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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 ウメ星デンカ」第3巻です。
小学館さんより刊行されました。

大好評の藤子・F・不二雄大全集の各巻の紹介は、「藤子・F・不二雄」のテーマにてまとめております。
よろしければそちらも併せてご覧くださいませ。

さて、母星「ウメ星」の爆発から逃れ、地球へと流れ着いてきたデンカたち一家。
太郎の家に居候しながら、なれない地球のルールに四苦八苦しつつウメ星再建のための費用をためるのです!

突然地球にやってきた、デンカ一家の従者ベニショーガの娘、ナラ子。
遠い星から父を尋ねてはるばるやってきた……といえば聞こえはいいのですが、その道のりは特殊な航行方法により30分程度のもの。
しかもわざわざやってきた大きな理由として挙げられたのが、「おかあさまが勉強しろ勉強しろとうるさくて」と言う……なんていいますか、プチ家出のようなてきとうなものなんです。
人の言うことは素直に聞かず、むしろ逆の行動を取るようなへそ曲がりで、地球にいじめっ子達なんか蹴飛ばして歩き、デンカにいたずらし放題。
でも、遠く離れた地球で暮らす父親と一緒に暮らしたい、という家族思いな一面もあったりする……なんていいますか、根がいい子だけになお厄介、といえなくもないような難しい子。
基本的には母親と一緒にプロシキマ星なるところで暮らしているのですが、初来日以来、ちょこちょこと地球にやってくるようになりまして。
デンカたちはその来訪に戦々恐々とする毎日を送っていたのです。

で、再びナラ子がやってくるとの一報を受けたある日。
太郎は慌てて家中の壊れやすいものを隠そうと走り回り、デンカはつぼの中に退避。
王様達は歓迎してやろうと言うのですが……そんな寛大な態度を取ってくれる王様に対し、ナラ子は姿を見せる前からベニショーガの体を浮かせて王様の肩に乗せるといういたずらをしちゃうのです!
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ベニショーガはいきなりの無礼に平謝り。
王様にあの態度、もう許せぬ!と怒り狂い、うんとアブラを絞って追い返すといきり立つのでした。

そんなベニショーガを上手くやり過ごして家の外を探し回らせるように仕向けたナラ子。
早速王様達の元へと戻ってくるのですが、デンカはつぼの中に隠れて居留守中。
かわりに太郎がナラ子と遊ぶことになってしまうのです。

太郎の部屋に入るなり、なんか面白いことはないかときょろきょろやりだすナラ子。
何にもないよとなだめようとする太郎に、ナラ子はおもちゃの銃を構えて「かくすとためにならないぜ」と空恐ろしい発言を発するのです!
そして部屋中をひっくりかえし、遂には太郎がかくしていた作ったばかりの船の模型を発見!
よく出来てるじゃないか、とほめたナラ子は、こんなの壊すの大好き!と船をおもちゃの銃で射撃して遊びだすのです!
大変な事態がデンカの居留守によって引き起こされてしまい、もう我慢できなくなった太郎。
すぐデンカの元へと戻り、隠れるなんてずるい!と怒ったのです。
王様達もそれには同意し、ナラ子だって優しくしてあげれば優しい子になるはずだ、とデンカに遊んであげるよう諭しました。
やむなく重い腰をあげるデンカですが、ニコニコ応対しても思いっきりアカンベーで返してくるナラ子にいきなり怒り爆発……は寸前でなんとか我慢。
いい子だから散歩しようか、と持ちかけると、ナラ子はつまんないと言いながらも、行きたいならついていってやるよと同意してくれたのでした。

その道行きでも、いじめっ子は逃げて通るわ、怒鳴りつけてきた乱暴なタクシーをひっくり返しちゃうわ、もうデンカは気が気じゃありません。
人気の無いところに行くしかない、とデンカはつぼにナラ子を乗せ郊外の野原にナラ子を連れて行きました。
昼寝してるからその辺を走り回ってな、とデンカは投げやりな応対をして横になるのですが……
ナラ子はガラじゃなく花輪なんかを作ってる様子。
女の子らしいところもあるんだなぁ、とデンカ」は笑っていたのですが……なんとそれは花輪ではなく、
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手綱だったのです!
デンカの顔に引っ掛け、馬にして遊びだすナラ子!
度重なるバイオレンスにデンカはもう我慢の限界!
慌ててナラ子を置いて、家に逃げ帰ってしまったのです。

