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本日紹介いたしますのはこちら、「時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。」第1巻です。
小学館さんのゲッサン少年サンデーコミックスより刊行、月刊少年サンデーにて連載されています。

作者は田中ほさな先生。
田中先生は94年に小学館新人コミック大賞に入選しデビューした漫画家さんです。
週刊少年サンデー超、週刊少年サンデーなどで04年ごろまで「暗号名はBF」等の3作品を連載した後、05年には少年シリウスにて「乱飛乱外」を連載。
6年と言う長期連載を11年におえ、同年古巣の小学館さんに戻り、本作の連載を開始しました。

さて、本作はざっくり分ければラブコメ成分を含んだ日常物です。
ですが本作にはひとつの独特な設定が施されており、本作ならではの味を生み出しているのです!

ゴミの分別をきっちり果たし、ごみ収集上に置く少年、空木宗也。
そんな彼の元に、幼馴染のご近所さん、月音もまたゴミを捨てにきていました。
ですが、彼女の服装は今通っている高校の制服ではなく、中学時代のもの。
どうしたのかと聞いて見れば、なんと制服が盗まれたと言うではないですか!
まだ買ったばかりの征服がなくなってしまい、ため息をつく月音。
傷心の彼女に、宗也はズボラしていたお前も悪いとキッパリ言い切るのです。
宗也は今月音が手にしていたゴミ袋を勝手に開き、生ゴミの袋にビニールタッパーなんかが入っていることを指摘!
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こういったことが許せない宗也は、これから学校に行かなければならないと言うのに月音のゴミの再分別を始めたのでした!!

遅刻はしたものの、なんとか朝のホームルームには間に合った二人。
その朝のホームルームでは、転校生の紹介が催されました。
季節は五月。
入学早々のこの時期に転校してくると言うちょっと変な感じがするその転校生は
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時坂暦。
高校生らしからぬ、非常に丁寧な挨拶をした彼女は、男子の誰もが目を奪われるような美少女だったのですが……
なぜか宗也をみてにこりと微笑むのです!
一回ならまぁたまたまと言うのもありえるわけですが、どうも時坂は一日中隙あらば(?)宗谷の様子を窺っているようで。
宗也からすれば監視されるようなことはまったく身に覚えがありません。
首を傾げながら家に帰るのですが……彼を異常事態が襲うのです。
朝、アレだけ丁寧に分別したはずの自分のゴミが、回収できないと言う張り紙とともに置き去りにされていました!!
中を検めてみると、余計なものを突っ込んでめちゃくちゃに混ぜられています。
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やむなくゴミを一旦持ち帰らざるを得ないのですが……恐怖はこれだけに終わらなかったのです!
それ以来、連日宗也の出したゴミだけが同じように無茶苦茶にされ、回収されないと言う事件が勃発!
あっという間に宗也の家はゴミ屋敷となってしまったのです!!

そんな悩みを抱えたある日、宗也にとうとうあの時坂が話しかけてきました。
なんだか隣の席になった月音にいろいろ聞いているようで、ゴミの分別とかに厳しいと言うことまで知っています。
そして時坂は、真面目なのか、それとも地球のためなのか?といきなり宗也の耳元で囁いてきたのです!!
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と言ってもアプローチをかけてきたわけではなく、いまいち体調が優れないようで倒れこんできただけの様子。
それを見て男子達は冷やかしたりうらやましがったりするのですが、宗也と今まで一緒に過ごしてきた月音は気が気じゃありません……が。
月音はまた別のことに気をとられてしまうのです。
時坂の着ている制服についている、小さなシミ。
それは入学式の帰りに食べたカレーうどんでつけてしまったシミそのままだったのです!
考えづらいことですが、時坂がきているのは盗まれてしまった自分の征服なのかも知れない。
ですが月音も乙女ですから、カレーうどんのシミが決め手だと皆に宣言するのもこっぱずかしいわけで。
その不安と言うか疑問をはっきりとは言い出せないまま、放課後になってしまうのでした。

一緒に家路を歩く宗也と月音。
すると今日もゴミが回収不能状態にされてしまっていました。
ここまで執拗にやられるとはただ事じゃないから、と警察に届けようと言い出す月音。
ですが宗也はいまとある事情から両親から離れてひとりぐらしをしています。
そんなお家に警察が出入りしたら、世間様がどう思うかと考えるとそれは避けたいところ。
しかし月音は、もしかしたらこのゴミをいじっているのは自分の制服を盗んだ人と同じかもしれないとどうしても心配でなりません。
宗也はそんなゴミを散らかす意図不明な犯人と、制服を盗んだ変質者が同じひとなわけが無いと思うのですが……
不安でどうしようもなくなってしまう月音の為に……いあや、己がゴミの為に、決断をするのです。
犯人を捕まえて見せる、と!!

夜、息を潜めて張り込んでいると、やはり犯人はその日も現れました。
なぜか外套の消えてしまっているごみ収集所の下で、ごそごそとやっている人影!
バットと懐中電灯片手に躍り出て、そこまでだ、動くな不審者と大見得を切ると……
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照らし出されたのはあの時坂さんだったのです!!
時坂はなぜ宗也のゴミを逆分別していたのでしょうか?
月音の制服を盗んだのは彼女だったのか?
そして彼女は、その騒動から巻き起こったトラブルにより、車に轢かれそうになってしまった宗谷を
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不思議な何かで車をすり抜けさせたじゃありませんか!
ますます謎の深まる時坂さん、彼女は一体何者で、何をしようとしているというのでしょうか!!

というわけで、奇妙な女性に目をつけられてしまった宗也の苦悩を描く本作。
実はこの時坂、とある使命を持ってとあるところからはるばる来ておりまして。
彼女の狙いは、とにかく宗也にエコ的なアレコレをさせず、逆に環境破壊的な行動をすること!
その行動をとる目的もまた彼女は明言するのですが、宗也でなくとも自分から率先して環境破壊をしたがる人はそうそういません!
彼女の行動に振り回される大変な日常が幕を開けるのです……
そして、彼女にそんな気はさらさらないのでしょうが……宗也と急接近しているかのように見える時坂をみて気が気じゃないのが月音です。
こういった作品にはつき物である主人公に惚れている幼馴染の例に漏れない彼女。
このモヤモヤははらされるのか?あるいは時坂と宗也がほんとに接近してしまったりするのか?
そのあたりも注目したいところです!!

環境破壊ヒロインVSエコ主人公、「時坂さんは僕と地球に厳しすぎる。」第1巻は全国書店にて発売中です!
独自の味付けを施されたラブコメである本作。
いろいろな謎も含まれておりまして、ラブコメ要素以外の今後の展開も気になるところです!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!