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本日紹介いたしますのはこちら、「地獄堂霊界通信」第1巻です。
講談社さんのアフタヌーンKCより刊行、good!アフタヌーンにて連載されています。

作者は香月日輪、みもり両先生。
香月先生小説家で、代表作はやはり「地獄堂霊界通信」。
そのほかの著作でも幽霊、妖怪を取り扱ったものを多く発表しており、現在も精力的に活動されています。
みもり先生は様々な雑誌で活動されている漫画家です。
こちらは「ひぐらしのなく頃に 宵越し編」でご存知の方も多いのではないでしょうか。

さて、本作は94年から05年にかけて刊行されていた児童書、「地獄堂霊界通信」をコミック化したものです。
96年にOVA化、実写映画化をした本作ですが、意外にも漫画化は初となります!

主人公は地元では有名な「イタズラ大王三人悪」と呼ばれる三人の小学五年生。
腕っ節の強いてつし、すばしっこい良次、頭の切れる裕介の3人は、その日も中学生相手に大勝利を収めていました。
そんな時通りがかった古びた薬屋の極楽堂……通称「地獄堂」。
普段は薄気味の悪さにスルーするところですが、その日は知り合いの少女がその店へのお使いを頼まれたが怖くては入れないと困っていたため、気は進まないながらも代わりに用足しに入ることになったのでした。
中にはなんだか気持ち悪いものもたくさんありましたが、別にとって食われるようなこともなく少女の用足しを済ませます。
そしてついでに水晶玉で何でもわかってしまうと言う評判の店主に、ふと耳に入れた「ふたつ池に幽霊が出る」という噂が本当なのか聞いてみるのでした。
そして返ってきた答えは
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「池の傍の桜の木の下に女の死体が埋まっており、殺した男を恨んで化けて出る」と言うもの。
なんでそんなことまで解るのかと思わず聞き返すと、毎日その女がちょうど今頃この店に来る、との答え。
その話を聞くと臆病な良次は真っ先に逃げ去ってしまい、それを追う様に二人も慌てて店をあとにするのでした。

翌日、真相を明かそうと例の木の下を掘り起こす三人。
すると早速
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一本の骨が!
死体の発見と言う大手柄だと3人は喜び勇んで最寄の交番へと骨を持って走ります。
ところがその骨は犬用のおもちゃの骨で、いつものようなイタズラだろうとあっさり追い払われてしまうのでした。

三人はよくもだましたなと地獄堂に怒鳴り込みます。
ですが店主は見つからないためにもっと深いところに埋めてあるのだと反論。
更に地中で根っこに絡まっていて、子供達だけで掘り出すのは無理だともで言い放ちます。
ですがてつしは底までいうなら掘り出し方も知っているだろうと食い下がりました。
掘り出したいのは英雄になりたいからか、という店主からの問いに当たり前だと答えるてつし。
ですがそれだけではなく、殺された女がかわいそうだからだとも付け加えます。
それを聞いた店主は一枚のお札を取り出しました。
お札を日の沈む直前に桜の木に貼り付け、札を人差し指と中指で指しながら女を助けたいと念を送り、呪文を唱えろと告げる店主。
その呪文は
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不可解なものでしたが、てつしは一度で覚えたようです。
そして三人はいったん別れ、午後4時にふたつ池に集合することにするのでした。

時間を迎え、その場へと集まる三人。
てつしはその儀式を真剣そのものの表情でこなしていきます。
するとあたりからは怪音が響き、てつしのお札を指す指からは得体の知れない光がのびていきました。
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何かまではわからないものの、圧倒的な力を感じるてつし。
程なくすると、その力はなんと桜の木を粉砕してしまったのです!
衝撃に吹き飛ばされる3人が、その木があった場所をみるとそこにいたのは……!!
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と言うような正統派な物語が展開する本作。
子供達が主人公で、謎多き老人からアイテムやらの呪文やらを教えられて心霊がらみの事件を解決していく、と言う原作が児童書らしいストーリーとなっています。
だからと言って油断していると不意をつかれる、しっかりとしたホラー描写も内包!
少年漫画的な内容でありつつも、大人でも楽しめるホラー漫画となっているのです!
みもり先生のおどろおどろしさを感じさせる独特な絵柄もホラー成分的な部分にマッチしており、一層の恐怖を感じさせてくれることでしょう!
更に単行本おまけ要素として設定資料やカバー下の描き下ろしカットに作者コメントを収録。
その上香月先生特別書き下ろしショートストーリー、「廃墟の少女」も収録しての充実した一冊となっていますよ!

スタンダードながらしっかり怖い、「地獄堂霊界通信」第1巻は全国書店にて発売中です。
単純な霊の物語だけでなく、第1巻からいきなり人間怖いよね的な話も収録して大人向け要素もしっかりあります!
もとが児童書でしょ?と侮ってはいけませんよ!
さぁ、本屋さんに急ぎましょう!!


地獄堂霊界通信 1 (アフタヌーンKC)
講談社
香月 日輪 みもり

ユーザレビュー:
待望の漫画化!!もと ...
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