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本日紹介いたしますのはこちら、「ASURA'S WRATH ~廻KAI~(アスラズラース カイ)」第1巻です。
角川書店さんの角川コミックス・エースより刊行、ニュータイプエースにて連載されています。

作者は原作がカプコンさんとサイバーコネクトツーさん、脚本が岡田邦彦先生、作画が一文字蛍先生。
カプコンさんとサイバーコネクトツーさんは本作の原作となるゲームの発売元と開発元の会社。
岡田先生は、アニメの脚本を本業としている方のようです。
そして一文字先生と、最終巻刊行中止と言う非業の最期を遂げた作品「転生神機メロウガイン」の紹介は、「一文字蛍」のテーマにてまとめておりますので、よろしければあわせてご覧くださいませ。

さて、本作は12年2月に発売された、「アスラズラース」と言うゲームを原作とした、所謂コミカライズ作品と言うやつです。
ですが本作は、原作のストーリーをそのままなぞるわけではなく、オリジナルキャラの登場や設定の微妙な変更を加え、ポイントを抑えつつもオリジナルのストーリーとなっているのです!!

遥か未来か、遠い昔かわからない、今とは違ういつか。
人と神が共に暮らすその土地に、一柱の神が眠っていました。
底知れぬ憤怒を秘めたその神は……

人間の暮らす村に、「神民」と呼ばれる、神の側の少女ウパラがやってきました。
姿を現した神民に、人々はすがりつきます。
どうかこの村にもご利益を与えてください。
ウパラはそんな懇願に笑顔で答え、早速病で苦しむ人々に薬を与えるなどの施しを行うのでした。

ウパラがこの地に来たのは、ある人物の命によってでした。
神の中でもトップクラスの地位を持つ「七星天」。
そのうちの一人、カルロによって「全ての地を浄土にする」ため、神の英知で無知蒙昧な人間を導け……と伝えられたのです。
ですが、その地に向かうにあたってひとつの警告があるそうで。
そこには邪神が眠っている。
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大儀に仇為し、世を乱した悪逆の大罪者がいる……と。

その村に響き渡る、大きな音。
村人によれば、これはその邪神のうなり声なんだとか。
遥か昔、村人がこの地に村を築くずっと昔から邪神は谷底にあり、時折地鳴りのような唸り声を上げているのだそうです。
地鳴りのような唸り声どころか、本当に大地が揺れている気さえする。
そんな言葉を口にしたその時、村人達がにわかに騒ぎ始めました。
「ゴーマ」が出たと言うのです!
ゴーマとは、大地にたまった穢れが噴出すとき現われる怪物。
それは村人達の生活を、命を、無慈悲に破壊していきます。
ウパラは手に持っていた銃でゴーマを撃ち、この隙に村人達に逃げるよう指示!
ですがその逃げる先にもゴーマが大挙して押し寄せてきてしまい、もはや村人達に逃げ場などありません!
するとどうでしょう。
村人達は大地に突っ伏し、「奉魂」させてくれと懇願してきたのです!
奉魂とは……村人の言動から察するに、神の手によって死を迎えることの様子。
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それも神民の責務なのですが……まだ経験が浅く、心根の優しいウパラにはどうしてもその引き鉄を引くことが出来ないのです。
どちらにしても、村人に待っているのは死。
そんな絶望ゆえでしょう、恐怖に耐え切れなくなった一人の子供が大声で泣き喚き始めました。
神民様に救済いただけるのに何を泣いているんだ、と子供を黙らせようとする父親。
ですが、その泣き声は思わぬ出来事の引き鉄となったのです!
「その泣き声を止めろ!」。
その咆哮と共に、石造と貸していた邪神が石の殻を砕き、復活したではありませんか!!
ゴーマにくわえ、邪神まで復活したとあっては村人達ももう固まるより他なし。
目覚めた邪神は、どうやら記憶がいまひとつハッキリしない様子です。
そんな彼がまずしたことは……
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怒ること!!
ゴーマに視線をやり、お前らが泣かせているのか!と叫ぶや否や、ゴーマたちに猛烈な勢いで襲い掛かったのです!!

