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本日紹介いたしますのはこちら、「怪獣のテイル」第1巻です。
集英社さんのヤングジャンプ・コミックス・ウルトラより刊行、ウルトラジャンプエッグにて連載されています。

作者はF4U先生。
F4U先生とその著作、「文化部をいくつか」の紹介は09年2月24日の記事にて紹介しておりますので、よろしければそちらもご覧ください。

さて、本作は突然現れた来訪者がトラブルを巻き起こすタイプの日常漫画です。
登場するのが美少女で、同居することになる……という黄金パターンを踏襲している本作ですが、その美少女の設定がちょっぴり変わったことになっているのです!

自分が特別でない、極普通の人間で極普通の日常を送り続けることに気付き、それを変えてくれる何かを待ち続けていた青年、マサキ。
彼が夜1人公園でたそがれていると、隕石のようなものが飛来してきました!!
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もしかしたら愛してやまない宇宙怪獣の類だったりして、と思ったマサキはおもわず「来たれ宇宙怪獣!世界に破滅を!!」などという中二的発言を口走ってしまいます。
するとその隕石らしきもの、突然ぐるりとUターン。
マサキのもとへと急降下してきたのです!!

恐る恐る近寄ると、
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本当に卵のような物体がクレーターの中心に鎮座ましましておりました。
こりゃもう間違いなく怪獣の卵だろうと擦り寄ると、早速ひび割れ始めるではないですか。
中から飛び出してきたのはやっぱり怪獣でした!!
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……女の子型の、ですが!!
登場するなりマサキを見て尻尾を振りながら「お父さん」と呼ぶ女の子。
家に連れ帰るわけにもいかず、とりあえず同じ怪獣好きの女性、カオリが店長を務める喫茶店を訪ねます。
最初は少女誘拐かと通報しようとするカオリですが、女の子のお尻に生える尻尾を見てようやっと怪獣であるらしいことを理解。
そして卵から生まれる動物にある刷り込み……生まれたはじめてみたものを親だと思う習性によって正樹を父だと認識したのだろうと予測しました。
預かって欲しいというお願いもあっさり却下され、結局正樹は自宅へとつれて帰ることになってしまうのでした。

親に見つからないよう女の子を自室へ連れ帰るマサキ。
一応怪獣図鑑で調べては見るものの載ってるはずもありません。
明日からどうしようと悩みながらも眠ってしまいます。
翌朝目が覚めると、女の子の姿はありません。
そうか夢なんだ、夢に違いないと言い聞かせて茶の間へと降りていくと、そこには両親と一緒に食事をしている女の子がいるではありませんか!
両親はどうやら女の子をマサキの彼女だと勘違いしているようで、それならその方向で誤魔化していこうとするマサキ。
ですがそんな思いも知らず、女の子はマサキがお父さんだとあっさりばらしてしまいます。
が、両親はそれを聞いてもまったく驚きません。
尻尾があることを教えても、母のご飯をおいしそうに食べる女の子なら娘だろうと尻尾があろうと気に入った、とすんなり受け入れてしまうのでした。
結局一番驚いたのはそんな両親の所業を見せ付けられたマサキだったわけです。
そんなマサキに対してマサキの父は、その子がマサキの子なら家においても良いが、親になる覚悟があるならまずは名前をつけろとだけ言いつけるのでした。

とりあえずカオリのもとへ相談に行くマサキ。
怪獣は好きだがこの子は尻尾以外まるで怪獣らしいところがないなどと嘆くマサキに、カオリはそれこそがこの怪獣の特殊能力なんじゃないかと指摘します。
生まれていきなり日本語を話したり、朝ごはんを普通に食べたりマサキ家にすぐ馴染んだりと、そういわれればそんな気もします。
相談中の今も熱心に怪獣のDVDを鑑賞中で、今は尻尾だけでもそのうち超進化するんじゃないか!そんな可能性すら漂ってきた
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……様な気がします。
無限の可能性を秘めた女の子を見つめるマサキ。
するといきなり女の子は振り返り、DVDの怪獣がしていた口から火炎噴射をやってみたいと言い出しました。
難しいがそのうちできるんじゃないか、とわりと無責任な返しをするマサキですが、女の子は無邪気に火を吐くまねをすると……
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でました。すごいのが。
コントのオチみたいになってしまったマサキ。
人に向かって火を吐いちゃいけない、と怒りつつ、まだまだ怪獣成分は尻尾だけで十分だという意味合いを込めて女の子に「テイル」と命名したのでした。
こうして始まったマサキとテイルの奇妙な親子関係。
テイルを欲しがるお金持ちの高飛車キャラ円や、幼馴染でマサキが好きだけど素直になれない王道的キャラのかなめなど、個性豊かなキャラが続々参戦しつつ展開していきます!!

という感じの日常ギャグ漫画となっている本作。
設定、性格共にはちゃめちゃなテイルを中心として物語は進むものの、ドタバタというよりは独特の味わいある雰囲気で進んでいきます。
生まれたばかりで何事に対しても好奇心満点なテイルの日常の他、恋愛要素やほんのりバトル風味も加わったりして、単なる日常におわらない起伏を作っているのです!
最後に収録されているエピソードではなにやら今後の展開を左右する謎のキャラが姿を現し、気になるところで終わっているのも憎いもんですよ!!
こういった作品でとりわけ重要視されるキャラ付けですが、こちらもバッチリ。
天真爛漫なテイルやツンデレを地で行くかなめは勿論、ワルいキャラになりがちな金持ちキャラの円も憎めない面白キャラですし、地味になりがちな眼鏡キャラのカオリも結構はっちゃけるいい味を出すキャラ。
だれをとっても嫌な人がいない、平和な感じのキャラ関係が心地良いんです!

単行本のおまけとして設定資料やカバー下本体に怪獣図鑑などを収録。
巻末のイラストなどには「文化部をいくつか」の生徒会長が出演し、テイルとの夢の(?)共演も果たされています!!

求めてやまなかった怪獣との共同生活が始まる「怪獣のテイル」第1巻は好評発売中です。
かわいらしい女性キャラによる萌え要素に、独特なシュールなギャグ、意外にも多くの謎を孕んでいる今後など、様々な要素が楽しめる本作。
エロスはあれども乳首券などはない無難な範囲、バイオレンスもほとんど皆無な平和さは万人が楽しめる作品となっています!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


怪獣のテイル 1 (ヤングジャンプコミックス・ウルトラ)
集英社
F4U

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