に現れた形になる彼女にびっくり。
そしてそれがフェザーだと知って2度びっくりするわけですが……ともかく皆本の正式な治療のために病院へ戻ることになるのでした。

こうしてフェザーが肉体を得ることとなった本巻。
超強力な能力を持つ彼女も本格的にお話に絡んでくることとなり、物語はまた一歩先に進んでいくことになりそうです。
このあと一同は学校の友達なども交え、室内温水プール施設でのリゾートを楽しむことに。
定期的にある水着成分の注入……と言う意味合いだけでなく、フェザーの謎に迫るストーリーもしっかりと挿入されています。
今後例の未来について鍵を確実に握っているであろうフェザーを廻る展開がおとずれるのではないでしょうか!
最近は乙女とオヤジの狭間を行き来している薫の気持ちも引き続き揺れ動いておりまして、ここでも積極的に皆本にアプローチしてくるフェザーの存在がひと悶着起こしそうであります!
今巻の最後のほうでおぼろげながらフェザーの正体が予想されるのですが、その予想からすると形成した顔に薫の未来の顔を選んだのも気が向いたから、と言うものではない感じも受けるのですが……
フェザーの正体のみならず、兵部もなにやら動きを見せ始め、更に目の離せない展開が続くようです!!

フェザーが本格始動する、「絶対可憐チルドレン」第24巻は好評発売中です。
最新第25巻は今月発売予定!
スクールカレンダー付きの限定版も発売予定となっておりますので、ファンの方ならばそちらも抑えて行きたいところですね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


絶対可憐チルドレン 24 (少年サンデーコミックス)
小学館
2010-12-17
椎名 高志

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本日紹介いたしますのはこちら、「蝋燭姫」第2巻です。
エンターブレインさんのビームコミックスより刊行されました。

作者は鈴木健也先生。
本作の今までの紹介は09年11月1日の記事にて記載しておりますので、そちらもよろしければご覧くださいませ。

さて、政治的なアレコレによって修道院で暮らすことになったスクワ姫。
侍女である護衛でもあるフルゥとともに慣れないながらもその生活を受け入れていくのですが、ある日に修道院へ姫を狙った野党の集団が攻め込んできてしまいました。
窮地に立たされたと思いきや、タイミングよく現れた騎士団によって野党は全滅。
助かったと安堵したフルゥですが、実はこの騎士団の狙いもスクワ姫だったのです!
姫自体は逃がすことに成功したものの、フルゥは彼らに捕まってしまうのでした……

占拠された修道院の牢に投獄されてしまったフルゥ、慣れない誘惑までして脱出を目論むのですが、冷静で頭のキレる騎士団のリーダー、スェイにあっさりと阻止されてしまいます。
スェイは何のつもりで姫を狙ったのかと言うフルゥの叫びにコウ答えます。
姫の命はもらうが、それは殺すと言う意味ではない。
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妻として迎え、自分が王になるのだ、と!
いち騎士団の次男であるスェイが目指すにはあまりにも途方も無い夢ではありますが、現状の次期王であるルルクス王子を認めないものも多い今ならば、一気に王都に攻め入って首を落としてしまうことによって王座につくことも出来るだろう……
それでもかなり難しい夢物語に過ぎない気はしますが、スェイは本気も本気です。
自分の目的も明かしたのだからおまえの手の内も見せろとフルゥににじりより、口をあけろと命令。
その舌にナイフをあて、これからする質問にハイならまばたき1回、イイエなら2回することで答えろと迫ったのです!
ですがフルゥは舌が傷つくことを一切厭わず、「何故零落した姫に未だに忠義を尽くすのか、誰かバックにいるのか」と言う質問にスクワ姫には思わず従ってしまいたくなるような美しさがあるのだと返答。
そんなフルゥのまなざしに気圧されたのか、スェイはナイフをおさめ、そんなに美しいならやっぱり嫁にしたいねと憎まれ口を叩くのでした。

