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いたしますのはこちら、「リコとハルと温泉とイルカ」第1巻です。
アスキー・メディアワークスさんの電撃コミックスより刊行、月刊コミック電撃大王にて連載されています。

作者はヒジキ先生。
ヒジキ先生は同人活動などを経て、09年ごろから商業誌で活躍されているようです。

さて、本作は部活動を中心に据えた日常ものです。
といっても運動部ではありませんし、音楽なんかをやる文化系でもなければ、実態のない名ばかり部でもない、一風変わった部活動を行っております。

電車に乗って、たった一人で「いるかわ」なる駅にやってきた少女、黒崎リコ。
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目的地について早々、駅前にコンビにすらない見事な田舎っぷりにびっくり。
そして、バスが来るまでに45分待ちと言う事実にまたびっくりするのです。

客待ちしているタクシーの運転手さんも絶賛居眠り中。
たたき起こ差鳴ければいけないほど大急ぎでもありませんし、途方にくれていたところ、きちんと(?)お迎えが来てくれました。
迎えに来てくれたのはこれからお世話になるお家のお母さんでした。
リコを育ててくれていた母が海外に行くことになり、母には頑張って欲しいと考えているリコは二本に残って生活をする道を選んだようで。
不安は多いながら、新たな生活の場となる地……桜田家に着くのでした。

桜田家は旅館と見紛うばかりの大きなお家です。
さっそく庭で野良仕事か何かをしていたお父さんが出迎えてくれるのですが、幼稚園くらいのころリコと一緒に遊んだこともあるという歳近い幼馴染、ハルとコウは部活やら何やらでその場にいない様子。
流石にそんな昔のことは覚えていない、ともらすリコですが、門の前にまで来るとふわっと当時の記憶が映像となってよみがえって来ました。
その映像の中の少女に導かれるように小走りで駆け出してしまうリコ。
ですがそのためにお母さん達の制止する声などが聞こえず、ぬかるみに足を取られて転んでしまいます。
髪の毛までドロドロになってしまったリコ。
不運は不運ですが、ちょうどいいとばかりにお風呂を勧められるのです。
この桜田家自慢の、露天風呂を!

庭石のようなものまでセッティングされ、いよいよ旅館のような風情の露天風呂に入るリコ。
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その眼前に広がる光景にはやはりどことなく見覚えがあり、案外覚えているもんだなぁ、などと考えながら体を温めているのですが、そこに
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ひとりの少女が飛び込んできて、大騒ぎするではありませんか!!
わけがわからないリコを、とにかくここを出た方がいいと手を引いて連れ出そうとする少女。
なんとこの露天風呂、外から覗かれないように築かれている壁が一部はそんしていて、そこから丸見えだというのです……!!
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覗かれていた(近所のおじいちゃんでしたが)ショックで落ち込むリコ。
そんなリコを連れ出そうとする先ほどの少女こそが、例の幼馴染のハルでした。
今は一人にしてくれと言うリコを強引に連れ出し、ハルはある窓の前に立たせます。
そこから見えたのは、別のお家の丸見え露天風呂!!
露天風呂に入るには、ご近所さんから見られる覚悟がなきゃあ入れない。
だから壁を直してなかったのは悪かったけど、許してくれ!とわけのわからない弁解をするハル。
そのあまりのわけのわからなさに、思わず笑ってしまって全てを許してしまうのでした。

ハルはリコの胸元を見て興奮して鼻血を出したりする、アレな子のようで。
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ですが天真爛漫な良い子であるのも事実。
幼いころ、リコと遊んだことはすごく楽しかった思い出として覚えている。
明日から新学期だし、これからもすっごく楽しみだ……そう笑顔で語るハルを見て、リコもまた胸中に何かを沸きあがらせていたようです……
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その後、新たな学園生活を始めたリコは「元モデル」と言う経歴を買われ、ハルが部長を務めるイルカ部に入部することになります。
イルカ部とは、この伊流川町の観光スポットや名所なんかの宣伝をメインに活動する伊流川町広報部。
そのほかにも学校のいろんな部活のお手伝いなんかをする、何でも矢みたいなことをしている部活です。
そこでリコは観光親善大使に任命され、顧問であり担任の倉本先生や、広報部としての活動である観光パンフレット作成のレイアウトや写真撮影を担当する茜、葵の双子姉妹と共にこの町のいいところを見て歩くことに。
親元を離れる不安からか、暗く沈みがちだったリコもその騒がしさの中で徐々に笑顔でいる時間が増えていって……
不安でいっぱいだったリコの先行きは、暗いものではなさそうです!!

というわけで、さびれた田舎町での広報を行うことになる本作。
広報部と言う活動はあるものの、その実、いろいろな人と出会いながら温泉街の観光スポット的なところを仲良しグループで回っていく、日常ものとしての側面が強くなっていきそうです。
こういった近年流行の女性キャラ中心日常モノのご他聞にもれず、本作も多くの女性キャラが登場。
とりわけ目を引くのが前述のハルだけでなく、そのほかの人物もそこはかとなく百合の風味を含んでいるキャラが多いところでしょうか。
前面に押し出すほど多くもなく、下品すぎない百合描写はお好きな方はいうまでもなく、それほど好きじゃない方でも抵抗は少ない味付け程度におさまっております!

寂れた温泉町での観光広報大作戦、「リコとハルと温泉とイルカ」第1巻は好評発売中です!
日常モノと部活モノをバランスよくミックスした本作。
キャラ紹介で終わった感じの今巻移行の展開がどうなるのかが気になるところですね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


リコとハルと温泉とイルカ 1 (電撃コミックス)
アスキー・メディアワークス
2011-11-26
ヒジキ

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