3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 21エモン モンガーちゃん」第2巻です。
小学館さんより刊行されています。

本大全集の紹介は「藤子・F・不二雄」のテーマにてまとめておりますので、そちらもよろしければご覧ください。

さて、大宇宙時代で激化する観光業界の中、歴史しかないオンボロ旅館の1人息子として家業を継ぐか夢である宇宙パイロットになるか迷っている21エモン。
優柔不断ですぐいろんなものから影響を受ける彼ですが、宇宙にはせる思いは本物のようです!

第1巻では基本的にホテルの接客に精を出していた21エモン。
ですが第2巻では、とうとう宇宙へと旅立つのです!!
そう思い立ったきっかけは、なんと「宇宙探検隊」というテレビ番組。
結局メディアに影響されたことになるわけですが、今度の決意はいつも異常に固い様子。
とりあえず今後の進路の方針を決める一助として宇宙旅行に行ってみるということを父親に話し、資金面とかが1人で何とかなるなら行くがいいと言うところまでこぎつけたのです。
1週間ホテルを任せてもらえばその資金は捻出できるといいはる21エモンに対し、宇宙旅行には何千万円と言うお金がかるため無理に決まっているとたかをくくっているパパ。
当の21エモンはちょっとした小遣いとトランクさえあれば、あとは野宿とヒッチハイクでどうとでもなると考えていたことも知らずに!

当然お金なんてそう簡単にがっぽり稼げるわけはない……と思いきや、まさかの超上客の来店で物凄い金額を稼いでしまいます。
危ないと心配するパパたちは担任の先生やお隣のルナに止めてくれるようお願いするのですが、21エモンの決意は決して揺るがない、とは言いつつも、ルナのホテルに泊まっていたかつての宇宙パトロールの英雄であるマルス大差の姿を見かけて身震いしてしまいます。
まるでロボットに見紛うその姿は、事故や宇宙怪獣との戦闘で36回も大怪我をし、そのたびに体を機械のパーツに取り替えていった結果だと言うのですからそれも仕方ありますまい!
宇宙はおっかないぞと語るルナですが、それが耳に入っていたマルス大佐が2人のほうへと近寄ってきます。
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そして、この機械の体は普通の人間の体よりよっぽど能力に優れているし、宇宙には危険ではなく希望が満ち溢れているのだと力説したではないですか!
21エモンの情熱に打たれたのか、マルス大佐はパパたちの説得にも腰を上げてくれ、とんとん拍子に話が進むことに。
翌日には念願の宇宙旅行に出ることになったのです!!
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資金はたっぷりあるから優雅な旅を満喫できる、と思いきや、そのお金が入ったかばんをそっくりそのまま家へと置き忘れてしまう21エモン。
パパたちは慌てふためくのですが、かばんの中を見てみればお金と一緒に手紙が入っていました。
そこにはこのお金でホテルを建て直してと書いてあるではないですか!
必要最低限のお金だけもって旅に出た21エモンとモンガー。
ですが最初の目的地、月に来たところでいきなり旅費が尽きてしまいます。
それもそのはず、勝手にゴンスケがついてきてしまっていて、その分余分にお金を使うことになってしまったのですから!
このままでは月から動くことができません。
八方手を尽くしてバイトやらヒッチハイク先やらを探すのですが、どうにもうまくいきません。
これでは野垂れ死にするだけだと言うことで、覚悟を決めてパパに連絡して地球に帰ることを決意する21エモン。
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いきなり帰らなければ行けなくなってしまった宇宙旅行ですが、これは21エモンの辛くも楽しい宇宙旅行の始まりに過ぎなかったのでした!!