その時、スェイを呼ぶ部下が現れます。
どうやらスクワ姫の逃亡先の目処がついた様子。
さっさとスクワ姫を連れてきてそのまま妻にしてやるぜと言い残してその場から去ろうとするスェイですが、フルゥは彼を睨みつけながら「貴様のような男になど」「姫様は私の手で玉座へと」と叫びます。
フルゥが常々願っていたその願望ですが、それは良く考えなくともスェイの狙いよりもよっぽど途方も無い夢物語。
スェイは野党にすら負けたくせに、どうやって国だと言うのかと吐き捨てるのでした。

その言葉はフルゥの心を完全に折ってしまいます。
突きつけられたスェイの言葉はうすうす自分もわかっていた……自分が無力に等しいと言う現実をハッキリ知らしめるものだったのですから。
騎士団の数が減ったことを見計らって助けに来てくれた修道女のマロノーにも力ない返事をするばかり。
自分には無理だが、スェイならばスクワ姫を王座に返り咲かせることも出来るかもしれない。
するとそんな言葉を漏らす消沈したフルゥを見て、マロノーは急に奇声を上げたかと思うと、今度はフルゥに説教とも願望ともつかない言葉を投げかけ始めたのです!
姫が大好きでたまらないとか言ってたくせに、何故強がりの一つも言えないのか!
そういった後、マロノーは腰についた袋から干し肉を取り出し、フルゥは頭が悪いんだから難しく考えるなと言いつつそれを窓から投げ捨ててしまいます。
この干し肉が自分の一番大切なものだが、なくしてしまっても少し探してあきらめてしまう。
自分の好きなものなんてそんな程度だが、フルゥが好きなものは違うはず。
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一番大好きな姫がどこかへ言ってしまい、それをへんな連中が狙っている……それなら命でも何でもかけてどこまでも追いかけて行って欲しい……
涙ながらに投げかけられたその言葉は、折れたはずのフルゥの心を完全によみがえらせます。
いえ、王座奪取の現実味よりも深い大きい愛を持っていたことを思い出したのかもしれません!
とにかくフルゥは大暴れ。
居残りの騎士達を修道女達の協力も得て撃退し、馬を入手して姫のあとを追うのです!!

フルゥが立ち寄った民家でスクワ姫の手がかりを掴み始めていた頃、スェイたちは姫を連れて逃げていた修道女のヤージェンカに追いついていました。
ヤージェンカは必死に抵抗するものの、やはりどうにかなるはずもありません。
あえなく捕らえられてしまうのですが、肝心の姫はヤージェンカの策によってまったくの別人と入れ替わっていました。
即姫をゲットとは行かなかったものの、姫の居場所を確実に知っているヤージェンカを捕らえることには成功したスェイ。
そのまま自身のアジトへと連れ帰り、あまりにも過酷な拷問を強いるのでした……

そしてフルゥは以前ヤージェンカに教えられていたとある修道院を訪ね、スクワ姫を発見していました。
ですがスクワ姫は修道女として認められない助修女として労働させられており、
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見るからにやつれた姿になっているではないですか!
思わず近寄ってきた修道女を突き飛ばし、強引に姫の手を引いて外に連れ出すフルゥ。
スクワ姫も最初は修道女に暴力を振るうなどとフルゥをしかりつけようとするのですが……
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程なく耐え切れなくなったようで、フルゥに抱きついて泣きじゃくるのでした。

修道院を離れ、スクワ姫に懇意な侯爵の下へ身を寄せようとするフルゥ。
幸い遠くも無いと馬を走らせるフルゥですが、スクワ姫はそこへ行かないと断った上、フルゥに言わなければいけないことがあると真剣な表情でこんなことを打ち明けたのです。
私はフルゥと初めて会った時からずっと
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あなたのことが大嫌いだったの、と……!

