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本日紹介いたしますのはこちら、「絶対可憐チルドレン」第25巻です。
小学館さんの少年サンデーコミックスより刊行、週刊少年サンデーにて連載されています。

作者は椎名高志先生。
本作の紹介は「椎名高志」のテーマでまとめさせていただいておりますので、よろしければご覧下さい。

さて、第24巻で体を得たフェザー。
ですが肝心な記憶などはおぼろげなようで、それを取り戻すためにはフェザーの意識の元であるはずの肉体を捜さなければならないようです。
未来を変える鍵そのものには届きませんが、とりあえず手がかりへの鍵を探すと言う目的は得られた皆本。
しかしそのフェザーのおかげで捜し求めるものが見付かったのは源だけではありません。
兵部もまた、探していたブラックファントムの洗脳者が悠理であることに気が付いたのです。

そんなときでも時間は流れるもので、学校では文化祭が近づいてきていました。
薫達のクラスでは演劇をやることに決まったのですが、美少女の集まるこのクラスで演劇が行われるとのことで学校中に注目されてしまっています。
ただでさえ力の入る学校行事で、さらに注目の的となっているからには気合を入れていかなければなりません。
そこでシナリオ製作にやる気をたぎらせているのがパティ。
どこに出しても恥ずかしい……もとい、恥ずかしくない立派な腐女子に成長したパティは、学校中から熱いまなざしを注がれている美少女達を活かした脚本を作り出そうと決意します!
が、それほど時間もないので一からお客さん、というよりパティを満足させるストーリーを生み出すのは至難の業。
そこでもともと存在する御伽噺やらをアレンジして萌えるストーリーを作り出そうと言うことになったのです!!

その相談をする場に選ばれたのはチルドレンと皆本のおうちでした。
パンドラ連中からすればいけ好かないところもある皆本ですが、なんだかんだといっても知り合いの中で最も教養を持ち合わせていると判断されたわけです。
そこで演目として採用されたのはオスカー・ワイルドの「ナイチンゲールとバラ」。
といってもフェザーの思い付きがきっかけとなったわけですが……
ともかくナイチンゲールと青年が片思いをする悲しいお話だと言う皆本の解説に一同は奮い立ったのです!
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実際のこのお話は、ナイチンゲールが命を賭して青年の求めていたものを作ったのに、その求めていたものは何の役にも立たず青年ガッカリ、という救いもなんもありゃしないお話なんですが、そこを萌える展開にするのがパティの腕の見せ所です。
一丸となって作り上げるその劇を兵部たちも見に行くことになったのですが、勿論彼らが保護者精神だけで揃って劇を見に行くことなどありません。
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何かをたくらんでいることだけは確実なのですが、兵部が薫や部下たちの劇をぶち壊しにすることは考えづらいわけで。
そうなれば目的はやはり……

劇の準備は順調に進みます。
そんな準備の中、悠理に、というよりもミラージュに大きな変化が訪れ始めます。
彼女はいわゆるブラックファントムの工作員のような存在で、不安などは感じながらもブラックファントムに盲従していました。
ですがこの劇の練習などで今まで感じたことのない楽しさなどを感じ、生き生きとした表情まで浮かべるように。
その変貌振りはナイが今姿を現している人格がミラージュなのか悠理なのか確信が持てないほどで……
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いままでブラックファントムの人形に過ぎなかった彼女に人間らしさが生まれていることが見て取れるのです。

大変ながらも楽しい準備の日々はあっという間にすぎ、やってきた本番当日。
蕾見や室長をはじめとしたバベルの面々や、パンドラの面々も一堂に集まるオールキャストを観客に迎え、劇の幕は今まさに上がろうとしています。
本番直前、屋上で一人気持ちを落ち着かせようとしていた悠理。
そこへ招かれざる客が姿を現します。
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その客とは、パンドラの九具津と黒巻。
彼らは姿を現すなり超能力を使い、悠理の魂をカメラの中に閉じ込めてしまったのです!
目的は当然憎きブラックファントムの洗脳者との決着!
抜け殻となった悠理のかわりに悠理そっくりの人形を代役として送り込み、劇は滞りなく進行。
周囲にもバッチリ気を配った兵部は、仕切りなおして紅葉と真木を率いてミラージュとの戦いに挑むのです!
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兵部もかなりの超能力者であることは確かですが、ミラージュはそれを超えかねない実力の持ち主。
ミラージュは瞬く間に紅葉と真木を撃破し、その実力をいやがおうにも見せ付けます。
あまりにも強いその力、流石の兵部も楽勝とは行かないはず!
勝利の女神はどちらに微笑むのでしょうか!?

というわけで、早くもミラージュとの兵部の決戦が行われた今巻。
多くの罪のない子供を暗殺者として仕立て上げた真っ黒組織ブラックファントム、そしてその忠実な部下であるミラージュ。
確かに彼女は粛清されても仕方がない存在なのですが、薫達との触れ合いや、劇の練習による仲間たちとの交流で人らしさを取り戻し始め、穏やかさすら感じさせるようになっています。
さらには自分の境遇に悩みを抱えるようにまで。
そんな彼女を兵部は殺してしまうのでしょうか?そもそもそうなれば同一の存在であるはずの悠理はどうなってしまうのか?様々な不安が持ち上がる戦いは決着を迎えます!

ミラージュと兵部の決戦が描かれる、「絶対可憐チルドレン」第25巻は好評発売中です!
戦いを終え、物語はまた一歩前進。
ブラックファントムの次なる手なども考えられますが、次のシリーズはとりあえずあまり本筋には関係なさそうなギャグ中心のお話になりそうです!
お話の展開も気になるところですが、椎名先生本来の持ち味とも言えるギャグシリーズも見逃せません!
……もしかしたら思わぬところで本筋に絡んでくるかもしれませんし!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!








絶対可憐チルドレン 25 (少年サンデーコミックス)
小学館
2011-02-18
椎名高志

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