と言うわけで、2度にわたる宇宙旅行を経て完結する本作。
様々な星をめぐる冒険モノ的なテイストを持つこの第2巻は、第1巻とはがらりと違う味付けに。
F先生作品らしいコミカルさとともに、命の危険にさらされる過酷な状況に追い込まれるようなトラブルや、異星人に征服された星で自分達もまた異星人の魔の手にかかってしまうアクシデントなどのハードな要素も練りこまれ、大長編ドラえもんのようなギャグとドラマが同時に味わえる作品になっているのです!
2度の宇宙旅行の間には再びホテル編も挿入されるのですが、こちらもまた宇宙旅行と言う明確な目的のためがあるために以前のホテル編とはまた違った感覚が楽しめます!
最終回は打ち切り臭さがどうしても漂うものにはなっていますが、それでも絶望的な状況からの立ち上がっていく様はドキドキモノ!
ラストシーンも典型的な打ち切りエンド的一コマになっているのですが、流石はF先生といえるさわやかで元気の出る結末なのです!!

また、本作最初のアニメ(映画)化を果たした81年に描かれた読みきり作品が同時収録。
こちらの読みきりでは、宇宙旅行を経て成長した(?)21エモンの活躍が楽しめます!
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12年ぶりに描かれた嫌味キャラのかわらなぶりや、よりかわいくなったルナの姿にも注目ですよ!

同時に「幼稚園」にて68年に3話連載された「モンガーちゃん」もフルカラーで掲載!
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恒例の特別資料室の雑誌企画などとあわせ、なかなか読むことのできなかった作品等がたっぷり楽しめます!!

F先生のお気に入り、「藤子・F・不二雄大全集 21エモン モンガーちゃん」第2巻は大好評発売中です!
第2巻はF先生作品中比較的珍しい主人公が各地を転々と冒険していく作品となる本作。
第1巻のホテルでお客さんを招くと言う設定も珍しいと言えると思いますが、珍しいだけでは終わらない面白さもしっかりと持った作品です!
ドラえもん等のスタンダード(?)F先生作品しか読んでいない方にこそ読んで見て頂きたい!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 21エモン/2 モンガーちゃん
小学館
2010-12-24
藤子・F・不二雄

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本日紹介いたしますのはこちら、「ぷあぷあ?」第2巻です。
講談社さんのワイドKCより刊行、別冊少年マガシンにて連載されています。

作者はコンノトヒロ先生。
本作第1巻などの紹介は「コンノトヒロ」のテーマでまとめておりますので、ご興味などわきましたらそちらもご覧ください。

さて、漫画界でもぶっちぎりかもしれないほどの貧乏振りを誇る、まゆ、らい、ふうの3姉妹と、彼女達と仲良しなお友達やなんかの日常を描く4コマ漫画である本作。
今巻でもまたそのぶっちぎりの貧乏振りを披露しつつ、お金持ちのお友達のおかげで人並みの旅行を堪能しちゃったりもするのです!!

そんなわけで、貧乏3姉妹+サツキ&ショーコと言ういつものメンバーで海に行くことになりました。
貧乏にもほどがある3姉妹ですが、奮発して電車代は自腹なようです。
水着なんかの日用品はと言いますと、
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らい&ふうの水着はまゆのお古を上下二分割して二着の水着に作り変えると言う荒業でクリア!
まゆ本人は現地調達しようとするのですが、代用できる(?)貝やら海草やらがうまいこと見当たらず、
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なぜかまとわり着いてきた蛸ではさすがに無理があった様子。
さらし的なものを巻いて代用することにいたのでした。

そんな海を楽しんでいる5人の様子を伺う1人の影がありました。
まゆ、サツキ、ショーコはどうも見たことがあるようなないような気がするその人は、クラスメートの佐藤ヨシコさん。
ですがどうにも目立たない体質のようで、誰一人として名前を言われてもピンときません。
切ないにもほどがあるヨシコさんですが、ついにまゆだけはしっかりと思い出しました!
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週に2回、お弁当のからあげを分けてくれる「からあげさん」として……

からあげさんはいつも楽しそうにキャッキャしているまゆ達三人がうらやましかったそうで、これを機会に仲良くなりたいと思い立って密かに海まで着いてきちゃったんだとか。
周りが2人して巨乳揃いで、自分の貧相な胸がより一層際立つ形になっていたサツキは、からあげさんの普通サイズの胸を見ていちもにもなくお友達認定。
実にあっさりとお友達になることが出来たのでした。
やったね!からあげさん!!