この状況でフルゥを嫌いだったと打ち明けたスクワ姫の真意とはなんなのでしょうか。
いくら自分がどう言われたとしてもスクワ姫が大好きなフルゥですが、面と向かって嫌いだといわれて平気でいることが出来るはずもないでしょう。
この2人の関係は一体どうなるのでしょうか?
スェイもフルゥの、スクワ姫の動向に気が付かないほどバカではありません。
フルゥとスェイ、2人の決着線が繰り広げられるのは必然!
ヤージェンカの安否やここに来て明かされるフルゥの本当の気持ちなど、数々の気になる点を散らばしては回収しながら、物語は衝撃の結末へと進んでいくのです!!

というわけで完結となった本作。
第1巻終盤の怒涛の展開をそのままに、次々に波乱の巻き起こる第2巻。
そんな激動に次ぐ激動のまま物語は完結します。
それぞれの思惑がからみあう、スクワ姫with王位争奪戦と、フルゥとスクワ姫の絆がキモとなっているこの物語、そのどちらもが驚きのどんでん返しが用意されています!
王位争奪戦も見所満点なのですが、なんと言ってもすさまじいのがフルゥとスクワ姫の心の動き!
フルゥを信頼していたと思われていたスクワがどういう気持ちを抱えていたのか。
スクワ姫を愛しきっていたと思われていたフルゥが裏に秘めていた異常な感情とは。
二人の思いだけでも驚くばかりの驚愕が用意されており、驚きや感動など様々な感動を呼び起こしてくれるのです!
勿論力強い描線で繊細に描きこまれた魅力的なビジュアルも健在。
生活感まで感じさせてくれる絵柄は物語の没入間を深めてくれること必至ですよ!!
ところどころ不意に挟み込まれるお下品なギャグもきちんと用意されておりまして、基本的に重苦しい第2巻では一服の清涼剤になることでしょう!
フルゥとスクワ姫が全裸で抱き合ったりするシーンなんかもあり、そっち方面の需要もバッチリです!
お漏らしもあるよ!!……大きいほうですけど!!

姫と侍女の愛を描ききった、「蝋燭姫」最終第2巻は好評発売中です!
最後の最後まで作者さんの気合が感じられる本作。
解釈がわかれそうなラストシーンまでたっぷりと楽しめる、ボリュームたっぷりの作品になっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


蝋燭姫 2巻 (ビームコミックス)
エンターブレイン
鈴木 健也

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本日紹介いたしますのはこちら、「任侠姫レイラ」第4巻です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行されています。

作者は作画が米井さとし先生、原作が梶研吾先生。
本作の紹介は、「任侠姫レイラ」のテーマでまとめておりますので、よろしければそちらのほうもご覧ください。

引退がかかったみちのくに覆面KOトーナメントに挑み、苦戦しつつも1,2回戦を勝ち抜いたレイラ。
ですが蓄積したダメージは大きく、レイラの体には多大なダメージが残ってしまいました。
2回戦の後も病院に直行しようとしたところ、以前襲撃してきたヒマツリ仮面が再び襲来!
いきなりレイラを掴み、相打ち覚悟の攻撃を仕掛けてこようとしたのでした!!