何もわからないが、こそ共の泣き声にはなぜか無性に腹がたつ。
その思いだけでゴーマを砕いていく邪神。
ウパラは邪神と恐れられるはずの彼がこうしてゴーマを倒してくれていると言う事実を見て、どうしても邪神が忌み嫌われる存在だとは思えないようです。
ですがそんなウパラを戒める人物が現われます。
現われるなり人間達を踏み潰すその巨体の主は七星天のワイゼン!
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ゴーマが人間を食う前に、我らが人の魂を召し上げて浄化するのだ!と、ワイゼンはひれ伏す人々を次々と踏み潰し続けます!
その暴虐が子供まで及んだその時。
邪神はその泣き声を上げさせたワイゼンに怒りの矛先を変えました!
ゴーマを一撃で屠るその攻撃を、張り手で難なく防ぐワイゼン。
どうやらワイゼンは邪神の正体を知っているようで、こう話しかけました。
企画現世に迷い出るであろうと聞き及んでいたが、思いのほか早かったな。
裏切り者「アスラ」よ、と!
邪神の名はアスラ。
アスラは己の名前と共に、忘れてはならないはずの記憶を思い出しました。
自分の愛する妻が殺され、泣き叫ぶ娘を連れて行かれ、反逆者の汚名をかぶされて奈落に落された……ウランでも恨みきれない、怒りの源泉を!!
憤怒と言う言葉すら生易しい、激しすぎる怒りを滾らせるアスラはワイゼンに猛然と攻撃を仕掛けます。
怒りなど、我らの大義には勝ることなし、と突進するアスラを殴り飛ばすワイゼン。
それでもアスラは、燃え尽きることのない怒りのままに再び立ち上がり、攻撃を始めるのです。
そんなアスラを矮小だと笑うワイゼンは、力の差を見せ付けるように笑いながら体を巨大化させていきます。
どんどん、どんどんとその体は大きくなり、やがてそのサイズは
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この星と同じほどの超々巨体にまで膨れ上がったではないですか!!
今やそのサイズ差は、象とアリ以上!!
ワイゼンは天空より、アスラをひねり潰そうと人差し指を突き出してきました!!
大きさが違うなどと言うレベルではないこの大きさの違い。
それでもアスラの怒りはまったく陰りを見せないのです!
大きさなど関係無い、貴様らが娘を!
アスラは怒りのままに拳を連打するのですが、
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相手にとっては文字通り蚊が刺すほどにも感じないわけで……
アスラは、この怒りでワイゼンを打ちのめすことが出来るのでしょうか!?
彼が怒り狂う、妻と娘に行われた仕打ちとは!?
彼の前に立ちはだかる七星天の力とは!?
宇宙にまで轟きわたるアスラの復讐劇は、まだこれからが本番です!!

というわけで、アスラの復讐劇を描く本作。
誰と戦ってどうなるか、というような重要なところは原作に沿っているものの、独自の味付けがなされていうるのがやはり本作の特徴でしょう。
一番大きな変更点は、ゲーム版にはいないウパラというオリジナルキャラクター。
彼女の存在により、アスラ以外には疑うもののいない神の非道ぶりが強調されており、その非道に憤るアスラと、神の行動に疑問を感じ始めるウパラという二人の主人公が生まれるかたちとなって、感情移入がより深まっているのです!
そして、この原作ゲームのテーマともなっている怒り。
怒りに伴って生まれる激しさ、荒々しさがまた一文字先生の筆致にぴたりと合致しており、宇宙規模の大バトルにふさわしい迫力を生み出すことに成功しているのです!

ほとばしる怒り、「アスラズラース~廻KAI~」第1巻は好評発売中です!
話題作に一味加えた圧巻のバトル漫画となっている本作。
内容的に考えるとおそらく次巻で完結しそうです!!
一瞬も見逃せないドは苦慮句バトル、クライマックス絵は更に過熱すること間違いなしですね!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ASURA’S WRATH?廻KAI? (1) (角川コミックス・エース 367-1)
角川書店(角川グループパブリッシング)
2012-02-23
一文字 蛍

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