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本日紹介いたしますのはこちら、「孔雀王ライジング」第1巻です。
小学館さんのビッグコミックスより刊行、月刊!スピリッツにて連載されています。

作者は荻野真先生。
色々物議を醸し出しまくった「孔雀王 曲神紀」の紹介などは、「孔雀王」のテーマにてまとめております。
よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、85年から連載が始まった「孔雀王」。
瞬く間に大人気となり、度重なるOVA化や映画化、ゲーム化などを果たしました。
ですが完結後に続編として連載開始された「孔雀王 退魔聖伝」では、「孔雀王」をさらに超えた超ハードな展開でファンをグイグイ引き込んで行った所で連載中断になっれしまいます。
その後14年ほどの時を経て待望の新シリーズとして始まった「孔雀王 曲神紀」は、一転してなんだか軽い糊で物語が始まったかと思いきや、なんだかすごい終わり方をしてしまったのです!!
悲しみにくれるファン(と荻野先生)でしたが、12年より今まで連載していた集英社さんを離れ、講談社さんのスオイリッツでこの「ライジング」の連載を開始!
ファンにとっては嬉しい復活となったのでした!

そんな感じではじまった本作はその後の物語といったものではなく、本シリーズの主人公の孔雀の少年時代を描いた過去編となります。
俺の記憶が確かなら、子供のころの孔雀って色々あったせいでものすごく暗い感じだったような気がしますが……
ともかく、修行僧としての日常の始まりから孔雀の子供時代を描く作品になっているのです!!

仏教グッズの犇くとあるお店。
そこで買い物に悩む人物がおりました。
本物の水晶の数珠だとか、金メッキの独鈷杵やら、なんだか高そうなものばかりでどうしようかまよっている恒例の僧侶……慈空。
ですがこの買い物は、慈空が自分のために買うものではないのです。
彼の弟子が、今日から一生に一度の入門修行をすることになり、その門出を祝う意味もこめてのお買い物なのでした。
その弟子……明が慈空を呼びます。
このお店に飾ってある仏像はみんな中身が空っぽだし、こっちの高いやつは狸や狐やいたちにゴキブリなんかの目つきの悪いのばかりがついている、と。
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挙句の果てには仏像を購入しようとしていた別のお客さんを捕まえ、その像には鮭ばかり飲んでる汚いおっさんが中に入っている、と告げてしまい……
怒った店員に追い出されてしまったのでした。

明はチベットの山奥で飛行機事故にあい、同乗していた父と姉を失ってしまいました。
自分の弟子である明の父を探しに向かった慈空は、そこで明だけは保護することが出来たのです。
そのまま明は慈空の弟子となりました。
その最大の理由は、明に「へんなものが見える力」があったため。
本来そういった力は、かなりの修行を積んだ高僧にしか備わらないものなのですが、明や明の父には生まれつきその力が備わっていたと言うのです。

今この世の中には、悪しき魔仏や疑仏が溢れていて、それが呼び水となって「大魔王仏」がこの世に現われてしまいそうなのだとか。
大魔王仏とは、第六天魔王とも呼ばれる最大の仏敵。
その力を前にしては、経文も親交も何一つ役に立たず、対抗できるのは仏教世界最強の戦闘仏である「明王」だけなんだとか。
孔雀もまた修行を積み、一刻も早く明王の力を借りられる退魔僧にならなければならない!
慈空がそう明に告げると、明は「うん、わかった!」と物凄いいい返事で返すのでした。

が。
ここから入門する裏高野までは1人で行かなければならない、と慈空と別れた直後に明は道に迷ってしまいます。
しかも本来迷いようもないはずの一本道で……
日は暮れはじめ、山は夜の帳が下りてきています。
すっかり迷ってしまった明はもう半泣きですが、向かう先に僧侶らしき人影が見えて一安心。
道に迷ってしまった、一緒に裏高野までつれてってくれ、と僧侶に駆け寄っていきました。
ですが振り向いたその僧侶は
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見るからに生きた人ではありません。
しかも気がつくと周りには怨霊のようなものたちで囲まれています!!
慌ててダッシュで逃げる明!!
ですが足場の悪い山道ですから、すぐ躓いて転んでしまうのです!!
あたりを埋め尽くす怨霊に、明は印と真言をもって攻撃!!……しようとするのですが、流石に何の修行模せずそんなことが出来るはずもないわけで。
明は泣き言を言って縮こまることしか出来ないのでした。
……ところがこの霊たち、明を攻撃してきたりはしません。
よくよく見れば、何かを訴えかけたいような目をしています。
目を凝らし、耳をすまして霊の声に耳を傾けると……
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「ホトケニアイタイ」、そう言っているようなのです。

どれだけ探し回ったでしょうか。
霊たちをつれて散々歩き回った後、草むらの中で傾いた小さな岩のようなものが見つかりました。
これが仏だと言う明に、霊たちは怪訝な表情を浮かべるのですが、明が表面を覆っているコケをむしっていくとそこには梵字のようなものがほられていました。
するとそこから、美しい姿の仏様が出現。
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千年振りにこの石碑から私を見つけたものがいる。
そういうと仏様はお経を唱えながら、さまよえる霊たちを天上へといざなって言ったのでした。

迷える霊は助けたものの、明はまだ迷子。
そんな彼の元に、今度こそ生きた人間の僧がやってきてくれました。
時空から心配だから迎えに行ってやってくれと言われたらしいその僧は、裏高野の女人房の修行僧頭、嵐(らん)。
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明は彼女に連れられて、ようやく裏高野へとたどり着くのです。
こうして始まる修行の日々。
そこで明は、新たな人生の始まりとして法名をもらうこととなります。
その名こそ、孔雀。
一体明……孔雀にはどんな試練が待っているのでしょうか?

というわけで、孔雀の幼少時代が描かれる本作。
皆さんのよく知るエロス大好きな孔雀はどこへやら、この少年時代の孔雀はひたすら天然のハラペコキャラ道を突き進んでおります!!
荻野先生作品では結構珍しい感じの、孔雀と同じような立場の新米少年少女の修行僧数名とともに生活を過ごしていく、いわば学園モノのような方式がとられているのが目に付くところ。
聖邪様々な大人たちに囲まれ、修行僧としての訓練に励む様子が描かれるのです!!
その修行はなんと言いますか、今までの孔雀王の超能力バトルに近いものとはうって変わっていまして……それぞれの守り本尊である仏様が具現化して攻撃したりする、「スタンドバトル」に近いものになってます。
と言うのもその具現化した本物の仏様と、魔に落ちた魔仏、疑仏との戦いと言うのがキーワードになっていくようで。
孔雀明王そのものにも迫っていく感じのお話になっていくようです!!

そして意外と言っては失礼かもしれませんが、荻野先生が「少類人(ちゃいるど)」以来な気がする子供キャラがしっくりきているのも注目です!
少年孔雀や修行仲間の少女達には燃えられる人がでるのも不自然じゃないくらいに……!!

少年孔雀の活躍を描く、「孔雀王ライジング」第1巻は全国書店にて発売中です!!
少年時代の孔雀が描きたいから小学館さんにうつったと言ういわくつき(?)の本作。
子供さんによませられる漫画にしたいとのことで、荻野先生作品としては非常にエロス要素が控えめとなっておりますよ!!
……冒頭以外は……!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


……ファンとしましては、今度こそいい感じに物語を進めて言っていただきまして、ゆくゆくは孔雀王の完結編に繋げて行っていただければなー、と思わずにいられません……!!


孔雀王ライジング 1 (ビッグ コミックス)
小学館
2012-10-30
荻野 真

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