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本日紹介いたしますのはこちら、「イビツ」第2巻です。
スクウェア・エニックスさんのヤングガンガンコミックスより刊行されました。

作者は了春刀先生。
本作第1巻の紹介は10年8月22日の記事にて記載しております。
そちらも宜しければご参照くださいませ。

町を騒がす都市伝説、「怪奇ロリータ」の標的にされてしまった和樹。
自分は和樹の妹だと言い張りながら異常な行動を起こすロリータですが、その狂気はとうとう和樹の本当の妹であるヒカリにまで及んでしまい……

ヒカリがロリータに襲われていたことを知らない和樹は、自分の部屋に友人を招いていました。
鍵は取り替えてひとまず勝手に入られる危険はなくなったものの1人でいるのは恐ろしすぎますし、その友人は非常に協力的で、ネットで怪奇ロリータの事をいろいろ調べてくれる眼鏡のナイスガイ。
よくある(?)都市伝説まとめサイト的なところを発見し、怪奇ロリータの体験談を開く友人。
するとそこにはいくつかの体験談というか聞いた話のようなものが書き込まれており、そのどれもが被害者は「妹、いる?」という問いに「いない」と答え、最終的には自殺と言う形で死んでいると言うものでした。
ところが和樹のように「いる」と答えたものの話は載っていません。
じゃあ一体どうなるんだと怯えていると、突然部屋が真っ暗に!
停電かと思っていると、今度はインターホンの音が。
そっと覗き窓から外を見ると……やっぱりロリータです!
ロリータはドアノブをガチャガチャやり始め、やがてそれを止めたかと思うと「どうして勝手に鍵を変えたの」などと言い出します。
友人もいることで少しばかり強気になれたのか、バットを構えつつどあに近づいていく和樹。
ですがその瞬間、家の電話と携帯電話が同時になり始めます!
しかも表示された着信相手の名前欄には「通知不可能」の文字が……!
あまりの異常事態に耐え切れない和樹、反撃してやろうとドアに走り寄ろうとするのですが、イケメン友人がそれを阻止。
ネットに載っていた被害者が全員死んでいると言うのが本当でならばきっと本当は自殺などではなくころされている、そしてこのロリータが本物の怪奇ロリータなら危なすぎると!
一向にドアを開けない和樹にロリータは怒り心頭!
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ドアは叩きまくるわドアノブはガチャガチャやるわ電話は鳴らしまくるわ、手が何本あんだよと突っ込みたくなるほど壮絶に暴れまわります。
耐え忍ぶ2人ですが、程なくして音はぴたりとやみました。
帰った……?と思った瞬間、なんかうめき声とともにびじゃびじゃと何か液体が大量に滴り落ちるような音が!!
そしてドア越しに、あんまり意地悪されるとわけがわからなくなってしまう時がある、そうなるといつも私の前からおにいちゃんが消えている……だからもう意地悪しないで。
そういい残しようやく本当にロリータは帰って行ったのでした。

恐る恐る外に出ると、そこに残されていたのはなにやら異臭を放つどす黒い液体。
それに加えて今までのショッキングな出来事に、2人は会話も出来ません。
しかしその静寂を破り、友人はひとつの情報を発見したと声をかけてきました。
とある市のつぶれた精神病院にロリータが入っていったのを見た、というネットの書き込みです。
正直あてになるか怪しい情報ですが、藁にもすがりたい2人はその精神病院へ何らかの手がかりを見つけに出かけるのでした。

