本日紹介いたしますのはこちら、「あの夏で待ってる」第1巻です。
アスキー・メディアワークスさんの電撃コミックスより刊行、コミック電撃大王にて連載されています。
作者は毒田ペパ子先生。
毒田先生は本作が商業誌デビューらしい新人漫画家さんです。
さて、本作は同名のアニメを原作とした、所謂コミカライズ作品です。
アニメのストーリーをなぞりつつオリジナル展開も挿入。
こういった作品にはよくあるような、原作を見ている人でないとついていけないようなダイジェスト的なものではなく、本作だけでも十二分に楽しめる作品となっているのです!
古びたカメラを手に、夜の星空を撮影している少年、海人。
父や母を不慮の事故で失った彼ですが、人が死んだ後はどうなるのかと言うことを考えながらカメラを回しています。
人が死んだら天国に行くというが、そうではない。
思い出となって、心に宿って生き続けていく。
でも、それもやがて消えていく。
……だから、忘れてしまわないように何かに残したいと思うんだ。
そんな思いを胸に秘めながらカメラを回していると、突然夜空を照らす強い光が現われたのです!
なんだかわからないうちに、その光は海人のほうに迫ってきました!
その謎の光の勢いにあおられ、足を踏み外して崖から落下してしまう海人!
海人は死を覚悟するのですが、そのとき何者かの手が伸ばされるような感覚を覚え……
気がつくと、海人はベッドの中にいたのでした。
もう学校に行く時間ですし、カメラもしっかりと枕元に置いてありまして。
あれは夢だったのでしょうか……?
朝ごはんを姉と一緒に食べていると、姉は三ヶ月間の海外出張に行くといいだしました。
海人は、大きなお家にこのお姉さんと二人暮らし。
そうなれば三ヶ月間ひとりぐらしということになるのですが……
間もなく夏休みにも入りますし、海人もそれなりに自炊ができます。
快く姉を送り出すのでした。
学校にやってくると、クラスメイトが次々と話しかけてきました。
ショートカットで活発な感じの柑菜、イケメン眼鏡の哲朗、ロングヘアーで内向的な美桜。
彼らの口に出す話題は、映画を撮るというお話。
海人が最近カメラでそこかしこを撮影しているために出てきた話題なのですが、当人にはそんなつもりはなく、適当に取っているだけなのです。
とは言え、何かしたいという漠然とした思いは海人にもあるのです。
何をしたいのかまでは本人にもわからないながら、なんとなく窓の外の風景をカメラに収める海人。
すると偶然校門から走りこんでくる、眼鏡をかけた赤髪のロングヘアーの女生徒がファインダーに入り込んできたのです。
その様子を見て、海人はああいうのがタイプなんだと冷やかされるのですが……
その女性は貴月イチカ。
今日より転入してきた三年生です。
抜群のプロポーションに整った顔、そして目を惹く赤い髪を持っているとなればクラスの男子達が放っておくわけがありません!
ですがその有象無象の男子達を退けたのは、クラスの中でもひときわ小柄な少女、檸檬。
なんだかクラスでも恐れられている存在らしい彼女、いきなりイチカにいい友達になれそうだとアプローチ。
いきなりお昼を二人っきりで食べることになるのでした!
その二人がお昼を食べている様子を窺っているのは……哲朗とそれに促されてついてきた海人、そしてそれをこっそり追いかけてきていた柑菜&美桜でした。
哲朗の人脈を駆使し、イチカの身体データなんかをゲット。
それも、海人がイチカを気にしていることを感じ取った哲朗の親切心からだったのですが……
その親切心は、もう一歩踏み出してしまうのです!
海人を引っ張り出し、イチカたちの目の前に現れる哲朗。
そして簡単に自己紹介をした後、いきなり映画出演を依頼したのです!!
まだ撮る事すら決まっていない映画の出演を、それも何の面識も無い(イチカは海人を知っているようなそぶりを見せていますが!)先輩に依頼するなんて、到底受け入れられるとは考えられません。
ですが意外にもイチカは、二つ返事であっさり承諾してくれたではないですか!!
なぜか一緒に檸檬も参加することになり、なんだかなし崩し的に映画撮影を開始することになったのでした!
そしてそのあと、ひょんにもほどがあることからイチカは海人の自宅に居候することになります。
かなり普通の人からずれた感覚を持つ彼女が一体何者なのか?
いや、それより初対面の女性と二人暮らしをすることになってしまったこの状況はどうなのか?
そして、複雑に絡み合う恋愛模様はどうなるのか?
少しばかりの謎を絡ませつつ、忘れられない夏の想い出が紡がれ始めるのです!!
というわけで、謎の先輩を交えた映画撮影に挑むことになった本作。
物語は主要登場人物(檸檬以外)の恋愛模様に焦点が当てられて進むことになります。
青春ほとばしる甘酸っぱい夏の日がこれでもかと描かれるのです!
展開はアニメ版を踏襲し、丁寧になぞられているのですが、そこかしこに本作独自の要素もちりばめられておりまして。
何でも脚本の黒田洋介先生からは、毒田先生の完成で隙に描いてもらってもいい、最悪誰かを殺してしまってもいいとまで言われているそうで。
もしかしたら今後は大きく物語の展開がかわってしまうことも考えられます!
アニメ視聴済みの方も目が離せませんよ!!
アニメも好評のうちに完結を迎えた、「あの夏で待ってる」第1巻は全国書店にて発売中です!
ちょっぴりSF風味が混ぜ込まれた、高校生の甘酸っぱい青春が楽しめる本作。
リア充の日常に身もだえするしかありませんよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!
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