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本日紹介いたしますのはこちら、「それでも町は廻っている」第9巻です。
少年画報社さんのYKコミックスより刊行、ヤングキングアワーズにて連載されています。

作者は石黒正数先生。
今までの紹介は「石黒正数」のテーマにてまとめておりますので、よろしければ合わせてご覧くださいませ。

さて、歩鳥と愉快な仲間たちの日常を描く本作も第9巻。
今巻では、いろいろなキャラクターが主役となったバラエティー豊かなお話を取り揃えております。
そんな中で今回紹介したいのは、みんな大好きエビちゃんと猛の恒例のあれこれが繰り広げられる「答砲悋気(とうほうりんき)」です!

クラスの女子が集まって、一人ずつ男子を呼び出しています。
キャッキャと何をやっているのかと思えば、どうもいろんな男子にふさわしいあだ名をつけてあげようとたくらんでいるようです。
実際、牧田隼人という立派な名前がある彼も、「トンキー」と言うどこかお間抜けなあだ名をつけられてしまっていました。
当然猛もその毒牙にかけられるわけですが、やはり顔もそこそこで頭もいい彼はモブ女子の皆さんにも人気があるようで。
嵐山君には可愛いのをつけてあげるね、ともてはやされるのです。
小学生男子にとってはこれがいかに幸せなことかはわからないでしょう……
ですが、そんな幸せの裏で不穏な動きもあったのです。
憎々しげにそれを見つめている影……
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そう、エビちゃんです!!

その日学校が終わったあと、早速エビちゃんは嵐山家を訪ねて来ました。
「ラッシー」なるあだ名を考えてもらってよかったねぇ、と憎々しげに猛に語りかけるエビちゃん。
何で怒っているのか?いくら賢いと言えど、まだまだ女心などわかろうはずもない小学生の猛は一切わからないのですが……その機嫌の悪さだけはありありと見て取れるのです。
どうすればいいのかもわからず戸惑っている猛に、エビちゃんはいきなり「喫茶店に行きたい」などと言い出します。
小学生は入れないよ、と反論するものの、エビちゃんはお姉さんが働いているところなら大丈夫じゃない?と更に返しました。
いくら身内がいるから大丈夫といっても、もし女の子でもつれてシーサイドに行こうものなら、歩鳥をはじめとした知り合いの皆に冷やかされまくるのは自明の理。
猛は絶対やだ、と力なく返すのでした。
ところが、エビちゃんから意外な提案がされました。
猛が夢中になっている「D・C(デーモン・コロシアム)」と言うカードゲームを取り出し、ゲームで私が勝ったら連れて行ってくれ、と言うのです!
猛が負ければ一緒に喫茶店に行く、勝てば喫茶店に行かない。
正直言って猛にとってはまったく得のない勝負で、彼自身もその事実にうすうす感づいていたものの……カードゲームができると言う嬉しさゆえにすっかりそんな損得などどこかに行ってしまいました。
せっかくだから対ライバル用に開発したデッキを試してみよう!!と息巻くのですが、どうもエビちゃんとの対戦はのんびりしていていつものゲームのピリピリ感がありません。
それもそのはず、多分エビちゃんは猛に合わせるためになんとなくはじめてみた程度なんでしょう。
実際ルールもうろ覚えのようで、基本ルールを無視したデッキ構成になっている様子。
ゲームに燃える猛にとってこの行動は黙って見過ごせません!
身を乗り出して説明しようとするその距離感にちょっとほほを染めるエビちゃんをよそに、猛は一緒にデッキを組もうと提案。
エビちゃんも多分ゲームには興味ないでしょうが、猛と近い距離で会話できるだけにまんざらでもなさそうです。

が、そこにお邪魔虫……ユキコが現れます。
頭数がいるからボードゲームやろう!と意気込むユキコ。
猛は恐る恐るエビちゃんの顔色を窺うのですが、エビちゃんはニコリとしていいよ、と承諾してくれました。
……ですがそれはあくまで猛に好印象をもたれようとしての行為だったようです。
エビちゃんは内心物凄い勢いで「あっちへ行け」オーラを出していました!!
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年端も行かぬとはいえ、ユキコもまた女。
同じ女性の心の声を鋭く感じ取り、踵を返して部屋に戻っていき……二人の時間は再開されることとなったのでした!

