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本日紹介いたしますのはこちら、「妹のジンテーゼ」第2巻です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックスGJより刊行、グランドジャンプにて連載されています。

作者は原作が十全文博先生、漫画が紺野比奈子先生。
本作第1巻の紹介は12年6月19日の記事にて記載しております。
よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、英明女学院に入学した三人の女生徒、智恵、夕香、古都音。
彼女たちは問題解決部、通称もんかいに入部して活動を行うことになりそうになったのですが、その前にある戦いを制する必要がでてきてしまいます。
衰退するもんかいから部室を奪った形になる、クイズ研究会、通称くいけん。
部室の使用権を賭け、彼女達とクイズ勝負をすることになってしまったのでした!

基本的に学力の高い古都音ですが、昨今は今までのように勉強に身が入らず、困っていました。
それは今までの勉強などで蓄えていた記憶が増えすぎたことが原因となり、琴音の頭の中で「記憶の断片化」がすすんでしまったためだと言うのです。
その改善にまず行ったのが、古都音の部屋の掃除。
部屋は心の鏡、とのことで、部屋の整理で心の整理もついた様子。
ある程度古都音の頭脳の不調は回復したのです。

さらに智恵はこんなことを言い出します。
幻の記憶術がある、と。
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人間と言うものは、たとえ話や語呂あわせなどの連想を使うと理解が進む。
人間が持つこういった優れた連想力を生かすのがその幻の記憶術なのです。

記憶と言うのは、「憶える」だけでなく、「思い出す」事も大事です。
そこで数多くの記憶に他のものを結びつけることで記憶の出し入れを容易にすると言うのがこのまばろしの記憶術。
ここで智恵は図書館を例えに出して説明を始めます。
図書館で蔵書を管理するステップは、大まかに4つ。
「収集」「分類」「整理」「収納」です。
まず収集。
これは何でもかんでも憶えるのではなく、必要なものを必要なだけ憶える、「取捨選択」と言い換えられます。
分類はその本がどんなジャンルなのかわける「カテゴライズ」。
これを整理するのが、どこにどんな本をおくのかと言うことを考える「レイアウト」。
そして収納、それらをきっちりと「片づけ」る。
これが記憶の手順なのです。

幻の記憶術で最も重要なのは、その憶えた情報を何に連想させるか、と言うこと。
なんでも人間の記憶と言うのは場所を記憶するのに長けているそうで。
方向音痴であろうとなんであろうと、頭の中で自分の家の中に玄関から入っていき、そこから今に入り、自分の部屋に行ってみる……そのくらいならば難なくできるはず。
実際夕香と古都音も想像できない箇所などなくあっさりと頭の中の自分の部屋にたどり着きました。
智恵はそれこそが人間の空間認識力なのだ、人間の「場所を記憶する力」は非常に強力で、自分の好きだったりなじみのある場所ならばその精度はさらに上がる、といいます。
そこで、その場所に自分の記憶を関連付けていく。
いうなれば自分の脳内に、「空想の図書館を作る」ことこそが幻の記憶術だ、と!!
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クイズ対決までの時間は2週間。
三人は圧倒的な知識量を誇る古都音の記憶の整理、「記憶の宮殿」を作るために奮闘します。
幸い決戦の暇では部室が使用可能になったとのことで、整理に励むのですが……
交渉をした夕香が、代わりに負けたら一生部活使用不能+全員丸坊主、と言う余計な約束まで取り付けてしまっていました。
ますます負けられなくなってしまったところで始まる記憶の宮殿製作。
まずしなくてはならないのは、何の建物にするか決めると言うことです。
古都音は考えた末、「ルーブル」にすると言い出します!
記憶の宮殿と言うくらいだから、宮殿がいいのかな、だったらいっそのこと世界一有名な宮殿がいいんじゃないかなと思ったんだそうです。
智恵は慌ててその考えは理解できるが、この方法は自分がよく知っている場所で無ければ意味がないと却下します。
新しい記憶を配置していくためには、目をつぶれば思い浮かべられるほど馴染み深い場所がいいんだそうで。
だからそういう建物にしてはどうか、と言うのですが、古都音からは意外な返事が返ってくるのです。
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それなら大丈夫、父が洋画家をやっている関係で中学までずっとパリにすんでいた、ルーブルは毎日のように通っていたから、自分の庭のように知っている、と!