ですがからあげさんの苦悩はつづくのです。
海中で水着の上をなくしてしまったのに誰にも気づいてもらえなかったり。気を使いすぎて旅館では押入れの中で寝ようとしたりと気苦労が絶えません。
それどころか、自己紹介したばかりだというのに
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誰にもちゃんと名前を覚えられていないと言う事実……!
おまけに出たばかりの新キャラだと言うのに、旅行編が終わった直後の話でも出番はわずかという切なさはもはや生まれ着いての空気キャラと言うほかないのかもしれません!!
自分でもおっしゃってますが、他の人に比べてキャラ薄いですし、控えめな性格が災いして突っ込みもできなさそうですし……
なんとか奮闘してメインキャラに食い込んで欲しいもんです!!

新キャラと言えばもう一人登場しております。
まゆが、基本的にはお金持ち的な人ばかりが通っているらしい学校の風紀を乱す存在だと認定して排除するために動き出す風鬼委員長の関ヶ原ユウキです。
ですがこのユウキもメインキャラ3人の強烈なキャラの前には歯が立たず、なかばもてあそばれている状態に……
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2名もの新キャラを投入したにもかかわらず、そのキャラ一辺倒にはならないというのはまさに主人公が強烈すぎる個性を持っているが故でしょう!!

と言うわけで、新キャラも登場してよりにぎやかになった本作。
こういった作品では話が進んだりキャラが増えたりするにつれて最初の設定が割りとどうでもよくなったりしがちですが、本作では相変わらず主人公の行き過ぎた貧乏振りが健在。
エロスな要素もあるにはありますが、主人公達のヨゴレっぷりの前にはかすむばかり!
この調子で、この際いけるところまで貧乏ネタで言って欲しいもんです!!

歴代指折りの貧乏ヒロインが生き抜いていく、「ぷあぷあ?」第2巻は全国書店にて発売中です!
柱の部分の人物紹介なんかも余さず収録している本作。
カバー下にも描き下ろしありで、本編以外にもお楽しみ要素は十分ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ぷあぷあ?(2) (ワイドKC)
講談社
2011-01-07
コンノ トヒロ

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本日紹介いたしますのはこちら、「のりりん」第2巻です。
講談社さんのイブニングKCより刊行、イブニングにて連載されています。

作者は鬼頭莫宏先生。
鬼頭先生の紹介等は「鬼頭莫宏」のテーマにてまとめていますので、よろしかったらご覧下さい。

さて、第1巻ではあえなく免許取り消しとなってしまったノリ。
自転車乗りが嫌いだといってはばからない彼ですが、周りの友人達はなぜかこぞって自転車を始めることに。
それでも自分はやる気がないと言い張り、ひょんなことから借りていた自転車を返しに行こうとしたのですが、その道中嫌味な自転車乗りに一緒に走っていた女友達もろとも怒鳴りつけられてしまいます。
その態度にいらっときたノリは文句の一つも言い返そうと追いかけるのですが、本気の自転車乗りにかなうはずもなく、結局ジリジリと離されて見失ってしまうのでした。

自転車を借りていたラーメン屋にたどり着いたノリ。
そこには彼を待っていた友人たちのほかに、何の因果か先ほどの嫌味な男が客として来店していました。
ノリはその男の前に歩み寄り、前触れ無しに言いたかったことをぶちまけます。
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玄人の癖に素人に対して思いやりも持たず追い抜きざまに怒鳴りつけたことを言いとがめたわけですが、その言いとがめられた男も女連れでちんたら走ってるから教育してやっただけだとまったく引きません。
2人は険悪なムードに包まれますが、そこはラーメン屋のお母さんが割って入り、とりあえずおさめるのでした。

