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本日紹介いたしますのはこちら、「ワルタハンガ ~夜刀神島蛇神伝~」第3巻です。
秋田書店さんのプレイコミック・シリーズより刊行されています。

作者は藤澤勇希先生。
本作の紹介などは「藤澤勇希」のテーマにてまとめておりますので、宜しければそちらもご覧くださいませ。


さて、いよいよ本格的に実態が明らかになってきた夜刀神島。
続々と犠牲者が出てしまうツチノコツアー一行ですが、まだまだUMAたちの襲撃はやむことがありません……!

謎の巨大生物、群生する黒いツチノコ(仮)、木の枝に擬態していた怪生物……
数々のUMAから逃れ、とりあえず海辺を目指す八尋と笠原。
なんとかもう一度あの巨大生物に会いたい(あと全財産をつぎ込んだUMA探索用グッズを取り戻したい)笠原の戻ろうというお願いを却下し続け、八尋はひたすら進み続けます。
そのとき、いきなり目の前の茂みにがさがさと動く何かが登場!
身構える二人ですが、それは森の中で孤立してしまっていた火一と郁実の子供2人でした。
合流し、キャンプに戻ることになる4人。
この島の中で一番弱い存在である人間は、もはや群れることしか身を守る手段はない。
八尋はそう分析し、残りの7日間をみんなで立てこもって凌ごうという方向で4人をまとめ上げます。
ですがその安全を保つはずの場所であるキャンプのほうにも危険が迫っていたのでした……

ツチノコ(仮)の毒にやられ、動けなくなった老人を看病していたおっさん2人。
特にやることもないわけで、危険な場所にいるにもかかわらずついついうとうとしてしまいました。
目を覚ますと、毒にやられていたうえ、暴れたりしないように手足を縛られて寝袋に入れられていた老人が姿を消しています。
よく調べてみると、寝袋の下に敷いていたシートに血痕が残っています。
眠っていたとはいえ、2人の人間が気づかないうちに大の大人1人を連れ去ってしまう……ということから考え、ツチノコ(仮)の仕業ではない様子。
ほんの少し離れている場所にいた他の人も気づいていないわけで、ものすごく静かに連れ去ってしまったと思われるわけで、ひょっとしたらその存在はそのまま静かに周囲に潜んでいるのかも。
そんな考えをつい口に出してしまったときのこと。
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やっぱりいました、新UMA。
草むらに擬態していたそれは、強力な毒か何かによって対象に騒がせることすら許さず捕獲。
そのままそっと餌食にしてしまうのでした!

その段階でようやく気が付いた他のメンバー、動く草むらから見え隠れする犠牲者の腕に恐怖し、UMAを近寄らせないために焚き火を炊くことにしました。
野生動物ならば火を恐れるはずですし、擬態する生物ということは運動能力はたいした事はないはず。
そう考え、下手に動き回らなければ大丈夫だと結論付ける一同ですが、そのとき子供たちが眠っているテントにUMAが群がっているのに気づきました。
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割と善人ばかり生き残っていたメンバーの中で特に優しい郁実の母、聡美が助けに行こうとするのですが、それは死にに行くようなものだと静止。
見捨てるようですが、テントというのは意外に丈夫に出来ているもので、子供たちがテントにいる限りはとりあえず安全なはずだと説得しました。
ところが、UMAたちの蠢きで目を覚ました子供たちが冷静でいられるはずがありません。
騒ぎ出し、あわててテントから逃げ出そうとしてしまうのです!
外から大人達が声を張り上げ、とりあえず外に出さないことには成功。
ですが静かになったと見るや、先ほどのUMAが擬態することなど知らない子供達は外へ出てしまいます。
当然また襲い掛かってくるUMA!
今度こそ絶体絶命という場面で、今までナンパくらいしかしていなかった火一の父、榊がダッシュ!
子供達を引っ張り、何とか窮地から助け出したのでした!!
突然のヒーロー的行動に、榊への単なるナンパ野郎という評価が一変し、喝采を送る一同。
ですが、榊はこのままだったら聡美が助けに行っていた、自分がキャンプに残ったのは聡美を助けるためだ……と、結局ナンパ目的だったことを惜しげもなく告白。
あきれ返る一同ですが、揃って助かったことに胸をなでおろすのでした。

ところがそのとき、何も知らない八尋たち4人が山から下りてきます。
草むらに入らないよう声を張り上げるキャンプ組ですが、距離が遠い上風が強く、まったく声が届かない様子。
ずんずんと近寄ってくる4人。
それを止めるべく榊が取った行動は
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自分の身を省みず、草むらの中に飛び込んで危険を伝えることだったのです!!

またも犠牲を出してしまったものの、影山たちとも合流して13人の生き残りがなんとか集合。
ここへ来て影山が、実は衛星電話を持っていて助けを呼べることを明かしました。
とはいえ、連絡がついても本土からこの島に来るには20時間ほどかかり、怪我人達を助けるには間に合わなかったそうです。
20時間以上かかるとはいえ、ともかく一刻も早く助けを呼ぼうということで意見を固める一同。
ですがその衛星電話、草むらの只中にあるテントの中にあるというのです!
もちろん草むらには先ほどのUMAが手ぐすねを引いて待っているわけで……
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果たして一同は衛星電話を手にすることが出来るのでしょうか!?
そして助けを呼べたところで、まだ20時間以上あるこの島での生活……
どれだけの人数が生き残れるのでしょうか!?
まだまだ遅い来るUMA、降りかかる想定外のケース、巻き起こる意外な事件。
物語は急展開!
衝撃の結末を迎えます!!

というわけで完結を迎える本作。
襲い来るUMAの脅威はとどまることなく、次々と犠牲者を増やしていきます。
そんなUMAの恐ろしさを描いている本作ですが、ラストは意外な方向へ物語は転がり、そう来たか!と読者を驚かす展開に。
恐怖から驚きと違った種類のどきどきがたのしめます!
そしてさすが藤澤先生といえる、パニックものらしい後引くラストも秀逸!
これぞパニックホラー、といえる物語としてまとまっているのです!!

藤沢先生らしさ爆発、孤島パニックホラー「ワルタハンガ ~夜刀神島蛇神伝~」最終第3巻は全国書店にて発売中です!
キモイ生物、欲望まみれのおっさん、クソわがままなお子様方など、いやなもの満載な本作。
そんないやな物が大活躍する様が心行くまで堪能できるステキ作品となっています!
更にあとがきで登場する女性キャラが巨乳ぞろいな理由もあかされ、見所満天となっていますよ!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


ワルタハンガ夜刀神島蛇神伝 3 (プレイコミックシリーズ)
秋田書店
2010-09-17
藤澤 勇希

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