画像

本日紹介いたしますのはこちら、「闇夜に遊ぶな子供たち」第1巻です。
ぶんか社さんのぶんか社コミックスホラーMB6シリーズより刊行、隔月刊ホラーミステリーにて連載されています。

作者はうぐいす祥子先生。
うぐいす先生は2000年代中ごろから活躍されている漫画家です。
主にホラーMやミステリーボニータなどのホラー漫画誌などで活躍されています。
自費出版でいくつか単行本を発行されているようですが、商業単行本は今作が初めてのようです。

さて、本作は霊能力を持つ少女マコとその兄トシオが様々な怪異に遭遇するホラー漫画となっています。
心霊と言うよりは悪魔や呪術と言ったものをメインに取り扱う、おどろおどろしいムードが目を惹く作品です!

収録されているのはホラーMにて連載された第1~3話に加え、同人誌で発表された「虐殺者の王」の4編。
最初に収録されているのがその「虐殺者の王」なのですが、今回はそちらではなく第1話を紹介したいと思います。

両親が事故でなくなり、「童心館」という明治から続く児童養護施設に身を寄せることになったトシオとマコ。
入所する子供たちは歌で出迎えてくれ、担当らしい先生も優しく接してくれます。
ですがマコはいきなりこの館に何か良からぬものを感じ、
画像

大量の吐瀉物を吐き散らして倒れてしまうのでした。

うなされるマコを休ませ、トシオは1人で館内を案内されます。
そんな最中、歴史を感じさせる館内で正一と言うやつれきった少年に出会うトシオ。
夕食の際に正一はトシオの隣になるのですが、彼は食事に手をつけずもてあそぶばかり。
トシオは異様なものを感じますが、口には出せずに眺めることしか出来ないのでした。

消灯後、寝静まる館内。
尿意を感じて目が覚めたマコはトイレを探して彷徨い歩きます。
するとマコは「おばけさん」というなにか恐ろしいものを発見してしまい、踵を返して今度は兄を探し始めました。
その時トシオは寝室に響き渡るうめき声に気がついて目を覚ましますが、強烈な眠気が襲い再び眠りについてしまいます。
マコの叫びも、隣のベッドで
画像

腕から血を噴出している正一の様子も知らずに……

マコはその後先生と出会って無事(おもらしはしてしまいましたが)戻ります。
ですが翌朝トシオにここはへんだ、ここにいるのは普通の幽霊でなくもっとずるいヤツだと告げます。
それを聞いてここからすぐでたほうが良いのか問うトシオですが、マコは他の子が心配だともう少しここに居ることを決めるのでした。

トシオが部屋に戻ると正一が荷造りをしていました。
この養護施設の異常性に耐えられなくなり、ここを出て行く決意をしたのだそうです。
そして去り際正一はトシオに「夕食を食べるな」「夜は寝るな」とアドバイスをして去っていってしまいました。
が、その直後マコが部屋の隅を指してトシオの友人がいると言い出します。
目をやると
画像

先ほど出て行ったばかりのはずの正一が部屋の隅にたたずんでいるではないですか!
声をかけると何もいわず足早に歩き始める正一。
あわててそれを追うと、倉庫の片隅であゆみを止めていました。
近寄ると正一の姿は消えてしまいます。
そして彼が居た場所に壁が崩れた箇所があり、その破損場所に著名な錬金術師の本が埋め込まれていたのです。
更にその本に記載されていた著者の写真。
その顔がこの館内に飾られていた創立者の肖像画と同じものだったのです……

なにかこの館に胡散臭いものを感じたトシオは正一のアドバイスどおり夕食を取らず、消灯後も密かに隠していたマコとともにクローゼットの中で眠らず警戒を続けます。
すると室内に奇妙なモヤのようなものが立ち込め始め、眠っている子供たちの血を吸うではないですか!
もっと良く見ようとした拍子にクローゼットから飛び出してしまう二人。
するとモヤとともに血を吸っていたのは同じ顔をした複数の先生だったのです!!

おぞましい姿へと身を変え、二人を追いかける先生達。
無惨な姿になった正一の生首を見せ付けられ、
画像

完全に追いつめられてしまいます。
ですがその時突然背後の壁が蠢き、二人はその中に取り込まれてしまいました。
その先は部屋に通じており、そこにはピアノを弾く謎の人物がいます。
その人物は先ほどの本の著者、
画像

錬金術師フルカネリ!
彼は今まで100年以上この館で子供たちの血を吸っていたと言うのです!
そして二人に死を与えようとその強大な魔力を振りかざします!
絶体絶命の窮地、トシオとマコはいかにして脱出するのでしょうか!
そしてこの呪われた館に降りかかる運命とは!
物語はこのおぞましい事件から始まりを告げるのです!!


と言うわけで錬金術やら悪魔やらを積極的に取り扱う正統派でありながらひとひねり加えられている本作。
悪魔などがメインだけに、全体に漂っているムードは実にくらーい感じです。
そしてうぐいす先生のおどろおどろしい絵柄が更にその陰惨なムードに拍車をかけて、陰惨なムードがより増幅!
非常に強い「良い嫌な印象」を与えてくれます。
そして主人公の2人にきっちりと別個の役割が与えられており、本作を解りやすいものにしています。
トシオはとにかく用心深くも妹第一主義で舵取り役、マコは無邪気で無防備ながらも強烈な力を持っているうえ他人に優しい物語の先導役といった、強い個性はないながらしっかりしたキャラ立ちをしているのです!
更にホラーらしいというかなんといいますか、マコの汚れっぷりもかなり思い切ってます!
オゲゲーと吐きまくるわ白目むいて踊り狂うわお漏らしはするわ、もうなんか……すごいです!

とにかくおどろおどろしいムードが印象的な「闇夜に遊ぶな子供たち」第1巻は全国書店にて発売中です。
全編にただよう陰鬱としたムードに、周囲に振り回され続ける不幸な兄弟……ホラー好きならずとも興味を惹かれる事間違い無しですよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!


闇夜に遊ぶな子供たち (1) (ぶんか社コミックスホラーMシリーズ)
ぶんか社
うぐいす祥子

ユーザレビュー:
ホラー漫画期待の新星 ...
ホラーMに大好評連載 ...
正統派ホラー期待の新 ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る