本日紹介いたしますのはこちら、「やみのさんしまい-偏執的妄想の書-」第2巻です。
講談社さんのシリウスKCより刊行、月刊少年シリウスにて連載されています。
作者は永瀬ようすけ先生。
本作第1巻の紹介は10年8月13日の記事にて紹介しておりますので、ご興味などございましたらご覧くださいませ。
さて、オカルト大好き長女キコと次女アコに振り回される三女のマコからなる3姉妹の日常を描く本作。
今巻も暴走する2人のおかげで日々の生活も悩みが尽きず、学校でも触れれば凶事が起こると誤解されて恐れられてしまっているマコは、そんなことにもめげずに頑張ってくれます!
その状況を変える新たな登場人物も登場するのですが、なんだか物語はとんでもない方向に進んじゃったりするのです!!
不祥事が発覚して学校を追われたマコのクラスの担任。
その後釜としてやってきたのはなんだか厄介そうな女性教師、小野寺でした。
なにせ就任の挨拶からして
「この学校に巣食う悪鬼の撲滅」を鬼気迫る表情で標榜するところからおかしいのですが、何よりこの学校に来た最大の理由がマコの撃退なんです!
彼女が派遣されてきた組織はマコたち一家を「あの眷属の者」などといって化け物扱いしている危険すぎる教育組織。
教育組織がそんな子といっているのがもっとも危険な気がしないでもありませんが、ともかくその手のものである小野寺はマコに敵意をみなぎらせるのです。
クラスの皆もマコを恐ろしい女だと誤解しているため、利害が一致する……と思いきや、この小野寺は恐ろしく警戒心が強く、マコの恐怖から巣食ってくれるかもと言う期待で表情を緩める生徒達の顔を見て「ニヤニヤしている!洗脳されているのか!始末するしかない!」と超暴走!
とりあえず授業は滞りなくやっているのですが、常にピリピリとした雰囲気を漂わせるのでした!
相変わらずクラスの皆には誤解され、新しい担任の先生にも敵視されてしまったかわいそうなマコ。
そんな彼女ですが、たった一人だけ学校で優しい声を投げかけてくれる人物がいました。
それは給食のおばちゃんである関谷さん。
なんだか教室が漂流したら暴走しそうな顔をしたおばちゃんですが、貧乏なマコを気にかけてくれているようであまったパンなどを渡してくれる大変ありがたい存在です。
そんな彼女の存在もあり、マコはより一層頑張れるのですが……
ある日ついに小野寺のマコ打倒作戦が決行されてしまったのです!
その日は理科の授業で、教材ビデオを見るからとしっかりと暗幕で光をさえぎることになりました。
実はこれこそがマコ打倒の第一歩。
なんか良くわかりませんが、この日はあれやこれやの要因が重なって邪悪をはらうには最適の日なんだそうです。
更に教室のそこかしこに魔を払うグッズを配置し、マコ包囲網が完成していたと言うわけ。
マコ自身もどうも居心地の悪そうな表情をしており、作戦は順調だと小野寺はほくそ笑みます。
ですがマコがよろしくない表情をしているのは小野寺が苦心して用意したアレコレではなく、教材ビデオの内容が「虫の体のはたらき」だから。
虫が苦手なマコはできるだけ見ないようにしようとして所在無さげな感じになっていたのでした。
暗く静かな教室で淡々と流れるビデオ、更にそれを見ないようにしている……そんな状況ならやってくるのは睡魔しかありません。
ついうとうとしてしまい、いびきや歯軋りまでしてしまうオヤジチックなマコちゃん。
ですがそのいびきやら何やらを断末魔の呻きだととった小野寺は効いているぞと内心ほくそ笑みまくり!
これで終わりだとマコの様子を窺い続けていると、その視線を感じ取ったのかマコは目を覚まします。
そうなれば入ってくるのは小野寺の熱い熱い熱視線!
寝てたから怒っているんだ!と思い込んだマコ、すかさず寝てないですよ!と手を横に振ってアピールします。
ところがそれを見た小野寺は「こんな術効くわけねーだろ!!」というアピールだと取り、アレだけの包囲網が効かないのかと戦慄してしまうのです!
そんな小野寺が取ったのは
なんと直接攻撃!!
包囲網で弱っているに違いないと考え、オークションで買ったゲイボルグで実力による排除を挑んできたのでした!!
やっぱり怒っているんだと勘違いしたおしのマコは謝りながら逃げ回り、いつもならこれがオチになるところ。
ですが意外や意外、この展開が話跨ぎで続くのです!!
ゲイボルグを突きつけ、マコにとどめを刺そううとする小野寺。
クラスメイトはマコがいつものオカルト的能力を何で使わないのかな?とあいかわらず勘違いしたまま冷静に観戦しています。
このままでは大ピンチ!と言うところで助けてくれたのはマコの側近を自称する成井くんでした。
ドクターオクトパスさながらのメカ触手でゲイボルグを叩き落したのです!
おのれ猪口才なと時代劇チックな台詞をはきながらゲイボルグに駆け寄る小野寺。
手を伸ばすのですが、直前でその手は何か棒のようなもので打ちつけられてしまいました!
一体誰がマコに救いの手を差し伸べたのか?
その新たなる助っ人は
なんと関谷さんでした!!
原作でもドラマ版でも悪人だった……のは違う作品ですが、ともかくそんな関谷さんが(別人ですけど)とうとう主人公を救ったのです!!
マコは信頼している関谷さんの登場に涙しながら駆け寄るのですが……
このあと、まさかと言うにもほどがあるまさかの展開を迎える事に!!
しかもその激動の展開のまま第3巻へ続きます!!
誰もが予想しなかったに違いない、衝撃の展開はあなたのその目で確かめるべし!!
と言うわけで、思いも寄らぬ方向から連続ストーリーに突入した本作。
何だかんだいってギャグ漫画ですので、普通のオチが待っていると思われるのですが……
それにしてもこの引きは衝撃的すぎ!!
本気で驚かせてくれます!!
今回はこの辺に絞った紹介をさせていただきましたが、勿論前巻に引き続いてのオカルト&パロディ満載のギャグもたっぷりと収録されています。
一時期大人気(?)を誇った杉沢村ネタや、ネット界隈で流行した
コトリバコを登場させたりと様々なネタをぶち込んでいるのです!
更にマニアックなところでは
稲生物怪録ネタなんかも収録されており、いろいろな方面のマニアに訴求しております!!
パロディネタとしては巻末に描き下ろされたオマケ漫画も外せません。
ちょいと旬は外してしまった感もありますが、あの愛をプラスする携帯ゲームを元ネタとした「ヤミプラス」なるゲームをプレイする内容となっているのです。
プレイヤーとなるゲストキャラの服にプリントされたキャラや、部屋に貼られているポスターまでパロディ満載で、しかも本編のどのお話よりしっかりホラーだったりするこの充実振りはまさに必見といえるでしょう!!
ハートフルホラーギャグ4コマ、「やみのさんしまい」第2巻は全国書店にて発売中です!
本筋から小ネタまで色々詰め込まれている本作。
この第2巻のサブタイトルが、第1巻から裏表紙の折り返しにあるオールカタログと言う小ネタとしっかり同じなところなんかの細かすぎるところも注目です!
このまま本気でカタログどおりに第18巻まで出たら本気で凄いぜ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!