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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」第12巻です。
小学館さんより刊行されています。

第2期も無事刊行を終えた本大全集は、「藤子・F・不二雄」のテーマでまとめておりますので、あわせてご覧くださいませ。

さて、本作は無印の「オバケのQ太郎」の最終巻となる一冊です。
なんと今巻は、収録作全てが単行本初収録とのこと。
それもそのはず、掲載誌が「幼稚園」「よいこ」「小学館の絵文庫」なうえ、ほとんどの作品がオールカラーなのです!

掲載誌が前述どおりと言うことで、やはり内容は幼年向けです。
当時の漫画に多かった過激さや、とんでもないドタバタはほとんどなく、わかりやすい物語や、教育めいたネタなんかがふんだんに盛り込まれています。
「幼稚園」誌に描かれた第1話、Qちゃんの誕生の話にもその傾向はバッチリ現れていまして、卵から孵ったQちゃんと正ちゃんは即座に仲良しに!
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そして一緒に協力してかくれんぼで隠れている友達を見つけるなどの活躍を見せ、そのままお家へご招待するのです!
そして毎回あるはずの「どうやってQちゃんを同居させるか」というイベントはばっさりカットされ、正ちゃんの家族との初対面を恥ずかしがって消えちゃう、というオチから何事もなく正ちゃんのお家での同居が始まるのです。

幼年向けと言うことで、漫画構成そのものにもいろいろと工夫が施されています。
あきさせないためなのか、はたまた知育のためなのか、その両方なのかはわかりませんが
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漫画の中に迷路を盛り込む、と言う描写が何回か登場。
行き止まりなんかにも丁寧に行きどまる理由となる出来事が描かれるなど、F先生らしいチャレンジングながら丁寧な仕事が印象に残ることでしょう!

そして今巻の収録作は65~67年のものと言うことで、ところどころ設定が固まっていないところが見受けられるのも興味深いところです。
そんな中で一番気になるのは、時々登場する
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白いドロンパでしょう!
P子はともかく、Qちゃんでも知っていることを知らなかったりする性格は、幼児向けと言うことで「ライバルキャラが間違っている」と言うわかりやすさのためなんでしょうが……
この白いドロンパ、前の月の掲載作品ではしっかりピンク色に塗られていたのです!
F先生の指定ミスなのか、アシスタントさんの塗りミスなのかはもはや知ることはできませんが、パッと見てびっくりすることはうけあい!
公式の作品での色違いドロンパは多分レアなんじゃないでしょうか!!

レアと言えば、ほかにも非常に珍しいものがあります。
幼年向き作品で、少ページと言う作品の都合上の問題でしょうか、本来A先生なんかが描いていた登場人物をF先生の手で描いている作品が多数掲載されているのです。
家族の中でもとりわけA先生テイストの強い気がする伸ちゃんなんかは印象が大分違っていまして、なんだか物凄く優等生キャラに見えるような。
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そんなところでもファンはニヤリとしてしまう事でしょう!!

そして特別資料室にはこれまた非常にレアな「よいこ」の付録である紙芝居も収録!
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流石に文章が書いてあっただろう裏面までは掲載されていませんが、その文章自体はしっかり収録されています!
その他にも、同じく「よいこ」の付録であるパズルの絵柄や、おそらく本巻収録作を再録したと思われる「小学館の絵本」や「小学館の絵文庫」の表紙なども収録し、実に興味深い1冊に仕上がっているのです!!

と言うわけで、幼年向け作品をバッチリ収録した今巻。
この作品はレアだ、子供向けでわかりやすい話で作られている……などといったうがった見方をしなくても、可愛らしいQちゃんの活躍がフルカラーで拝めるだけでも楽しめるのは間違いありますまい!
いつものQちゃんよりも一層ほのぼのと楽しめる本作、もはやこれは癒し系の一冊ともいえるかもしれませんね!

ふんだんにカラーを盛り込んだ、「藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎」第12巻は全国書店にて発売中です!
今巻で終了となる「オバケのQ太郎」。
第3期以降は「新オバケのQ太郎」が刊行開始!
O次郎なども登場してより賑やかに楽しくなる「新」の刊行は今から楽しみですね!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 オバケのQ太郎 12 (藤子・F・不二雄大全集 第2期)
小学館
2011-07-25
藤子・F・ 不二雄

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