本当はこの場に自転車を返しに来たノリですが、やってきている友人は自転車を始めると盛り上がっているわけで、どうにも言い出すタイミングがありません。
そんなところへやって来たラーメン屋のお母さん、ノリが自転車を返しに来ただけであることに気づいており、助けてあげましょうかと持ちかけてきました。
なんともいえないまなざしで返答するノリ。
それをお母さんはどう受け止めたのかわかりませんが、その次に彼女がした行動はなんと
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先ほどの男に、ノリが勝負をしたいと言っていると告げることでした!
すかさずやるわけないと反論するノリですが、男は自信満々フェイスで「もう勝負はついている、さっきそいつはちぎった」などというのです。
しかも等々力と名乗るその男、勝負するならノリは車でもいい、俺のロードは最速仕様だなどとさらに自信を見せ付けてきました。
ロードを初めて2年になると言う等々力に対し、お母さんはそれを聞いたうえで私が自転車を用意するから、1週間後にノリと勝負をしようと言い出します!
しかも等々力が勝ったら1年間この店で飲食ただと言う商品までつけて!!(ただし負けた場合は週4この店で食事してもらうと言う罰則付きですけど)
友人達も面白そうだとはやし立て、どうにも逃げることができなそうな状況になってしまったノリ。
勝負は1週間後、コースは10キロのできるだけ平坦な道。
いろいろ思うところはありますが、なんだかんだとノリは勝負に挑むことにしたのです!

考えた末、お母さんに勝負に勝つ手段を教えてもらうことにしたノリ。
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こんな無茶な勝負を持ちかけたんだから、1週間で勝てるようになるトレーニング法などがあると踏んだわけです。
ですが頭を下げて聞いたその答えは
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「そんなのあるわけない」と言う無常なもの。
そもそもお母さんは負けてもそれほど損はしないし、ノリに貸しが出来るからどうでもいいと考えていた様子。
ですがその貸しと言うものこそがノリの最も作りたくないもので、そのためにとにかく何らかのアドバイスを求めました。
プライドが傷つけられる嫌な台詞まで強制させられてやっともらえたアドバイスは、ロードレーサーに関してのちょっとした知識と、通勤を自転車にしろと言うものだけ。
あとは毎日の仕事が終わったあとになにがしかのアドバイスとかをしてくれるようですが、正直1週間で2年経験のある人に敵う練習とは到底思えません。
こんな調子でノリはレースに勝つことができるのでしょうか!?
勝負のときは着々と近づきます!!

と言うわけで、なし崩し的にすっかり自転車に乗っているノリ。
だんだんと自転車のよさもわかってきているようで、このままこの世界の魅力に惹かれていくこともあるかもしれません。
この勝負は勝つにしろ負けるにしろノリに損得はほぼありませんが、彼の性格上そう簡単に負けを受け入れるはずも無く、勝負には本気で挑むはず。
お母さんには何らかの秘策めいたものもあるようで、初心者が経験者にぶっちぎられるだけのレースにはならないでしょう!
1週間の練習で10キロのレースとか自転車入門としてはハードルが高いような気もしますが、とにかく俄然盛り上がってきました!!
鬼頭先生の作風上、熱血の展開は多分ないとは思われますが、驚きを与えてくれることは間違いないでしょう!!

大人のための自転車漫画、「のりりん」第2巻は全国書店にて発売中です!
いよいよ主人公が本格的に自転車に乗り始めた本作。
とりあえず今巻でも鬱展開はなく、ほっとしたような残念なような気がしたのは俺だけではないでしょう!
このまままっとう(?)な自転車漫画が続くのか、あるいは「やっぱり……」と呟く展開となるのかというあたりも気になっちゃいますね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!



