画像

本日紹介いたしますのはこちら、「狂四郎2030」文庫版第5・6巻です。
集英社さんの集英社文庫コミック版にて刊行されました。

作者は徳弘正也先生。
本作の紹介は「徳弘正也」のテーマにてまとめておりますので、そちらもご覧くださいませ。

八木を倒し、一路ユリカの元へ向かう旅を再開した狂四郎。
その旅の最中、狂四郎は金持ちの慰み者として作り出された人造人間のマイカと遭遇し、保護することに。
そんな時国家への反逆者として狙われている狂四郎に襲い掛かってきたのは、子供の頃施設で苦楽をともにしてきた親友の白鳥でした。
実戦経験の豊富な狂四郎は白鳥を一蹴するのですが、手加減を仕切れず親友に大怪我を負わせてしまいます。
ところが幸運にもそこへ反政府のゲリラ組織が通りがかり、白鳥を治療&拘留することに。
部屋を出れば爆発する首錠がかけられていることですし、怪我が治るまではとおとなしくしている白鳥ですが、彼の部屋に一緒に保護されたマイカが尋ねてきて……

狂四郎とゲリラの面々がパトロールに出ており、アジトにいるのは白鳥とマイカのみ。
そんな状況でマイカは白鳥の部屋にやってきました。
そもそもゲリラのアジトなどを探るためのおとりとしてのに放たれたマイカ。
白鳥はそんなマイカをゲリラから助け出してやると優しい声をかけるのですが、マイカはお金持ちが欲望のはけ口にするためだけに作り出された生物です。
いきなり全裸になり、白鳥の肉体を求めたのでした!

ですが動けない白鳥に欲望のまま襲い掛かる……と言うようなことはなく、目的のアレが目の前にあってもマイカはじっと我慢しています。
以前自分を助けてくれた狂四郎に「女房がいるからダメだ」と断られたことをしっかりと覚え、学習していたのです。
そんないじらしいマイカを見て白鳥の感情は爆発!
マイカと一線を越えてしまい、それから狂四郎たちが施設を空けるたびに体を重ねるようになるのです。

日に日にマイカに心を開いていく白鳥。
画像

マイカの頭脳ではおそらく理解することも応えることもできないとわかっていながら、白鳥は自分の身の上話を始めました。
その話の中で明かされたのは、白鳥が優秀な身体能力を持っていながら人を殺すことができないと言うこと!
つまり彼は今まで誰一人殺しておらず、刀を人に対して振るうことすらなかったと言うのです!
戦乱の中では致命的な欠陥ともいえるその性格のため、彼は最初に入隊したライフル部隊を追われ、衛生部隊に移ることに。
周囲の兵士にさげすまれ、殴りつけながらも彼は負傷兵の運搬や死体の処理に励んでいたのでした。
ですがそんな彼でもたった一人だけ、刀を振り下ろすことの出来た人物がいました。
それは狂四郎です。
必死だったとはいえ、久しぶりの遭遇を果たした狂四郎に刀を振るうことが出来た理由。
それはおそらく幼少時代に交わした「国家反逆病が発病したらお前の手で殺してくれ」と言う約束があるからでしょう。
画像

狂四郎ならば殺せる、そして一人殺せればそれがきっかけになって何人でも殺せるはず。
そう思い立った白鳥は、傷が癒えたら狂四郎をその手にかけようと決意したのでした!

そんな思惑も知らない狂四郎、白鳥とマイカの中がよさげなことはいち早く察知し、食事などをマイカに持っていかせるなど、気を使ってあげるようになりました。
マイカと話すようになってから白鳥は明らかに明るくなっており、もしかしたらマイカとの交流によって国家によって塗り固められ歪んでしまった精神を解きほぐすことができるかもしれないと考えたのです。
確かに白鳥も変わり始めており、マイカの連れて帰ってからの安否を気にしだしたりしています。
そこで思い立ったのが、かつて一つだけ白鳥が立てた大手柄。
今は大尉になっている北島と言う男をロシア軍の追っ手から助け出した、というその手柄をかさに、脱出後マイカと自分が一緒に暮らせるように頼んでみると言う案を思いついたのです。
こうなればあとはこの場を脱出するだけ。
傷もほとんど癒え、白鳥は実行のチャンスを淡々と待つのでした。

狂四郎たちが新たな国家からの逃亡者を保護してまもなく。
マイカと心を通わせていく白鳥を見て、狂四郎は間違いなく白鳥は改心するだろうと確信しながら説得に向かいました。
白鳥はと言うと、息を潜めて狂四郎を待ち構えています。
入ってきた瞬間、狂四郎の目に指を突きたてようとしていたのですが、やはり根は優しい白鳥、直前で思いとどまって顎への掌底を打ち込みました!
画像

それではやはり決定的なダメージを与えられず、狂四郎にあっさりと叩きのめされてしまう白鳥。
狂四郎もこれがお前の選択か、と怒り心頭で、すぐさま冷徹な殺人モードに入ってしまいます。
息も絶え絶えになってしまう白鳥ですが、その時騒ぎを聞きつけて様子を見に来た逃亡者を人質に捕らえ、首錠を外せと要求!
一気に逆転……とおもいきや、人質にした逃亡者が白鳥にこういったのです。
画像

