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いたしますのはこちら、「BERSERK(ベルセルク)」第36巻です。
白泉社さんのJETSコミックスより刊行、ヤングアニマルにて連載されています。

作者は三浦建太郎先生。
本作の今までの紹介は「ベルセルク」のテーマにてまとめておりますので、あわせてご覧いただければ幸いでございます。

さて、グリフィスによってドラゴンとかのファンタジー生ものが存在する世界へと代わってしまった前巻。
そんな中でガッツたちはキャスカを匿う為、エルフヘルムへの船旅を続けていました。
しかしその道中使徒化した海賊や海の怪物に襲われ、船が故障。
その修理のためにある島に上陸したのですが、そこは海の怪物「海神」の根城となっており、ガッツは再び戦いの渦中へと巻き込まれることになったのです。

現地の少女、イスマとしりあったイシドロ&シールケ。
町のはずれにある彼女の家から、ガッツたちの元へと戻ろうと町へと向かっていると、既に町は使徒達との戦いの真っ最中になっていました。
村八分にされていたイスマにとっては、それほど大切な人といえる存在はいない町でしたが……それでも、見知った顔が死んでいたり、怪物の姿となってしまっていたりするのは堪えるようです。
戦いに加わろうとするイシドロに自分も行くと同行しようとするのですが、そもそもアンタが言っても邪魔になるだけだとシールケに止められてしまいます。
じゃあどうするかと言うと、例の鎧の力で狂戦士化したガッツの精神の中に入り込み、目を覚まさせる、とのこと。
精神が抜け出して無防備になる自分の体のガードを頼み、ガッツの精神にダイブするシールケ。
ですが今回は鎧の力が以前よりも増しており、敢え無くガッツの精神に入る前に弾き飛ばされてしまうのです。
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たった一人にもかかわらず、すさまじい勢いで化け物たちを刈り取っていくガッツ。
もはやガッツの意識が残っているのかも怪しく、近寄るのも危険と言う状況です。
が、その瞬間いきなりキャスカが駆け出しました。
慌ててファルネーゼがあとを追いかけ、牙をむく怪物なんかからガードするのですが、キャスカが子供らしい人影を抱え込んで立ち止まったところに巨大な怪物が襲い掛かってきたのです!!
しかしその瞬間、ガッツがその怪物を両断!
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キャスカを助けたと言うことは、今のガッツは正気なのか?
そう考えるファルネーゼですが、実際はそうではなく。
ガッツの心の中では、鎧の意思に飲み込まれそうになり、周りにいる人々もモヤモヤとした黒い影にしか見えない状態だったのです。
ですがその闇の中で、ガッツに語りかける声がありました。
基本的にガッツの心の中に入れるのは魔力を持つもの、仲間ではシールケくらいのはず。
この声の主は誰なのか?
ガッツに手を差し伸べ、声をかける輝く人影は、手も体も小さな子供のそれです。
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得体の知れないその人影ですが、目の前にいる人物がキャスカで、彼女と仲間たちを自分は守らなければいけないんだということをガッツに思い出させてくれました。
正気を取り戻したことで僅かに拘束を解いた鎧。
そこにすかさずシールケが取り付き、なんとか鎧を脱がすことに成功したのでした!

先ほどキャスカが駆け出し、抱き寄せた子供。
現地の少年かと思われましたが、なんと以前もガッツたちの前に姿を現した黒髪の少年でした。
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何故こんなところにいるのか?
偶然にしてはできすぎですし、今回も前回も魔力の満ちる満月の夜に姿を現していて、魔女であるシールケについさっきまで気配すら感じさせなかったこの少年が只者でないことは確か。
ガッツもただならぬ何かを感じだようで、先ほどの光る人影はお前かとたずねるのですが……彼は一言もしゃべらずにキャスカにしがみつく手に力をこめるのでした。

島唯一の生き残りとなってしまったイスマを加え、さっさと島を出ようと言うことに落ち着く一同。
ですがガッツただ一人、ソレはちょっと早いと言い出すのです。
ここで退治した化け物が全部だとは限らない、生き残りに海上で襲われたらひとたまりもない。
だからこの島でけりをつけるべきだ、と。

確かにそれもその通り、ですがこのまま突っ込んでいってもガッツ以外の身が危なかったりするわけで。
ならばと準備をきっちりしてから突入すると言うことになりました。
船を守るために魔法でバリア的なものを張ることにするのですが、シールケはガッツの起こし役にならなければならないため大掛かりな魔法は使えません。
そこでバリアを張る役目を任されたのが……ファルネーゼ!
ファルネーゼに不安はないといえば嘘になりますが、シールケも導入を手伝ってくれますし、たゆまぬ努力を続けているから大丈夫だと言う励ましに加え……ガッツの力になりたいという気持ちもあるのでしょう。
しっかりとした力を感じさせる眼差しでその大役を受け、
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見事に魔術を完成させて見せたのでした!

守りはほぼ万全、安心して敵地へと乗り込むガッツ。
そこで待っていたのは、でかいなんて言葉では片付けられない
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超巨大な怪物でした!!
この巨体相手に、剣で戦いを挑むと言うのはあまりに途方もない無謀。
鎧の力があるとはいえ、こんな相手を倒すことができるのでしょうか!?

と言うわけで、海神編も盛り上がってきた今巻。
このシリーズも相変わらずの怒涛の描き込みで、ド迫力の戦いが楽しめます。
お話に絡んできそうな謎少年が再登場し、本筋の方も僅かながら進展を見せてくれました。
ここ数年は年一冊ペースの刊行が続いているだけに、本格的に本筋に戻る前に少しでも物語が進んでくれたのはありがたいかもしれません……!
そんな中で新登場したイスマさん。
イシドロと微妙にフラグを立てているような感じでして、このまま一向に加わるのかとも思われましたが、意外な正体があかされることに!
このまま一向に加わるのか、今回だけのゲストになるのか、はたまた……
イスマとイシドロの今後なんかも気にしていきたいところです!!

終始戦いが繰り広げられる、「ベルセルク」第36巻は全国書店にて好評発売中です!
怒涛の描きこみで血みどろバトルが描かれる本作。
海神編も大変よろしいのですが、ぜひとも本筋の方も進めて欲しいもんですが……どうでしょう!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ベルセルク 36 (ジェッツコミックス)
白泉社
2011-09-23
三浦建太郎

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