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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 T・P(タイム・パトロール)ぼん」第2巻です。
小学館さんより刊行されました。

第3期も大好評刊行中の本作の紹介は、「藤子・F・不二雄」のテーマにて記事をまとめております。
併せてご覧いただけますと幸いです。

さて、ひょんなことからタイムパトロールの一員に加わることになったぼん。
いろいろヘマもしますが、先輩でパートナーのリームの助けなどもあってなんとか仕事をこなしていきました。
そしてとうとうぼんも見習いから一人前の隊員に昇格。
ですが嬉しいはずのそれは、リームとの別れを意味するのでした。

町はある話題で騒然となっていました。
若い女性が次々と狙われる、通り魔事件。
その話題を話しながらぼん達が下校しているときも、パトカーと救急車のサイレンが鳴り響き……
どうやらまたもその通り魔が牙をむいたようなのです。
とはいっても普通の学生には「気をつける」ことくらいしかできないわけで。
無事家に帰れれば、後はおやつを食べてごろ寝を始めるのでした。

日も暮れ始めたころ、点けっぱなしにしていたテレビから聞こえてきた衝撃的なニュースでぼんは目を覚まします。
先ほどの下校時に鳴り響いたサイレンはやはり通り魔の仕業で、中学一年生の安川ユミ子が心臓を刃物で突かれて即死した……と言う痛ましいニュースで。
あんな可愛い子を殺すなんて許せん、と動機はどうあれ通り魔に怒りを禁じえないぼん。
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そんな怒りの声にこたえるものがその場に現われました。
タイム・パトロール本部のゲイラさんです。
リームとの別れ以来何の音沙汰もなく、首になったのかなと思っていた矢先にやってきた彼。
なんでも正隊員になるといそがしいから、休みをあげていたんだそうで。
本日を持ってその休みが明け、早速その正隊員初の仕事としてこの通り魔殺人の阻止が舞い込んできたわけです。

今までと違い、下調べから救助の作戦的始末まで自分でやらなくてはいけない初仕事。
なんとかやってみる、と早速その場、そのときに向かいます。
襲撃される十分前。
人通りの少ない細い道で、すぐ傍には生い茂る林……通り魔が襲い掛かるには絶好と言えるスポットでしょう。
すでに通り魔はこの林に潜んでいるのでしょうが、通り魔の捕獲まではタイム・パトロールの管轄ではありません。
ここはじっと我慢し、できる限り歴史を変えずに刺し殺される予定のユミ子だけを助けなければならないのです。

やがて歩いてきたユミ子。
ぼんはとりあえず彼女の前に立ちふさがり、この道を通るなとアドバイスする、実にストレートな作戦に出ました。
ですがいきなり現われた知らない人にそんなことを言われても、おいそれと信じられないのも無理はありません。
ユミ子はこっちが近道だからと言ってその道を進み続けるのです。
まずいと必死で止めようとするぼんですが、ユミ子はその態度を不振に感じ、ぼんが巷で話題の通り魔ではないかと誤解。
大声で通り魔だと大騒ぎを始めるのです!
人通りの少ない道と言えど、これだけ大騒ぎすれば人は寄ってきます。
やむなくぼんは林に逃げ込むのですが、そこにもなんか男性がおり、通り魔はここだぞと叫ばれちゃうのです。
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慌てて近所のお家に塀の中に飛び込んで逃げるぼん。
ですが追手(?)の声も「近くの家の庭に逃げ込んでるんじゃないか」などといっており、この場所も安心できなそうです。
こうなればお家の中にお邪魔して隠れるしかありません。
手近な窓からそのお家にお邪魔するのですが、なんとその窓の中側は
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先ほどのユミ子の勉強机が面していたのです!!
咄嗟にユミ子の口をふさぎ、もうやけっぱちとばかりに自分がタイム・パトロールで、ユミ子を救うために来たんだと全部打ち明けてしまいました。
ユミ子はとりあえずきいてくれ、信じられないけどわかったと言ってくれました。
ですが、一向に信じていない彼女に対し、負けず嫌いなところのあるぼんも黙って入られません。
じゃあタイムトラベルさせてやる!と、彼女を連れてライト兄弟の初飛行や、航海真っ只中のコロンブスの船、弥生時代の日本、建設中のピラミッドなどを見せてあげます。
その途中、マンモスに踏み潰されそうになってしまった人を、対象の時間の流れを自在に加減速できる「タイムコントローラー」を使って救ってみたりもして、
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タイム・パトロールの真実をこれでもかと証明したのです。
ところが、全てが終わったあと、目撃者や関係した人のタイム・パトロールに関しての記憶を自動的に消去してくれる「フォゲッター」のスイッチを入れていなかったことに気がつきました!
秘密は絶対厳守しなければ、命がない厳しいルールのタイム・パトロール。
ユミ子に秘密を守ってくれとお願いするのですが、ユミ子はおしゃべりだからと自身なさげな様子。
こり果てていると、そこにゲイラからの連絡が入ってきました。
なんと、ユミ子を殺せなかった通り魔が、腹いせに別の女性を殺してしまったと言うのです!!!

