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本日紹介致しますのはこちら、「どげせんR(Returns)」第1巻です。
少年画報社さんのYKコミックスより刊行、ヤングキングにて連載されています。

作者はRIN先生。
本作の前身にあたる「どげせん」の紹介は、「どげせん」のテーマにてまとめさせていただきました。
よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、尋常ならざる土下座の使い手である国語教師、瀬戸の日常を描いている本作。
前作「どげせん」はその圧倒的土下座ワールドで読者の度肝を抜いてくれたのですが、突如として土下座に対しての考えの不一致と言う理由で全面協力をしていた板垣先生と袂を別つことになってしまいました。
連載も中断され、その後の去就が注目されていましたが、ヤングキングと言う新たな場で装いも新たに連載開始となったのです。

卒業式に近づいてきたある日のこと。
校庭に聳えるオオカンザクラを眺めながら、ソメイヨシノより開花が早いこの木なら、うまくすれば卒業式に間に合う、などと呟いている男がいました。
眼鏡にちょび髭、いかにも冴えないと言う言葉が似合うこの男こそが本作の主人公、瀬戸発です。
そんな彼に、校長から厳命が下されました。
三年生を1人、生活指導して欲しい。
もちろん瀬戸に断れるはずもありません。
その生徒の名は厚木、あだ名は「セイギ」。
卒業までそれほど長い月日があると言うわけではないのに、なぜ今になって生徒指導をさせるのでしょう?
問題児なんですか?と瀬戸が尋ねるのも当然といえましょう。
ですが何でも彼は不良ではないし、むしろすごく正義感が強いやつなんだそうで。
なぜそんな人物を、よりによって瀬戸に指導させるのでしょう。
好悪長には考えがあるようですが……

役目を仰せつかった瀬戸は、素直に厚木に事情を話しました。
監視係を頼まれちゃった、よろしくね、と。
厚木も学校から自分が厄介者扱いされていることに気がついていたのでしょう。
トラブルでも起こして留年でもされたら、学校も面倒見切れないのか。
そう言って瀬戸の同行を大人しく受け入れるのでした。

厚木がなぜ校長たちからマークを受けていたのか?
その理由はすぐわかりました。
帰宅のために電車にのっていた厚木と瀬戸。
二人の目の前には、イヤホンで音楽を聴いている若者が座っています。
その若者のイヤホンをいきなり摘み取ったかと思うと、
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「替わってやれよ!!」と怒鳴りつけたではないですか!
よく見れば厚木の横にはおばあさんが立っていまして。
彼女と替わるのがマナーだろう、と厚木は真っ向から挑みかかったのです!
出し抜けにそんなことを言われてしまっては、若者も面白くありません。
立ち上がって厚木を睨みつけ、一触即発のムードになってしまうのですが……
その立ち上がった席におばあさんが座り、二人ともありがとうとお礼を言ってきてくれたおかげで、若者の興はそがれて立ち去っていってくれました。
下手をすれば大怪我ではすまないトラブルに、自ら顔を突っ込んだ厚木。
その後も携帯で大声でしゃべっている女性に立ち向かって言ってひっかかれてしまったりと、彼のセイギはとどまることを知らないのです。
その様子を間近で見た瀬戸は納得するばかり。
なるほど不良より性質が悪い……

厚木は最近、休み時間を一人校庭のオオカンザクラの前で過ごしています。
これも彼の正義感ゆえ。
クラスメイトのカンニングを学校に知らせたため、友達を売るやつだとクラスメイトから郷里を置かれてしまったのです。
そうして完全に孤立してしまった厚木ですが、それでも自分が間違っているとは思っていません。
事実、倫理的には間違っていないのかも知れません。
しかし瀬戸は言うのです。
正義と言うのはナイフと同じ。
振り回すと、自分も怪我をする、と。
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そのことについて会話していたのかもしれません。
公園のベンチで瀬戸が席を外している時に、ひとりぼっちの厚木の目の前で吸殻を捨てる人物がいました。
その人物は、「いかにも」といった感じのガラの悪い叔父様方でした。
流石に迷う厚木ですが、それでもやはり彼は生き方を曲げませんでした。
ポイ捨てはよくない、と消え入りそうな声で叔父様方に話しかける厚木。
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ですが当然彼らが聞く耳を持つはずもなく、「ガキコラ!」と物凄い勢いで因縁をつけてくるではないですか!
しかし幸い、叔父様方の中で一番偉い感じの人がそれをいさめ、ほっとけと命令。
そのまま彼らは立ち去って行ってくれたのです。
が、ここで黙っていてはセイギのあだ名が泣くと言うもの。
震える手でまだ火の消えていないタバコをつき返そうとするのです。
ところがあまりの緊張に手が滑ってしまいます。
タバコの吸殻は宙を舞い、そのままあの一番偉い感じの叔父様の顔に直撃してしまったのです!!

用足しから戻ってきた瀬戸が目にしたのは、ボッコボコにされている厚木。
しかも碇を押さえきれなくなった一番偉い感じの叔父様が、なんともいいようなない迫力をはらんでにじり寄っていくではないですか!!
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もうこれは覚悟を決めるしか……
ぎゅっと眼を閉じて、来るであろう痛みに堪えようとする厚木ですが、その痛みはちっともやってきません。
恐る恐る目を開けるとそこには
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見事な土下座であやまっている瀬戸の姿があったのです!!
叔父様は、職業柄そういうのは見慣れていると涼しい顔。
しれっとこなして後で舌を出すやからは許せない。
そう言って、叔父様は瀬戸の頭を踏みつけ、ぐりぐりと力をかけたのです!!
この迫力と怒りの言葉とともに繰り出されるグリグリは、さぞかし痛いことでしょう。
ところがグリグリの裏側にある瀬戸の顔はなんとも涼しいもの。
一体これは……?

一連の騒動が治まったあと、厚木は眼鏡とか大丈夫だったかと瀬戸に尋ねます。
瀬戸はにかりと笑って言いました。
あいつらが本当に悪質なら、なぐるなんてしないで慰謝料をとっているはず。
あの踏み付けは単なる「シメシをつけた」だけの行動で、踏みつけは実にソフトだった、と。
うなだれる厚木に、瀬戸は続けるのです。
この先も、真っ直ぐな社会じゃない、と……

というわけで、新たなスタートを切った本作。
今日も今日とて瀬戸は土下座に励み、その土下座で大小問わない事件を解決していきます。
今回は再スタートしたばかりと言うことで、アクロバティックだったりギャラクティックだったりする変幻自在な土下座は控えめに。
瀬戸が主人公と言うよりは、各話毎の主人公のドラマを瀬戸が土下座でアシストする感じのお話が多いように感じます。
ですがそれでも油断すると襲い掛かってくるのが瀬戸の土下座のすごいところ。
今回見せてくれる土下座の中で最もインパクトが強いのはやはり
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土下座飛込みではないでしょうか!!
さらにヒロイン的なキャラも登場し、女っ気がないにもほどがあった本作にも僅かな彩が。
恋愛云々にはならなそうではありますが、ひょっとしたらと言うこともあるわけで。
土下座以外にも気になる要素がたっぷりです!!

再スタートを切った土下座漫画、「どげせんR」第1巻は全国書店にて発売中です!!
瀬戸の土下座がやっぱり炸裂する本作。
巻末には若かりし日の瀬戸と、ある大ヒット商品に意外な繋がりがあったことが明かされる特別編も収録されています!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


どげせんR 1 (ヤングキングコミックス)
少年画報社
2012-08-27
RIN

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