3階の者だ!!

DEBがお送りするネタバレありのコミックス紹介ブログです。 短編物では一話にスポットを当てて、長編物ではこの後どうなるの?と言うところまで紹介しているつもりです! ※作品記事につきまして、権利者様が問題があると感じられた場合はご一報ください。対応いたします。

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本日紹介いたしますのはこちら、「真マジンガーZERO」第2巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDより刊行されました。

作者は原作が永井豪先生、脚本・作画が田畑由秋、余湖結輝の両先生です。
田畑・余湖両先生の紹介等は「田畑由秋・余湖結輝」のテーマにてまとめておりますので、そちらもあわせてご覧ください。

さて、滅亡を繰り返すと言うかつて無いほどの衝撃的なストーリーから始まった本作。
救われる世界を求めてループを繰り返すミネルバXはまったくその兆しが見えない時を繰り返し続け、絶望にうちひしがれていました。
ですが第1巻の最後でやってきた世界は久しぶりに甲児がマジンガーに魅入られていない世界……ようやく希望の見える世界だったのです!

Drヘルの作り出した新たな幹部としてこの世界に生まれたミネルバ。
失敗続きのあしゅら男爵をミネルバの部下へと降格してしまうほどの信頼を寄せるヘルですが、あらゆるメカを操るバードスの杖で操られているはずのミネルバは心の中でヘルやあしゅらのお約束のようなやり取りにあきれ果てています。
早速出撃を命ぜられたミネルバが取った作戦は
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甲児の学校へ転入生として入学すること!!
ミネルバは久々に普通の高校生として生活する甲児の姿を見てほほを赤らめ、それをみたさやかはなんだかモヤモヤした感情を抱き……
なんかいきなり学園ラブコメ的なかほりが漂ってまいりました!!

美人転校生ということで盛り上がる甲児やボスたちですが、そこに新たな転入生が3人もやってきます!
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が、いきなり何の前触れも教師の紹介も無く現れたそっくりな3人……という偽装工作もクソも無い登場に「この世界のあしゅら男爵はアホに磨きがかかっている」とあきれ果てるのでした。

そしてその3人に屋上に呼び出される甲児。
間違いなく殺す目的だと思われますが、甲児は普通に呼び出しに応じます。
それを物陰から窺うさやかやボスたち、そしてミネルバ。
刺客から甲児を助けようか迷うミネルバですが、ここで殺されるようなら滅亡の運命から脱出することは出来まいと静観することにします。
そんな思いも知らない甲児ですが、なんと3人が自分の命を狙っていることを看破するではないですか!
刺客の高笑いを聞いた瞬間あしゅらを思い出した、とカンで気がついたと言う甲児。
生身だと言うのにアンドロイドである刺客の攻撃を避け、逆に敵の攻撃を利して1人撃破する甲児!!
ですが流石に相手はアンドロイド、強烈な殺傷能力を前にピンチは覆りません!
そこでついにミネルバが立ち上がります。
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この甲児こそ希望を託すべき甲児であると!!

ミネルバの助力もあり、刺客を撃破した甲児たち。
そこに甲児の弟、シローがホバーパイルダーにのって姿を現しました。
機械獣が数体現れ、防衛ラインを突破されてしまったと言うことであわてて出動することになる甲児。
ホバーパイルダーに乗り込みますが、なんとそこにミネルバが同乗してしまいます!
あわてて阻止しようとするさやかですが、てこでも動かないミネルバ。
甲児はなんのかんの言ってまんざらでもなく、さやかの絶叫も省みずそのまま発進してしまいました。
で、ミネルバはパイルだーに乗っただけだと言うのになんか感じまくってます。
そしてマジンガーにパイルダーオンすると
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なんか大変なことに!!
甲児もミネルバも色々大変な状況ですが、とにかく出撃!
機械獣の下へダッシュです!
さやかも鼻の下を伸ばした甲児に対する怒りを燃やしながらアフロダイAに乗り込むのですが、無線からマジンガー内のなにやらいやらしげな会話が聞こえてきます!
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ブチ切れさやかもダッシュで機械獣の元……というかマジンガーの元へ向かうのでした!!