デンカの付き合いきれないと言う報告を聞き、今度はお后がしつけてみると言う流れになりました。
おきさきはナラ子と二人っきりでじっくりお話をし始めます。
これでナラ子は生まれ変わったようになって出てくるだろう、とニコニコ顔の王様達。
ですが、生まれ変わったようになって出てきたのはお后のほう!
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「ぼく、もういやだ!」とナラ子の影響を受けまくり、足を踏み鳴らしながら立ち去っていってしまうのでした!

言ったことの逆のことをやりたがると言うナラ子の性格を逆手に取り、なんでもあべこべに言えば言うことを聞く、と操縦法を考えた王様。
ですがそれも、ナラ子の都合のいいことはそのまま聞いちゃったりすると判明し、あえなく轟沈。
デンカはたまら、再びず逃げ出すのです。
そこへようやく帰ってきたベニショーガ。
ナラ子の暴れっぷりに申し訳ない思いでいっぱいではあるものの、皆が散々ナラ子の悪口を言うとそこまで酷くない!と怒ってみたり、アレでいいところもあると泣いてみたりする、立場と親心が入り混じる複雑な状況に追い込まれてしまうのです。
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ベニショーガはすっかりしょぼくれ、ナラ子も可哀想なヤツだ、自分が甘やかしすぎてああなってしまったんだ……と肩を落としながらナラ子を捜し歩きます。
やがて道端で立ち尽くすナラ子を見つけることに成功するのですが、ナラ子はデンカがどこかに隠れちゃった、とこちらも落ち込んでいるようで。
デンカはぼくが嫌いなのかしら、と寂しそうな顔をするのです。
ベニショーガもここはあえてストレートに、アレだけ意地悪されれば誰だって逃げ出すだろう、と返しました。
するとどうでしょう。
ナラ子は大泣きをし始め、ほんとはデンカが好きなんだよ!と言い始めるではないですか!
でも顔を見るとついいたずらしたくなっちゃう、と男子小学生のような言い訳を始めるナラ子。
ですがデンカが以外に近くに隠れており、その告白に「そんなのあるかい」と突っ込んでしまったのが大失敗!
今の聞いてたの!?とナラ子はびっくり仰天し、キャーと叫んでつぼに乗って空高く飛んでいってしまい……
あまりの恥ずかしさに雲の中で大暴れをはじめてしまったのでした!!
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というわけで、ナラ子が大活躍する今巻。
69年の時点で描かれていた、ぼくっ子のツンデレキャラであるナラ子。
あの「三つ目がとおる」の和登さんですら登場が74年ですから、この時代の先取りっぷりはさすがF先生というほかありますまい!!
デンカには今のところその気がなさそうなのがちょっぴり可哀想なところではありますが、ようやく本作にもヒロインらしいヒロインが現れたと言ってもいいのかもしれません!!
なにせ今までただ一人しずかちゃんポジションで奮闘してきたみよちゃんに、一番惚れているキャラがゴンスケなんですから……
で、そのゴンスケですが、F先生は相当お気に入りのようで、今巻では出番がそりゃもう多目。
彼が主役となるエピソードが多数用意されており、最初は内職用に作られた彼が、しまいにはある会社の社長にまで昇り詰めてしまうんだから驚きです!!
これだけ愛を見せ付けてくだされば、様々な作品にカメオ出演しているのも納得せざるを得ないってもんですね!

ゴンスケやナラ子が大暴れ、「藤子・F・不二雄大全集 ウメ星デンカ」第3巻は全国書店にて好評発売中です!!
時代を感じさせる過激な匂いも味わわせてくれる本作。
ナラ子に萌えるもヨシ、ゴンスケの横暴ぶりにあきれるもヨシ、王様達のとぼけっぷりを笑うもヨシの楽しい作品となっています!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 ウメ星デンカ 3 (藤子・F・不二雄大全集 第3期)
小学館
2012-02-24
藤子・F・ 不二雄

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