子供の頃に社長であるカムイに拾われ、奥羽プロレスが人生の全てという生活を送ってきたヒマツリ仮面。
彼はカムイがなんと言おうと奥羽プロレスをなくすわけにはいかないと考え、ならばと試合外でレイラを潰すと言う手段に打って出たのです。
その行動自体はともかくとしても、レスラーのギミックそのものを喧嘩に使用すると言うことが許せないと言うレイラ。
ですがヒマツリ仮面は一切ひるむことなく、自分は今まで喧嘩などもしたことがなく、ヒマツリ仮面としての戦い方しか知らない、どんな形になってもレイラを潰す、とはっきりとゆずれぬ意思を表明しました。
その姿勢に嘘はないと感じたレイラ、プロレスが全てなら喧嘩もプロレスラーとしてやればいいと相手を認めつつ、こういったのです。
自分も客が1人でもいればレスラーとして戦える、と!
偶然なのか必然なのか、たまたまその2人の戦いをスポーツ新聞の記者が見ていたのです!
喧嘩でなく、プロレスならばレイラのほうが一枚上。
頭突きでヒマツリ仮面をひるませ、そのまま
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スープレックスでヒマツリ仮面を車のフロントガラスに叩きつけます!
更に攻め手を休めず両足をガッチリと関節技で固めました!
そして彼女の口からでたのは、アンタは団体愛のために行動をしているのではなく、ただ自立できていないだけだと言うヒマツリ仮面を一周する言葉だったのです。
カムイは団体を潰してでも子であるレスラーに独り立ちをして欲しいと考えていた。
そのこともわからず、今までの人生で培ってきた感情の爆発を客に見せるのがプロレスラーだと言うことも忘れて団体にしがみついていたヒマツリ仮面。
そんな体たらくならばリングの周りをうろうろしていないでさっさと引退しろ。
その言葉でついに彼はヒマツリ仮面はマスクを脱ぎ、ヒマツリ仮面としてではない自分の人生を歩み始める決心をつけました。
歩き去る彼を見送るレイラですが、やはり体力は限界を超えていました。
そのまま地面に崩れ落ち、
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意識を失ってしまったのです……

病院で面会謝絶、絶対安静と診断されてしまったレイラは、失った意識の中で夢を見ていました。
かつて父とともに見に行ったプロレス。
その中でひときわ輝きを放っていた、実力・人気ともにトップを走っているアイドルレスラー、闘田零美。
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幼き日のレイラは彼女にあこがれ、いつの日かあんなふうになりたいと考え、父相手に技の練習をしていた、幸せだった頃の夢を。

レイラが大変な事態に陥っている間、奥羽プロレスも大きく動いていました。
まず前述のヒマツリ襲撃の件です。
バッチリ写真に撮られてしまったスクープではあるものの、そのニュースを預かった百戦錬磨のプロレス記者である猪成はその写真などの全てをカムイに委譲してしまいます。
スキャンダルとも取れるこの事件、受け取ったカムイは含み笑いをするばかり。
なにやら普通ではない何かをたくらんでいることは間違いなさそうです。
そしてトーナメントのほうも着々と進んでいます。
レスラーの様々な確執や目論見などが交錯する、数々の激戦を制して準決勝に進んだのは社長であるカムイ、Xとして参戦した奥羽プロレス旗揚げメンバーのキングベンケイ、そして女子レスラーのゆきおんな。
レイラとあたるのはゆきおんな。
女子同士の準決勝第1試合となったわけです!

試合が始まると雪女はいきなり自分を中心にした小さな赤い円を描きます。
何を意味するのかはわかりませんが、仕掛けにはまず乗ってみるのがレイラの流儀。
早速攻撃を仕掛けるものの、ゆきおんなは円から出ることなく驚くべき柔軟性で攻撃を回避し、カウンターを取ってしまうのです。
どうしても攻撃を当てることができないレイラは焦りを隠せません。
そんなレイラに対して雪女が仕掛けてきたのは
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なぜかおっぱいわしづかみ!!
なんでも先ほど描いた赤い円はテリトリーを示すものではなく、ラインの内側はプロレスの業、外側は女の業を示しているのだとか。
まだ年若いレイラはどちらでもいけるが、両方に生きることはできない、自分は女を捨ててプロレスを採ったがお前はどうする!とおっぱい握り締めながら迫ってくるのです!
要するに覚悟もなくプロレス選ぼうもんならおっぱいむしりとるよ!と言いたい御様子!!
おっかない限りですが、レイラの答えは予想外のものでした!
なんと、ゆきおんなは女を捨ててプロレスを選んだと言うが
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しょせんキンタマついてねーじゃん!とまたぐらをわしづかみにしたのです!!
おっぱいVSお股!!
なんだか物凄い意地のぶつかり合いになってしまいましたが、ともかくこれでレイラの意地は見せ付けられたはず!!
ここから戦いは本格化することになるのですが、ゆきおんなの内に秘めた想い、そしてその正体は意外すぎるものでした!!
果たしてゆきおんなの真実とは!?
相当な実力者である彼女を破り、レイラはトーナメントを制覇することができるのでしょうか!?
満身創痍のレイラ、決死の激闘は決着を迎えます!!

