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本日紹介いたしますのはこちら、「NO LONGER CHILDREN(ノーロンガーチルドレン) 子供失格」第1巻です。
双葉社さんのアクションコミックスより刊行、漫画アクションにて不定期に連載されています。

作者は友利卓司先生。
友利先生は、第9回漫画アクション新人賞を受賞し手デビューした新人漫画家です。
09年にはあの小池一夫劇画村塾を卒業していらっしゃいまして、劇画のテイストを色濃く残した作風となっています!

さて、本作は簡単に言ってしまえば主人公が怪物を叩きのめしていくバトル漫画です。
ですがその怪物と言うのがまず、オカルト的な物好きな人にはたまらない、マイナーメジャー問わないUMAであるというだけでも好事家にはたまらないはず!
そして、その主人公と言うのもまた一風変わった設定でありまして……とにかく個性の強い作品になっているのです!

凄まじい吠え声を上げながら、人を頭からバリバリと貪り食う野獣。
一見すると熊のようにも見えますが、その姿は見れば見るほど我々が良く知る動物とは一線を画していることがわかります。
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この巨大で獰猛な生物は、「チュパカブラ」。
南米で目撃されるUMAと同名ですが、そちらはだいたい子供くらいの大きさで、家畜の血を吸ったりする生態だとされているはず。
ですがこのチュパカブラは、体長3メートル超、体重にいたって半トン!
鋭い牙と爪を持ち、5メートルを超えるジャンプを生み出す強力な筋力も兼ね備える……額面以上の「怪物」なのです!

怪物が餌……人間をむさぼっている様を、安全な位置で見つめている人物がいました。
そのチュパカブラの飼い主にして、オークションへ出品する老人。
そのオークションの品定めに来ているらしい何名かの男性。
そして、その凄惨な残虐劇に嫌悪感をあらわしながら、「ファイターのスカウトに来た」と言う眼鏡の女性です。
老人は闘犬か何かのスカウトか?と笑いつつ、残虐ショーへ再び視線を向けます。
最初に口にした男性の頭部を租借し終えたその怪物、残された女性と少年へと興味を移します。
この生贄は老人の部下が無作為に誘拐してきたんだそうで。
見も知らぬ少年をぎゅっと抱きしめ、一緒に神様にお祈りしよう、天国に行ける、と最後まで励まそうとする女性。
ですがその少年は、「大丈夫だよ、ボクがここから助け出してあげるから!」と言い出すではないですか!
その台詞はすごくカッコいい台詞ではありますが、この局面では到底安心できるものではありません。
かっこいい言葉だけど逃げるのなんて無理だ、といって少年を自分の後ろに隠そうとする女性。
少年はその女性はグイと引き離し、いきなり大声で名乗ったのです!
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ボクの名前はトーマス・テスラ、5歳!
お前みたいな悪い怪物はぶっ飛ばしてやる!と!!
残念ながらチュパカブラは、普通の人間が、それも5歳の少年がどうにかできる相手ではありません。
それでも殴りかかっていく少年。
当然返り討ちにされる、と誰もが思ったことでしょう。
が、彼のパンチは
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一撃でチュパカブラに大量の吐血をさせるほどの凄まじすぎる威力を持っていたのです!!
一撃で体がふらつくチュパカブラ。
そこにトーマスは、更に追い討ちのアッパーをがら空きの顎に叩き込みました!!
その威力は、500キロを誇るチュパカブラの巨体を空高く舞い上げるほど!
そしてそのパンチを放ったトーマスの体は先ほどまでとは違い
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常軌を逸した勢いの筋肉で膨れ上がっていたのです!!

マイオスタチン(ミオスタチン)関連筋肥大症。
遺伝子変異によって、動物の筋量が倍にも膨れ上がることから、ダブルマッスル症とも呼ばれる症例です。
以前は家畜やペットの後輩の中から半ば人為的に作り出された症例だったそうなのですが、近年では人間にもその症例が報告されているそうで。
トーマスもまたその症状なんだそうですが、その筋量は倍なんてものではありません。
大人の五倍以上の筋量があることは明白です!!
やがてチュパカブラは捕食者としてのプライドなのか、立ち上がって再びその爪で襲い掛かってきます。
ですがそんなチュパカブラに、トーマスは顔面へのカウンターパンチをお見舞い!!
その勢いでチュパカブラはコマのように回転し、たまらずノックダウンしてしまうのです!

このままでは面白くないのがチュパカブラのオーナーである老人。
刺激剤をガンガンチュパカブラに打ち込み、強制的にその闘志を湧き立たせました!
ようやくチュパカブラは反撃のキックをトーマスに直撃させるのですが、ほとんど効いていない様子。
すぐさま顔面を鷲掴みし、そのまま地面に叩きつけました!!
そのダメージで、いの内容物を逆流させるチュパカブラ。
それは、哀れな犠牲となった多くの人々の亡骸でもあり……
トーマスはそれを見て逆上!
体により一層力を入れたかと思うと、なんとあのばかげた太さの筋肉が見る見ると細くなっていくではないですか!
筋肉が凝縮され、高密度になっていっているのです!
まるで金属のような硬度となったその体。
生み出される力のままに踏み切るトーマス!!
するとその衝撃は、きのこ雲を上げるような物凄さ!!
体ごとその勢いで飛び込まれては、チュパカブラの体も粉々にならざるを得ないじゃありませんか!!
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そしてトーマスの怒りはチュパカブラを片付けてもやみません。
チュパカブラを使い、人々を餌にしていたような悪い大人は許さない。
そう言ってトーマスは、銃弾すら跳ね返す屈強なその体で、
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怒りをぶつけるのです!!
子供らしい、その思いのまま感情を爆発させて!!

あのスカウトマンの女性、どうやらトーマスこそが求めていたファイターだったようで。
その圧倒的なパワーに笑みを浮かべながらも、その狂乱振りに怖気を感じるのでした……

というわけで、超マッスル5歳児の奮闘を描く本作。
超強い子供と言えばあの世紀末のリーダー伝を思い出してしまいますが、こちらはもっとリアル路線。
ギャグはなく、大真面目にとんでもないことをやってのけます!!
某リーダー的存在と大きく違うのは、性格自体は歯止めの利かない感情の起伏があったり、肉親にしつけられちゃったりするごく当たり前の少年だと言うこと。
それだけに、その有り余るパワー+子供らしい感情の爆発で、大暴走を引き起こしてしまったりするのです!
とは言えそのパワーはもう圧巻の一言。
この後もUMA好きにはたまらない、「ニンゲン」「サンダーバード」などなど、大型未確認生物との激闘が続いていくのです!!
さらにトーマス以外の超人も複数登場!
彼らがどんな形でトーマスと絡むのか、彼らの参戦で物語の骨組みが変わるのか?
このあたりも気になるところです!!

マッスル5歳VS巨大UMA、「NO LONGER CHILDREN(ノーロンガーチルドレン) 子供失格」第1巻は全国書店にて発売中です!
超人がみせる超越パワーが描かれる本作。
あふれ出すパワーを、渾身の描きこみで堪能させてくれますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!