のりりん(2) (イブニングKC)
講談社
2011-01-07
鬼頭 莫宏

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本日紹介いたしますのはこちら、「なにかもちがってますか」第1巻です。
講談社さんのアフタヌーンKCより刊行、good!アフタヌーンにて連載されています。

作者は鬼頭莫宏先生。
鬼頭先生の他作品に紹介等は「鬼頭莫宏」でまとめておりますので、よければご覧下さい。

さて、本作は特殊な能力を廻った事件や葛藤を描く作品となっています。
亀頭先生といえばそれはもう鬱な展開がお得意でいらっしゃいますが、ただいま同時に連載している「のりりん」には(今のところ)そういった要素はありません。
その鬱憤を晴らす(?)かのように、本作は鬼頭先生のそちら方面での持ち味を存分に活かした作品になっているのです!

日比野光は今日から中学3年生。
片思いの少女、鶴里と同じクラスになれたことに心を躍らす普通の……ちょっとうだつのあがらない学生です。
周りから嫁と揶揄される仲良しさんの新瑞橋とはクラスが別れてしまったようですが、そこはそれ。
新たな面子での一年間が始まることになるのでした。

そんな日比野のクラスに、新学期そうそう転入生がやってきました。
まるで女の子のような綺麗な顔立ちをしている少年、一社高蔵(いっしゃ こうぞう)。
そんな顔とは裏腹に最初の挨拶で、俺のケツに触ったやつは容赦なく蹴る、良く転校する為ここもいつまで居られるかわからないからそのつもりで、などと口走るギャップの激しい人の様子です。
そんな微妙な雰囲気になった自己紹介の最中、いかにも不良といった風貌の亀島が遅刻したにもかかわらず堂々と教室に入ってきました。
しかもよりによって
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先ほど話題に上ったばかりの一社のおシリにタッチしたのです!
一社は宣言どおり亀島を思いっきりキック!
更に手近な机を手に取り、ふりかぶったではないですか!!
すわ大惨事と言うその時、突然一社の手から机が離れました。
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一社が手にしていた机の脚が折れてしまったためです。
おかげで何とかその場はけが人なく収まったのですが、亀島&一社の間にはなんだか嫌な雰囲気が残ったのでした。

日比野は一見不良な亀島とも仲が良いようで、もう中3なんだし暴力沙汰とかやめたほうがいいよなどと話しながら下校しようとします。
ですが下駄箱に一社が現れ、「ちょっと来い」などと言い出すではないですか。
当然周囲から喧嘩なんてやめろという声をかけられるわけですが、一社が読んだのは亀島ではありません。
なぜか単なる傍観者であるはずの日比野を指名したのです。
わけはわかりませんが、断る理由もないので日比野は一社とともに人気のない教室へ向かいます。
その教室で一社が見せ付けてきたのは
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金属の輪。
一社が言うには、あの机が折れたときに一社が持っていた部分と机の脚との「間」だというのです。
折れたり切れたりしたわけではなく、「抜けた」と言うのは普通じゃありません。
そしてこの金属の輪は日比野の机に入っていたそうで、この不可思議な自称を発生させたのは日比野だと決め付けているのです。
本当に心当たりのない日比野は知らないと返すのですが、一社はそれを信じません。
あろうことかいきなりバットを取り出し、
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日比野の頭に叩きつけてきたではないですか!!
そのバットは普通に日比野の頭に直撃。
一応手加減して振り下ろしたため、日比野はふらふらになりながらも立ち上がり、そのまま帰って行きました。
見込み違いかとも思った一社ですが、ふと手元を見てみるとバットの根元がかけているのです!
一社は日比野が超能力を持っていることを確信。
日比野の能力を使い、「世界の間違い」を正していこうと考えるのでした。

