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本日紹介いたしますのはこちら、「亭主元気で犬がいい」第5巻です。
小学館さんのビッグコミックスより刊行、ビッグコミックスペリオールにて連載されています。

作者は徳弘正也先生。
本作は「徳弘正也」のテーマで紹介をまとめておりますので、よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、マリとそのだんなが生まれ変わった犬、連太郎が探偵社のつかいっぱしりとして奮闘する日々を描く本作。
徳弘先生らしい下ネタと人間の汚さを混ぜ込んだ、お下劣サスペンスと言う他にはないジャンルを今巻でも楽しませてくれるのです!

マリの勤める探偵社に、またまた依頼が舞い込んできました。
自殺したとされる姉は、その夫に殺害されたに違いない、その真実を暴いてくれ。
そんな依頼ですが、解剖していないとは言え検死で自殺を判断されてしまった以上はその判断が覆ることはそうそうないでしょう。
オマケに殺されたらしい姉の夫と言うのは、今をときめくベストセラーサスペンス作家、江戸川散歩。
有名人のお金持ち、しかももう無実が決定付けられている相手を調査するのは、と一度はしぶる所長の椿ですが……
結局はそれも調査寮をふんだくるための演技でもありまして。
着手金200万をゲットし、一同は慰安旅行もかねて熱海に調査に向かうことになったのでした。
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死体は発見時、青酸カリで死んだ方特有の特徴を顕著に表していたそうで、おまけに死亡時に夫の江戸川は遠くアメリカにいたんだそうです。
ほぼ間違いなく自殺と言っても良いでしょうが、いくつかひっかかるところはあります。
まず遺書が存在しないこと、青酸カリを購入した形跡がないこと。
そして連太郎がひっかかったのが、舞台が静岡県だと言うことです。
この国では、犯罪性のない変死体は基本的に解剖されません。
今回の事件でも江戸川が反対したために解剖されないまま終わったのですが、東京23区のように「監察医がいる」土地ならば遺族の同意なしでも死体を解剖できるんだそうです。
江戸川がそのことも計算していたとしたら?
疑惑は静かに広がるのです。

もう完全に観光気分でやる気ゼロの椿と、その息子で警察の正治はホテルに直行してしまいましたので、マリは単身……いや、連太郎とともに1人と1匹で江戸川宅に向かうこととなりました。
女好きと噂の建っている江戸川、うまくすれば初対面のマリでも家には入れると踏んでの行動でしたが、その目論見は見事にビンゴ!
ファンを装ったこともあって、あっさりと江戸川の豪邸に入ることができました。
ですが江戸川も然る者でして、自宅のプライベートプールがあるからそこで全裸で泳げ、泳がないなら帰れとスケベ根性丸出しの要求をしてくるのです!!
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奥さんが死んだばかりなのに品性下劣もいいところ。
マリの体をガン見する江戸川の様子を見て、連太郎は一層疑惑を深めました!

マリの体に気をとられている間に、連太郎が家の中で手がかりを探す。
この作戦はなかなかいい作戦と言えるでしょう。
連太郎が犬だからこそ出来る大胆且つばれ辛い作戦は見事にはまってはいたのですが……
江戸川もやはり突然やってきたマリに匂うものを感じていたのでしょう!
マリの荷物を探り、マリが探偵であることを突き止めてしまったのです!!
ですが江戸川は自分に絶対の自身があるようで。
いつでも相手してやるからまた調査に来るといい。
だがもし無実であるとわかったら、謝罪の変わりに
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自分と寝ろと言うのでした!!

その申し出を無鉄砲にもうけてしまうマリ。
連太郎の調査も実らず、まだ証拠は何一つありませんが、マリの直感は江戸川が犯人だと告げているようです。
色々と可能性を探る中、杏、ウメ、桃、林檎、枇杷と言った果物の種の中にある成分が、体内で分解されると青酸になると言う事実にたどり着きます。
この事実、可能性としてはゼロではありませんが……例えば杏ならば種を20~40個、噛み砕いて食べなければ中毒症状は出ません、
流石にそんな異常な食べ方をさせることは出来ないか、と思われるのですが……
調査を進めていくうち、もしかしたらと言う事実もわかってきました。
江戸川の妻は、江戸川の女遊び以外のほとんどのわがままを許して尽くしてきました。
江戸川がしろと言ったことならば、なんでもしたであろう彼女、もし江戸川に痩せろと言われ、ダイエットに聞くと「種を潰して作ったジュース」を勧めたとしたら!
そういえばと、連太郎も江戸川宅の探索中、立派なブレードのついた特大のミキサーがあったことを思い出し……
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証拠はまだありませんが、徐々にその犯行方法が固まってきたようです!!

ところがここで一つ別の問題が持ち上がってきました。
あまりにも犬であるはずの連太郎を溺愛するマリの様子を見た正治が、ある疑念を持ち始めたのです。
以前この錬太郎は、だんなの生まれ変わりだと言っていたマリ。
もちろんそんなことはそのときは信じられるはずもなく、スルーしたのは仕方ないでしょう。
ですが異常すぎるくらいの愛情にくわえ、推理をしている時連太郎の鳴き声をじっと聞きながら静かにしている様子から、
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本当に生まれ変わりなんじゃないかと思い始めるのです!!
別にこれがばれた所ですぐどうこうなるわけではないかもしれませんが、厄介ごとの種になりうることは確か。
果たしてこの出来事は今後どのような事態を生むのでしょうか!?

というわけで、サスペンス作家渾身のトリックと、連太郎の正体に関しての出来事が起こる今巻。
連太郎の件はあったものの、事件自体はこのまま解決……しません!
最後にどんでん返しが用意され、ただの殺人事件には終わらない展開が待っているのです!!
さらにこの他に、前巻から引き続いている事件の決着編、そして製薬会社の元社長を巡る事件が収録。
後者の事件では、ある事件の被害者遺族の恨みと言う、本作最初の事件を髣髴させる重い題材を描いています。
恨みが暴走して行われる犯行。
その行き着く先は……?

徳弘先生の魅力を存分に楽しめる、「亭主元気で犬がいい」第5巻は全国書店にて発売中です!
サスペンス、ギャグ、エロスにと楽しめる本作。
今巻も引き続きその要素満載でお送りしております!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


亭主元気で犬がいい 5 (ビッグ コミックス)
小学館
2012-06-29
徳弘 正也

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