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本日紹介いたしますのはこちら、「つきロボ」第2巻です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックス・ウルトラより刊行、ウルトラジャンプにて連載されています。

作者は中平正彦先生。
本作第1巻は「中平正彦」のテーマで紹介記事にリンクしていますので、 よろしければ併せてご覧ください。

さて、愛してやまないアニメの主人公ロボ、「グラドゥルス」の実物大ロボの存在を知ったつきひ。
友人であり、月で行われる機械によるビーチフラッグのような競技、「ルナホッパー」の相棒でもあるるねや、そのチームの仲間であるカントク、ポン太たちと協力してある計画を実行に移します。
その未完成のまま放置されている実物大グラドゥルスを、完成させて動かす!!
その途方もない目的に向かって、つきひたちはゆっくりと猛ダッシュするのでした!!

そんなつきひに、グラドゥルス修理の実際の作業を実質1人で行っているポン太が声をかけてきました。
困ったことになった、と言う言葉とともに差し出したのは、一本のボルト。
頭の部分にほど近いところから、見事にぼっきりと折れてしまっています。
急にそれを見せられてもピンと来ないつきひ。
なにやら話し込んでいるとるねもやってきたところで、ポン太は衝撃の発表を始めたのです。
このボルトはグラドゥルスに使われているもの。
経年劣化しているので、全部交換しなければならない。
あの巨大なグラドゥルスに使われているわけですから、その本数は相当なものでしょう。
それを交換するには当然膨大な手間がかかるわけですが、今つきひたちはある都合で外にでることができないのです。
果たしてどうしたもんかと思案したいところですが、実際の問題はそんな手間だけで済むような生易しいものではなかったのです。
そのボルト、一つあたりのお値段。
巨大ロボットのものごっつい重量を支える必要のあるボルトですから、当然高硬度の特別なものな訳で……
一本で実につきひのお小遣い半年分に相当するものだったのです……!!

そこでポン太が考えた代謝案です。
グラドゥルスの全身あちこちから使えそうなボルトをピックアップし、その全てを使用。
そスすれば右腕一本くらいは何とかなると思われるので、そこでグラドゥルスのレストアを終了とする、と言うものでした。
ですがそれを聞いてもつきひの心は折れません。
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彼女曰く、「ボルトが折れてもあたしの心は折れたりしない!」んだそうで。
ボルトの件は任せて、とポン太に見得を切って去っていったのです!!
ここまで自身があると言うことは、何か策があるのでしょう。
一応つきひもそこは考えているようで、「得意分野を活かす」とのこと。
ですがその得意分野とは、
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つきひの「ツインテール」、るねの「黒髪ロング」、すっかり巻き込まれたあまねの「お嬢様」、おなじくみさきの「メガネっ娘」……
この「隙のない布陣」の色香によってボルトを値切り、あわよくばタダにしようと言う「萌え殺し大作戦」と言うアレ極まりないものだったのです……!!

るね以外はわりとノリノリで挑むことになった萌え殺し大作戦。
勢い良くボルトを都合してくれるノートン精工へと乗り込みます。
が、入っていきなり思いもよらない障害にぶち当たってしまいました。
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責任者が、お胸の豊かな18歳の少女だったのです!!
色々想定外の事態に計画を練り直さざるを得ないつきひですが、意外に事態はいいほうに転がって行きます。
グラドゥルスに使われていたボルトの何割かは彼女、カーリアの亡くなったおじいさんが作ったとか。
そのころはマシニングセンタ的な機械でパーツを作っていたのではなく、人の手による旋盤の操作、いわゆる職人の技で作っていた……と言うような話につきひがグイグイと食いつき、話が弾んで一気に打ち解けることが出来たのです。
カーリアが砕けたボルトを見ながら語ってくれた、おじいちゃんはどんな想いでこのボルトを作ったのだろうかと言う言葉。
つきひは自身をもって、グラドゥルスに対する熱き想いかと!と答えます。
なんだかハートフルな空気に包まれ、つきひの頭の中からはすっかりボルトに関しての交渉なんて消え去ってしまっていまして。
こりゃもうダメだと思い立ったあまねとみさきは
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もう駆け引き無しのストレートに「タダにしてください!!」と切り出しやがったのでした!!

流石にただは無理でしたが、カーリアは出来るだけ安くしてあげると約束してくれました。
とりあえず天地がひっくり返っても手が届かない、と言う金額ではなくなったものの、それでもお金は必要です。
そんな時、ふとしたことから思い出されたカントクの存在。
計画性も何にもない行き当たりバッタリな彼ですが、そもそもグラドゥルスを動かそうと最初に言い出したのは彼なわけで。
曲がりなりにも大人であるカントクが、お金のことを一切考えていないとは考えられない、ハズ!
早速連絡をとってみると、一応考えていたようで。
「得意分野を活かす」作戦を!!
もちろん燃え殺し大作戦じゃあありません。
カントクがはっきりと断言できるつきひとるねの得意分野と言ったらアレしかないじゃありませんか。
そう、ルナホッパーです!!

このルナホッパー、参加側だったつきひとるねは知りませんでしたが、賭けの対象になっています。
要するに自分のチームに賭けて、勝ち星を重ねていく……
バクチといえば聞こえは悪いですが、実際一気にお金を稼ぐとなったら他に現実的な策と言うのは考えづらいでしょう。
そんな状況で行われた試合の相手は、なんと前年優勝のチーム!
タダでさえ強いであろう前年優勝チームですが、その上反則スレスレのズルい戦法でヒール道を突き進む厄介過ぎるチームです。
こりゃ勝ち目はないねと諦めモードに入るつきひですが、カントクはしれっとこんなことを言うのです。
勝ってくれなきゃ困るって。
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有り金全部我がチームの勝利に突っ込んでるんだからよ!!
……いきなりの崖っぷちをむかえたつきひ。
あぶく銭を手に入れてボルト購入を果たせるのでしょうか?
はたまた監督の全財産は泡と消えてしまうのでしょうか!?

と言うわけで、いきなりのトラブルに見舞われた本作。
ボルト代、というシビアすぎる現実を突きつけられてしまったのです……
SF世界でも金がなくては始まらない!!世知辛いもんです!!!
ですがそこでもただしょげないのがつきひのいいところ。
グラドゥルスよろしく、よく言えば熱血で乗り切って行ってくれるのです!
グラドゥルスのレストアが最大の肝となる本作ですが、つきひのまわりの人物のドラマも見逃せません。
月生まれのつきひとるねはいいのですが、あまねとミサキには月に滞在できる期間が決められていまして。
刻々と迫ってくる別れを前に、彼女達がどんな行動にでるのかに注目したいところ。
さらに今巻で登場したカーリアにも胸と気風のよさ以外の見所が用意。
彼女の言葉が、ポン太をある行動に踏み切らせることになります!
このあたりがこれからしばらく物語の主成分となって行きそう。
彼女達の動向が楽しみですね!!
もちろんグラドゥルスレストアもすこしずつ進んで行きます。
今巻で早くも……!?

ロボットレストアSFコメディ、「つきロボ」第2巻は全国書店にて発売中です!!
文字通り「動き」が見られる今巻。
中平先生作品にはちょこちょこ見られる、SF薀蓄描き下ろしオマケも健在ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


つきロボ 2 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
集英社
2012-10-19
中平 正彦

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