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本日紹介いたしますのはこちら、「帝一の國」第1巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、ジャンプSQ.19にて連載されています。

作者は古屋兎丸先生。
古谷先生とその著作の紹介は、「古屋兎丸」のテーマにてまとめておりますので、よろしければそちらもご参照くださいませ。

さて、本作は学校での権力闘争に挑む少年達を描いた作品となっております。
架空の昭和と言う時代で、繰り広げられる頂点への試練の道のりが壮絶に描かれています!

多くの政治家や官僚を生み出してきた超名門校、海帝学校。
その日は新入生歓迎会が催されていました。
そこで新入生代表として挨拶しているのが赤場帝一(あかば ていいち)。
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最優秀の成績を収めてこの学校に入学した帝一には、すでに明確な目標があるのです。
それはこの海帝学校生徒会長の座。
その座に着いたものは日本一の国立大学への入学が約束されると言う特典があるのですが、それよりなにより招待を約束される「大きな鍵」が入手できるのでそうで。
帝一はその鍵を手に入れるため、心の中でメラメラと闘志を燃やすのです!

まず生徒会長になるための第一歩は、クラスの代表であるルーム長か副ルーム長になって評議会にはいることです。
ですが生徒会長を目指すには少なくともルーム長になることは最低条件。
ルーム長は1ヵ月後、品行方正であること、リーダーシップがあること、入学時の成績の3点を考慮して選ばれるのですが……
担任教師もすでにおそらく帝一がルーム長になるであろう事はわかっているようです。
クラスメイトにも帝一がルーム長に間違いないだろうと思われており、早くも就任後自由に選べる副ルーム長は誰なんだなどと言う会話まで始まります。
ですがその問いには既に答えがでているのです。
中学時代からの右腕である榊原光明(さかきばら こうめい)が副ルーム長に任命することは確実!
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この帝一・光明タッグは音に聞こえた名タッグらしく、そのことに異論を唱えるものなどいないどころか、一緒のクラスになれて嬉しいと言うものまでいるほど。
帝一と光明は余裕の表情を崩さず教室を出てお手洗いに向かうのですが、そこに声をかけてくるものが現われます。
それは隣の二組に在籍する東郷と根津。
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彼はどうやら以前から帝一と因縁があるようで、二組のルーム長は俺が取るからこれからガンガン戦うことになるぜ!いつも真面目にいい子ぶってる帝一のような人物が本当の悪人なんだ!と挑発してきます。
その言葉には流石にカチンと来る帝一ですが、そこはグッとこらえて誰かと戦うつもりなんてない、有意義な高校生活を過ごしたいだけだよと模範的な回答をしてお茶を濁して去ろうとしました。
ですがそこへ東郷は、帝一と光明が中学時代生徒会長&副会長をやってたらしいけどいい気になるなと追い討ち。
その言葉に貞一は、確かに中学の生徒会なんてお遊びだったと認めながら、そこで高校の会長になるのに大事なものを見つけたんだ、と意味深な言葉を返すのでした。

その中学で見つけた大事なものとは、ひとつは盟友である光明。
そしてもう一つは帝一の「夢」なんだそうですが……
その内容は光明にしか明かされないのです。

生徒会長の座に固執する帝一ですが、帝一の父はもっともっと固執しているようです。
それもそのはず、帝一の父はあの東郷の父と生徒会長の座を奪い合い、わずか一票差で敗れてしまったと言う過去を持っているのです。
しかも一票差とはいえ敗北したと言う事実はその後の人生に大きく作用。
帝一の父は学校卒業後に自力で日本一の国立大学にはいり、通産省の官僚となりました。
ですが海帝の生徒会長となった東郷の父は「海帝高校会長会」の強い人脈もあってその通産省の事務次官となっていたのです。
その強力すぎる人脈こそ、成功のための「大きな鍵」!
帝一は父の無念を晴らす意味もこめて、帝一は改めてその生徒会長になる決意を表明したのでした!

そんな気を張りまくる帝一の日常にもほんのひと時の安らぎの時がありました。
それは恋人の美美子との糸電話での会話です。
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まるで戯曲のワンシーンのようなロマンティックなこのひと時。
成績優秀で誰しもからみとめられる能力も持ち、恋人までいる帝一……
勝ち組!といいたいところですが、物凄い努力してそうなうえ恋人いるといっても短時間の糸電話オンリーとか、ねたましさみたいのは感じづらいですな!!

1ヵ月後、1年生の担任会議で各クラスのルーム長に関して語られていました。
そこでチェックされているのは例の三つの要素……ではなく、なんと各生徒の寄付金!!
実は本当の選考基準とは、この寄付金の金額一点だったのです!
どれだけ頑張ってもこれじゃ帝一も……と思いきや、2代に渡って生徒会長戦を戦ってきている帝一はそのことも知っています。
なんと帝一の寄付金は学校始まって以来ダントツ1位の500万円!
裏のほうでも帝一にはまったく死角なしなのです!!

無事ルーム長に選ばれた帝一。
彼は夢に向かって第一歩を歩みはじめました。
中学時代に見つけたと言う彼の夢。
それは「日本を世界一にする」という巨大な夢でした。
そしてその為に目指すのは、総理大臣の地位!!
帝一の人生をかけた、表も裏も噛み締める長く辛い戦いが始まるのです!!
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というわけで、日本を変えるため戦いに挑む帝一。
このあとも帝一は将来の夢のために、あるときは抜群のリーダーシップを発揮し、あるときは自分を捨てて犬に成り下がりながら奮闘していきます。
光明やクラスメイトにも支えられながら、東郷の卑劣な戦術なども潜り抜けて順調の実績を積み上げていく帝一。
ですが、敵は東郷だけでなないのです。
派手さはないものの油断は出来ない各クラスのルーム長たち、そして1人異彩を放つ6組のルーム長、大鷹!
大鷹はなんと学校始まって以来の「寄付金額以外の基準でルーム長になった」人物。
帝一や東郷とは違い野心はなく(表に出していないだけ?)、明るく優しくリーダーシップに富んだ好漢です。
帝一等にも他の生徒と一切分け隔てなく接し、家は両親が他界して4人の弟達を1人で面倒を見ている貧乏一家……と、何から何まで異色揃い!
それでいて成績も超優秀で、海帝中学からではない、外部の中学から入学するための超難問のテストを受けたにもかかわらず、全ての科目で95点以上の好成績を獲得しているのです!
この完璧超人に、6組の担任教師は様々な思惑がどろどろと渦巻くこの学校の改革を託しているようで。
この人物がこれからの物語に大きくかかわってくることだけは間違いないでしょう!!
これからどんな試練が降りかかり、そしてどんな敵が立ちふさがるのか、注目していきたいところです!

陰謀渦巻く学校で頂点に挑む「帝一の國」第1巻は好評発売中です。
架空の昭和での、国の頂点を目指すため学校の頂点を目指すと言う独特な物語が描かれる本作。
この独特なムードが少し人を選ばざるを得ない要素にはなっていますが、そこにはまる人ならばグイグイ引き込まれていくことは間違いなしの作品ですよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


帝一の國 1 (ジャンプコミックス)
集英社
2011-03-04
古屋 兎丸

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