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本日紹介いたしますのはこちら、「月光条例」第18巻です。
小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行、週刊少年サンデーにて連載されています。

作者は藤田和日郎先生。
本作の紹介は「藤田和日郎」のテーマにてまとめておりますので、よろしければご覧くださいませ。

さて、読み手の世界で「センセイ」の世話になって暮らしていたチルチル。
その生活の中で、先生が月光条例の執行者であることをしり、その戦いを手伝うようになりました。
ですが気になるのは先生を慕う露と言う女性。
チルチルがまるでかつての自分のようだと言う、暗い光を宿す瞳を持つ彼女は一体……?

病に冒されながらも執行者としてのつとめを果たしているセンセイ。
チルチルはそんなセンセイの背中をふいていました。
そこでセンセイは、チルチルが本当に物語の中の存在であることを知っていたと明かすのです。
昔からセンセイは、月の光を浴びてくるとすべてのことがわかってくるという特技(?)を持っていたとのことで。
チルチルがどんなに妹のことを思っていたか、どんなに他の作品のキャラクターの為に血と涙を流したのかもセンセイには最初からわかっていたのです。
自分は何の役にもたたなかった。
そんなチルチルの体験してきた苦しみを知るセンセイは、そっとチルチルの頭をなでて言うのです。
役立たずのデクノボーが幸せな最後のページをめくるためには、我慢して強くならないいけないのだよ、と……
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チルチルはセンセイを背負い、指示されるままに学校へとやってきました。
センセイはそこで、執行者に与えられる「ゴホウビ」の存在を語りました。
何でもかなえてくれるうちでの小槌を、一度だけふらせてくれる。
要するに、なんでも一つ願いがかなえられると言うわけです!!
それを聞いてチルチルは大喜び。
その願いで、センセイが病気を治すんだろうと推測したからです!
先生の病気が治れば最高だとはしゃぐチルチルですが、先生はそれを抑えてある頼みごとをしてきました。
露の事を頼みたい。
何を頼むのか、なぜ頼むのか。
一切ねらいがわからないその願いに戸惑うばかりのチルチル。
すると、先生は語りはじめたのです。
……「かぐや姫」のお話を!
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ここで「かぐや姫」の話をすると言うことは……露はその「かぐや姫」の登場人物だと言うのでしょうか。
ですが露本人はキッパリと「おとぎばなしのキャラクターじゃない」と断言しています。
一体何のためにセンセイはこんなことをいったのでしょう。
センセイは続けます。
「おとぎばなしではない」。
……なんと「かぐや姫」は、この世界でただひとつ本当にあった「事実」だと言うのです!!
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ある夜、竹林のに生える竹の切り口から赤ん坊より小さいからだの彼女が顔を出していた。
得体の知れない気持ちに突き動かされるままつれて帰ると、彼女はみるみる成長し、3ヵ月後には今の露の姿になったのです。
センセイは例の月の光によってかぐや姫に出会うことを告げられていたので、それほど戸惑うことなく付き合っていくことが出来たのだそうですが……
先生の教える様々な知識を紙が水をすうように吸収していく露。
二人は毎日を楽しく過ごしていったのですが、どこの誰かわからないような女性と、祝言も上げないまま一緒に暮らしていると言う状況は、当時の世相から言って許されるものではなかったのです。
先生と別れたくない、せめて今生だけでも幸せに生きたい。
そう願う露ですが、センセイは自らを病を抱えた弱いデクノボーだから、彼女の今生を幸せに終わらせることなど出来ない、とより露と距離を取ろうとしたのでした。

そんな話が終わったころ、その場に露と鉢かづきがやってきました。
そこに現われる、うちでの小槌。
とうとう先生の望みがかなえられるときが来たのです。
ですがその直前、センセイは気になる発言をします。
病気が直るのだろうと喜びはしゃぐ露に、また一緒に本を読んだり、楽器の合奏をしたい……
しよう、ではなく、したい、と言った……
そのことから、チルチルはピンときたのです。
先生は自分の為に願いを使う気なんてない、と!
自分の為に願いを使わなきゃダメだと懇願するチルチルに、センセイは貧しい人を救うため自分の体を飾るものを売り、最後は壊されてしまう王子の像のお話、「幸福の王子」の話をし始めます。
幸福の王子は、自分の見るものを感動させたりするはずの「美しい像」としての役目を忘れてしまった愚かなデクノボーだ。
でも、自分は彼に、デクノボーになりたい。
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そういったセンセイは、ついにうちでの小槌を使います。
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「チルチルに新しい人生を」。
センセイは自分のことでも露のことでもない、チルチルを救うための願いをかけたのです……!!

と言うわけで、チルチルの過去が明らかになった今巻。
この願いにより、チルチルは月光になったのです。
こうして本作最大の謎の一つである、チルチルの……月光の謎は明かされました。
ですがその代わり、また新たな謎が湧いてきたのです。
月。
センセイに全てを教えてくれたと言うのも月の光、ただひとつ事実だったおとぎばなしも月が欠かせない「かぐや姫」、そしてこの物語の核である「月打」と言う現象……!
今後本作の中で、月が大きなキーになることは間違いなさそう!
ですがともかく今はこのアラビアンナイト騒動を治めることが大事。
こちらの戦いもクライマックス間近!
月光ではないチルチルの存在も気になるこの戦いも、そう遠くないうちに決着が付けられることでしょう!!

月光の謎が明かされる、「月光条例」第18巻は全国書店にて発売中です!
物語は加速し、今後の展開もおぼろげながら見えてきた本作。
これからもさらなる盛り上がりが待っていること間違い無しですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


月光条例 18 (少年サンデーコミックス)
小学館
2012-05-18
藤田 和日郎

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