と言うわけで、今巻で完結となった本作。
残念ながら東北までしか日本縦断は描かれず、かなり急ぎ足の展開+「俺たちの戦いはこれからだ!」風味のエンディングを迎える事になってしまいました。
ですが急いではいる物の慌てて風呂敷をたたみ始めて無茶なことにはなっておらず、限られたページでできうる範囲のナイスなフィナーレになっていると思います!
最終巻と言うことで試合シーンも多く、待望(?)の女子同士の試合も描かれ、バトル展開を求めている方でも十分楽しめる内容に。
わずかではありますがレイラの過去も明かされ、ドラマ部分もまとめられています!

今回はオマケ漫画も6P描き下ろしと大充実。
本編には一切関係ありませんが、多くのキャラが登場するサービス満点の内容なのです!

修羅のプロレス道を歩む女子高生を描いた、「任侠姫レイラ」最終第4巻は全国書店にて発売中です!
プロレス界のブックはあると言うことを認めながら、それをいつでも裏切れる実力を秘めているよと言う幻想も描いた本作。
最近のプロレス漫画では最も少年漫画らしい(女性主人公なのに!)作品だっただけに、ファンとしては終了は寂しいところ。
早いところ新たなるプロレス漫画の芽が出て欲しいところですが、とりあえずは本作のフィナーレ楽しむとよろしいのではないかと思います!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!


仁侠姫レイラ 4 (少年チャンピオン・コミックス)
秋田書店
2011-02-08
梶 研吾

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本日紹介いたしますのはこちら、「ヒャッコ」第5巻です。
ソフトバンククリエイティブさんのフレックスコミックスより刊行、フレックスコミックスブラッドにて連載されています。

作者はカトウハルアキ先生。
本作は09年10月13日の記事にて前巻の紹介をしておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。

さて、数多くのキャラが魅力的な日常漫画である本作。
前巻でも多くの新キャラが登場し、一層にぎやかになりました。
その前巻では生徒会長選挙や上園四天王と言った新キャラメインの外伝的なお話が繰り広げられていました。
そこで今巻は当然日常風景に戻る、と思いきや、秋のイベント連発シーズンに突入!
体育祭に文化祭と、立て続けにシリーズ物となっております!

上園の体育祭は大変変わった方式を採用しております。
一般的な体育祭と言えば、いくつかの競技に各クラスが生徒を分配して参加しその合計点を競う、と言うものをイメージするのではないでしょうか。
ですがこの学園の体育祭は、生徒によって決められたたった一つの競技を全生徒で行うという異色極まりないもの、
そして今回選ばれた競技はなんと
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サバイバルゲーム!!
各生徒が2人一組となり、たった一つの王座を目指して血を血で洗う戦いを繰り広げるのです!!
しかも優勝チームには校長直々に焼肉食べ放題券が贈呈されるとのことで、普段はやる気がないであろう面々も闘志をみなぎらせます。
当然虎子はそんなもののあるなしにかかわらず盛り上がったのでしょうが、商品があるならば一層奮起すると言うもの!
主人公も含めた各人の欲が交じり合う、阿鼻叫喚の死闘が始まることになるのです!