なんだか第1巻とはがらりと雰囲気が変わってラブコメな感触の展開ですが、機械獣はしっかりがんばります。
マジンガーの装甲を貫く角、強烈な鉄球と火炎放射、空中を自在に舞う……そんな強力な能力を持つ機械獣3体と戦うことになる甲児とミネルバ、そして怒りに燃えるさやか!!
マジンガーZVS機械獣、さやかVSミネルバ(?)の熾烈極まりない2大決戦が始まります!!


と言うわけであの恐ろしくハードでバイオレンスだった第1巻から一転、苛烈な戦闘シーンこそ健在なものの物語のムードはいきなり明るくノリノリになってしまいました!
新世界では甲児は超万能キャラ、死亡率の高いシローの生存、マジンガーの強力すぎる真の力も未覚醒……かなりミネルバの求める世界に近い世界となっています。
そのあまりにも好調で幸せな生活が続く第2巻ですが、第1巻の感じからすると今後このままの展開が続くとはとてもじゃないが思えません!
幸せな展開からどう物語が転がされていくのか……恐ろしくも楽しみなことこの上ありません!
さらにおなじみの機械獣やガミアシリーズなど原作に縁深いキャラも登場してファンサービスも満点です!!
ちなみにラブコメ展開でも熱いバトルや台詞はバッチリですので、そのあたりはご安心を!

ループのちラブコメ、「真マジンガーZERO」第2巻は好評発売中です!
第1巻とのあまりのギャップにびっくりする方も多いだろう今巻。
ハードなストーリーを期待していた方には肩透かしでしょうが、これはこれで面白いです!
更に多分これもよりハードな展開の下準備だと思われますので、「溜め」部分として見てみてもいいのではないでしょうか!
この幸せがどう崩れるのか!ドキドキもんです!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


真マジンガーZERO 2 (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
永井 豪

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本日紹介いたしますのはこちら、「鉄漫 -TEKKEN COMIC-」第1巻です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックス・ウルトラより刊行、ウルトラジャンプエッグにて連載されています。

作者は高遠るい先生。
高遠先生の「ミカるんX」の紹介等は「高遠るい」のテーマでまとめさせていただいております。
そちらもよろしければ併せてご覧くださいませ。

さて、本作はバンダイナムコさんの人気格闘ゲーム「鉄拳」の漫画版となります。
ストーリーは主に最新作の「鉄拳6 BLOODLINE REBELLION」を下敷きにしているご様子。
鉄拳のアンソロジーを除いた日本国内での漫画化と言えば、俺の知る限り今は亡きコミックゲーメストさんでの「3」以来。
更にそれがあの高遠先生による漫画家なのですから、期待が膨らむと言うものです!!


風間仁率いる三島財閥が独立国家になることを宣言し、各国と交戦状態になってから一年。
「アイアンフィスト」という格闘大会は戦乱の世になっても変わらず続いていました。
行われる試合はアイアンフィストでの戦歴25年に及ぶ大ベテラン、ポール・フェニックスの引退十番勝負最終戦。
引退と言う大きな節目、4勝4敗1分という勝ち越しで終われるかどうか!という大注目の一戦です!
相手はなんと2メートルを越えるであろう体躯の大男、クレイグ・マードック!!
齢50を迎えるポールには余りにしんどい相手です!
ですがポール、裏で友人と結託して密かにマードックに毒入り中華弁当を差し入れていました。
これを食べたマードックの筋力は3分の一に落ちているはず。
こうして余裕で買って賞金は山分け!と邪な考えをめぐらせていたのです!
……が、
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全然筋力落ちてませんでした。
マードックは中華は油ギッシュだからアスリートには向かないぜ!と弁当に手をつけなかったのです!
その見た目どおりに猛獣のような攻撃を仕掛けてくるマードック。
圧倒されるポールですが、覚悟を決めて振り向きざまに崩拳!!
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一気に攻勢に回り、逆転勝利を収めるのでした!!

