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本日紹介いたしますのはこちら、「マコトの王者」第2巻です。
小学館さんのゲッサン少年サンデーコミックスより刊行、ゲッサンにて連載されています。

作者は福井あしび先生。
本作第1巻の紹介等は10年1月17日の記事にて記載しておりますので、そちらも宜しければご参照くださいませ。

さて、激しいタイトルマッチを終えたとき、お互いの精神が入れ替わってしまった天道と大地。
若々しい大地の体に入ってしまった大ベテランの天道は技術、経験に健康な体を手に入れ、よりパワーアップしました。
ですが怪我だらけの体に未熟な技術と、まったく逆の立場となった大地はかなりの戦力ダウン。
しかし大地はまったくへこたれず、この体でもう一度天道と戦って勝ち、マコトの王者となるために立ち上がるのでした!

大地は入れ替わりによって離れ離れになってしまっている妹達の様子を見に家へとこっそり帰ります。
すると妹の一人、トモネがいじめられているところに遭遇してしまいました。
正体を隠しつつこっそり姿を見るだけのはずが、そんな姿を見てしまっては直情型の大地が我慢できるはずもなく……
いじめている子供を脅し、追っ払ってしまうのでした。
突然現れて救ってくれた謎のおっさんにお礼を言うトモネ。
その姿を見て思わず大地は抱きついてしまいます。
流石に嫌がるトモネですが、そんな事態から彼女を救ったのは天道でした。
とりあえず公園へ移動し、お互いの状況を簡単に知らせあう二人。
大地が天道の家族の件を切り出すと、どうもそのことに関しては触れられたくないらしく、天道は一人帰っていってしまいました。
残されたトモネに飯でもおごってやろうかと持ちかける大地。
トモネは兄と親しげに話すこのおっさんにいくらか気を許し始めていたのですが、その食事の誘いはきっぱりと断ります。
それはおっさんがボクサーだから。
兄とまた戦うかもしれない男に気を許すことはできないというわけなのです。
それでも去り際になんだか話しやすかったからいろいろ行ってしまったが気を悪くするな、とフォローを入れるトモネ。
更におっさんをずっと昔から知っていた気がする……そういって帰宅していきました。
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そんなトモネの言葉に涙を込みあがらせる大地。
天を仰ぎ、強くなって妹の元へ帰ることを誓うのでした。

天道のほうはというと、一番上の妹である琴音の進路を極める三者面談に参加しました。
琴音は貧しい家庭の状況を考え、中学を卒業したら働くという進路を希望しています。
天道はというと、琴音がそうしたいならそうするといい、となんだか投げやりな感じ。
ですがその言葉には続きがあり、何かを一人で背負い込んだりして自分の人生を犠牲にすることだけは許さないと付け足したのです。
それを聞いた琴音は兄が血まみれになって自分達を養ってくれているというのに、自分がのんきに高校になどいけるはずがない、という心境を明かします。
それを聞いた天道は、この拳は進学を許さない軽い拳ではない、兄が望むものは生活費ではなく妹の幸せだということは琴音もわかっているはずだと返しました。
その上で天道は、琴音はどうしたいのかと聞きます。
すると琴音は
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涙とともに友達と一緒に高校へ行きたい、と漏らすのでした。

そんな大地の妹をめぐる出来事を終えた後、両者は試合をすることになります。
天道は2度目の防衛戦となりますが、相手にほとんど何もさせず圧勝したのです!
そんな天道の元へ新たな試合のオファーが舞い込んで来ました。
その相手はなんと5階級王者であり、パウンド・フォー・パウンドの呼び声高い超一流ボクサー、フロイド・ジョーンズ!
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今はミドル級であるジョーンズがなぜウェルター級の大地(IN天道)に勝負を挑んだかというと、大地が彼の39戦という戦歴の中唯一勝ち星がつかず引き分けに終わった相手、天道を倒したボクサーだからです!
しかも相手は大金をちらつかせ、ジョーンズの階級であるミドル級でのマッチメイクを要求。
実力は折り紙つきで、2階級も上の相手と戦うのは流石に危険かと考える天道ですが、そのときテレビで中継していた天道(IN大地)の試合を見て決意を固めます。
絶望的な状況でも必死で戦っているものがいるのに、俺が逃げてどうする、と!!

そしてその天道(IN大地)が戦っていた相手というのがまた少し問題のある相手でした。
それは卑怯だとか強すぎるだとか言うことではなく、その逆。
所属ジムの会長の方針により、体がボロボロの天道には実力者は当てず、弱い相手を当てて天道の人気を利用したエンターテイメント要素の強い試合をさせていくことになったのです!
そんな事情は知らず、普通に試合に挑む大地。
ですが大地本来の体だった頃の突っ込むボクシングではボロボロの天道の体がついていかず、まったくいいところがなく終わってしまうのです。
完敗だと落ち込んだ大地ですが、
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それに反して判定はフルマークで天道(IN大地)の勝利と表示されるではないですか!
明らかなホームタウンデシジョンに怒りを爆発させた大地、その勢いでなんと所属ジムを離脱!!
一人で出直す決意をするのです!
ですが結果として大地は一人で出直すことにはなりませんでした。
ずっと天道のセコンドやトレーナーを務めていた町村。
彼が入れ替わった試合後の両者の試合運びの変化をみてようやく本当に二人が入れ替わっていたことを確信。
姿を現した大地(IN天道)の言葉にも導かれ、彼もジムを辞めて天道(IN大地)と出直すことにしたのです!!

絶対的な強者に挑むことになった天道、今までの全てを壊し一から体も技術も磨きなおすことになった大地。
二人はスタート地点も現在地もまったく違うものの、マコトの王者という同じものを目指して新たな一歩を踏み出すのです!!

というわけで、本格的に始まった二人の新しいボクサー人生。
手探りにならざるを得なかった第1巻に比べ、第2巻では両者まったく違ったストーリーが展開します。
かたや着々と実績を積み、相手のよからぬ思惑はあれど世界最強の相手に勝負を挑むまでになった天道。
かたや客寄せ用の格下相手に完敗を喫するまでに弱体化してしまい、地味なトレーニングにいそしむことになった大地。
完全に対照的となった両者ですが、慢心したり落ち込んだりする様子はなく、ひたむきにボクシング道に打ち込む姿が描かれる気持ちいいストーリー展開となっているのです。
ストイックで冷静な天道側、熱血で後先考えない大地側と、両者違った面白さを楽しめる本作ですが、お互いの家族が話に絡んだり、その家族や関係者の存在によって二人の考え方が変わっていくなど、同時展開ならではの面白さも内包。
実に読み応えある作品といえるのではないでしょうか!!

天国と地獄、両方から頂点を目指す「マコトの王者」第2巻は「赤」と「青」の2バージョン同時に発売中です!
2バージョン同時とかわけわかんね、とか思う方もいるかとは思いますが、要するに単行本2冊分のお話を主人公ごとに分けた形で刊行しているだけ。
普通に第3・4巻、みたいに刊行されるよりもむしろわかりやすい構成となっていますので、特殊な刊行形式で敬遠している方はご安心ください!!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


マコトの王者(赤) 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
小学館
2010-09-10
福井 あしび

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マコトの王者(青) 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
小学館
2010-09-10
福井 あしび

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