その後、一社は日比野に独特の理論を語ります。
それは要約すると、歯車的な労働しかできない人はいくらでもかわりがいるから殺していいと言う無茶な理論でして、それに基づいて要らない側な上に言うことを聞かない亀島を殺そうと言い出したのです。
ああ見えていいところもあるんだよと反論する日比野は、そもそも自分にそんな能力なんてないと豪語。
そんな口論ともつかない口論をしていると、その場に間もなくホームルームが始まるということを伝えるために2人の女子がやってきました。
その片方はあの鶴里さんでして、わざわざ意中の人が呼びに着てくれたことに歓喜する日比野。
そんなとき、更にその場に2人の来訪者が訪れました。
それは亀島とも親交がある不良たち。
そして一社はよせばいいのに
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その不良たちに対しても喧嘩を売るような発言をするのです。
先生もいないこの状況で、不良に対して挑発すれば殴られてしまうのは必然といえば必然。
あまりにも口の悪い一社に対し、不良は殴っただけでは収まりきらずにナイフまで取り出してしまうのです!
一社以外のみんながやめろと止めるものの、その不良は馬鹿にされて引き下がる男ではなかった様子。
ナイフをかまえて一社へとにじり寄ったその時、
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小さな音とともに日比野を呼びに着た1人の女子が力なく倒れたではないですか!
突然表情を固め、倒れたままピクリとも動かなくなった女子。
距離的には誰の手も届かない場所にいた彼女がそのまま起き上がることはありませんでした。
状況など理解できるはずもないその混乱の中、日比野にはある感覚が浮かび上がってきています。
「ぼくが何かをしてしまった」「何か間違えた?」と言う感覚が……

と言うわけで、いきなり思いもよらぬキャラの人死にが出た本作。
噂にしか過ぎませんが、なくなった彼女の死因は脳の一部にコンクリート片が詰まっていたという話。
日比野の能力はどうも自分の近くの空間と狙ったところを入れ替える能力のようですが、命中精度が低いためにこうなってしまったようです。
一社に導かれるまま日比野はこの能力を探り、そして使っていくのですが、自体はどんどんと日比野が望まない方向へばかりと進んでしまいます。
日比野はその事実に苛まれ、どんどんと追い込まれていくことに。
一社もなにか家庭の事情とかもあって中2病を悪化させてしまっているようで、その日比野をどんどんよからぬことに利用していきます。
そして鶴里も思わぬ行動を取り始め、物語に絡んでくるのです。
三者の行動や思惑が絡み、どんどんと不穏な方向へ進んでいく物語。
今までの作品の例から見て、能力の持ち主が本当に日比野なのかと言うところなども怪しみつつ、今後に注目していきたいところですね!


能力を知ってしまったがゆえに引き返せない道を歩むことになる、「なにかもちがってますか」第1巻は全国書店にて発売中です!
今のところ鬱要素のない「のりりん」とはうって変わって、最初からガンガン飛ばして(落として?)いる本作。
「ぼくらの」以前の鬼頭先生作品がお好きな方ならば迷うことなくお読みください!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


なにかもちがってますか(1) (アフタヌーンKC)
講談社
2011-01-07
鬼頭 莫宏

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本日紹介いたしますのはこちら、「ケルベロス」第4巻です。
秋田書店さんの少年チャンピオンコミックスより刊行、週刊少年チャンピオンにて連載されています。

作者はフクイタクミ先生。
本作の今までの紹介は「フクイタクミ」のテーマにてまとめておりますので、よろしければそちらもご覧くださいませ。

さて、第3巻で修行を終え、仇喰とも和解を果たした十三塚。
墓守に課せられた過酷な運命も知ることになるのですが、それでもめげずに戦う覚悟を固めたのでした。

家に帰り、今までどおりの生活を再開する十三塚。
鶴原にもさりげない歓待を受け、久しぶりにゆっくりと過ごせそうです。
雪房はというと、最近の連戦が祟ったのか、なんだかお疲れの様子。
常に何か眠たそうで、ずっとうとうとしております。
日常に戻って早々、授業で写生をすることになりました。
遺跡まである裏山の公園でのびのびと写生。
なんだか戦いの後のバカンスにはもってこいかもしれません!

