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本日紹介いたしますのはこちら、「フランケン・ふらん」第7巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。

作者は木々津克久先生。
今までの紹介は「木々津克久」のテーマにてまとめておりますので、よろしければそちらもご覧ください。

さて、漫画史上最高の医療スプラッタホラーコメディ漫画である本作も既に7巻目。
他にこのジャンルが存在するのかは置いておきまして、本作が独特の味わいがあるハイクオリティな作品であることだけは確かです!
あの手この手で襲い来る病気や事件の中、今回紹介したいのはゾンビ物の新たな解釈を描く「LIVING DEAD」です!

迫り来るゾンビたち。
手にした銃などで迎え撃つ人々の中に、ふらんもいました。
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ふらんは相変わらず、死体に見えるものが動き出して人を食べたりしているが、ゾンビと定義するのはどうか……などと冷静とものん気ともつかない発言をしていますが、見た感じではもう疑いようの無いゾンビっぷりのゾンビたち。
一体何故こんなことになったのか?
時間は少しさかのぼります。

南米はハイチに近い、難解に浮かぶヴァーゼシア島。
この島に最近流行し始めた、ヴァーゼル熱なる奇病の調査と治療にふらんはやってきていました。
かつてこの島には森に住むモワポゼと会うと死んでしまうと言う言い伝えがあり、人々はそれを恐れ敬ってきました。
ですが現在は開発が進み、森も切り開かれてしまっています。
たいていこういったアウトブレイク的なネタはこういう未開の地を開いてしまったことが発端なわけですが、今回はどうなのか?
ふらんはじきじきに現地で調査に向かったと言うわけなのです。

現地でふらんは以前にも何度か出会い、その度にトラブルに遭遇しているジャーナリストの伊集院と再会します。
いつもトラブルに巻き込まれるためか、伊集院は物凄い勢いでおびえるのですが……なんだかんだと二人は一緒に調査することになりました。
件の言い伝え、モワポゼについて原住の老人達に話を聞いていくと、モワポゼに襲われたものもモワポゼになり、目に付くものを何でも食い尽くす、と言うことがわかります。
一見すると良くあるホラーな言い伝え。
ですがふらんは行動パターンがあるということは物理的な要因があるはずだと考え、何かに似ている気がする……と思案をめぐらせるのでした。

一旦町へ戻ろうと、伊集院とともに車に乗り込むふらん。
ですがちょうどその少し前にヴァーゼル熱で亡くなったと思われてきた人たちがむくむくと起き上がって人々を襲い始めていまして、その勢力を拡大していたのです。
気が付けば相当な数になっていたようで、ふらんたちの車もゾンビたちに囲まれてしまいました。
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しかし幸運なことに武装して戦っていた人々に出会い、なんとか近く似合ったショッピングモールに逃げ込むことができたのです。
ゾンビから逃げ、ショッピングモールに立てこもる……まるでゾンビ映画そのものの状況を迎えたのでした!!

当然そのショッピングモールも絶対安全なわけじゃありません。
やっぱりゾンビ映画よろしく招かれざる訪問者……地元のマフィア達やゾンビが押し寄せ、混乱の渦に巻き込まれるのです。
そんな騒動の中、ふらんもゾンビに腕を噛まれてしまいます。
噛まれればゾンビの仲間入りをしてしまう。
主人公の感染は普通なら絶望そのものですが、体の取り外しも容易なふらんならばむしろこれで病気の調査がしやすくなるともいえるのです!
そろそろこのショッピングモールも限界だし、と伊集院はふらんに研究所に行こうと提案。
その一瞬の油断が命取り!
伊集院もまたゾンビの毒牙にかかってしまいました!!

ふと意識を取り戻した伊集院。
ゾンビに襲われたはずなのに……とモヤにかかったような頭で考えるのですが、あたりの状況を確認して恐ろしい事実がわかってしまうのです。
うつろな表情で、動かしづらそうに体を動かしてふらふらと歩き回っている自分。
……そう、伊集院は例のゾンビになってしまっているのです!
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ですが心臓は動いていますし。意識はちゃんとあります。
吐き気が止まらず、全身が痛み、猛烈な空腹に襲われて肉を求めてしまう……
今まで散々その手にかけてきたゾンビたちは、ヴァーゼル熱のそれらの第2症状に犯され、死んだように見えただけの生きた病人だったのです!!

その頃ふらんは無事(?)逃げ延び、頭部をパージして自身の体にメスを入れて病気の正体をつかんでいました。
病気の正体は、
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延髄に寄生する寄生虫の所業だったのです!
何らかの経路で人間に寄生し、繁殖の時期が来れば円錐に移動して人間を操作、栄養を摂取して繁殖地へ戻る……
ちょうどカタツムリに寄生し、カタツムリを鳥に食べさせて繁殖する寄生虫のレウコクロリディウムのような修正を持っているその寄生虫。
映画のゾンビとは違い、きちんと治療すればおそらく回復する病気なのですが、あまりにもその罹患姿が映画のゾンビのそれに近すぎたがために「殺す」ことに抵抗を生まなくなってしまったのです!!
そもそもゾンビ映画には「人間狩り」「略奪」と言うタブーを抵抗なく、あるいは少なく楽しめる……と言う側面もあるわけで。
ふらんは早いところ治療してこれ以上被害者を出さないようにしなきゃと憂うと同時に、この病気の発覚で「ゾンビが現れたら喜んで虐殺してしまうから」などとゾンビ映画が規制されなきゃいいけど……と心配するのでしたとさ。

と言うわけで、ゾンビ映画の新しい切り口を描いたエピソードを収録した今巻。
このテーマは先日刊行された「アーサー・ピューティーは夜の魔女」でもまた別のアングルで描いており、木々津先生のあふれ出るゾンビ愛が感じ取れるのです!
この他、あのガブリールがなぜか生徒に大人気の教師になるお話や、
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少し前に流行(?)した死亡届未提出による超高齢者が戸籍上で続出事件をネタに取った風刺調の物語、着々とその人数を増やしていく「センチネル」シリーズなどなど、注目のお話が多数収録!!
更に本作と平行して掲載された読切作品、「Phase20」も同時収録!
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ホラーではない探偵モノではありますが、「ふらん」にも劣らない木々津先生らしさが盛り込まれた作品でして、こちらも見逃せない作品となっています!!
恒例の作品解説もバッチリ収録。
更にカバー下本体のオマケ漫画も健在で、本記事で紹介したお話の後日談が楽しめるのです!!

メディカルホラーコミックの決定版、「フランケン・ふらん」第7巻は全国書店にて発売中です!
いままで事件に巻き込まれながらも基本的に無事だった伊集院さん。
今回はついにその毒牙にかかってしまったわけですが、その後どうなってしまったのか!?
そのあたりも描かれてますので、ご安心ください!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


フランケン・ふらん 7 (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
2011-07-20
木々津 克久

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