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本日紹介いたしますのはこちら、「刻刻」です。
講談社さんのモーニングKCより刊行、モーニング・ツーにて連載されています。

作者は堀尾省太先生。
堀尾先生と本作第1・2巻の紹介は09年9月13日の記事にて記載しております。
宜しければあわせてご参照くださいませ。

時の止まった世界で自由に行動できるという能力、止界術を受け継いできた佑河家。
その鍵である石を狙い謎の組織、真純実愛会の企みによって止まった世界の中で石の争奪戦を行うことになってしまいます。
この世界では、動いていない人間に危害を加えようとすると突然現れてそれを阻止する「神ノ離忍(カヌリニ)」と呼ばれる異形のものがおり、その存在もまた実愛会関係者の目的のひとつのようで……

姿を現すたびにその体を縮ませていったカヌリニ。
ついには倒れ、もろい砂のように崩れ去ってしまいました。
そしてその中から姿を現したのは
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ミイラか何かのように干からび、頭とわずかな内臓のみが姿を残した人間の姿。
事情を知らない実愛会に雇われただけの加藤と迫は驚くばかりですが、ただひとり間島はかなり詳しく実態を知っている様子。
彼女は子供の頃に止界に来たことがあるのですが、なんとそのときに自分の家族がカヌリニになったところを見たのだというではないですか!
その家族を解放することこそが間島の目的であり、そのために実愛会と協力をしているようなのです。
そして、佑河家の長女、樹里が止界で動ける鍵となる「霊回忍(タマワニ)」を強制的に追い出す能力を持っていることを知り、それを使えばひょっとすると助けられるかもしれないと考えていたのでした。

その話を聞いていた迫と加藤。
加藤は1回ヤらせてくれるなら、などと嘯きながらも間島への協力を約束しました。
迫は雇われている実愛会の佐河に何も言わずに動くのはどうかと戸惑います。
まぁそれは個人の自由だととして、長女を探そうかと腰を上げる加藤。
ですがその静寂を破り、突然その長女の樹里と祖父が現れたのです!!
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そしてあっという間に樹里が加藤を能力によって止界から追い出したかと思うと、そのまま再び姿を消しました!
祖父の持つ特殊能力、瞬間移動です!
二人は長男の翼と甥の真が間島たちの待ち構えている自宅へ帰ってくることを恐れ、なんとか脅威を排除しようと決死の突入を敢行したのでした!!

祖父の瞬間移動は5~10メートルの範囲しか飛べないことを知っている迫と間島は周りに遮蔽物のない広い場所を確保し、警戒を強めます。
そうなってしまえば樹里たちもおいそれと手は出せず、物陰から様子をうかがうことしかできません。
このままこう着状態になるかとも思われましたが、迫はこのままではやるかやられるかになってしまう、二人が逃げない意思を見せただけでも十分だろうと提案し、本拠地へと引き上げることにしたのでした。

その本部では佑河家の父親、貴文が外でボーっとしていました。
佐河に例の石を渡せば和解しようと提案され、それを受け入れて協力関係になった……という体裁をとっていました。
実際は佐河は弱気な貴文の性格を利用して祖父との交渉をやりやすいように利用しようと考えており、貴文は和解のことを実際は信じず、これから止界の力を管理するのは自分だなどと妄想をしていたのでした。
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佐河たちと合流した迫と間島。
間島がいままでの事情を話すと、なぜか佐河はカヌリニの崩壊に対し「意外に早かったな」とつぶやいてうつむくばかりでした。
ですが、本部にいた柴田という男はカヌリニがいない今、動かない人々を人質に取れば労せずして医師を手に入れられるのではないかと提案。
佐河はそれも手かと考え込みますが、家族がカヌリニになったところを見ていた間島はおそらくまだカヌリニは他にいることがわかっています。
とはいえそれをはっきり言うこともできず、カヌリニが1体だけとは限らないのではないか、とぼやけた意見を述べるだけにとどまりました。
根拠もないのになにを言っているんだといぶかしむ柴田ですが、意外にも佐河は目を輝かせてその発想はなかったと喜び、じゃあ試して見ようなどと言い出したのです!
早速庭にいる時の止まった人間にナイフを突きつける佐河。
カヌリニには登場してから殺意を持った人間に手を下すまで待っている時間があったことに目をつけ、うまく殺意をコントロールすれば姿を現させるだけでとどまるだろうと踏んだのです!
探り探り殺意を強めていく佐河。
ですがなかなかカヌリニは姿を現さず、いったん仕切りなおすか……と思った矢先に
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姿を現しました。
ですがその姿は非常に小さくか細いもの。
その弱弱しいカヌリニの姿をみた柴田は完全に余裕綽々。
思いっきりそのカヌリニを蹴飛ばしました!
反撃もしてこないカヌリニをわけない存在だと認識した柴田はそのまま時の止まった人を殺そうとナイフを付きたてようとすると、あの弱弱しいカヌリニが今度はすばやい動きとすさまじい力でナイフを持った腕をひねり上げてきます!
するとなんとカヌリニがもう一人(?)登場!
巨大な腕で柴田の顔を吹き飛ばしてしまいました!
そしてその吹っ飛んだ顔を
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更に巨大な、しかし半身しか持たないカヌリニが現れて握りつぶしたではないですか!!
あまりの急展開に目を奪われる佐河、何も知らずボーっとし続ける貴文。
そして間島は現れたカヌリニがまとった服などから
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自分の家族の気配を感じ取ったのでした……!

というわけで、カヌリニの謎がわずかながら明かされてきた今巻。
主人公といえる樹里と祖父以上に間島がこの物語の中心となってきました。
いまひとつ本当の目的の見えない佐河の怪しげな動向も含め、敵側の人物の動向が非常に気になるところです!
樹里と祖父が今巻はそれほど活躍せず、貴文がそれはもう見事なクズっぷりを披露していることもあり、いっそう敵方に目が行っちゃいます!
そしてもうひとつのストーリーの中心である翼と真。
この後は彼らの元にもとんでもない出来事が起こってしまい、物語は更なる急展開を迎えることに!
ますます先が気になってしまいますよ!!

静止した世界で謎と思惑が蠢く、「刻刻」第3巻は好評発売中です!
謎はいまだ多いながらも物語が進展し、激動の展開で終える今巻。
様々な要素に目が離せない、読ませるストーリーになっていますよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


刻刻(3) (モーニングKC)
講談社
2010-08-23
堀尾 省太

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