壇上で仲間に祝福されるポール。
そこにアイアンフィストの興行主である風間仁が現れ、賞金を手渡します。
ありがたく受け取るポールですが、そこになんと暴れ熊が乱入!!
ポールを一発でのし、リング外に投げ捨てました!
直後にその熊の中から、というか熊のきぐるみを脱いで現れた1人の女性。
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いきなり仁の顔を殴りつけ、風間飛鳥と名乗りました!!
彼女は仁の母親である風間準の血縁者。
自分の親類でチラリとはいえ一応会話も交わしたこともある仁がいきなり国を興し、戦争をおっぱじめたことに怒りを感じ、「喧嘩つぶし」を自称する自分が止めてやろうと乱入してきたのです!
とはいえ相手は大財閥のトップで一国の王。
あっという間に現れたSPに取り押さえられ、あっさりと会場に放り出されてしまいます。
飛鳥はとりあえず公衆の面前で恥をかかせてやったから今回はこれでよしとしよう、と帰路に着きます。
が、その恥をかかせたシーンが世界中に報道。
そのニュースをきっかけとするかのように、物語ははじまるのです!!

そんなわけで始まる本作。
主人公は飛鳥で、そこにリリを加えた二人が本作の軸となるようです。
そして鉄拳6で人気を博したボブとミゲルも登場。
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大迫力のバトルを繰り広げます!
ポールVSマードック、飛鳥VSリリ、そしてボブVSミゲルという3大バトルはどれも各キャラの個性を生かした見ごたえあるバトルシーンが堪能できます!
キャラクターの性格付けはゲームのそれよりもむしろ高遠先生らしい味付けが濃く、ほとんどのキャラがコミカルな印象を受けます。
特にリリあたりはまさに高遠先生キャラといった風情になっており、
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ゲーム版でリリ好きだった方は少しばかり戸惑うかもしれません!
ですが原作と違うと言っても個性的なキャラ付けであることは確か。
これはこれ、本作独自の味付けとして楽しむのがよろしいのではないかと思います!
また、第1巻ではあまり重視されていない感じを受けてしまうストーリー面。
ですが最終ページで驚きの展開を迎え、描き下ろしの次巻予告でも激動を予感させます。
第2巻から大きなストーリー転換があることは間違いないでしょう!!


ただでさえアクの強い鉄拳を高遠先生がさらに一捻りして描く「鉄漫 -TEKKEN COMIC-」第1巻は全国書店にて発売中です!
激しいバトルに小気味いいギャグ、キャラそれぞれにあるドラマがしっかりと描かれた「よくあるゲームのコミック化」では片付けられない本作。
それでいてクマとポールを絡まるなどの原作ファンにもきっちり配慮されたサービス精神旺盛な作品です!
高遠先生ファンも鉄拳ファンも両方が楽しめること間違いなし!
もちろん両方好きなら言うことなしですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


……ところで俺、マードック使ってるんですけど……
もう……出番終わりですか……?


鉄漫-TEKKEN COMIC 1 (ヤングジャンプコミックス)
集英社
高遠 るい

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本日紹介いたしますのはこちら、「陣内流柔術流浪伝 真島、爆ぜる!!(じんないりゅうじゅうじゅつるろうでん まじま、ばぜる)」第2巻です。
日本文芸社さんのニチブン・コミックスより刊行、週刊漫画ゴラクにて連載されています。

作者はにわのまこと先生。
にわの先生の作品は「にわのまこと」のテーマにて紹介をまとめております。
お時間などございましたらそちらもご参照いただければ幸いです。

さて、第1巻で6年ぶりに公の場に姿を現した真島。
なんと真島にはその6年間の記憶がほとんどないというのです。
消息の知れない野々宮や師匠がどうなっているのか……記憶が戻れば解るかもしれないと、手がかりを求めて新たな戦いの場に身を投じることに。
早速復帰第1戦が始まります!!

