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本日紹介いたしますのはこちら、「バクマン。」第10巻です。
集英社さんのジャンプ・コミックスより刊行、週刊少年ジャンプにて連載されています。

作者は小畑健、大場つぐみ両先生。
本作は「バクマン。」のテーマにて紹介をまとめておりますので、そちらもあわせてご覧くださいませ。

さて、念願の連載にこぎつけたサイコーたち。
その作品「走れ大発タント」あまり気は進まないギャグ漫画というジャンルながら、大人気とは行かないまでもなかなか得がたい「子供人気」を獲得します。
ですが打ち切りは無い、と言うレベルでうろうろしている「タント」ではサイコーたちの目的であるアニメ化はおろか、エイジの背中が見えるところにすら到達できません。
そこでサイコーたちは意を決し、連載終了後半年以内にエイジの作品に匹敵する面白さを持つ漫画を突きつけることが出来なければジャンプを去る、というとんでもない条件で「タント」の連載を自主的に終了させたのでした!

「タント」の終了が決まったと言うことで、チャッチャとまとめ上げ、すぐさま次回作の構想を練り始めます。
当の本人は知らないものの、実は担当の港浦は密かにサイコーたちの前担当の服部と協力し、よりよい作品を作るためのタッグを組んでいました。
そんな担当タッグが最初にサイコーたちに提案したのは、サイコーたちの漫画力を周囲に知らしめた「この世は金と知恵」にもう一要素、見た目の売買も可能ということにした「この世は金と知恵と見ため」。
その提案を聞いたシュージンは、その設定がつぼに入ったようで、水を得た魚のようにガンガンとペンを走らせてい始めます!!
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もりもりとネームは上がり、あっという間に3話分が完成。
編集部での評判も上々で、あっさりと連載会議への持込が決まりました。
ですがその連載会議には引きこもり漫画家志望者の静河の作品も提出されることに。
彼の作品、「True human」は作風がどことなく「この世は~」と被るところがある作品で、たとえ両方が面白くても同時に連載開始はありえない実質のライバル作品といえます。
ですが港浦&服部の見立てでは画力構成ストーリー全体がわずかに「この世が~」が上回っていると感じており、サイコーたちもかなりの手ごたえを得ており、おそらくこれでいけるだろう!と確信するのでした。
……服部以外は。

その時服部が言っていた「連載を決めるのは俺たちではない」と言う言葉通り、遺骸にも連載が決まったのは「True human」のほう!
まさかの敗北に驚きを隠せない港浦ですが、服部はこれでいいと発言。
そして港浦もそれに習い、サイコーたちに落選したがこれでいいと伝えました。
港浦とシュージンにはその真意がいまひとつ把握できなかったのですが、サイコーは「まだエイジに勝てないから」という落選の理由に納得し、目先の連載に囚われない判断に港浦(実際は服部の判断ですが)の成長を感じ取るのでした。
そんな編集タッグから次に命ぜられたのは、なんと「この世は~」の路線とはがらりと違う、「王道」で行け、というもの。
しかも出来るだけシンプルな設定で、ギャグ要素も盛り込んでという注文つきで!
話を聞いたサイコーたち、今度は大反対。
自分達には向いていないと反発するものの、港浦はだからこそ、「本気でやっていない」からこそやってみるんだと熱弁をふるいます。
何の考えもなくやらせるはずも無い、ここは港浦を信じて全力で製作に打ち込むサイコーたち。
いまひとつ手ごたえはつかめないものの、
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漫画に詳しくない層にはわかりやすくていいといった反応もあったりと思ったよりはいけそうな作品に仕上がったのでした。

ですが結果は連載会議に提出するレベルにすらいたっていないと言うものに。
それもよく出来ているものの、サイコーたち「らしさ」が無いということだそうで。
運命のときまで半年、連載会議3回はしかないわけで、ほとんど足踏みのような結果を残すこととなった今回の指示にはやはり納得できません。
港浦を信じても大丈夫なのだろうか……などと考えていると、仕事場にその港浦がやってきます。
服部を連れて!
服部の協力があったからこそ港浦のアドバイス方針が一変したのかとこちらには納得するサイコーたち。
そして港浦は次に提出する作品には今まで培ってきたものを全て詰め込んだ集大成にして、今度こそエイジに勝つんだと檄を飛ばしてきました。
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いままでの2作を描かせたのは、シュージンがどうしても設定をこり過ぎてしまってわかりにくくなっていることを知らせるためと、「笑い」の要素を入れることによるパワーアップを目指すためだったのです。
ここで言う笑いとは「タント」などのストレートなギャグではなく、真剣にチープなことをすることによるギャップなどで生まれる「シリアスな笑い」。
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シュージンの緻密なシナリオと、サイコーのリアル調の絵はその「シリアス笑い」には間違いなくマッチし、そうすればエイジにも対抗できる!
サイコーたちもその考えにはビビッと来るものがあり、メラメラとやる気を燃やし始めました!
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どうすれば自然に「シリアスな笑い」を内包した、複雑すぎずに「らしい」作品になるのか……
まだまだその片鱗すら見えていませんが、成功すればヒット作が生まれる予感はビンビンと感じさせます!
サイコーとシュージンはまだ見ぬ答えにたどり着くことが出来るのか?
その作品はエイジに対抗できる作品に仕上がるのでしょうか?
土壇場で見えた力強い光明へ向かい、サイコーたちは走り始めるのです!

と言うわけで、亜城木夢叶の完成形が見えてきた今巻。
作品が完成したとしても、エイジに勝てる作品になっているとみなされなければおそらく連載にはならないでしょう。
そして連載にならなければジャンプを去らなければならないわけで……
仮に失敗しても別の出版社に移ってでも漫画を続けようと意思を確認しあうサイコーとシュージンですが、連載誌がジャンプである以上そうなれば完結せざるを得ません!
ライバル達の動向も気になるところですが、何より今回の注目点は最後のチャンスとなる連載会議の行方。
意外な結末を迎えるその連載会議、要注目です!!

ジャンプ人生をかけた半年間の激闘が描かれる、「バクマン。」第10巻は好評発売中です!
アニメの放映も始まり、一層注目を集めている本作。
第10巻とキリもいいところですし、未読の方は読み始めてみるのもよろしいのではないでしょうか!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


バクマン。 10 (ジャンプコミックス)
集英社
2010-10-04
小畑 健

ユーザレビュー:
文字多いな…文字が多 ...
超ヒーロー伝説を主題 ...
……本当におもしろい ...
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