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本日紹介いたしますのはこちら、「藤子・F・不二雄大全集 仙べえ」です。
小学館さんより刊行されました。

好評刊行中のF先生の大全集は、「藤子・F・不二雄」のテーマにて紹介記事をまとめております。
そちらもご興味等ありましたらご一緒にご覧くださいませ。

さて、本作はタイプで言うとドラえもん型、近い作品で言うと「ジャングル黒べえ」あたりが当てはまる、お助けキャラが同居する作品になります。
特殊能力で主人公キャラを助け……ようとするのですが、この作品ではぜんぜんうまいこといきませんで……
ドラえもんポジションキャラの扱いなんかも含め、非常に異色的な作品といえるでしょう!!

主人公のモヤ夫は学校帰り、変な人を見かけます。
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木の葉で作ったようなぼろぼろの服を身にまとい、杖を手にしたその人は、一見子供のような風貌なのに白ひげを蓄え、言葉遣いもおじいさんのようなその人、犬に道を聞いてどこかへと消えていきました。
不思議に思いながらもモヤ夫はその人を見送り、帰路に着くのでした。

どうもモヤ夫はこんな名前の癖にお金持ちな様で、新築の豪邸に住んでおります。
セントラルヒーティングという懐かしい響きの売りを持つ自宅に入っていくと、ママが出迎えてくれました。
なんでもモヤ夫の部屋で友達が待っているようで、新築を自慢するため最近入れ代わり立ち代わりで呼んでいる友達の誰かが待っているのだろうと考え、女子かな?とニヤニヤしながら部屋に戻るモヤ夫。
ところが部屋で待っていたのは、
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先ほど見かけた変な人ではありませんか!!
その変な人、なんかようかといっても取り合わず、突然「見えた!」と叫んで隣の姉の部屋へと駆け込んでいってしまいました。
じゃあ姉の友達か?と思っていると、帰ってきた姉も知らない様子。
おまけに変な人は天井に張り付きながら、
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姉が部屋に隠していた焼き芋をむさぼっているじゃあありませんか!
なんだこの子供は、とざわめいていると、変な人は自分は子供じゃないと主張。
確かにひげが生えている、じゃあパパのお客さんだろうと客間に通すことに。
そして電話でパパにお客さんが来ていると言うのですが、特に心当たりが無い様で、じゃあその人の名前は?と尋ねてきました。
聞いてみればその変な人、名前は仙べえ。
知らないなぁと答えるパパですが、仙べえは電話をひったくって電話口にむかいそんなところに隠れてないで出て来い!と怒鳴りつけるのです。
あまりの剣幕に気になったパパは慌てて自宅へ帰ってきます。
だれなんだあいつは、と警戒しながら話をしようと客間に入っていくと、仙べえはパパを「弟よ」と呼んでくるではないですか。
とりあえずパパは調子を合わせますが、あんな兄さんがいるなんてパパの記憶にはございません。
当然じゃあ追い出さなきゃ、という流れになるのですが、どうもパパには、いやパパだけでなく一家全員仙べえの顔に見覚えがありまして……
もう少し様子を見よう、とパパは客間に戻るのでした。

仙べえが言うには、今までひたすら戦術の修行に明け暮れていて、久しぶりに家へ帰ってきた、とのこと。
なんとこの家は仙べえの自宅だというのです!
こりゃひょっとしてうまいこといってこの家をのっとるつもりだ!と思い込んだモヤ夫一家、塩や胡椒をドバドバ入れた激辛料理を食べさせたり、
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ぐらぐら煮えたぎる風呂に入れたり、矢で射抜こうとしてみたりと、殺す気満々な嫌がらせを慣行。
それでもまったく答えておらず、いよいよ手の施しようがありません。
しかも困り果てた一同の元に、パパが更に困っちゃうあるものをもってくるのです。
それは、明治7年に写されたという一枚の写真。
そこの真ん中に仙べえが写されており……
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なんとこの仙べえ、正真正銘この家のもの、モヤ夫のひいじいさんの兄だというのです!!

というわけで、モヤ夫一家とともに暮らすことになった仙べえ。
彼は仙術を修行してきた仙人とのことで、確かに様々な不思議な術を使えます。
ですが人に見られていたり、ここぞ!というところではさっぱりその実力が発揮できず、ほとんどその術の恩恵にあずかることはできません。
それどころかむしろ痛い目にあってしまうことが多く、モヤ夫たち一家は困らさせられまくり!
困らされてもいい友達だったり、モヤ夫たちを導いてくれるようなよき存在ならばまだ良かったのでしょうが、正直仙べえは超ワガママで人格的にもアレでして……
F先生作品中、これだけ主役家族に好かれていないドラえもんポジションのキャラがいたでしょうか!!
しかもその失敗する仙術と言うのも「木の葉をお金に変える」という道徳的にどうなの!?というものだったりと、いろんな意味でどうなんでしょうかこの仙べえさんは!!
本作はきっちり完結する最終回があるのですが、その最終回の内容も仙べえさん自業自得かも……と思っちゃう寂しい感じの内容に!
一応救いはあるのですが、こんなほか作品とは違った意味で物悲しいラストも珍しい、本当に異色尽くしの作品なのです!

異色といえばやはり絵柄もそうです。
本作は実にA先生テイストが強く、ぶっちゃけこれはA先生の漫画です、といわれても納得しちゃうレベル!
登場するキャラクターは普通の人から友達の仙人にいたるまでA先生の作画で、擬音なんかも
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「ギニャ~」とA先生のそれなんです!
何でもF先生はアイデア~背景までを担当していたそうで、絵の面ではやっぱりほとんどがA先生の筆によるものとのこと。
何から何まで、本当に異色な作品ですね……!!

金持ちの家に駄目な来訪者が来るという逆ポジションが新鮮な「藤子・F・不二雄大全集 仙べえ」は全国書店にて発売中です!
今巻が初の完全収録で、単行本も昭和51年に一度刊行されたきりらしい非常にレア度も高い本作。
初見の方も大いに違いない注目作、これは見逃せませんよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


藤子・F・不二雄大全集 仙べえ
小学館
2011-04-25
藤子・F・不二雄

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