程なく帰宅してきた歩鳥。
歩鳥はかすかに残る香りでエビちゃんが着ていたことを察知。
ですが、エビちゃんは帰ってしまった後でした。
猛によるとゲームやって勝ったら帰っちゃった、とのことですが……
どうやら猛烈な勢いでコテンパンにのしてしまった様子。
どうもエビちゃんのことをどうも思っていない節がある猛に、歩鳥はズバリエビちゃんのことをどう思っているのか聞いてみました。
猛はほほをほんのり染めるものの、急に言われてもわかんない、姉ちゃんには関係ない、とお茶を濁すばかり。
歩鳥は高校生でも小学生でも共通する、男子の鈍さにあきれ果てるのでした。
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……自分の鈍さには気付きもせずに。

翌日、誰にも見つからないようにそっとエビちゃんに呼び出される猛。
そこで手渡されたのは、エビちゃんがモデルをやっているカタログでした。
家で見るねと服の中にしまいこもうとすると、エビちゃんはここで見てくれとリクエストします。
誰か来たらどうするの、とおびえながら恐る恐るエビちゃんが指し示す写真を見る猛。
するとそこには、モデルの男の子と手をつないで寄り添うエビちゃんが写っているではありませんか!!
それを見た猛の胸中には、なぜかむかむかとした怒りのような感じ上が湧き上がってきます!
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紛れもなく嫉妬そのものでありましょうが、純真な少年の猛にとってはじめての体験なのか、それがなんなのかわからないのです。
そんな猛の不機嫌そうな顔を見て、ご満悦の表情でなんか怒ってる?とたずねてくるエビちゃん。
ですが猛はホームルーム始まるよ!とエビちゃんを置いてその場を去っていったのでした。

授業中、何故胸がモヤモヤしているのかと思い悩んでいる猛。
そんな彼の元に、エビちゃんからの手紙が廻ってきました。
広げてみればそこには一言、
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ごめん。
猛はそのゴメンが、何に対してのゴメンなのかもわからず頭を悩ませるのでした。

と言うわけで、猛とエビちゃんの関係が前進しているようなしていないようなお話が収録された本作。
このほか、紺先輩高校入学前後のあまり明るくない過去が明かされちゃうお話や、亀井堂の静さんが謎のお菓子の出所を求めてさまようお話、森秋先生が女性に振り回されるお話、ジョセフィーヌが主人公に抜擢されるお話など、前述どおりサブキャラ中心のお話が沢山収録されております。
コミカルだったり、ジンと来るお話だったり、さりげなくSFだったりとその内容も実に様々。
今回も最初から最後まであきさせません!!
勿論今巻でも紺先輩やエビちゃんの可愛さはド安定なのですが、警察のあんちゃんやクリーニング屋の荒井さんなんかのかっこいいところなんかも垣間見れたり。
意外なキャラの意外な一面が楽しめますよ!
更に今回巻頭についているカラーでは、なぜユキコが学校でニンジャとよばれているのか謎がついにあかされたり。
いろいろと注目すべき点の多い1冊になっているのです!!

エビちゃんと猛のアレコレにニヤニヤ必至の「それでも町は廻っている」第9巻は好評発売中です。
その2人だけでなく、歩鳥・タッツン・真田の三人や、その他もろもろの恋模様なんかもちょこちょこ描写されている今巻。
あの人の受験の結果など、細かなネタも沢山ちりばめられた充実の内容ですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


それでも町は廻っている 9 (ヤングキングコミックス)
少年画報社
2011-08-31
石黒 正数

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