画像

本日紹介いたしますのはこちら、「オールラウンダー廻」第3巻です。
講談社さんのイブニングKCより刊行、イブニングにて連載されています。

作者は遠藤浩輝先生。
本作の今までの紹介は「遠藤浩輝」のテーマにてまとめさせておりますので、そちらもよろしければご覧くださいませ。

第2巻では遂に初勝利をおさめた廻。
ラーニング能力の発現やお約束イベントを経験し、主人公らしさを増してきました!
同じジムのマキ初の総合の試合も開始。
先ずは打撃で優位に立つのですが、精神面で強い相手に根性で食らい付かれ寝技に持ち込まれてしまうのでした。

腕十字の体制に持ち込まれてしまったマキ。
あわやと言う場面にはなったものの、体を回転させて入れ替え、脱出に成功します。
これでまたスタンドに移行……すればよかったのですが、カッとなったマキはルールで禁止されているマウントでの打撃を出してしまいます。
といっても当てるつもりではなく威嚇目的の見せパンチなのですが、反則は反則。
減点3を与えられ、次にやったら失格とまで言い渡されてしまうのでした。
そんなところで第1ラウンドが終了。
マキは自分の蹴りが見切られたわけではない、と自信を持って戦うことを肝に銘じます。
相手もマキの蹴りは脅威に感じており、ガードし続けたとしても腕が利かなくなってくるだろうと早めに組み技への移行を狙っていました。
お互いの考えどおり、マキは蹴りを繰り出して相手はそれをガード。
確かな効果を実感したマキは続けてレバーを狙ったミドルキックを放ちます。
相手は対応しきれずバッチリクリーンヒットするミドル。
ですが相手は食らいながらも凄まじい根性で耐え、蹴り足を掴んで片足タックルのような状態でコーナーに押し込んできました!
コーナーに助けられたこともあってか、テイクダウンは免れるマキ。
そして相手の一瞬の隙を突き逆に首相撲の体勢に持ち込みます!
そのまま強烈な膝蹴りくりだし、見事に相手の腹を捕え、ダウンを奪うことに成功するのでした!!

しかし相手の根性は相当なもので、気迫漲る表情のままカウント4で立ち上がります。
ダウンを取り、ダメージ的にも優位に立ったはずのマキですが、ここで彼女の闘争心で上に立たれると下がってしまうと言う悪い癖が出てしまいました。
パンチの隙にタックルを決められ、瞬く間に引き込まれて足を刈られテイクダウン。
上をとられてあわてたマキは苦し紛れにうつぶせになってしまい、
画像

あっという間にスリーパー極められてしまったのです!

苦いデビュー戦となったマキ。
ショックは隠しきれず放心状態になってしまいますが、まりあに上手いこと操縦慰められ総合を続けることを決意するのでした。

そのころちょうどリング上では喬の試合が始まっていました。
両者ともストライカーということで、いきなり繰り広げられる打撃戦。
ですが完全なストライカーである対戦相手とは違い、喬は寝技も出来る……はずなのですが、タックルに行く様子はありません。
打撃の攻防の中相手は喬の蹴り足を捌き、軸足を刈って転がせることに成功。
そのままパウンドを振り下ろし……寸止め。
マウントパンチは反則ということで、減点を受ける相手。
ですがこれはマウントの打撃アリなプロの試合なら勝ってたよ!という挑発のようなもので、喬はこの挑発に静かな闘志を燃やします。
その結果として喬が取ったのは
画像

某末堂さんなどでもおなじみ三戦(さんちん)の構え!
伝統派空手の「型」であるところの三戦が実践に使えるのかといぶかしむ相手。
どっちにしろ初段をかわせば連打で勝負を決められる、と様子を窺います。
お互い様子を見合って……消極的と両者減点1。
このままでは減点が重なるだけで、相手は仕方なく自分から動きを見せました。
様子見のジャブを見せると左ストレートで反撃してくる喬。
それを相手はすばやくダッキングで避け、反撃のボディへの右フックを炸裂させます!
一瞬ひるむ喬にそのまま顔面へもう一撃右フックを放つ相手!
三戦の構えではフックの軌道は見えまいと絶対の自信を持ってパンチを振るう相手ですが、喬は左手を外側に開いてフックをガード!
そして
画像

必殺の右のショートアッパーを的確に顎に当て、一撃でノックダウンを奪うのでした!!

試合後、帰り支度をする廻の前に姿を現した喬。
彼は全日本をとってプロになったら階級を一つ上げると宣言し、そのまま姿を消しました。
つまりライト級で廻と喬が試合出来るのはアマチュアの間だけ。
廻は喬との勝負を、喬にどうやって勝つのかを考えながら、そして初勝利の喜びに思いを馳せながら帰宅するのです。

更なる実力アップに向けてトレーニングを積む廻。
裏の世界とも縁を切れずに思いをめぐらす喬。
2人の物語は更に加速していきます。
そしてその主軸となる二人の物語のほか、ジムの仲間達の物語も丁寧に描かれています。
5勝2敗2分と戦績自体はなかなかではあるものの、そのどれもが判定決着であることに悩んでいる……と言った、本作らしいリアルさを感じさせる設定を持ったキャラのストーリーも同時展開。
廻の成長過程に絡んでくる形で進んで行きますので、物語のテンポを崩すことなく自然に、それでいて印象深いドラマ運びとなっているのです!
また、期待の新女性キャラ桃子が登場し、どうしても男くさくなる格闘技漫画を華やかにしてくれます!
マキは性格がアレなので華やかとはちょっと違った感じになっていましたが、桃子は明るく天真爛漫。
お約束イベントも
画像

しっかり経験させられ、物語を明るくしてくれることでしょう!
本作の見所の一つでもあるリアルな技術の応酬も勿論健在で、試合だけでなく
画像

ギ(道衣)を着用しての柔術練習など、他作品ではなかなか見ることの出来ない格闘技ファン垂涎のシーンも満載です!


今回影薄めなもののきっちりと廻の成長を感じさせる「オールラウンダー廻」第3巻は好評発売中です!
着々と技術と体力をつけていく廻に加え、喬の持つ暗い背景、そして仲間達との切磋琢磨などなど、格闘面だけではない本作。
総合格闘技を知らない人でもわかる作りになっていますので、ジャンルで敬遠している人も呼んでみていただきたいものです!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!



そういえば帯の裏表紙側に「イブニング2010年2号の携帯アンケートで1位」って書いてあるんですけど、最近こういうアンケート明かしの煽り増えてきましたよね。
「バクマン。」あたりの影響で、絶対のタブーでは無くなって来たんでしょうか……?

オールラウンダー廻 3 (イブニングKC)
講談社
遠藤 浩輝

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ商品ポータルで情報を見る