ルーブルの地図を広げる古都音。
ルーブル最大の特徴は、建物が三つの棟から構成されていること。
東側に位置するのがシュリー翼。
ここは古代美術とフランスの芸術が陳列されている、ルーブルの根幹ともいえる場所です。
南側はドゥノン翼。
この棟はルネッサンスの絵画が主として陳列されていまして、かのモナリザなんかもあるルーブルで最も華やかな場所です。
そして最後がリシュリュー翼。
ここは古代の遺跡や彫刻、ルネッサンス以外の外国絵画などがその他もろもろが展示されている、最も新しい部分だそうです。
その説明を聞いて、智恵はビックリ。
アリストテレスが分野分けしたと言う学問のカテゴリーは、大きく分けると三つに分かれると言うのです!
まずその根幹を成すのが「人文科学」。
「哲学」「詩学」「演劇学」といった、彼が追求した「知」の取っ掛かりの部分にあたる基本なのだとか。
続いて研究を深めたのが「自然科学」。
これは「物理学」「生物学」「天文学」などの自然界から得られ、文明の進歩を齎した華やかな学問といえるのです。
そして最後が「社会科学」。
「政治学」「経済学」などのその他の興味ある研究対象なのだとか。
この三つ、まさに基本の「人文科学」と「基本」のシュリー翼、「自然科学」と「華やか」のドゥノン翼、「社会科学」と「その他」のリシュリュー翼と、ピッタリ当てはまるではありませんか!!
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さらに基本を基礎教養、華やかを理系、その他を文系と当てはめるとより一層わかりやすくなりました。
この方向で記憶の配置を考えていこう、いいかな?と古都音を振り返ってみると、
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古都音は面白いと目を輝かせているのです!!
自分の記憶のコレクションを飾っていく、美術館作りのような作業。
それに目を輝かせる古都音はもうやる気まんまん、ワクワクモード。
知とは本来ワクワクするものなのだから、古都音がそう感じているならばもう成功はほとんど間違いないと智恵は断言しました!!
一気にもりあがってきたもんかい三人娘。
智恵の独特の知識、古都音の広く深い教養、そして夕香の鋭い直感と閃き。
この三つがあわされば、くいけんとの戦いを制することも無理ではありますまい!!
果たして三人は波に乗って勝利することが出来るのでしょうか!?
戦いの日はやってきます!!

というわけで、幻の記憶術を掘り下げる今巻。
この上さらに智恵は、クイズ対決のルールの盲点をついた秘策を引っさげて戦いに挑むのです!!
今巻もまた、さまざまな薀蓄が満載!!
本記事ではさっくりと幻の記憶術に関しての紹介をさせていただきましたが、良くも悪くも本作中では脱線しまくり!
様々な脱線先での薀蓄がこれでもかと披露されるのです。
それもまた間違いなく本作の魅力。
こういった生きていくうえでどうでもいい(失礼!)知識を収集するのが楽しくてしかたのない方ならば確実に楽しめますよ!!
そしてその薀蓄ゆえなかなか物語がすすまなかった本作もいよいよクイズ対決に。
このクイズ対決で順調だったもんかい三人娘の1人にトラブルが……!?
いよいよ物語のほうも盛り上がってくるのです!!

薀蓄満載女子高生日常物、「妹のジンテーゼ」第2巻は全国書店にて発売中です!!
クイズ漫画ともまた一味違う独特の味を持つ本作。
タイトルにあるような「妹」要素はガンガンへっておりますが……気にしない気にしない!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


妹のジンテーゼ 2 (ヤングジャンプコミックス)
集英社
2012-10-19
紺野 比奈子

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