同じ時間軸に何度も来ることは厳禁、と言う枷があるため、慌ててその場に駆けつけて5分ほどまで状態をさかのぼらせる「巻きもどし」によってなんとか女性が刺される直前まで戻したぼん。
こうなったら直接介入して通り魔を撃退するしかない、と「タイムコントローラー」を使って立ち向かいます。
ですが何と言うことか、ここであせったぼんは操作を間違え、自分の時間の流れを遅くしてしまったのです!!
通り魔は、先ほど林の中に潜んでいた男でした。
たびたび現われては邪魔するぼんに男は怒り心頭。
ぼんを蹴り飛ばし、ナイフを振りかざして襲い掛かります!
それを見ていたユミ子は血相を変えてなんとかその凶行をとめようと、ぼんが落としたタイムコントローラーを拾い上げてそれで通り魔をパシパシ叩きました。
するとその拍子に上手いことスイッチが入ったようで、ユミ子の時間が加速!
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あたりがスローモーションのように見えるようになったユミ子、こんなのろまなら通り魔も怖くない、とぼっこぼこにしてしまうのです!!

なんとか事件は終わっても、問題はユミ子の秘密厳守です。
こんな面白いことしゃべってしまうかもしれない、こんな事件にあうことなんてめったにないから……と悪びれないユミ子に、ぼんは弱り顔をするしかありません。
ユミ子はここぞとばかりに「あたしも隊員になれれば別だけど」と続けるのです。
ぼんに残された道はひとつ。
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正隊員になってそうそう、ユミ子の事を助手として招き入れるのでした!!

と言うわけで、正隊員となったぼんの仕事ぶりが描かれる今巻。
うっかりモノでカッとなるところのあるぼんが、一人で仕事するのは大変そうだ……と思ったのはきっと読者だけではなかったのでしょう。
良くも悪くもしっかりもののユミ子を助手としての新シリーズが始まります。
いちおうぼんが先輩となり、ユミ子に教えたりしなければならない立場なわけですが、そこはF先生作品の主人公。
きちんと頼れる先輩にはなりきらない、抜けている部分と先輩らしさを併せ持った仕事っぷりを見せてくれるのです!
史実に沿った事件を描いており、学習漫画的な楽しみ方ができるのも本作の味。
今巻でも石器の成り立ちから、アメリカでの奴隷制度、果ては種の絶滅問題まで深く切り込んでおり、「ためになる漫画」と言う見方もできるのです!!

正隊員になったぼんの奮闘が描かれる、「藤子・F・不二雄大全集 T・Pぼん」第2巻は好評発売中です!!
ぼんとユミ子がいろいろな時代や土地で活躍をしていく本作。
ユミ子のコスプレ姿(?)を拝むという楽しみ方もありですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 T・Pぼん 2: 藤子・F・不二雄大全集 第3期
小学館
2011-11-25
藤子・F・ 不二雄

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