「放せよできそこない」と!!
なんとこの逃亡者、白鳥が衛生兵時代にさんざん罵倒の言葉を投げかけていたかつての上司だったのです!
その上司に人が殺せないできそこないだと声高に暴露され、隠したかった秘密を白日の下に去らされて完全に心が折れてしまう白鳥。
さらに結局改心できなかった白鳥にゲリラの面々は見切りをつけて、その首錠はダミーで爆発などしないからさっさと出て行けと指示。
勿論マイカを連れて行かせるはずもなく、白鳥は全てを失ってしまうかたちになりました。
自分が人を殺せないできそこないだと言う事実を狂四郎だけには知られたくなかったともらし、力なく味とを後にする白鳥……
見送ることしかできなかった狂四郎ですが、先ほどの戦闘のもみ合いで奪う取ってしまっていた彼のネックレスに入れられていた写真を見てハッとします。
中に入っていた野は白鳥と狂四郎の写真。
白鳥は常に肌身離さず狂四郎の写真を持ち歩いていたのです。
なんだかんだと口では言っていても、胸のうちでは白鳥も狂四郎もともに施設で支えあっていた家族である。
そのことを再確認させられた狂四郎は、マイカを自由にさせてやってくれとゲリラに懇願。
白鳥はこのままではM型遺伝子異常者として疎まれるだけ。
マイカと幸せに暮らすには、白鳥が人を殺せるようになって守りながら隠れ暮らすしかない、そのためには一緒にいさせてやるしかないんだと力説しました。
狂四郎の主張と、自分達も直面してきた生きていくためには殺人も仕方がないと言う現実を受け入れ、マイカを自由にしてやることを受け入れたゲリラ達。
自由にされるなり白鳥の元へ一心不乱に駆け出すマイカを見て、そしてそれを見守ってやろうとあとを追う狂四郎を見て、ゲリラ達もまた人の絆の強さと言うものを思い知らされるのでした。

マイカとともに無人の廃屋に身を寄せ、様々なことに思いをめぐらす白鳥。
その場所に大勢の兵士が現れ、白鳥に今までの報告をするように迫ってきました。
怯えながら報告しつつ、北島に連絡してくれと言う白鳥ですが、兵士達はまったく聞く耳を持たずに白鳥を殴りつけて聞いたことだけを応えるように指示します。
ところがそんな白鳥を。マイカが身を挺してかばうではないですか!
愛玩生物である人間をかばうなんて珍しい、と言いながらにじり寄る兵士達。
画像

そんな兵士達にマイカは敵意をむき出しにして噛み付きました!
勿論そんな事を兵士が許すはずもなく、思い切りマイカを殴り、踏みつけます。
身の程をわきまえずに人間に逆らうできそこないがと繰り返しながら踏みつけ続ける兵士。
やがてマイカへ連呼される「できそこない」の言葉が、自分に投げかけられ続けていた「できそこない」の言葉にリンクするかのように感じ始めた白鳥は、ついにその兵士の首筋に刃物をつきたてたのです!!
画像

俺たちは出来損ないなんかじゃねえと激怒する白鳥!
愛するものを守るため、とうとう人に刃を向けられるようになったのですが、それはすなわち正式な国家反逆病患者とみなされてしまうと言うことでもありました。
大挙して押し寄せてくる兵士達と戦わなければならなくなってしまった白鳥。
果たして彼はこの窮地を脱することが出来るのでしょうか!?
そして望んでいたマイカとのマイカとの平和な暮らしを手に入れることができるのでしょうか!?
白鳥の始めての命のやり取りは、何十倍以上の戦力差がある絶望的な戦闘となるのです!!

と言うわけで、白鳥編が完結する本作。
前回の八木編とは違い、バトルの比重が少ないシリーズとなっています。
主役自体もどちらかと言えば白鳥となっており、彼の葛藤を中心にヘビーな物語が紡がれるのです。
国家によって運命を捻じ曲げられ、袂を分かつことになってしまった親友のそれぞれ分かれた道がやがて交じり合うストーリーはよみごたえあるエピソードに!
2人とも国家に反旗を翻すきっかけが女性とのつながりだと言うところもさすが親友ですな!
そしてこのあと始まるのはある人物を強制労働農場から救い出すと言うシリーズ。
それはまだ年若い少女なのですが、救い出すためには女性の働く農場に潜入しなければなりません。
潜入すること自体は狂四郎にとって対して難しいことではないのですが、そこであろうことか1人の女性に強く惹かれてしまうのです!
ユリカに操を立てている狂四郎ですが、その女性のためについ暴走してしまい……
こちらのシリーズも先が楽しみでしょうがない展開となっています!!

親友との絆を再確認する、「狂四郎2030」文庫版第5・6巻は好評発売中です!
今回もやはりエロス抜きには成立しない真面目な話を描いている本作。
ギャグも積極的に織り込まれ、まさに徳弘先生にしか作れないストーリーとなっています!
バトルとエロスと下ネタ、そしてそれ以上に読ませるストーリーが両立した本作を読まずにいるのはもったいないです!是非ともお手にとって読んでみてください!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


狂四郎2030 5 (集英社文庫―コミック版)
集英社
2011-01-18
徳弘 正也

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 狂四郎2030 5 (集英社文庫―コミック版) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



狂四郎2030 6 (集英社文庫―コミック版)
集英社
2011-01-18
徳弘 正也

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 狂四郎2030 6 (集英社文庫―コミック版) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル