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本日紹介いたしますのはこちら、「地球の放課後」第3巻です。
秋田書店さんのチャンピオンREDコミックスより刊行、チャンピオンREDにて連載されています。

作者は吉富昭仁先生。
今までの紹介は「吉富昭仁」のテーマにてまとめておりますので、よろしければそちらもあわせてご覧くださいませ。

さて、ファントムと呼ばれる謎多き存在によって人類のほとんどが消えてしまった地球で暮らす4人の少年少女の日常を描いている本作。
そんな非日常な日常をじっくりと描きつつ、この物語に秘められた謎も徐々に輪郭を現しています。
そして今巻でもまた一つの謎が姿を現すのです!!

大雨が降りしきった翌日。
正史は三人娘を残し、町が被害を受けていないかを調査しに行くことにしました。
車を走らせ、瓦礫で道がふさがっていることなどを確認しながら町を回り続ける正史。
すると、ふと視界に人影がよぎるではありませんか。
慌てて車を降り、人影のいたほうへと走ります。
ですがそこへたどり着いても人の姿は在りません。
気のせいかとも思いましたが、次の角を曲がった道の真ん中に、自宅周辺の片づけをしているはずの八重子の姿があるではないですか。
何も言わずこちらを振り向く八重子。
その様子に何か奇妙なものを感じだ正史は、そっと無線を取り出して3人娘と連絡をとることにしました。
無線に出たのは早苗です。
いきなりのそこに八重子はいるか、と言う質問にちょっぴりジェラシーを感じてしまう早苗ですが、そこはグッとこらえているけど代わろうか?と返事する早苗。
勿論早苗が想像するような下心的なものは一切ない正史はそれだけ確認すると無線を切り、目の前にいる八重子が今まで一緒にいた八重子でないという事実を確定させてコミュニケーションをとることにしたのです。

正史はこの八重子が今まで何度かあった経験からして、未来から来た別の時間の八重子だと仮定し、話しかけました。
ところがこの八重子は何も答えず、そっと手を正史の首に回してくるのです。
そのまま表情一つ変えず顔を近づけてくる八重子。
このままだとベーゼになっちゃうよと思ったのか思わなかったのかはわかりませんが、正史は咄嗟に体を後ろに引きました。
すると、
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八重子の腕が正史の首に回されたまま、ゴムのように伸びてしまったではないですか!
これは八重子ではないと直感した正史はその腕を振り払い、ダッシュで逃走。
ニセ八重子は急いで追ってくる様子もなく、とりあえず正史は物陰で一息つきました。
すると今度は突然背後から早苗が現われるではないですか!
言うまでもなくこの早苗も本物であるわけがありません。
あろうことか彼女の
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お胸がいきなり巨大化し、そこからにょきにょきと手が生えてきます!
つかまってはまずいとそこから走って逃げる正史。
取り残されたニセ早苗はというと、今度は胸から生えた手に引き続いてそのまま杏奈の上半身が生え、早苗と入れ替わるように杏南の体へと変貌して行ったのです!
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ニセ杏南はそのツインテールを触手かアンテナのように動かしながら、正史を探して町をさまよいます。
そっとその様子を空き家の一室から窺っていた正史ですが、今度はその部屋に謎の美少女が入ってくるではないですか。
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謎の美少女と入ってもどうやら正史は知っている顔のようで、その少女の登場に驚きを隠せない正史。
それでも今は身を守らなければならないと手近な花瓶を手にとって身構えると、彼女は膝立ちの状態になって体を小刻みに振るわせはじめました。
謎の少女はその体をまるでスライムか何かのように奇妙に変形させ、その体から八重子や早苗、杏南の体を生やしはじめます。
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その間の形で不気味に蠢きながら正史のほうへとにじり寄るその塊。
正史はたまらず手にした花瓶を振り下ろそうとしましたが、そのときその塊から
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妹の体が現われ、「おにいちゃん」と声をかけてきたのです!
妹の姿を取り、さらに今になって声をかけてきたその塊に驚いたのか、その手を止めて塊を凝視する正史。
塊はその体を大きく膨らませたかと思うと、姿を正史が良く知るファントムのそれへと変貌させはじめました。
危険を感じ取った正史はさっと庭へ飛び出して距離をとると、ファントムは以前であったことのある「具合の悪いファントム」のように球状に変形した後消滅してしまったのです!

というわけで、またまた不可思議な自称に遭遇した今巻。
結果としてあの塊はファントムだったわけですが、最後に妹の姿を取り、正史に声をかけてくれたおかげで消滅に巻き込まれる危機から救ってもらったとも取れます。
噂では、ファントムはその体を対象の良く知る人物に変形させ、油断させてから消滅させると言う行動を取ることがあるそうで、先ほどの事件はまさにその行動そのものであるだろうことがわかりました。
そもそも死んだはずの人間の姿になることもあることから「ファントム(亡霊)」と名づけられたんだそうで、そんなことからもファントムがとにかく人間を消滅させるために特化した存在であることが窺えます。
ですが今巻、いくつかの事柄から正史はファントムが人間を殺さないように消滅させていたであろうことが確定的であると結論付けました。
人間をわざわざ殺さないように自分の餌食にしていた、ということは、踊り食い以外ようすかん!という趣味でない限りは殺すつもりがない=消滅させられて人は生きていると言う意味であることが予想されます。
偶然かもしれませんが、先ほどの正史を結果として救ったファントムの行動もそれを感じさせるわけで……
ファントムと言う存在の謎はますます深まるばかり。
ますますその謎が明かされる日が楽しみとなってまいりました!
謎の少女の素性なども明かされるでしょうし、今後の展開に目が離せませんね!

じわじわと謎は深まりながら真相に近づいている感もある「地球の放課後」第3巻は好評発売中です!
今回紹介した謎の他、只者ではないムードを纏っている正史の正体(?)があかされたり、意外な特技が判明してそのままその特技を利用したお遊びをしてみたりと見所は今回もバッチリ!
謎を追う読み方は勿論、独特な日常ものとしても十二分に楽しめる内容となっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


地球の放課後 3 (チャンピオンREDコミックス)
秋田書店
2011-03-19
吉富 昭仁

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