時間経過とともに動き回れるエリアが限定されていき、被弾も技術系の生徒の奮闘で完全管理。
学校主催とは思えぬ完璧な設備の中でゲームは開始します。
虎子がタッグを組んだのは意外にも子々。
実は仲がいい上に運動神経的な面でも頼れる雀に「本気で勝ちに行くから」と袖にされてしまったのです。
そんな雀がタッグを組んでいたのは前巻で登場した四天王の一人、熊彦!
身体能力的にはトップクラスであろうこのチーム、予想通りに大ハッスル。
教師チームを含めてドンドンと屍を築いていくのですが、予想外に早い段階で強敵チームとぶつかってしまいます。
ほぼ互角の立ち回りの末、お互いに銃を突きつけあうと言う膠着状態に突入したその強敵とは、
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虎子の姉である鬼百合と、四天王の一、麒麟。
新旧生徒会長による超強力タッグだったのです!!

そんな戦いの中、異色の生き残り方をしていたチームが二つありました。
一つは他チームと協力して厄介なチームを潰してもらいつつ自分達はリスクは避ける、と言う狐&次期生徒会書記による姑息クレバーなチーム。
そしてもう一つはゲームとはいえ戦うのはちょっと怖いとあまり動かず隠れていた歩巳&火継のチームです。
性格的な違いはあれど、どちらかと言えば戦いなどしたくないこの二つのチーム、時間経過によるエリア制限に伴う移動中に運悪く鉢合わせしてしまいました!
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ですが反射的に引き金を引いてしまった歩巳の銃からは弾が発射されません。
なんで?と銃を弄繰り回す歩巳に毒気を抜かれてしまった一同はしばらくその姿を眺めているばかり。
ですが正気に戻った狐は、もしかして安全装置が外れていないんじゃないかと指摘します。
そんなことを言われても歩巳に銃のことなど簡単に理解できるわけがありません。
狐が教えてやると近寄っていけば、当然人がいい上狐を憎からず思っている歩巳は完全に気を許すわけで……
その時狐の顔に、いかにも何かをたくらんでいると言う物凄く邪悪な薄ら笑いが浮かんでいることなど気が付くはずもなかったのです!!

その頃しぶとく生き残っていた虎子チームはと言うと、龍姫&冬馬のチームと一時協力関係を結んでいました。
正直冬馬はゲーム開始前、何も言ってないのに虎子に「冬馬は足遅いからダメ」といきなりチーム結成を拒否されてしまっており、その意趣返しをしてやろうと考えてこの大会に参加したと言う事情があります。
ところが当の虎子はそんなことなど綺麗さっぱり忘れてしまっており……空回りもいいところでございました。
で、そんな2チームが手を組んでまで相手をしなければならないのはこれまた強力な獅子丸&鷹也の四天王チーム!!
正確無比な鷹也の攻撃に、あらゆる弾丸を木刀で叩き落してしまうという斬鉄剣もった侍かと言う鉄壁の防御を誇る獅子丸。
攻めも守りも完璧な相手に、ここまで生き残っていたとはいえ突出した戦闘能力を持っていない4人がどう挑むのか?
当然残されたのは知恵しかないわけですが……!
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と言うわけで、カトウ先生の趣味がでまくっている気がする体育祭編が収録された本作。
大人数の狙いが錯綜するサバイバルゲームですが、キャラ数の多い本作とは相性がよいのかもしれません!
活躍度に差はありますが、ほとんどのキャラが登場し、それなりの活躍を見せてくれます!
そしてその後に始まる文化祭編。
こちらもなかなか珍しいものを出展(?)することになり、クラス一丸となって準備を進めると言う本作初の展開を迎えます。
なにせ今までモブまっしぐらだった名も無き男子生徒なんかも苗字の字幕つきで登場し、リアル全クラスメイトが登場!
ただでさえ豊富なキャラを全力で活用するつもりだと言うのでしょうか!!
また、その文化祭にちょっぴり関連する形で歩巳の過去のお話も収録!
こちらも大変興味深い内容となっております!!

