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本日紹介いたしますのはこちら、「惑星のさみだれ」第10巻です。
少年画報社さんのYKコミックスより刊行、ヤングキングアワーズにて連載されています。

作者は水上悟志先生。
今までの紹介は「水上悟志」のテーマでまとめさせておりますので、よろしければご覧くださいませ。

第9巻でついに迎えた最終決戦。
12体目の泥人形を砕き、ビスケットハンマーを砕いた獣の騎士団は全員の力を集結させ、とうとうアニムスの胸へ槍を突き立てることに成功したのでした。

何度も何度も戦い続けてきた宿敵にして、最愛の兄でも会ったアニムスをその手にかけたアニマ。
早く止めてあげられなくてごめんと泣き崩れます。
ですがこの場はアニムスの作った浮き島。
彼の死んだ今、この場所が崩れるのではないかと心配した南雲は静寂を破りアニマに声をかけるのでした。
アニマは今この星を支えているのはさみだれだと答え、そしてここから先は自分達ではなく「彼女の物語」だと言い出します。
一部を除き意味がわからない面々ですが、すぐさまその答えは当人の口から明かされました。
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「今からあたしが地球をぶっ壊します」。
さみだれが突然放ったその言葉にぽかんとする一同ですが、さみだれや雨宮、そしてアニマの口から出された「本気だ」と言う言葉以上に本気であることを思い知らされる光景を見せ付けられてしまいます。
ビスケットハンマーを打ち砕いた、巨大さみだれ像がゆっくりと動き、その拳の向ける先をこの地球のほうへと向ける、という!

真っ先に飛び掛ったのは南雲と白堂。
ですがさみだれに到達する前に雨宮が立ちはだかります。
得意の体術で二人を捌き、その隙にもっともさみだれに対抗できる可能性を持っている風巻をの首をキュッと絞めて無効化。
改めてさみだれを止めたい人は自分が相手すると宣言するのでした。

改めても最初の相手は南雲と白堂です。
幻獣の三騎士である2人の戦闘能力はいうまでもなく非常に高いのですが、雨宮はそれをあっさりと退けてしまうではないですか!
強力すぎる攻撃力を持つ二人は対人間戦をするには手加減を考えつつ戦わねばならず、それが集中力を欠けさせ、対人戦を想定した訓練をつんできた雨宮の付け入る隙となっていたのです。
雨宮の持つ能力、相手の動きを鈍らせ自分の動きを早くする「天の庭(バビロン)」は実に厄介で、宙野を加えて3人で同時に戦いを挑んでもかないません。
ついに雨宮は3人のスタミナ切れまで攻撃を捌ききり、さみだれの障害を排除してしまったのでした!

ですがさみだれの障害はもうひとつだけ存在していました。
それは雨宮自身。
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雨宮はさみだれが好きだからこそ、彼女の暴走を止めるのは自分でありたい……そんな考えから他の騎士を無効化するための訓練をつんでいたのです!

そしてさみだれもまた雨宮がそういうであろう事を知っていました。
正真正銘、地球を賭けた最後の戦いは幕を開けます……

今まで雨宮と、騎士団の皆と付き合ってきた1年間。
それを思い起こしていくと、さみだれの胸には自然と何か熱いものが湧き上がってきてしまいます。
どんどんとかっこよくなっていく雨宮、どんどんと増えていく友人達。
失うものはあっても、かけがえのないものは増えるばかりでした。
ですが己を蝕む病魔は、さみだれをその充実した日々から無残にも引き戻すのです。
全員が見ているのは戦いが終わった輝かしい未来。
でも戦いが終われば自分を生かしていた力も失われ、自分だけはその未来へ行くことができない。
自分がいないところで皆だけは幸せになる……
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その非情な現実をいやと言うほど解っていたはずなのに、今更それを思い知らされたさみだれはその頬に涙を伝わせるのでした。
もはや自分自身すら止められない、力と想いを乗せた拳。
ですがそれを
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雨宮が受け止めました!
しかしあまりにも強力すぎるその拳に吹っ飛ばされてしまう雨宮。
宙を舞うその最中、雨宮はより強い力を求め……
運命は応えるのです。
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3人しかいないはずの幻獣の力を、ノイに与えるという形で!

地球を壊しても壊さなくても無になってしまうさみだれ。
もはや彼女自身では止められない暴走を止められるのは雨宮ただ1人!
幻獣の力を得てもまだなおはるか遠くにあるさみだれの力。
雨宮は騎士団の願いを一身に受け、必死に手を差し伸べるのですが……
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その手はさみだれの心に届くのか!?
地球を賭けた長くて短い愛の物語はフィナーレを迎えます!!

と言うわけで、今巻をもって完結となる本作。
本作の最大のキモともいえる、ラスボス撃破後のリアルラストバトルが繰り広げられます。
その最後の戦いはまさに本作が積み上げてきたいままでのエピソードの集大成とも言える、熱く胸打つ展開となっています!
その中身はバトル描写もあるものの、さみだれの想いが切々と語られる心理描写こそが目玉。
幸せであればあるこそ悩み苦しんできた、切ない思いが最後の最後にあふれ出すシーンは感動必至です!
そして今巻の後半は決戦後の後日談に。
気になるあの人とあの人の結末や、必然的にやってくるお別れなど、かゆいところに手の届く内容になっております!
更に最終話では、キャラクターのその後がきっちりとわかる物語となっていまして、「あの後あのキャラはどうなったの?」という疑問をすっきりと晴らしてくれるのです!

惑星を砕く物語が終わりをつげ、それぞれの物語を紡ぎ始める「惑星のさみだれ」最終第10巻は好評発売中です!
全10巻で引き伸ばし無く、スピーディーなまま完結となった本作。
読みやすい長さの中で、熱血あり涙あり笑いありの様々なドラマとバトルを見せてくれる素敵な内容になっております!
未読の方もイチから手を出しやすい長さですので、完結したのを機に読んでみてはいかがでしょうか!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


惑星のさみだれ 10 (ヤングキングコミックス)
少年画報社
2010-11-30
水上 悟志

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