真島が参加することとなった「BraVe」と言う格闘イベントは四角いリングを膝上くらいの金網、「ハーフフェンス」が取り囲む形の舞台で行われます。
ルールは5分3ラウンド、頭突きや目潰し金的は禁止、というスタンダードなもの。
いきなりミドル級トーナメントに出場と言う強行軍ではあるものの、復帰戦としては妥当と言える無難なルールとでしょう。
その注目の第1試合、相手は岩尾という体格のいい男。
何でもこのトーナメントの参加資格は本来公式戦で10勝以上していることだそうで、それを考えるといかにも雑魚な風体の彼も実力者であるようです。
ゴングとともに打撃で攻めてくる岩尾。
激しいラッシュを仕掛け、しのぐ真島の防御をかいくぐって右フックを顔面に炸裂させました!
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そのまま流れるように胴タックルに入る岩尾!
岩尾は柔道出身だそうで、寝技こそ彼の本当の得意分野だったのです!
が、真島は踏ん張ってテイクダウンを許しません。
それでも岩尾はさば折りの体勢に持ち込み、なおも倒そうと力をかけてきます!
しかし真島は立ったまま十字絞めを仕掛けて反撃!窮地を脱します!
予想外の反撃に焦る岩尾は苦し紛れにタックルを放ちますが
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必殺の跳び膝蹴りを顔面に炸裂!
さらにそのまま空中でガッチリと左腕を固めて破壊してしまいます!
これぞ陣内流の技の一つ、「眉庇(まびさし)」!!
早速衆人の度肝を抜く技を披露し、完膚なきまでの激勝を収めたのです!

勝利は収めたものの、記憶のない6年間の戦いで自分に刻み込まれている「容赦せず相手を壊す攻撃性」に恐れを抱く真島。
対戦相手を壊してはいるが、本当に壊れているのは自分ではないか……そんな不安に駆られていると突然、真島の心の中に謎の男が姿を現しました。
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現れた男は「クリエイター」と名乗り真島に語ります。
真島はアメリカ滞在中にあるゲームへの参加を承諾したこと。
そしてゲームに負けたものは必ず死ぬこと!
クリエイターと会話できるようになったことで真島が「レベル2」になったとも語るのですが、肝心のゲームの内容やルールはレベル2では教えられないと言い残してその男は真島の心の中から消えていくのでした。

1ヵ月後の準決勝を前にしてこのわからないことだらけの状況。
ですが去り際にクリエイターが言った「心の鍵を開けてここに来い」と言う言葉で以前かかった精神科医を思い出します。
更にその精神科医が「洗脳による殺人」と言ったものを扱っている本を出版していることを知り、再び彼の力を借りることにしたのです。
早速その医師の下へ訪れ、過去にさかのぼる「退行催眠」をかけてもらう真島。
真島は催眠状態におち、ついに思い出し始めます。
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あの「すっとばす」ラストシーン、「次はどいつだ」のその後を!
地下駐車場での乱闘騒ぎは一体どのような展開を迎えたのか!?
野々宮に、師匠に、かつて激闘を繰り広げてきた好敵手たちに降り注ぐ邪悪な凶弾!
そのあまりにも衝撃的過ぎる驚愕の真実が明かされることになるのです!

いよいよ白日の下に去らされる「すっとばす」の続き。
その絶望的な展開に度肝を抜かれること必死です!
その回想(催眠?)シーンで新キャラも登場し、謎は明かされるばかりかより深いものに。
謎過ぎるクリエイターの正体やゲームの詳細、更に数々のキャラの行く末と先の展開に目が離せません!!
もちろん本作の売りといえるバトルシーンも迫力満点で展開。
現代パートの総合格闘技も、回想パートのバイオレンスなアクションシーンも気合十分で描きこまれています!

そして連載時のカラーページをフルカラーで収録し、巻末には登場人物紹介と言ったおまけ要素もあり!
旧作以来久々に読む人は「こいつ誰だったっけ……?」というキャラをおさらいできます!!


いよいよあの後が語られる「陣内流柔術流浪伝 真島、爆ぜる!!」第2巻は好評発売中です!
謎が謎呼ぶストーリー、驚くしかないショッキングな出来事の連続……「すっとばす」ファンならばこれを読まずにいるのはもったいないですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


陣内流柔術流浪伝真島、爆ぜる!! 2巻 (日文コミックス)
日本文芸社
にわの まこと

ユーザレビュー:
にわのまこと最高!と ...
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本日紹介いたしますのはこちら、「孔雀王 曲神紀」第12巻です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスより刊行されました。

作者は荻野真先生。
本作の過去記事は「孔雀王」のテーマでまとめておりますのでそちらもご参照くださいませ。

第11巻で成り行き上バンド活動をすることとなった孔雀たち。
更に成り行きで北方神島という4人の神と戦うことになりました。
スサノオの力を発揮して圧倒する孔雀ですが、それを大山津見が突然戦闘に割り込んで仲裁をはじめ……

と言うところではじまる第12巻、最終巻です。
消化されていない伏線やキャラの生死などなど気になる点は山盛り。
前巻あとがきで荻野先生が「可能な限りきっちり終わらせる」とおっしゃられていたその結末とは!!

北方神島の面々は結局大山津見によって説得され、協力関係を結ぶことになりました。
とりあえず孔雀たちのバンドのバックダンサーとして仲間入りします。
残すのは本選のみ、本選に出れば確実に月読と会うことが出来るのです!

いよいよ始まった本選。
控え室で孔雀との再開に胸躍らせる月読ですが、意外な人物が訪ねてきます。
それはなんと
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ヤマタノオロチこと八千矛!!
月読はあろうことか危険極まりない八千矛とコンビを組んで舞台に上がることとなってしまったのです!

天岩戸開闢を模した大掛かりな演出で舞台に登場する月読。
この決勝の地は出雲、時は10月……神在月。
このシチュエーションは神に喧嘩を売っている以外の何物でもないと語る大山津見。
その解説どおり、踊る月読のもとに神々が退去して襲い掛かります。
たまらず助けに飛び出す孔雀ですが、突然周囲の孔雀を含めた全ての存在が動きを止め、眠り始めてしまったのです!
それは八千矛がかき鳴らしたギターの仕業のようで、この場で起きているのは月読とその体に宿った天の宇受売、そして八千矛のみ。
じつは天の宇受売は八千矛とつながっており、スサノオの牙を手に入れるために仕組んでいたらしいのです!

宇受売が持っていた牙を手に取り、八千矛は牙を2つ所持。
しかし孔雀は絶賛睡眠中。
このままでは孔雀のもつ7つの牙まで奪われてしまいます。
そうなれば八千矛は強大で邪悪な神となり、世界を消滅に導くのです!
それをイザナギの導きによって上空から眺めていた黄の息子、明星は阻止せんと地上に降りようとします。
イザナギにそれを止められてしまいますが、代わりに一つの手段を教えます。
それは明星が手にしていたスサノオの牙の最後の一つに呼びかけ、孔雀を起こすこと。
孔雀がスサノオの力を使えば八千矛を倒せるはずなのです!
そして明星の祈りが届き孔雀は覚醒。
八千矛と孔雀、牙を持つもの同士の決戦が始まります!
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激戦の末孔雀は八千矛を撃破。
さっそく孔雀はふたつの牙を手中に収めます。
すると突然スサノオの牙は黒く変色!
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そしてその黒は孔雀の体をも侵食し、瞬く間にピクリとも動かない黒い塊になってしまったではないですか!
これはイザナミのかけた呪いだそうで、9つの牙を手にしたものは永遠に静止してしまうのだそうです!
イザナギは助けられる可能性があるのは孔雀と同じくスサノオに選ばれた明星が牙を十手中に収めることのみだとアドバイス。
十は統(トオ)、始まりであり終わりである全てを元に戻す再生の力だと!

アドバイスどおり全ての牙を手にした明星。
すると突然今まで好々爺然とした表情だったイザナギが豹変!
明星の下へと襲い掛かり、明星の体とスサノオの力を強奪!
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統の大神「維邪那岐(イザナギ)」として生まれ変わってしまったのです!!
生まれ変わった維邪那岐は今まで溜め込んできた恨みを爆発させ、その場に居た神々を次々に消滅させていきます。
新たな神世の創造と息巻く維邪那岐に危機感を募らせる月読。
この状況でイザナギを止められるのはもはやイザナミをおいて他にはいないと、岩戸を開く儀式を行おうとします。
そうはさせまいと月読に力を放つ維邪那岐!
ですが間一髪、それを防いでくれる人物が現れました。
意外や意外、その人物とは
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ツキヨミ!!
「退魔聖伝」からの最大の怨敵であるはずのツキヨミ、その真意とは!?
「曲神紀」最終決戦が始まります!!

と言うわけで完結してしまった本作。
ツキヨミの真意にはもうビックリすること必至です!!
「……え!?」って!
その真意があっても相手は実の兄である日光やら蓮華やら裏高野のみんなやらを物凄い勢いで殺したり生ける屍にしたりしたあのツキヨミ。
それなのになんか月読とものっそい仲良くなっちゃうんですが……いいんでしょうか!!
急遽終わらせる都合上色々はしょった結果なのだとは思いますが……
更に自分の息子がイザナギにのっとられちゃった黄や、ファンも多いだろう王仁丸、終盤引っ張ってきた大山津見あたりは眠ったまま終了!!
なんてこったい!!
そして何よりそんなもろもろも一気に吹っ飛んでしまう衝撃過ぎるラスト!!
ジャンプ打ち切りパターンの王道、「俺達の戦いはこれからだ!!」を地で行く結末なのです!!
映画化やアニメ化、ゲーム化などを経験した人気作がまさかこんな終わり方をするとは……!!
泣けます!!
急すぎるきらいはありますが、盛り上がってきたところなのに……!
こんな結末には荻野先生も満足していらっしゃらないようで、「もう1巻でパーフェクト」とおっしゃっています!
そして(半分以上冗談なのかもしれませんけど)「ご意見、ご希望、ご不満の方はYJ誌オギノ担当のY君まで連絡を」とのこと!!
うわー!!お願いだからもう一冊出してください!!
この終わりはあんまりですよ!!
「退魔聖伝」であのラストから10年以上待った結果がこれとかあんまりにもあんまりですよ!!

衝撃過ぎるラストを迎える「孔雀王 曲神紀」最終第12巻は全国書店にて発売中です!!
孔雀王ファンの色々な声が聞こえてくるような気がする今巻。
もういろんな意味で必見としか言えません!!
もうホント、お願いだから完全完結巻出してくださいよ……
その完結巻への希望をつなげるためにも興味のある方は購入を検討していただきたいです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


孔雀王曲神紀 12 (ヤングジャンプコミックス)
集英社
荻野 真

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本日紹介いたしますのはこちら、「ビビビの貧乏時代 いつもお腹をすかせてた!」です。
集英社さんのホーム社漫画文庫より刊行されました。

作者は水木しげる先生。
水木先生の作品は「水木しげる」のテーマにて紹介をまとめておりますので、そちらもよろしければご覧くださいませ。

さて、本作は水木先生が69~75年に描いてきた自伝的作品をメインに集めた作品集です。
作中ではかなり生々しいことなんかもかかれていますが、あくまでフィクションなのでご注意ください!!

収録されている作品は13編。
どれもが水木先生本人、あるいは水鬼、水又、水枕といったどう見ても水木先生をモデルとしたキャラが主役であるものばかりです。
本作のタイトルこそ「貧乏時代」とつけられていますが、貸本漫画家だったころの貧乏話だけでなく、戦前のぐうたらな生活をしていたころの話や漫画家として成功した後の話、更に江戸時代の妖怪話まで幅広く網羅しています。

