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本日紹介いたしますのはこちら、「trash.(トラッシュ)」第2巻です。
秋田書店さんのヤングチャンピオン烈コミックスより刊行、ヤングチャンピオン烈にて連載されています。

作者は原作が山本賢治先生、漫画がD.P先生。
本作第1巻の紹介は、10年12月24日の記事にて記載しておりますので、よろしければご覧くださいませ。

さて、伝説の殺し屋「バレット&フランチェスカ」にして、女子高生のるしあとマインがこなす仕事を描く本作。
前巻ではヘル=モスキートを苦戦しながらも撃退したものの、謎の少年ひろしの保護をすることになってしまいました。
ひろしを加え、良くも悪くも賑やかになった殺し屋タッグ、今宵の仕事やいかに!

先日の事件で、マインを危険にさらしてしまった責任として自らの小指をるしあ達の家へと送った美能子。
痛い思いをしてケジメをつけ、その証を送ったにしては「いらない、それならマインにステーキ送ったほうが一億倍喜ぶ」という気の無い返答をされてしまいました。
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思い切った謝罪へのつれない態度に激怒する美能子ですが、その怒りも収まらないうちに来客がやってきました。
アポなしでやってきたその客は、美能子の組の元組員、津久田。
彼は二人の部下を引き連れて現われ、禁煙だと言う組長室でぷかぷかと葉巻をふかしながら足を組む、無礼極まりない態度を取るのです。

何の用事で来たのかと言うと、何でもこの近くで仕事をすることになったから、いろいろ仕事がかぶっちゃうかもしれないという、これまた無礼なお仕事のお話のためでした。
そして津久田、美能子のバレット&フランチェスカにあたる、専属殺し屋を雇ったんだとか。
その殺し屋の名は村雨幽記。
なんでも美能子の先代が雇っていた殺し屋の息子だそうなのですが……
その村雨と言う男は、金では動かない狂気の男。
飼いならせるはずが無い、と美能子は言うのですが、津久田はある伝手で村雨に与えるご褒美に困らないと自信満々。
余裕の表情と侮辱的な態度を崩さないまま去っていくのでした。
……ここまで調子こかれては美能子も黙っていられません。
彼らの顔写真を取り出し、学校が終わりしだいるしあを呼ぶように部下に命令!
そう、早速彼を消しにかかったのです!!

意気揚々と引き上げた津久田たちは、村雨が暮らしていると言うコンテナ倉庫までやってきていました。
小さな女の子が大好きだという津久田さん、そのときも車の中で小さな女の子、スーにアレなことをさせておりました。
ところがこのスーこそが村雨へのご褒美。
自分にとってのストライクゾーンから外れたため、代わりの子が来るから君は用済みだよ、とスーを捨てる津久田。
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スーは、前の子はそうやって殺されてしまった、捨てないでとすがりつくものの……
会えなくその場に打ち捨てられてしまうスー。
そこにやってきたのです。
新たなスーの主人……村雨が!!
殺しの報酬が生きた人間。
津久田のように愛玩するわけではもちろんありません。
……殺すのです。
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一週間かけて、じっくりと!!

るしあは美能子の依頼を受けたのですが、くれぐれも村雨には気をつけろといい含められます。
殺しの天才だから気をつけろ。
そう言われても、るしあは余裕の表情を崩さないのです。
人殺しは私の生き甲斐だ。
るしあとマインもまた、殺しの天才といっても過言ではない怪物なのですから……!

その頃、村雨は津久田の仲間のボディーガードとして仕事をしていました。
ですが、村雨は一度も喧嘩に勝ったことが無い、と言う宣言をするではないですか。
オマケにその宣言どおり、裏切った取引相手の攻撃で一発KOされてしまうのです!!
このまま津久田の手の者を葬り、金だけいただいていこうとたくらむ取引相手。
後部座席に詰まれた金を手に取ろうとしたその瞬間、目を覚ました村雨に腕を掴まれました!
そして村雨は実にスムーズな動きでシートベルトを引き出し、腕を掴んだ相手の首に巻きつけ、そのまま絞殺!
村雨は鼻歌を歌いながら、その男の持っていたナイフを手にします。
そのナイフで村雨は、騒動に気がついて車に顔を突っ込んできた別の取引相手の首を一突き!
飛び出す血しぶきを拳銃を構えるまた別の取引相手へのめくらましとして使い、背中にナイフを突き立てます!
その傷口からモツを引き出し、相手の首に絡めて締め上げて……奇妙な歌を歌いながら、最後の一人まで楽しげに始末してしまったのでした……
喧嘩は苦手だ、俺が得意なのは人殺しだ。
自分が作り出した血の海を見下ろしながら、村雨はそうつぶやくのでした。
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またまたその頃、美能子のもとには男性が仕事を依頼しにやってきていました。
実は先ほどの津久田一味の殺害はこの依頼者の男性のもので、この依頼者は先ほど村雨に与えられたすーの父親。
彼は、この殺人依頼は取り消すから娘を自分の元へ生きて返してくれないか、と依頼内容の変更を申し込んできます。
勝手な言い分の上、これ以上手持ちの金がなくて料金は払えないという彼にブチ切れする美能子。
ですが、父親は自分の臓器全部を売り払ってもかまわない、とその身を挺したお願いを始めたのです!
その熱意におされた……わけではなく、ぞ人一人分の臓器ならそれなりの値段になる……と考えた美能子は依頼の変更を受理するのでした!!

ですがその頃、その愛娘スーは村雨の手によって惨たらしい仕打ちを受けており……
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更に、るしあも油断と偶然のいたずらで津久田の一味にとらわれてしまうのです!!
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命の危険にさらされる2人、容赦ない凶刃を振るう村雨。
流石のバレット&フランチェスカも、この窮地はそう簡単に脱することは出来なそうです!!

というわけで、モスキートを超えるかもしれない難敵に出会った今巻。
モスキートのようなわかりやすい異常者ではなく、一件普通の青年が表情を崩さないまま殺人を犯すと言う、より恐ろしい存在といえる村雨。
身体能力はともかくとして、その異常性は間違いなくるしあとマインの前に立ちふさがる障害となることでしょう!
そして、スーとその父親の関係にも注目したいところ。
一時は気の迷いで売り渡してしまった娘を、命を懸けてでも取り返したいと言う、ともすれば美談とも取れなくも無いお話にも見える今回の依頼。
ですがそこは山本先生の作品。
ただではすまない、一ひねりも二ひねりもねじれまくったそりゃもう酷いお話になっているのです!!

女子高生殺し屋の血みどろエブリディ、「trash.」第2巻は全国書店にて発売中です!
今巻も山本先生らしいバイオレンスをD.P先生の見事な筆致で描ききっている本作。
女の子が酷い目に会ったり会わせたりするお話が大丈夫なバイオレンス好きな方ならば楽しめることでしょう!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


trash. 2 (ヤングチャンピオン烈コミックス)
秋田書店
2011-12-20
山本 賢治

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