鶴原にエプロンを無理やり付けさせられたりして、たまらず別の場所で写生をおこなう十三塚。
1人で落ち着きたかったのか、全然人気のない小川のほとりで1人ペンを走らせます。
穏やかにのんびりとする十三塚、そしてすやすやと寝息を立て続ける雪房。
ですがその平和はかりそめのもの。
雪房の疲れは、すぐ側にまで迫っている新たな崩の気配を気づかせなかったのです……

森の奥まで写生に来ていた女生徒3人。
彼女らのまわりに突然現れた糸の包囲網。
その不可解な物体に戸惑っていると、更に不可解な出来事が彼女達を襲うのです。
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巨大な蜘蛛の様な怪物が……!

彼女たちが蜘蛛の崩に襲われていたその時、違和感に気がついたのはやはり霊感の強い金屋でした。
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危険を察知してみんなをこの場から離れさせようとするのですが、やはり誰一人として「危ないから逃げよう」といっても信じてくれるはずがありません。
そこでやむなく金屋は十三塚と雪房を捜すことにするのでした。

帰りの集合の時間を迎えても、多くの生徒が帰ってはきません。
大惨事となっていることなど知るはずもない先生は、森や山の奥のほうに入っている人には聞こえていないのかもしれないと考え、生徒を先に帰らせて公園を探してみることにしました。
帰っていく生徒たちのなかで、鶴原だけは自分も残って姿の見えない十三塚たちを探すことにしたのです。
森の中を探す鶴原、なんとなく手を着いた木にあの蜘蛛の糸が!
絡みついた蜘蛛の糸に難儀していると、そこに思いもよらない訪問者が現れました!
それは
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物騒な得物を持った男、信森。
彼は自分の父を毒牙にかけた蜘蛛の崩を探してここまでたどり着いたようです。
化け物に襲われる前にここから逃げろと説得する信森ですが、鶴原もそんなことを信じるはずもありません。
なんだかんだとそのまま探索を続けていると、多くのクラスメイトが拘束されてしまっている場所へたどり着きます。
こんな光景を見せられても、蜘蛛の化け物だなんて俄かには信じられない鶴原は、木に登ってクラスメイト達を助けようとするのですが……
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そこにヤツが現れてしまったのです!
咄嗟に信森がかばってくれて鶴原は無傷。
信森は傷を負ってしまったものの、勇気を振り絞って飛び掛ります。
ですが普通の人間が普通の武器で襲い掛かっても崩に勝てるわけが無く……
あっけなく吹き飛ばされ、崖から転落してしまうのでした。

その頃になって、ようやく十三塚と出会うことが出来た金屋。
金屋に言われ、やっと崩の存在に気がつきます。
慌てて崩の匂いの元へと急ぐ十三塚!
ですがその時鶴原達は崩に捕らえられ、
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命を懸けたゲームを強いられているという絶望的な状況に陥っているのです!!
果たして十三塚はクラスメイト達を、鶴原の助け出すことができるのでしょうか!?

と言うわけで、すぐさま新たな戦いを強いられる今巻。
今回の崩は今まで異常に卑劣で下衆な性格で、立ち向かう十三塚だけでなく、鶴原や信森にも過酷な戦いとなってしまいます。
ついに巻き込まれてしまった鶴原や、普通の人間である信森がどう出るのかが重要となりそうな本シリーズ。
十三塚だけの奮闘ではどうにもならない、今までとはガラリと違うムードのシリーズなのです!

どんどん敵の外道度が増していく、「ケルベロス」第4巻は好評発売中です!
修行編が終わり、対崩の通常営業が始まった本作。
通常営業といっても、今までよりもたっぷりとページを使ったじっくりと進んでいく展開が楽しめます!
これからも今まで以上に崩との戦いが堪能できそうですね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ケルベロス 4 (少年チャンピオン・コミックス)
秋田書店
2010-12-08
フクイ タクミ

amazon.co.jpで買う
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