先ず本作で目を惹くのが「ドブ川に死す」と「漫画狂の詩-池上遼一伝-」でしょうか。
この2作、発表されたのが73年と75年と比較的近く、そのせいではないのでしょうが非常に似通った内容の話となっています。
主役が前者は新人アシスタントの豊川と言う男、後者が水木先生のアシスタント時代の池上先生となっているのですが、作中で起きる事件がほぼ同じ。
両作でそれぞれの主人公に父親が危篤という電報が届いてあわてて郷里に帰ったり(しかも水木先生の「死んだんか」という問いとそれに返す「危篤だからまだ生きてます」と言う返しまで一緒!)、
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つげ義春先生がモデルと思われるキャラが書置きを残して失踪したり……
そんな同じような事件が起こる作品ですが、豊川が先輩を敬いもせずわがままで不遜な嫌なヤツ、池上が真面目な人物と言う点は共通しており、それ故に結末もまったく正反対になります。
アイデアの再利用がわりと多い水木先生ですがこういった視点の違う作品は珍しく、興味深く読むことが出来るのではないでしょうか!

そして本作中最新の作品(といっても97年ですが)「貸本末期の紳士たち」も注目です。
こちらの作品ではなんとあのねずみ男や吸血鬼エリートのモデルとなった人物をモデルとしたキャラ(ややこしい……)が登場!!
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水木先生ファン必見のエピソードです!
さらにつげ先生や白土三平先生をモデルにしたと思われるキャラまで登場し、なんだか貧しい生活を描きつつも豪華な感じがする作品なのです!

そんな現実的な話だけでなく、十八番ともいえるオカルティックな話「招かれた三人」も収録。
水木先生がモデルのキャラが戦友とともにかつて潜り抜けてきた南方の戦地を訪問するのですが、夢の中で戦死したかつての仲間が登場し遺族のところへ訪問するように約束させられてしまいます。
その夢の中で亡霊にかじられた部分に疥癬が発生、それが……という正統派ホラー話です。
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この作品の最大の特徴は気合の入りまくった南方の風景でも亡霊に襲われる恐怖でもなく、その終わり方!
思わず「終わり!?」と叫んでしまうこと必至です!!

他にも「なめちゃん」というこれまた水木先生お得意の誰が得するんだと言った風情のエロス要素の濃い作品も用意されています。
貧乏紙芝居絵師の水鬼と貧乏講談師の鍋底が出会い、ひょんなことから仲良しに。
そこで鍋底が水鬼を誘って「なめ屋」に行くと、そのなめ屋の女にすっかり気に入られて家に押しかけられてしまうと言うお話です。
なめ屋って何?と言いますと……まぁあれですよ。
アレをなめる商売です!!
ですがそのなめ屋のなめたちゃんがまたすごい容姿の持ち主でして。
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しかもこれが獣のような勢いでなめるんですから……楽しむどころか恐怖すら感じますよ!!
まさに妖怪!!!さすが水木先生だぜ!!!
ちなみに物語自体もやっぱり水木先生らしいオチでしめられています!!

と言うわけで「水木先生」で固められた本作。
妖怪や幽霊の類は本当にオマケ程度しかありませんが、これでもかこれでもかと盛り込まれた水木節はむしろいつもの作品集以上!
もしこれらの作品が妖怪幽霊がらみ以外全て現実に起こったことだとしたら、水木先生はそりゃぁもう壮絶な人生を送ってますよ!
実際起こったら悲惨ではすまない状況を描いているにもかかわらず、悲壮さよりもむしろユーモラスな印象が強いのがまた本作、というか水木先生のすごいところ。
思う様水木ワールドに没入しましょう!!

どんなときでもめげずにバナナを食う水木先生のたくましさを堪能できる「ビビビの貧乏時代 いつもお腹をすかせてた!」は好評発売中です。
いよいよ10年3月29日始まる「ゲゲゲの女房」をひかえ、にわかに盛り上がる(予定)の水木先生関連作品。
これを機会に水木先生の半生を垣間見るのもよろしいのではないでしょうか!!
……多分「女房」のほうはある程度イケメン描写が強くなると思いますので、こちらの水木先生とまったく一致しない恐れがありますが……!
さぁ、本屋三位にそぎましょう!!


ビビビの貧乏時代―いつもお腹をすかせてた! (HMB M 6-7)
ホーム社
水木 しげる

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