イベント続きの「ヒャッコ」第6巻は好評発売中です!
実に1年4ヶ月ぶりの新刊刊行となった本作。
第5巻のある程度キャラを搾った大型シリーズとは違い、多くのキャラをふんだんに使ったシリーズ物が展開する、偏りの少ないお話が収録されており、メインキャラ意外にお気に入りがいる方も安心ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ヒャッコ ⑥ (フレックスコミックス)
ソフトバンククリエイティブ
カトウ ハルアキ

amazon.co.jpで買う
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本日紹介いたしますのはこちら、「アサギロ ~浅葱狼~」第3巻です。
小学館さんのゲッサン少年サンデーコミックスより刊行、ゲッサンにて連載されています。

作者はヒラマツ・ミノル先生。
本作は「ヒラマツ・ミノル」のテーマにて今までの紹介をまとめておりますので、よろしければご覧ください。

さて、ひょんなことから天然理心流を知り、道場破りなんかを仕掛けてきた山南敬助。
迎え撃った沖田は難なく破られてしまったように見えたのですが、実は沖田の突きが先に首筋をかすめており、真剣だったならば負けていただろうと考え、その実力を見極めきることができませんでした。
そこでホントに看板を奪って山南道場として居座り、留守にしていた道場主である島崎の帰りを待つことに。
戻ってきた島崎……は改名して近藤勇を名乗っていましたが……ともかく立ち会うことになる山南、その熟練した技で見事に一本を奪取。
しかし山南は自分がとった一本の直前に放たれた、近藤の面をかわし肩口に食らっていた竹刀の一撃に驚きを隠せません。
しないとは思えぬ重々しい一撃は、「打った」のではなく「斬った」のだと考え、そこに本来の武士の魂があること理解します。
そこで勝ったはずの山南は逆に近藤に土下座をし、天然理心流の門下となることを頼み込んだのでした!
……沖田は入門していきなり「免許」をゆるされた山南の扱いに不満タラタラのようですが。

山南の入門からしばらくたち、彼の指導のよさなどもあって天然理心流は門下を順調に増やしていました。
そこで近藤は彼を道場に欠かせない人材だと考え、大事にしている多摩への出稽古に胎動させたのでした。
ちなみに沖田も同行しているのですが、どうも幼さの抜けない彼は道中勝手に川で水遊びを始めたり、物見遊山気分な様子。
そこが沖田のよさでもあるのだが、とぼやきながら道中を急ぎます。
するとその道の向こうから1人のイケメンが歩いてきました。
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どこか只者でないオーラを漂わせるその人物、どうも近藤の顔見知りだった様子。
近藤は気軽に「おぉ、歳(とし)じゃないか」と声をかけ、今日から3日出稽古するから暇なら顔を出してくれと話しかけます。
ですが彼はそんな暇じゃないと冷たくそれを払い、更に近藤に対して2~3回あっただけでなれなれしく話しかけるんじゃないと吐き捨てて去っていくのでした。
薬売りをしているらしい彼、歳三は剣術のほうも我流ながら相当な腕前らしいです。
どうも協調性がない性格のようで、奉公が勤まらず17で江戸から帰ってきて薬の行商で食いつないでいる様子。
薬売りと言う職業とは思えぬその雰囲気、沖田は何か違和感のようなものを感じるのでした。

現地で早速始める出稽古。
ですが基本的にお百姓さんにちょっとした稽古をつけるだけである出稽古に、沖田はどうしても楽しさを見出せません。
怪我しては元も子もないと控えめな練習をしたがる百姓に、物足りなさを感じてしまう沖田。
教師役も山南に取って代わられてしまい、沖田は手持ち無沙汰に。
視線を外のほうに向けると、そこには中の様子を窺う歳三の姿を発見しました。
ですがすぐその姿を消してしまい、結局歳三の真意も沖田の退屈も解消されないのでした。