お調子者の友人を加え、3人で件の精神病院にやってきた和樹。
お調子者の彼はいざと言うときに証拠になるかも、とビデオカメラで撮影しながらの探索となりました。
捜索を始めてしばらくの間は、不気味な絵が見付かったくらいで特に何もありません。
そこで探索中の雑談の話題として出てきたのがこの病院で「数年前に医師がおかしくなり、病院内の人間を次々惨殺した」という噂です。
真偽など3人にわかるはずもありませんが、和樹を震え上がらせるには十分。
思わず体を硬くする和樹ですが、お調子者の友人の何かを見つけたと言う声に動かされます。
彼が見つけたのはなんか大きな袋。
死体袋か?などと言う友人ですが、精神病院にあるの……?と言う疑問は置いておいて、中に何かが入ってる感じに膨らんでいます。
しかも
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なんか動いたような気が……
恐る恐る友人が近づいていくと、ばったんばったんと元気よく動き始めました!!
やがてノそれが載っていた台から転げ落ちたかと思うと、袋の隙間から
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じっとこちらを見つめる目が……!!
慌ててそこを逃げ出す3人ですが、気が付くと眼鏡の友人の姿がありません。
お調子者の友人を呼び止めて探しに戻る和樹ですが、そのとき
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彼も何者かに連れ去られてしまっていたことに気が付かないのでした……

1人きりになってしまったことに気づいた和樹。
心細さやロリータへの恐怖で次々と幻を見てしまい、逃げ惑います。
溜まらず逃げ込んだ病室で、今のは幻だと必死に心を落ち着ける和樹ですが、今度はその病室の壁に異常があることも見つけてしまいました。
壁にびっしりと敷き詰めるように書かれた
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「お兄ちゃん」の文字……!
ですがこの部屋ではもうひとつ、重要なものが見付かったのです。
それはとある医師らしき人物の手記。
そのノートには、ロリータ服に身を包み、兄に長期にわたって虐待を受けた挙句、その兄が起こしたおっ火山札事件の唯一の生き残りの少女の診察記録のようなものが書いてありました。
それは、彼女は兄から妹なんていらないといわれ続け、ロリータ服を着ることを強要されながら毎日のようにしつけと称した虐待をうけていたようで、すっかりトラウマが刻み込まれていたという内容です。
そして彼女を救うために自分が兄になると決心したその医師ですが、兄に対する異常な恐れと執着心は強くなるばかり。
彼女を救うには、彼女の望みを叶えてやらなければならないのかもしれない……そんな記述を和樹が読んでいたそのとき、やってきました。
ロリータの正体を掴んだ和樹は説得をしようとするのですが、やっぱり無理。
ロリータは噛み付いたり注射器を刺してきたり首絞めてきたりとヤル気満々です!
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このまま和樹は殺されてしまうのでしょうか!?
姿を消してしまった友人達やヒカリの消息は!?
物語はこの後意外な展開を迎え、そして絶望のクライマックスへと進んでいくのです!!

というわけで、今巻も縦横無尽に暴れまわるロリータが描かれています。
その狂気はとどまるところ知らずで、第1巻に輪をかけたキモ恐ろしさを発揮しているのです!
そしてその今作の柱であるキモ恐ろしさともうひとつの注目点、怪奇ロリータの謎解き。
紹介のほうでもそのさわりは触れましたが、実はこの後更なる意外な本当の正体が明らかになっていきまして……
怪奇ロリータさんマジパネェっす!と恐れ入ってしまうことでしょう!
結末もそれはもう絶望的で、最初から最後まで徹底して恐怖を味わわせてくれますよ!!
また、巻末に収録されているイビツ異聞録と題した外伝的な読み切りもなかなかステキなイヤさです!
完全に本編とは関係なく、「編集奇譚」というタイトルが現すように漫画家とその前に現れた異様な風体と行動の編集者の間に起こる奇妙な事件を描いた作品となっています。
本編とは関係ないとはいえ、こちらに登場する編集者も怪奇ロリータに負けない異常振りを見せ付けてくれ、やっぱり相当なキモ恐ろしさを楽しめちゃいます!!

怪奇ロリータ縦横無尽、「イビツ」最終第2巻は好評発売中です!
おぞましさ、恐ろしさ、気味悪さ、どれもを兼ね備えたある意味理想の妹がわがままを押し付けてくる本作。
妹萌えの方も、ヤンデレ萌えの方もお断りしたくなるような酷さを心行くまで味わいませんか?
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


イビツ(2)(完) (ヤングガンガンコミックス)
スクウェア・エニックス
2010-09-25
了 春刀

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