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本日紹介いたしますのはこちら、「ゲゲゲの家計簿」上巻です。
小学館さんより刊行、ビッグコミックにて連載されています。

作者はもちろん水木しげる先生。
水木先生の作品は「水木しげる」のテーマにて紹介記事をまとめておりますので、よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、本作は水木先生の家計に重点を置いた自伝的作品となっております。
いまの水木先生からは良くも悪くも想像できませんが、若かりし日の水木先生は家計簿をこまめにつけていらっしゃいまして。
本作は現存するその家計簿の収支を振り返っていく形で物語が進んでいくのです!!

昭和26年、6月。
当時の水木先生は、神戸で「水木荘」と言うアパートを経営しながら紙芝居を描いて食いつないでおりました。
その日も紙芝居制作に精を出したかったところなのですが、アパートの住人達の「水がでなくなった」だの、「便所がつまった」だのといったアレコレの注文に時間をとられてしまい、紙芝居制作に集中できないのです。
ですが紙芝居を完成させないところにはお給料も入ってまいりません。
紙芝居制作に今度こそ専念……と思いきや、今度は無尽の金を払わなければならないことを思い出します。
無尽と言うのは共同でくじなんかを購入する組合のことだそうで。
こういった無尽だの家賃だのといったもろもろの雑費を管理するため、水木先生は家計簿をつけることにしたのでした。
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いざ家計簿をつけはじめてみると、なかなかオモチロイと水木先生はご満悦。
何せお金大好き水木先生ですから、額は少なかろうともお金の勘定をするのが楽しいと言うのは当然と言えるかもしれません……!!
で、そんなある日、水木荘に新たな住人がやってきます。
ですがそれは待望の店子ではなく、水木先生の弟さんでした。
とはいえ、水木先生は紙芝居作家とアパートの大家さんと言う二束の草鞋に限界を感じ始めていたところ。
弟さんにアパートの管理を任せようとしたのですが、弟さんは会社勤めが決まっていて完璧な居候でしかなく……
何の役にも立たないわけね、と鼻息を荒くさせるのでした。
そこで水木先生が考えた手は、義姉にきてもらってアパートの管理をしてもらうこと。
ところが義姉は娘さんをつれてやってきて、この子を幼稚園に連れて行かなければならないから……と言うのです。
結局アパートの管理人を見つけることは出来ず、居候が増えてより一層忙しくなるだけだったのです。

アパートを経営しているからには、家賃収入なんかでわりと裕福に暮らせているんじゃないか?
そう考える人もいるかもしれませんが、実はこの水木荘は月賦で買ったものでして、まだまだ月々の支払いが控えているのです。
今月の払いは2万円、無尽二口に家計費3900円……
そんな感じで家計簿を付けていくと、差引残高名は0になってしまうではないですか!
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家賃が入るから大丈夫だろうと頬に汗を一筋たらしながらも楽観的な見解を述べる水木先生。
ですが家賃は滞納する人が多く、なかなか思うように入ってこないのです。
この月は、紙芝居「人と犬」の画料が入ったのでしのぐことが出来たものの、毎月毎月が綱渡り。
そんなカツカツの日々も、喫茶店でコーヒーを飲むと言う唯一の贅沢を楽しむことで何とかかんとかやっていけたのでした。

このころの紙芝居は1巻10枚ほどで2000円くらいになっていました。
それだけに、入居者一人当たり2~3000円の家賃は大きい収入源です。
ですがただ家賃を滞納するだけならばまだしも、店子さんにも色々ありまして。
水木荘にも一風代わった店子さんがおりました。
それはチビの男が頭らしい、謎の集団。
ある日義姉さんが廊下の掃き掃除をしていると、その集団の部屋の玄関のドアが半開きになっていました。
無用心だと言いながらも、あの集団が何をしている人たちなのかが気になって仕方がない義姉。
そこで隙間からちらりと中を窺ってみると、その部屋の中央に会ったちゃぶ台の上に
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ピストルが光っていたのです!!
義姉は悲鳴を挙げながら水木先生の部屋に逃げ帰り、あの部屋にピストルが!嫁げるので精一杯。
水木先生もそれはアヤシイ、と呟きながらも、これといった手のうちようもなく……
しかしその謎の集団の件はあっさり解決しちゃいます。
実は国際ギャング団だったこの集団、数日後に逮捕されてしまったのですから!!

そんなもろもろの収入や支出を今日も今日とて家計簿に記し、今月もキビシーと呟きながら紙芝居を描く。
水木先生の貧乏暮らしは長く長く続くのでした。

と言うわけで、水木先生の赤貧の日々を描いている本作。
「のんのんばあとオレ」「ゲゲゲの女房」なんかをはじめとして、様々な作品で水木先生の半生は語られております。
幼少期、戦争時代、結婚後などなど多くの次代が描写されていますが、この結婚前の大家さん時代はほとんど描かれることがありませんでした。
その、奥さんも子供さんも、貸し本作家仲間も出てこない、孤独な(?)貧乏時代を描いているのです!!
そんな貧乏具合だけでなく、紙芝居時代の水木先生作品がどういったものか垣間見れると言うところも注目点です。
今でこそ妖怪モノ・軍記モノと言うイメージの強い水木先生ですが、当時は時代の流れに乗った作品を描かないわけにも行かず、苦心していた様もありありと描かれていまして。
「空手鬼太郎」なんかにも言及されていまして、
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水木先生ファンならば興味深いことこの上無しと言えるでしょう!!
そしてこの上巻の最後のあたりにはいよいよ水木先生が東京に進出!!
と言うことはおそらく下巻では奥方さんもでてくることでしょうし……
先が楽しみですね!!

水木先生の一人見貧乏時代が描かれる、「ゲゲゲの家計簿」上巻は全国書店にて発売中です!!
家計簿と言う生々しい記録とともに、水木先生の生活が楽しめる本作。
インタビューなどの企画も充実しており、読み応えたっぷりですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ゲゲゲの家計簿 上 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
小学館
2012-09-28
水木 しげる

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