稽古を終えた沖田はぶらぶらと外を歩き回ります。
ゆくゆくは天然理心流を沖田に任せたい、だから出来ない人の気持ちを理解してそんな人々にしっかりと教え込めるようになって欲しい……そんな近藤の思いなど欠片も知らない沖田はただただつまんないとぼやくばかり。
そんな時、道端の茶屋にいる歳三の姿を再び発見します。
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彼の隣に座り込み、団子とお茶をほおばりながら、稽古を見てたってことは本当は稽古したいんじゃないか、よかったら自分と試合してみないかとなれなれしく話しかける沖田。
ですがそういったやり取りをめんどくさいとしか感じていないのか、歳三は沖田を適当にあしらいつつ帰宅します。
沖田は沖田で邪魔にされていることに気づいていないようで、明日試合しようと勝手に約束したつもりになって帰って行ったのでした。

勿論翌日に歳三はやってきません。
怖気づいたカなどとぼやいているうちにその日も稽古を終え、またまたぶらぶら散歩に出る沖田。
すると今度は子供が川で土壌救いをしている姿を発見し、面白そうだと飛んでいきました。
そのときどうも腰に挿したものが邪魔だと感じた沖田、あろうことか
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武士の魂であるはずの、しかも自分が介錯をした武士からの形見である刀を無防備にそこらの木に立てかけたままにしてしまったのです!
もともとそういった理念のようなものには無関心な沖田、刀のことなど忘れたかのように子供と戯れ始めてしまいました。
更に運悪くと言うか、因果応報と言うか……いかにもごろつきといった風情の男たちが通りがかり、道端に刀が落ちていたと言って持ち去ってしまったのです!
まったく気が付いていない沖田。
このままあっさりと刀を持ち去られてしまうのでしょうか?
いや、その奪われた刀を目撃したものがいたのです。
行商に向かう途中の歳三。
彼は昨日の茶屋で見かけた沖田の刀をゴロツキが持っていることに気が付き、いったんは自分に関係ないと見捨てようとするのですが……子供と楽しげにどじょうを救う沖田の姿に、あるいは裏表なく自分に接してくる純真な性格になのか、ともかく放って置けなくなってしまいます。
山道で刀の切れ味を試して悦に言っているゴロツキたちの下へたどり着き、
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刀を奪取。
当然怒り来るって襲いかかってくるゴロツキを、我流ではあるものの確かな実力で一網打尽に!
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そして逃げたゴロツキが仲間を呼んでくるわずかなスキにその場を離れるのでした!

ですが運悪く、命を奪ったゴロツキがこの山を根城にする山賊の親分の弟(分?)だったようで、歳三が山を降りる前に包囲網を敷かれてしまいます。
じわじわと追い詰められてしまう歳三、何故沖田のためにこんなことをしているんだ、自分らしくもないと吐きながらも夜の山を逃げ続けます。
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たった一人命の危機にさらされる歳三。
腫らして彼は刀をおきたに届けることが出来るのでしょうか?
いや、それ以前に生きて山を降りることが出来るのでしょうか!?

と言うわけで、とうとう土方歳三が登場した今巻。
あまりとっつきやすいとはいえない歳三ですが、不思議と沖田には惹かれているようで、早速物語りに深くかかわってきます。
大ピンチに陥ってしまう歳三は、とにかくこれからも苦難の連続に巻き込まれることに。
今巻の後半ではほとんど主役となって運命に翻弄されることになるのです!
そんな歳三の存在もあって活躍とは縁が遠くなってしまう沖田ですが、刀を失ったと言うことからちょっと困った状態に陥ってしまいます。
なんだかギャグ要員化してきてしまう主役ですが、この事態が彼を成長させるきっかけにもなりそう。
全然成長していないようにも見える彼がどうなるのか注目したいところです!

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骨太ながらコミカルなヒラマツ節も相変わらずな本作。
堅苦しさは少なく、時代物が苦手な方でも問題なく楽しめる内容となっていますので、ご興味のある方は是非とも一読していただきたいものです!
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